無釉薬瓦(むゆうやくかわら)
意味:無釉薬瓦(むゆうやくがわら)とは、表面に釉薬を掛けず、粘土をそのまま高温で焼き締めて仕上げる瓦のことです。
いわゆる「素焼き瓦」に近い仕上げで、土そのものの風合いや焼き色が特徴となります。
無釉薬瓦:釉薬を使用せず、粘土を焼き締めて作る瓦。
焼成条件や材料によって独特の色合い(窯変色)が生まれる。
※代表例:いぶし瓦・いぶし銀系瓦など
無釉薬瓦の作り方
無釉薬瓦は、粘土を成形したあと高温の窯で焼き上げることで作られます。
その際、粘土の段階で金属酸化物を練り込むことで、瓦の色合いを調整することがあります。
- 二酸化マンガン:黒系の色合いを出す
- 酸化第二鉄:赤茶系の色合いを出す
さらに、焼成時の窯の内部環境を酸化焼成や還元焼成などでコントロールすることで、瓦の色味や質感が変化します。
この焼成過程で生まれる独特の色変化を窯変(ようへん)と呼び、無釉薬瓦ならではの表情を作り出します。
無釉薬瓦の特徴
無釉薬瓦には、次のような特徴があります。
- 自然な風合い:土の質感や焼き色がそのまま現れます
- 落ち着いた色合い:日本建築に調和する色味です
- 経年変化:年月とともに味わいが深くなります
特に日本の和風住宅や寺社建築では、こうした自然な色合いが景観に調和するため、古くから広く使われています。
無釉薬瓦と釉薬瓦との違い
瓦には、表面にガラス質の釉薬を掛ける釉薬瓦というタイプもあります。
両者の違いは次の通りです。
- 無釉薬瓦:土の質感・焼き色を活かした自然な仕上がりです
- 釉薬瓦:ガラス質のコーティングで光沢や色の均一性が高いです
つまり、無釉薬瓦は自然な素材感を楽しむ瓦、釉薬瓦は色の安定性や光沢を重視した瓦といえます。
塗装メンテナンスの考え方
無釉薬瓦は焼き締めた陶器素材のため、基本的に塗装メンテナンスは必要ありません。
むしろ、
- 瓦の表面に塗装をする
- 撥水材を無理に塗る
といった施工は、本来の通気性や素材の特性を損なう場合もあるため注意が必要です。
屋根用語「無釉薬瓦」まとめ
無釉薬瓦とは、釉薬を使わず、粘土を焼き締めて仕上げる瓦のことです。
金属酸化物を練り込んだり、焼成時の酸化・還元をコントロールすることで、独特の窯変色が生まれます。
自然な風合いと耐久性を持つ、日本の伝統的な屋根材のひとつです。





