フッ素塗料の塗料図鑑　フッ素塗料の特徴・種類

フッ素塗料について

建築塗装で使われる主なフッ素塗料の特徴・性質・メーカー・塗料名を名古屋の塗装店小林塗装が分かりやすくまとめました。フッ素塗料を使って、外壁や屋根などの塗装工事を検討のお客様は、ぜひご覧ください。

フッ素塗料についての解説

4化フッ素架橋のイメージ図

フッ素系塗料（フッ素樹脂塗料）とは、現在流通・販売されている塗料の中で最も高い耐久性を持つ塗料です。フッ素樹脂塗料とも呼ばれます。

フッ素樹脂塗料は、一般的にポリウレタン樹脂＋溶剤＋炭素＋フッ素等の結合体で出来ています。

また、フッ素樹脂塗料の耐久性につきましては、汎用アクリル系塗料の約3～４倍程度あるので、塗装の変色や艶引け‥といった面でも、抜群の耐久性を持った長寿命の塗料と言えます。
また、フッ素樹脂塗料は、耐熱、耐寒性、耐薬品性、耐蝕性、（錆や腐食に対する抵抗する性質）非粘着性（汚れが弾かれやすい性質）、低摩耗性（汚れが滑り落ちやすい性質）、電気特性（電気を通しにくくする性質）、不燃性‥といった優れた物性を兼ね備えています。

フッ素の原料は、ホタル石という天然石で、フッ化カルシウム（CaF2）です。フッ素樹脂とは、フッ化カルシウムを原料とし、1,938年にアメリカのデュポン社が開発した樹脂の事です。
フッ素樹脂製品としては、鍋やフライパンのテフロン加工が有名です。
フッ素塗料の種類は、次の様な種類があります。

フッ素塗料の種類

水性1液型反応硬化フッ素樹脂塗料

希釈剤	臭い	施工性	色彩設計
水	少ない	☆	艶あり～艶消し

水性2液型反応硬化フッ素樹脂塗料

希釈剤	臭い	施工性	色彩設計
水	少ない	○	艶あり～艶消し

ターペン可溶1液型フッ素樹脂塗料

希釈剤	臭い	施工性	色彩設計
塗料シンナー	若干強い	◎	艶あり～３分艶

ターペン可溶2液型フッ素樹脂塗料

希釈剤	臭い	施工性	色彩設計
塗料シンナー	若干強い	○	艶あり～３分艶

強溶剤2液型フッ素樹脂塗料

希釈剤	臭い	施工性	色彩設計
専用シンナー	強い	△	艶あり～３分艶

他にも、各種弾性タイプ・遮熱タイプがあります。

以前は、フッ素樹脂の各種を言い表す際、「４フッ化」・「３フッ化」・「２フッ化」・「４．６フッ化」・「１フッ化」と使用する事もありましたが、現在では、それぞれ順にPTFE、PCTFE、PVDF、FEP、PVFと符号を使用する事が一般的になっています。

主なフッ素樹脂

PTFE（４フッ化）＝４フッ化エチレン樹脂
PFA＝（４フッ化）＝4フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂・4フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂
FEP（４．６フッ化）＝4フッ化エチレン・６フッ化プロピレン共重合樹脂
PVDF（２フッ化）＝フッ化ビニリデン樹脂
PCTFE（３フッ化）＝3フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂

フッ素塗料は、塗料の材料価格が高価のが難点（フッ素塗料の価格は、シリコン系塗料の2.5～3倍程度します。）。しかし、耐候性に関しましては非常に優れており、塗り替えが難しい橋梁や高層ビルで主に使われる事で、塗替え周期が長くなり、建造物のLCC（ライフサイクルコスト）を削減させる事に役立っています。また、滑雪機能も優れているので、積雪地域の屋根材のトップコートにも使われます。
最近では、一般住宅の塗り替え工事でも、ターペン可溶（塗料シンナーで溶かす）フッ素樹脂塗料（1液型及び2液型）等がちらほら、使用される様になってきています。

以前、フッ素樹脂塗料は、非粘着な性質を持つ塗料の為、次に塗り替える際も、フッ素塗料を使わなくてならないと言われている時期もありました。
しかし、最近ではプライマーやシーラーなどの下塗り塗料の性能が改良されているため、フッ素以外の塗料でも塗る事ができます。
但し、チョーキング（塗膜の白亜化）などの劣化現象が出る前にフッ素塗料を塗り替える場合は注意が必要です。
こういった場合は、既存の塗膜がまだ機能しているので、どんなに良い下塗り材を使っても、付着性が悪くなる事があります。

当店がおススメするフッ素塗料としましては、エスケー化研の「クリーンマイルドフッソ」、「クールタイトＦ」、日本ペイント「ファインDFセラミック」、トウペ「レベルフロン」、KFケミカル「セミフロンアクア」、「セミフロンマイルドⅡ」‥といったフッ素塗料がおススメです。
フッ素樹脂塗料の適用素地としては、鉄、アルミ、コンクリート、モルタル、スレート、サイディングボード、フレキシブルボード、ALC板等が挙げられます。フッ素塗料の期待耐用年数は、15年～20年程度です。です。