塗装は全ての部位・材質を同じ塗料で塗れば良いというものではありません。また作業工程においても、下塗りや上塗りで塗料を使い分けて塗装する必要があります。部位や材質ごとで正しい塗料を選ぶ事も、塗替えを成功させるポイントのひとつだと言えます。材質の欠点と塗料の特徴を見極めることがポイントです。
塗料下地用塗料の紹介

シーラーとは、塗装面と上塗り塗料との密着を良くし、下地素材への吸い込みムラ、 塗装ムラを防ぐ等の役割をします。新規、塗り替え、素地の状態など用途に応じて、適切な下塗り材を選択する必要があります。
また、フィラーとは、filler(埋める物、詰め物、充填材など)から由来される用語で、「下地の凹凸を埋め、下地を調整する」意味から“フィラー”と呼ばれます。
フィラーは、主にモルタル系外壁のヘアクラック(微細なひび割れ)補修、凸凹や段差のある素地を平滑に均す為や厚塗り(0.6~1.2kg/㎡程度)し、テクスチャー(模様)を付ける為に使われます。
現在では、シーラーとフィラー機能を兼ね備えた「微弾性フィラー」というものが、モルタル壁面の下塗り塗料として、主に使用されています。
また、最近では防水型の(JIS6021対応)微弾性フィラーも販売されています。但し、微弾性・弾性フィラーによる塗り替え工法は、脆弱な塗膜・素地が著しく劣化している場合は、シーラーの下塗りが必要になります。また、トップコートの選定も重要になってきます。
シーラーは、素地にシーラーを浸透させ、脆弱な素地の表面を固め、上塗り塗料(トップコート)の密着を良くする効果、上塗り塗料の吸い込み止め効果、アルカリの抑制効果等があります。ですから、窯業系サイディングボード類の下塗りに適しています。こちらも最近では、サイディングに厚塗り(0.2~0.4kg/㎡程度)が可能なサイディング専用サフェーサーが販売されています。
付着性
遮蔽性
防水性
ヤニ止め
浸透性
耐アルカリ性
防かび・防藻性
遮熱性
◆ 付着性
付着性とは、塗装対象物との接着性の事を言います。
下塗り塗料の付着力強さによって、塗装後の塗膜の剥離・膨れ等、重大な品質トラブルを防ぎます。
トップコートの耐久性等、塗膜の品質を大きく左右するものなので、高ければ高い程、良いと言えます。
◆ 遮蔽性
遮蔽性とは、素地の凸凹や傷を覆い隠す機能です。
塗装面が色斑・艶斑の無いシームレスな仕上がり感を作り出すのに必要な機能です。
遮蔽性に優れた下塗り材で下塗りを行う事により、トップコートの仕上がり感が大幅に向上します。
◆ 防水性
セメント系素材の場合は、経年劣化する事により、耐水性が低下する為、塗膜によって防水性を付ける事が必要になる場合があります。
防水性を確保する為の微弾性・弾性による下塗り材の選択方法は、素材・劣化具合・工法によって検討する必要があります。
◆ ヤニ止め
緻密な塗膜を形成するカチオン型アクリル樹脂によって、脂や灰汁の染み出しを抑制します。
天井や壁面に脂や灰汁が付着している場合、脂や灰汁の染み出しによる塗膜汚染を防止する必要があります。
◆ 浸透性
浸透性とは、含浸性とも言います。シーラーやプライマー等が素地に浸透していく機能の事を言います。
脆弱なコンクリート系、セメント系素地を補強する効果があります。
◆ 耐アルカリ性
耐アルカリ性とは、コンクリートやセメント等、強アルカリ性の素材に対する耐性の事を言います。
強アルカリの部分を耐アルカリの低い塗料で塗装すると、塗装が早期に変色し、剥離する重大な品質トラブルが生じます。
◆ 防かび・防藻性
防かび・防藻性とは、壁面や天井面に付着するカビや藻に対する抵抗力の事を言います。
◆ 遮熱性
遮熱性とは、太陽光中の約50%を占める赤外線領域の反射率の高い下塗り塗料を使用する事により、屋根や外壁等の表面の温度上昇を抑制する機能です。
サフェーサーやプライマーに遮熱性を持たせて、トップコートにも遮熱性のある塗料を塗装すれば、更に遮熱性を向上させる事が可能です。
条件を指定して塗料を絞り込む
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塗料のメーカー
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