

遮熱塗料の効果・メリット・デメリット・遮熱効果を高める方法
屋根の塗装をする際、遮熱塗料を使うべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
遮熱塗料には屋根の温度上昇を防ぐ効果があり、屋根の塗装に使われることが多い人気の塗料です。
しかし、ネット上には「遮熱塗料は効果無い」という意見もあるため、「実際はどうなの?」と気になっているお客様もいるでしょう。
今回は、遮熱塗料の効果・メリット・デメリット・遮熱効果を高める方法などを「名古屋の塗装店」小林塗装が分かりやすくお伝えします。
屋根の遮熱塗装を検討しているお客様は、ぜひ参考にしてください。
1. 遮熱塗料とは?その原理と遮熱効果についてお伝えします。
遮熱塗料とは、建物を温める近赤外線である太陽光を反射させる塗料のことです。
外壁や屋根の表面温度は、室内温度の上昇に大きく影響します。
ですから、遮熱効果がある塗料を屋根や外壁に塗ることで、太陽の光や熱を反射させて、室内の温度上昇を抑制させます。
この様な遮熱塗料は、太陽光の中でも近赤外線と呼ばれる人が暖かさを感じる光を反射する機能を持っており、太陽光から発せられる近赤外線を反射することによって、屋根や外壁に熱が籠るのを防ぎます。
また、遮熱塗料は室内の温度管理に役立つことから、夏場エアコンの効果を上げる作用があり、省エネにも役立っています。
このような高日射反射率塗料(遮熱塗料)は発売から20年以上が経過し、近年では日本国内の出荷量は1万4千トン程度であり、建築塗料出荷量全体に対する遮熱塗料の比率は3%くらいです。
2. 遮熱塗料の効果による3つのメリット
遮熱塗料を使用するメリットは、以下の3つです。
- ・ 屋根の温度上昇を抑制することができる
- ・ ヒートアイランド現象を抑制することができる
- ・ 夏場のエアコン費用を削減することができる
それぞれのメリットを詳しくお伝えします。
遮熱塗料で屋根を塗装すると、屋根の表面温度を15〜20℃くらい低下させることが可能です。
こういったことから、屋根の温度上昇を抑制できれば、室内温度の上昇も抑えられます。
塗料によって多少の違いがありますが、真夏の日中でも室内温度を3~5度下げる効果(理論値であり、自測値ではありません)があります。
遮熱塗料によって屋根の温度上昇を抑制できれば、ヒートアイランド現象の抑制にも効果を発揮します。
ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周辺の気温よりも高くなる現象です。
建築物の高層化や高密度化が進むと、地表面からの放射冷却が弱まって熱がこもりやすくなります。
建物に蓄えられた熱は熱放射として外部に逃され、気温を上昇させる要因となりますが、遮熱塗料は建物に蓄えられた熱を抑制できるため、ヒートアイランド対策に役立ちます。
遮熱塗料によって屋根材の温度上昇を抑制すれば、室温の上昇も抑えられるため、エアコン費用を削減させることができます。
夏の日中に消費する電力の約半分はエアコンによる電力が原因とされています。
激しい日差しが照りつける猛暑日に、遮熱塗料によって室内の温度上昇を抑えられれば、エアコンの使用頻度も下がるため、電気代の節約が可能です。
室内温度が1℃下がるだけで約10%の電気代が削減できる(理論値であり、自測値ではありません)と言われているので、家計の負担を大幅に減らせるかと思います。
3. 遮熱塗料が効果を発揮する条件とは?
遮熱塗料がきちんと効果を発揮するのは、工場、倉庫、プレハブ小屋など、ある特定の条件下であることが前提とされています。
実は、ほとんどの遮熱塗料の検証データ試験は、そうした特定の条件下の結果でしかありません。
屋根に使われる遮熱塗料は、住宅でよく使われている「コロニアル屋根」や「セメント瓦」で検証するのが、分かりやすいかと思うのですが、屋根用の遮熱塗料の効果実験では、熱の吸収が激しく、遮熱塗料の効果が高い事を強調できるため鋼板がよく使われています。
ですから、遮熱塗料の効果実験の条件に注意しましょう。
一般住宅では工場の屋根と違って、屋根の下と天井の間に「断熱材」が入っています。
ですから、遮熱塗料の実験と条件が全く違うので、遮熱効果が発揮できるかと言いますと、それは違います。
さらに一般住宅は、あらかじめ住宅メーカーや設計士が暑さ対策を十分考えて設計されているので、屋根裏の空間に溜まった熱い空気は、通常軒天の換気口から排出されています。
遮熱塗料をおすすめする際には、遮熱効果に関する事実をまとめてメリットとデメリットをはっきりさせる必要があります。
確かに屋根の表面温度が低くなれば、室内温度は下がる理屈なのは分かります。
ただ、「遮熱塗料にものすごい効果がある」とは言えないので、半ばお客様を騙すような誇大広告は良くないと思います。
ですから、当店は遮熱塗料が持つ本当の効果を包み隠さずお伝えしてから、おすすめしています。
一般住宅で遮熱塗料を塗ると遮熱効果によって室内温度はどのくらい下がるのでしょうか?
各遮熱塗料メーカーのカタログには、劇的な効果を期待させるイメージ図やサーモグラフィーがあり、業者ホームページには「エアコンが要らなくなった!」というような施工事例があります。
しかし、それらが全くの嘘とは言いませんが、過度な期待を持たず冷静に判断する必要があります。
それでは、「本当のところ」はどうなのでしょうか?
塗装業界では、年に数回「塗装フェア」のようなイベントが全国各地で開催されています。
各塗料メーカーのブースでは、各メーカーが遮熱塗料の体験コーナーを設けていて、屋根に見立てた鉄板にスポットライトを当て、遮熱塗装したものと、一般塗装したものとで表面と裏面を触ってみることができます。
実際にその体験コーナーで触ってみると、本当に遮熱効果がありました。
しかし、冷静になって考えてみると、劇的な効果を発揮する「鉄板屋根」と、一般住宅で多く使われる「スレート屋根」では条件が違いすぎ、全く参考になりません。
4. 遮熱塗料の効果に対して「数値」、「体感」のどちらを重要視していますか?
先にもお伝えしましたが、一般住宅では遮熱による室内の温度低下は-2℃程度だと思われます。
なぜなら…一般住宅で遮熱塗料を塗った時では次のような条件が違うからです。
- ① 鉄板とスレートでは、熱伝導率・吸収率が違う
- ② 屋根裏の空間があり、屋根からの熱気が直接室内に入ることはない
- ③ 天井裏に断熱材が入っていて、天井裏の熱を断熱している
しかし、期待する効果を理解してさえいれば、ー2℃というのは十分納得できるほど体感でも、それなりに涼しく感じられる気がします。(気持ちが大切です。僕にはよくわからんけど)
さらに大切なのは、「劇的な遮熱効果!」などといった過大な期待をあおるような誇大広告に惑わされたり、期待しすぎたりしないことです。
遮熱塗料のJIS規格によると、遮熱効果による室内温度差は1.7~2.2℃くらいです。
遮熱塗料による遮熱効果を実証することは、かなり難しいです。
実際、遮熱塗料を使った一般住宅での確かな効果は、なかなか実証できていません。
なぜなら、実験データとしてではなく、全く同じ条件で「塗った場合」「塗っていない場合」を比較することが難しいからです。
平成20年9月20日付けで「経済産業省産業技術環境局産業基盤標準化推進室」から、一般塗料と遮熱塗料を同じタイプの建物で塗り分けた比較データが公表されました。
そして、その内容を要約すると下記のようなものでした。
気温が30℃を超えた室内気温上昇の記録での温度差は1.7~2.2℃でした。
エアコン稼働実験での電力削減結果は約7%でした。
しかし、あくまでも このJIS規格は「遮熱塗料の測定方法」を定めたもので、上記の効果は参考値でしかありません。
それでも将来的に「平成24年度エネルギー使用合理化基盤整備事業(塗料の省エネルギー性能評価方法調査)」などの公的機関が予算をとってしっかりとした基準が設けられれば、信頼できる塗料として遮熱塗料を多くのお客様に提案できるかと思います。
5. 遮熱塗料をおすすめするケースとは?
現在、遮熱塗料は「省エネ効果が抜群!」とか「エコ」などといったセールストークが氾濫しています。
しかし、遮熱塗料を選ぶ基準は、仕上がり感、遮熱効果、費用対効果といった3つのバランスだと思います。
もちろん、小林塗装でも遮熱塗料をおすすめすることはよくありますが遮熱塗料をおすすめする住まいには、ある一定の条件があります。
- ① 家族が集まるリビングが2階にあって、夏場非常に室内気温が上がる
- ② 屋根裏がない、吹き抜けタイプの斜め天井の場合
- ③ 価格差がそれほどないと思い、興味本位で塗ってみる
- ④ 体感気温が「-1.5~-2℃」でも満足できる
- ⑤ 屋根が金属材でできている
- ⑥「日差しの少ない無い曇りで、蒸し暑い日」は遮熱塗料の効果はほとんど0でも良い
当店では、こういった内容を予めお客様にちゃんとお伝えしています。
6. 遮熱塗料の効果でよくある誤解とは?遮熱塗料をおすすめするケースとは?
遮熱塗料は、「真夏で曇って、蒸し暑いという日は、遮熱効果が全く効果を感じられない。」という場合があります。
なぜなら、遮熱塗料はあくまで太陽の日差しを反射する事で「遮熱」する塗料なので、地面からの地熱や壁面や窓から伝わってくる輻射熱(ふくしゃねつ)には全く効果を発揮してくれません。
このようにどんな塗料にもデメリットはあります。
そこで、遮熱塗料の効果に対するデメリットや遮熱塗料の効果がないと言われる理由をまとめてみました。
遮熱塗料を塗装することによって生じる4つのデメリットをお伝えします。
遮熱塗料は、アクリル~無機まで様々なグレードがあり、性能はそれぞれ異なります。
アクリルなど耐用年数が短い塗料は性能が低く、フッ素、無機など耐用年数が高い塗料ほど性能が高いといえます。
遮熱塗料は塗装面がきれいなほど、その効果を発揮しますが、雨風などにさらされて塗装面が汚れてしまうと遮熱効果が低下してしまいます。
そのため、ホコリや砂などの塗装面の汚れは定期的に洗浄する必要があります。
遮熱塗料は遮熱効果がある分、一般的な塗料よりも費用が高くなってしまうデメリットがあります。
現在主流の外壁や屋根のシリコン、ラジカル塗料は1㎡あたり2,000~2300円くらいが相場ですが、遮熱塗料は2,300〜4,000円くらいが相場と言えます。
しかし、遮熱塗料は一般塗料よりも赤外線に対する耐久性が優れており、メンテナンスの手間を踏まえれば遮熱塗料の方がコストパフォーマンスは良いかもしれません。
遮熱塗料は定期的なメンテナンスをしなければ、十分な効果を得られません。
他の塗料と同様、耐用年数に応じて定期的な塗り替えが必要になるため、修繕コストが掛かります。
遮熱塗料には耐用年数が短いものも多く、短い期間で何度も塗り直しを行う必要があります。
そういった場合、多くの手間とコストが掛かってしまうのも、遮熱塗料のデメリットと言えます。
7. 遮熱塗料は効果がないと言われる理由とは?
遮熱塗料は効果がないと言われている理由をまとめてお伝えします。
遮熱塗料は外壁塗装にも使用する事ができますが、屋根塗装に使用した場合と比べて効果を感じにくい可能性が高いです。
外壁は時間帯や季節によって太陽光があたる箇所や角度が違うため、場合によってはほとんど外壁に光が当たらない場合があります。
そうした場合、遮熱塗料は本来の性能を発揮することができません。
また現在の戸建て住宅は、断熱材が多く使用されており、断熱材によって既に外からの熱を室内に伝えにくい性能を持っているので、そこに更に遮熱塗料の塗装を行っても、お客様自身の体感として感じにくいケースが多いです。
ただし西日が強く当たる場所やサッシの少ない場所では遮熱効果が実感できるかと思います。
遮熱塗料の遮熱効果の維持には定期的な塗り直しが必要です。
塗装してから年数が経って塗膜が劣化してきている場合には遮熱効果が落ちて「効果が無い」と思ってしまうかも知れません。
また、遮熱塗料の中には耐用年数が短いものもありますので、塗装した遮熱塗料の耐用年数に合わせて塗り直しを検討しましょう。
遮熱塗料は塗装の表面がきれいに保たれ、艶があるほど効果を発揮します。
そのため塗装の表面が汚れている場合には、遮熱効果が落ちる可能性があります。
塗装した職人の技術力が乏しく、塗装にムラがあり、塗膜が厚い部分や薄い部分がある場合には遮熱塗料の遮熱効果にもムラができてしまい、遮熱効果を感じられない可能性があります。
遮熱塗料は塗膜で光を反射することで熱を伝えない機能を持つ塗料です。
ですから、曇りの日に発揮する効果はゼロと言っても過言ではありません。
曇りの日には遮熱塗料は「効果が無い」と言えます。
遮熱塗料の効果は、屋根材や間取りによる要素が大きいです。
例えば、トタン屋根のような金属製の屋根材である場合には、熱伝導率が高いため遮熱塗料による効果が分かりやすいです。
またリビングが2階にあり屋根と近い場合などにも遮熱塗料による効果を実感しやすいです。
逆に住宅に使用されている屋根材や間取りによってはその効果が実感できず「効果が無い」と感じられてしまう場合もあるかも知れません。
これは当然のことですが、遮熱塗料には断熱効果はありません。
遮熱塗料の原理は、太陽光を反射して表面温度の上昇を防ぐことです。
そのため、外の熱を中に侵入することは防げても、中の熱を室内に閉じ込めることはできません。
遮熱塗料は熱の移動をコントロールできないため、快適な室温の維持は困難です。
なお、夏の暑さを懸念して遮熱塗料を検討されるお客様は多くいらっしゃいますが、その際「遮熱塗料は、冬は寒くなっちゃうの?」とよく質問されまが、冬の遮熱効果は非常に小さくなるため、室内の温度変化に及ぼす影響はほとんどありません。
遮熱塗料の耐久性と選び方
8. 遮熱塗料の効果を高める方法とは?
遮熱塗料の効果を高めるには、あらかじめ遮熱塗料の選び方を知っておく必要があります。
ここでは、遮熱効果を高める4つの方法をお伝えします。
日射反射率とは、太陽光に含まれる近赤外線を反射する率を示したものです。
日射反射率が高いほど遮熱効果と省エネ効果が期待できます。
日射反射率は塗料メーカーの遮熱塗料の色サンプル帳に表記されているので、選ぶ際にはチェックしておきましょう。
遮熱塗料は、日本塗料工業会によってJIS規格が定められています。
2017年11月、一般消費者にも分かりやすく遮熱塗料を理解して選んでもらうことを目的としたJIS K 5603「塗膜の熱性能-熱流計測法による日射吸収率の求め方」が制定されました。
遮熱塗料を試験に基づき、星1〜3つでランク付けを行っているため、日塗工ホームページで登録商品と遮熱性能を確認することができます。
星の数が多いほど遮熱性能が高い塗料と評価できます。
- ☆1つ=0.6〜0.8(=太陽光の熱の侵入が60〜80%)
- ☆2つ=0.4〜0.6(=太陽光の熱の侵入が40〜60%)
- ☆3つ=0〜0.4(=太陽光の熱の侵入が40%以下)
これらを一つの目安として参考にしつつ、評価の高い遮熱塗料を選びましょう。
遮熱塗装を選ぶときは、日光を反射しやすい明るい色を選びましょう。
明るい色ほど日光を反射しやすく、温度上昇を抑制する効果が高くなります。
熱反射率の最も高い色は「白」です。
しかし、日本の屋根で多く使われる明度の低い(濃い)領域で遮熱性能を発揮してこそ、遮熱塗料の価値が発揮されます。
塗料のカタログやパンフレットなどに各色の反射率が記載されているので、事前に確認しておきましょう。
遮熱塗料と一緒に断熱塗料を使用しましょう。
断熱シートとは、暑さの原因となる輻射熱を抑制する効果を持つ塗料です。
塗装することで比較的容易に断熱効果を得やすいため、遮熱塗料のデメリットをフォローすることができます。
9. 遮熱効果が期待できる おすすめ塗料
表面温度を下げる遮熱効果が期待できる おすすめ塗料をいくつか紹介します。
屋根用の遮熱塗料選びの参考にしてください。
サーモアイシリーズは、塗料シェア国内ナンバー1の日本ペイント株式会社が開発、販売している遮熱塗料シリーズです。
サーモアイシリーズは、上塗り、下塗りともに遮熱効果があり、上塗りの赤外線透過テクノロジーによって、下塗りの遮熱効果を発揮できます。屋根の表面温度を下げることで、屋根材の負担を軽減させ、夏場の住環境の改善にも効果的です。
クールタイトは、建造物の屋根に塗装することで、優れた遮熱効果を発揮する屋根専用の遮熱塗料です。
幅広い色相領域で夏期の熱暑を防ぎ、従来の屋根用塗料と比較して、屋根裏面温度を最大20℃低減させることができるので、室内の居住環境性向上、冷房費の節約に役立ちます。
クールタイトシリーズには、水性、弱溶剤の2種類があり、フッ素、シリコン、ウレタンが販売されています。
さらにクールタイトEL工法を用いることで、耐久性と遮音性を向上させることもできます。
クールタイトシリーズとは、別の「エスケープレミアム無機ルーフ遮熱」は、太陽光線の中で、近赤外線領域の光線を反射することで、優れた遮熱機能を発揮しつつ、弱溶剤形無機系超耐候性樹脂とラジカルコントロール技術の相乗効果により、超耐候性を発揮します。
アレスクールシリーズは、関西ペイントが販売している屋根専用の遮熱塗料です。
赤外線を反射させる特殊顔料が配合されており、屋根の温度上昇を抑える効果が期待できます。
アレスクールシリーズには、ウレタンタイプ、シリコンタイプ、フッ素タイプの塗料があり、用途や条件に応じて選ぶことができます。
アレスクールシリーズ専用の下塗りのシーラーやプライマーにも遮熱効果があり、上塗りと一緒に使うことで遮熱効果が高くなります。
また、アレスダイナミックシリーズのアレスダイナミックルーフ遮熱は、太陽の赤外線と紫外線をコントロールして屋根の表面温度の上昇を抑え、室内の快適さを保ちつつ素材の劣化を抑制して屋根を長期保護する効果もある遮熱塗料です。
アレスクールシリーズ、アレスダイナミックルーフ遮熱ともに遮熱効果の高さがひと目で分かるようにCOOLレベルが表示されています。
パラサーモシリーズは、航空機用塗料で培った独自の技術を持つ遮熱塗料です。
ラジカルの発生原因である紫外線の大半を高性能紫外線吸収剤で吸収し、すり抜けた微量の紫外線によって発生したラジカルは、光安定剤で捕捉して無害化する二段階のラジカル制御技術を組み込まれています。
屋根用遮熱塗料には、パラサーモF、パラサーモSi、パラサーモUなどの種類があります。
ナノルーフシリーズは、水谷ペイントが販売している屋根用塗料のシリーズで、ナノテクノロジーやラジカル制御技術、レオロジー制御技術などの最新技術を導入して開発されています。
耐用年数は10年、15年、20年の3種類があり、耐久性や塗膜の安定性、コストパフォーマンスのバランスに優れています。その中のナノルーフ遮熱+シリーズには、太陽光の赤外線(熱エネルギー)を効率良く反射させる特殊顔料を配合されています。
これによって、屋根材の表面温度を低減させ、涼しい生活環境を作ると共に冷房などの省エネ効果につながります。
シャネツロックシリーズは、太陽光中の熱の元となる近赤外線領域 を効率的に反射し、暑い日でも屋根面の温度上昇を抑え、快適な 居住環境を実現します。
また、室内温度上昇を抑制することで 夏季冷房消費電力が低減でき、省エネにも貢献します。
屋根用塗料には、シャネツロックルーフF(フッ素)とシャネツロックルーフSi(シリコン)がラインナップされています。
10. 遮熱塗料を使った屋根塗装の費用相場と耐用年数
屋根用遮熱塗料の費用相場と耐用年数をまとめました。
グレード | 遮熱塗料のグレード | 期待耐用年数 |
---|---|---|
シリコン グレード | 1,850~2,200円 | 8~10年 |
ラジカル グレード | 2,000~2,400円 | 10~15年 |
フッ素 グレード | 2,650~3,200円 | 15~18年 |
無機シリコン グレード | 2,700~3,200円 | 18~20年 |
無機フッ素 グレード | 3,000~4,200円 | 20年以上 |
11. 主な塗料メーカーと遮熱塗料名 一覧
建物の屋根塗装や外壁塗装に使われる代表的な国内の遮熱塗料のメーカーと塗料名をまとめました。
塗料メーカー | 用途 | 塗料 |
---|---|---|
アイカ | 屋根 | アイカリノペイントルーフ(屋根用) |
外壁 | ジョリパットフレッシュクール JQ-810(外壁用) | |
アトミクス | 屋根 | 遮熱メタセラシリコンI、遮熱メタセラシリコンII(屋根用) |
エスケー化研 | 屋根 | エスケープレミアム無機ルーフ遮熱、クールタイトF、クールタイトSi、クールタイト 水性クールタイトフッソ、水性クールタイトシリコン(屋根用) |
外壁 | 水性クールテクトF水性クールテクトSi、水性弾性クールテクトSi、クールテクトSi クールテクトF | |
オリエンタル塗料 | 屋根 | クールくんマイルド優雅、アクア遮ネックス、水性涼風 |
関西ペイント | 屋根 | アレスクール1液Si、アレスダイナミックルーフ遮熱、アレスクール2液F アレスクール2液Si |
外壁 | アレスクール水性F、アレスクール水性Si、アレスダイナミックTOP遮熱 アレスクールプラスウォール水性Si(外壁用) | |
菊水化学工業 | 屋根 | 水系ファインコートフッ素屋根用BMB、キクスイ SPパワーサーモ Si サーモファクトリーダブルワン、スーパー無機ガードZ遮熱 |
外壁 | 水系ファインコートシリコン遮熱、ロイヤルシリコン遮熱 水系ファインコートフッ素遮熱BMB、アドマクールペイント ロイヤル無機遮熱、ロイヤル無機α遮熱 水系スーパーUVコートクリヤーF、水系スーパーUVコートクリヤーSi | |
KFケミカル | 屋根 | セミフロンスーパールーフⅡ遮熱 |
外壁 | セミフロンスーパーアクアⅡ遮熱、セミフロンスーパーマイルドⅡ遮熱 | |
シーカジャパン | 屋根 | スーパーセランマイルドIR、ダイヤナチュラルシリコン Type2IR |
神東塗料 | 屋根 | サーモバリアマイルドF、サーモバリアマイルドSi(屋根用) |
スズカファイン | 屋根 (屋根外壁兼用含む) | ルーフバリア水性Si(遮熱色)、クールトップUスーパー クールトップSiスーパー、 1液ワイドルーフセラSi(遮熱色) 1液ワイドルーフセラF(遮熱色)、1液ワイドルーフセラ無機(遮熱色) ワイドルーフSi(遮熱色)、ワイドルーフF(遮熱色) ワイドルーフ無機(遮熱色)、(屋根用)1液ワイドウォールSi(遮熱色) 1液ワイドウォールF(遮熱色)、1液ワイドウォール無機(遮熱色) |
大同塗料 | 屋根 | ハイルーフ マイルドフッソ 遮熱型、ハイルーフ マイルドシリコン 遮熱型 水系ハイルーフ Si 遮熱型 屋根クールネオ ハイルーフ マイルドMUKI 遮熱型(屋根用) |
大日本塗料 | 屋根 | エコクールスマイルF、エコクールスマイルSi、エコクールスマイルU エコクールアクアF、エコクールアクアSi |
トウペ | 屋根 | トアスカイコートシャネツF、トアスカイコートシャネツSi トアスカイコートシャネツU、トアスカイコートシャネツW-HALS(屋根用) |
外壁 | レベルフロンプレミアム | |
日本特殊塗料 | 屋根 | パラサーモフッ素、パラサーモシリコン、パラサーモN、水性パラサーモNEO スーパーパラサーモシリコン、NTスラリー瓦用上塗遮熱 NTスラリー瓦用上塗シリコン遮熱 パラサーモU、パラサーモSi、パラサーモF |
外壁 | シルビア1液ハイブリッドセラ遮熱、水性パラサーモ、外壁用パラサーモ外壁用N パラサーモシリコン外壁用パラサーモフッ素外壁用、パラサーモ外壁用U パラサーモ外壁用Si、パラサーモ外壁用F | |
日本ペイント | 屋根 | サーモアイDF、サーモアイSi |
外壁 | ファインサーモアイウォールDF、ファインサーモアイウォールSi 水性サーモアイウォールF、水性サーモアイウォールSi | |
東日本塗料 | 屋根 | スーパートップ遮熱、ツインコートアクアHB遮熱 シートトップ200、遮熱シリコントップⅡ |
水谷ペイント | 屋根 | 快適サーモF、快適サーモSi、快適サーモWF、快適サーモWsi 快適サーモBIO、快適サーモWsi艶消し快適サーモWsi-RN ナノルーフ15遮熱+ナノルーフ20遮熱+ |
外壁 | ナノシリコンW | |
ロックペイント | 屋根 | シャネツロックルーフSi、シャネツロックルーフF |
外壁 | シャネツロック、シャネツロック外壁用 |
12. 小林塗装が遮熱塗料を使用した屋根塗装の施工例
建物の概要 | 屋根:カラーGL鋼板根 |
施工期間 | 1週間 |
使用した塗料 | ロックペイント「シャネツロック ルーフ F」屋根用高日射反射率塗料 |
屋根塗装の塗装色 | ブリックレッド |
カラーGL鋼板根塗装には、最高峰のフッ素樹脂を採用した屋根用遮熱塗料、ロックペイント「シャネツロック ルーフ F」を使用しました。
「シャネツロック ルーフ F」は、遮熱効果はもちろん、雨水によるセルフクリーニング効果で汚れを洗い流します。
また、高遮熱性 高耐候性・低汚染性、防藻、防カビ性に優れた効果を発揮し、キレイな屋根を保ちます。
屋根塗り替え後の色は、外壁の色と相性のいい「ブリックレッド」で塗り替えて動物病院らしい、かわいい雰囲気に塗り替えました。
お客様からは「かわいい色で屋根を塗り替えてもらって嬉しいです。夏は暑くて困っていたので遮熱塗料の効果が楽しみです。」と喜んで頂く事ができました。
13. 屋根塗装で遮熱塗料と一般塗料の費用差はどのくらいありますか?
施工価格は、実際はまちまちであるのは仕方がないことです。
「遮熱塗料」のような「旬の商品」は、価格の価値が浸透していません。
訪問販売営業をしている「大手」の塗装会社もその部類です。
しかし、だからと言っても「外壁+屋根で300万円のところ200万円です!」
そんな時代遅れでお客様を騙す営業スタイルには閉口させられます。
なぜなら、通常の塗料と遮熱塗料の差額は各グレードの1割から3割増しくらいです。
一般的に屋根塗装の費用は、20万円~40万円程度と言ったところです。
プラス2万円~8万円の追加料金で、通常の屋根塗料から、遮熱塗料に仕様変更できます。
10年で割ってみると…1年分で2千円~1万2千円。
「この金額をお客様がどう考えるか?」です。
ですから、いつも当店はお客様には「遮熱塗料がどのくらい効果があるか、試してみようかな?」とお客様が思うことができるようでしたら
「遮熱塗料をおすすめします。」などといったニュアンスでお伝えします。
14. 遮熱塗料の効果・メリット・デメリット・遮熱効果を高める方法 まとめ
遮熱塗料で塗装したのに「効果がない」と感じてしまう理由やメリット・デメリット・遮熱効果を高める方法などについてお伝えしました。
遮熱塗料は通常塗料に比べて塗装する掛かる費用が高いため、本当に効果があるの?
と疑って、遮熱塗料での屋根塗装をためらわれるお客様もいるかと思います。
遮熱塗料は、確かに屋根の表面温度を下げる効果がありますが、遮熱塗料の体感をしっかりと感じられるにはある一定の条件があります。
お客様の住まいが遮熱塗料で塗装するのに向いているのか、効果を感じられるような条件が揃っているかなどについて迷っている場合やお客様が満足できる工事を行うためには、地元で信頼できそうな塗装業者に相談して最適な塗料について提案してもらうのも一つの方法です。
外壁塗装 施工に関するよくある質問・相談まとめ
遮熱塗料を使用した塗装工事なら、小林塗装にお任せください
小林塗装では遮熱塗料を使用した塗装工事を数多く行っています。
屋根や外壁塗装に関する相談は無料なので、お気軽に相談ください。

コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
名古屋市周辺で耐用年数が長い、品質本位な外壁塗装を検討中のお客様は、「名古屋の塗装店」小林塗装にお任せください。
外壁の種類や状態に合わせた、汚れづらく長持ちする塗料を使用した丁寧な外壁塗装を行っています。
外壁塗装の提案と見積りはもちろん無料です。お気軽に相談ください。
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