ミストコート(みすとこーと)
意味:ミストコートとは、塗料を霧(ミスト)状にして、薄く・軽く吹き付ける塗装方法(工程)のことです。
特にメタリックエナメルなど、粒子(アルミフレークなど)の配列が仕上がりを左右する塗料では、最初から厚く吹くと「ムラ」や「流れ(タレ)」が出やすいため、まずミストコートで下地(塗面)を整え、その後に本吹きへつなげます。
ミストコート:霧状に薄く塗料を吹き付ける工程です。ムラ・タレ・粒子の乱れを抑えやすい。
例:「最初はミストで入れて、数分置いてから本吹き」
※現場では「捨て吹き」「薄吹き」などと呼ばれることもあります。
なぜミストコートが必要?(メタリック塗装が難しい理由)
メタリックエナメルは、塗膜中にアルミフレークなどの粒子が入っており、粒子の並び方で見え方が変わります。
一度に厚く吹くと、
- メタリックムラ:粒子の配列が乱れて濃淡が出る
- 流れ(タレ):塗料が重くなって垂れる
- 粒子の寄り:一部に粒子が溜まり、反射が不均一になる
といった不具合が起こりやすくなります。
そこで、最初にミストコートで上吹きの下地をつくることで、次の本吹きを安定させます。
ミストコートの一般的な流れ(現場の段取り)
ご提示の通り、メタリック系では次の流れがよく使われます。
- ① ミストコート:霧状に薄く、まばらに吹き付ける(厚くしない)
- ② 数分待つ:塗面を落ち着かせ、タレやムラが出にくい状態にする
- ③ 本吹き(ウェット):均一な膜厚で仕上げる
この「数分待つ」は、単なる休憩ではなく、仕上がりを安定させるための乾燥・溶剤抜けの時間です。
プロ視点:ミストコートの施工で意識するポイント
ミストコートは「薄く吹けばOK」ではなく、薄いからこそ条件のブレが出ます。現場では次を意識します。
- ガン距離とスピードを一定に:ムラの原因を作らない
- 風・湿度・気温を見る:乾き過ぎ/乾かな過ぎを避ける
- 次の本吹きで仕上げる前提:ミストだけで色を作ろうとしない
うまく入ると、次の本吹きで粒子が揃い、光沢も安定します。
逆に雑に入ると、後工程で直しづらい“下地ムラ”になります。
塗装用語「ミストコート」まとめ
ミストコートとは、塗料を霧状にして薄く吹き付ける工程のことです。
メタリックエナメルなどは一度に厚く吹くとムラやタレが起きやすいため、最初にミストコートで受け面を作り、数分後に本吹きで仕上げることで、均一で美しい塗膜を作りやすくなります。
メタリック塗装は、塗料の性能以上に「吹き方」で差が出ます。ミストコートは、その差が一番出やすい部分です。





