外壁塗装で気泡やピンホールを発生させない為には?
塗装工事を行う際、外壁や屋根に塗料を塗布する工程では、仕上がりを左右するさまざまな注意点があります。その中でも特に注意が必要なのが、塗装面に発生するピンホール(=巣穴)や気泡(=泡)といった不具合です。
これらのピンホールや気泡は、正しい塗装方法や適切な施工管理が行われていれば、通常はあまり発生しません。しかし、下地の状態が不十分だったり、塗装中の温度・湿度管理が甘かったり、塗料の撹拌や塗り重ねのタイミングが適切でない場合には、意外と簡単にピンホールが発生してしまいます。
一見すると小さな穴や泡に見えるかもしれませんが、このような不具合が塗膜の中に残ると、外壁や屋根を保護する性能が大きく損なわれます。その結果、本来の耐久性が発揮されず、せっかく高い費用をかけて塗り替えをしても、数年で劣化が目立つなど、当初期待した効果を得られなくなってしまいます。
このコラムでは、塗装面に発生するピンホールや気泡の原因や対策について、これまで数多くの施工を手がけてきた「名古屋の塗装店」小林塗装が詳しく説明します。
塗装工事を検討中で、ピンホールが少ないワンランク上の高品質な仕上がりをお求めのお客様は、ぜひ参考にしていただければと思います。
1. 外壁塗装の塗膜にできたピンホールや気泡は不具合です。

塗装工事が終わったあとに起きる不具合の一つとして、塗膜に気泡が生じて膨らんでしまったり、その気泡がつぶれて直径1㎜から3㎜程度の小さな穴、いわゆるピンホールが発生したりすることがあります。
こうした塗装表面にできた気泡やピンホールは、見た目を悪くするだけでなく、塗膜全体にダメージを与え、性能を低下させてしまう恐れがあります。そのため、もし見つけた場合は早めに手直しや補修を行う必要があります。
また、お客様ご自身が気泡やピンホールに気づかれた際には、まずは塗装を施工した業者に連絡をして、どのような原因で不具合が発生したのかを丁寧に調べてもらい、適切な補修をきちんとしてもらうことがとても大切です。
1-2 ピンホールや気泡がある外壁塗装は、塗装の性能が低下しています。
塗装は、外壁材や屋根材の表面を保護するための「鎧」のような役割を持っています。
もし、その鎧に不具合があれば、単に見た目が悪くなるだけでは済まず、塗装に本来期待される耐候性、耐汚染性、防水性などの重要な性能が十分に発揮されない状態になってしまいます。
その結果、本来なら10年、15年と持つはずだった外壁塗装が、予想よりもずっと早く劣化し、塗膜の剥がれやひび割れなどが発生するリスクが高まります。
さらに塗膜の劣化が進行すると、塗膜表面だけでなく、その下の外壁材の内部にまで雨水が染み込むようになり、最終的には外壁材の裏側や、さらに奥にある建物本体の構造部分にまでダメージが及ぶことも考えられます。
こういった理由からも、気泡やピンホールが発生した状態を「大したことはないだろう」と放置するのはおすすめできません。
早めに適切な対処をすることで、大きなトラブルや修繕費用の増加を防ぎ、安心して長く住まいを守ることにつながります。

2. 外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因
塗装面のピンホールや気泡は、様々な原因で発生しますが、塗装に気泡やピンホールが発生する原因とその対応策を分かりやすくお伝えします。
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因1. 適当な高圧洗浄作業

塗装に適した状態にするため、まず初めに行われる作業は高圧洗浄機を使った高圧洗浄作業です。
塗装する前の外壁や屋根の表面には、ホコリ、砂塵、カビ、藻、油分、チョーキングした塗装、塩分など塗料の密着を阻害する汚れ(不純物)が多く付着しています。
表面にこれらの汚れが残っていると、いくら高価な塗料で塗装しても、不純物で阻害され、塗料が十分に密着できず、塗装が浮いてしまったり、塗装の見栄えが著しく悪くなったりします。
また、塗膜が浮いた箇所や塗料の中に汚れである不純物が混入した場合は、塗装後に気泡や穴が発生する可能性が高くなってしまいます。
そんな不具合を防ぐには表面に付着している不純物は、強力な水圧できれいに洗い落としておかなければいけません。
高圧洗浄作業では大量の水で建物の表面をしっかり洗い流す必要があるので、数時間程度では、塗装面は乾きません。
ですから、高圧洗浄作業を行った後は、1日~2日の乾燥時間を設けてしっかり表面を乾燥させる必要があります。
なぜなら、塗装する部分の表面に余分な水分が残っていると、塗料はしっかり密着せず、塗料本来の機能を発揮させることができなくなるからです。
また、高圧洗浄以外にも外壁表面に水が付いてしまうことはたくさんあります。
例えば、塗装工事前に雨や雪が降ったり夜中に露が降りた場合などがあります。
このように表面が濡れている場合は、乾くまで塗装作業は行うことができません。
表面が十分乾燥しない状態で塗装すると、塗装後に躯体内部に溜まった湿気が昇ってきて、ピンホールや膨れが生じる恐れがあります。
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因2. 下地調整の不足

上記でお伝えした高圧洗浄作業だけでは、塗装面に付いた全ての汚れや錆を取り除くことができない場合、手作業で塗装面の劣化症状や素材の種類に合わせてキレイに取り除く必要があります。
塗装面に不規則な凹凸があると、その部分に空気が入り込みやすくなってしまい、ピンホールや気泡が発生しやすくなります。
ですから、塗装面の鉄部が錆びている場合、皮スキ、ワイヤーブラシ、サンドペーパーを使って錆をしっかり取り除く必要があります。
このような塗装下地をキレイに整える作業を「ケレン作業」と言います。
ケレン作業は、脆弱な塗膜がある塗装面、錆が多い塗装面、密着しづらい塗装面を塗装に適した状態にする重要な作業です。
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因3. 外壁補修の不足

外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因として、外壁補修の不足も挙げられます。
塗装面に髪の毛の細さ程度のひび割れ「ヘアクラック」や「亀甲クラック」が起きていれば、ひび割れ部分をフィラーなどの下地材を刷り込んで凹凸を平滑にします。
なお、クラック幅0.3mm以上で深さが4mm以上の深いひび割れである「構造クラック」ができている外壁は、電動工具で割れを削って樹脂で塞ぐ、Uカット工法による処理が行われます。
適切な下地処理や補修を塗装する前に行うことで、塗料がキレイに塗れる状態できるようになります。
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因4. 乾燥時間が守られていない
一般的な塗装工事では、作業工程の中で必ず2回の乾燥インターバル(塗装の合間に乾燥させる時間)が発生します。
まず1回目の乾燥インターバルは、塗装前の下地処理として行う高圧洗浄の工程で、洗浄後の外壁や屋根の表面に残った水分をしっかりと乾かすための時間です。
ここで十分に乾燥させることで、塗料の密着性が高まり、仕上がりの耐久性が向上します。
2回目の乾燥インターバルは、実際に塗料を重ね塗りする際に、それぞれの塗膜を一層ずつ確実に乾燥させる工程です。
外壁塗装では、下地の状態や当日の天候、気温、湿度などを見極めて、「下塗り塗料」と、仕上げ用の「上塗り塗料」を適切に選び分けて施工を進めます。
一般的に塗替え工事では、まず下地を補強する「下塗り」を行い、その上に美観と保護を兼ねた「中塗り」「上塗り」を重ねる、合計3回塗りが基本の工程です。この3回塗りによって塗膜が適切な厚みと均一性を持ち、耐候性・耐久性・防水性に優れた丈夫な仕上がりが実現します。それぞれの工程で塗料をきちんと乾かすことは、長持ちする塗装に欠かせない大切なステップです。
もし、下塗りや中塗りの塗膜がまだ十分に乾いていない状態で次の塗料を塗り重ねてしまうと、塗料がきちんと乾燥硬化せず、塗膜内部に気泡が発生しやすくなります。
こうした不具合は、見た目だけでなく塗装の性能や耐久性を損なう原因にもつながりますので、乾燥時間をしっかり守ることがとても大切です。
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因5. 極端な厚塗り
1回の塗装工程で必要以上に塗料を厚く塗りすぎてしまうと、表面だけが先に乾燥し、内部は乾燥が進んでいない状態、いわゆる「中膿み」と呼ばれる現象が起こることがあります。
この状態になると、後から塗膜内部に含まれた揮発成分や水分が抜け出す際に気泡が発生しやすくなり、ピンホールや塗膜の浮き、割れなどの不具合が生じる原因になります。
こうしたトラブルを防ぐためにも、塗料はメーカーごとに推奨されている「1回あたりの適正な塗布量」をしっかり守ることがとても重要です。規定の量を超えて塗布すると、仕上がりの見た目だけでなく、塗装本来の性能や耐久性にも大きな影響を与えてしまいます。
また、気温が高い真夏や直射日光が強い環境下では、塗膜表面が急激に乾燥してしまい、塗膜内部との乾燥速度に差が出ることで気泡やピンホールだけでなく、塗膜が縮んでシワのようになる「縮み」と呼ばれる不具合が起こることもあります。
このように、正しい塗布量や作業環境の管理を徹底することが、美しく長持ちする塗装を実現するために欠かせないポイントです。
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因6. 塗料の希釈(薄め方)ミス

基本的に塗装工事では、塗料をそのまま使用するのではなく、シンナーや水などで適切に希釈してから使用するのが一般的です。
それぞれの塗料には、塗りやすさや仕上がりの性能を保つためにメーカーが定めたシンナーや水の希釈量がきちんと規定されています。
この希釈量がもし規定よりも少なすぎたり、反対に多すぎたりすると、塗料の粘度や乾燥スピードが変わってしまい、仕上げた塗膜に気泡やピンホールが発生しやすくなります。
また、適正な希釈が行われていない場合、塗装面にムラができたり、塗膜が極端に薄くなったりするなど、耐久性や防水性にも大きく影響してしまいます。
こうした不具合を防ぐためにも、塗料の特性を理解して規定の希釈量をきちんと守ることが品質の高い外壁塗装には欠かせません。
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因7. ローラー塗装の不手際

現在、戸建住宅や建物の外壁塗装においてはローラーを使用した塗装工事が主流になっています。
その理由は、吹付塗装と比べると塗料が飛散するリスクが圧倒的に少なく、周囲に塗料が付着してしまうトラブルもほとんどないためです。また、塗料の無駄が少なく、材料ロスが抑えられるのでコスト面や環境負荷の点でも優れた塗装方法だと言えます。
その一方でローラー塗装は手軽に見えて、実際にはさまざまな注意が必要です。特に、使用するローラーの毛の長さや材質が適切でない場合、表面に凹凸の多い外壁では塗料が奥まで行き渡らず、塗り残しや空隙ができてしまうことがあります。
例えば、リシン吹付け仕上げやスタッコ吹付け仕上げのモルタル壁、立体感のあるデザインが特徴の窯業系サイディングなどは、複雑な凹凸が多いため、通常のローラーでは隙間にしっかり塗料が入らず、部分的に塗膜が薄くなることも珍しくありません。
このような理由から、ローラー塗装では、塗装面の素材や模様、塗料の特性、仕上がりの質感、作業性を総合的に判断し、最適なローラーを選定することがとても重要です。
また、ローラーを使って塗装する際には、作業スピードにも注意が必要です。極端に早くローラーを転がしてしまうと、周囲に塗料が飛び散るだけでなく、塗料の中に空気が混ざり込みやすくなり、気泡が発生するリスクが高まります。
さらに、ローラーを塗る面にきちんと密着させずに浮かせた状態で塗装を続けてしまうと、気泡やピンホールが発生するだけでなく、塗りムラや塗り残しも出やすくなります。
そのため、ローラー塗装を行うときは、一定の力をしっかりと加えながら、塗布面を意識して丁寧に転がすことが大切です。
(こうしたポイントをすべてきちんと押さえて作業するとなると、意外とローラー塗装は奥が深く、難しい作業かもしれません。)
外壁塗装にピンホールや気泡が発生する原因8. 吹付け塗装の不手際

吹付けリシンや吹付けスタッコは、専用の吹付ガンで吹き付けてテクスチャーを作ります。
しかし、吹付け塗材に余分なエアーが混入していたり、コンプレッサー(吹付機)の圧力調整が間違っていたりすると、壁面にエアーまで吹き付けてしまい、塗膜の中に気泡を残したまま塗料が乾燥してしまうことがあり、それによってピンホールが発生しやすくなります。
ですから、吹付塗装する際には、材料の攪拌と、コンプレッサーの圧力調整を慎重に行う必要があります。
3. 外壁塗装でピンホールや気泡を発生させないために知っておくこと まとめ

一般のお客様にとっては、塗装面にできる小さな気泡やピンホールは、一見すると「これくらい大丈夫だろう」と思えるような、ささいな現象に感じてしまうかもしれません。
しかし、実際にはこうした気泡やピンホールは、塗装本来の性能や耐久性を低下させる原因となり得る重大な不具合です。わずかな隙間から水分が浸入することで、塗膜の剥がれや膨れが発生し、最終的には外壁材そのものの劣化を早めてしまう可能性もありえます。
また、正しい知識と手順に基づいて丁寧に施工された塗装であれば、気泡が大量に発生したり、目で見てすぐ分かるようなピンホールが多数できたりすることはほとんどありません。
ですから、外壁塗装を依頼する際には、一つひとつの作業の意味を理解して、適切な材料選びから施工手順までをきちんと守ってくれる、信頼できる業者を選ぶことが何よりも大切です。
さらに、万が一施工後に気泡やピンホールが発生してしまった場合でも、きちんと原因を調べて迅速に補修対応をしてくれるような、誠実で良心的な塗装業者を選ぶと安心です。
そうすることで、仕上がりの美しさだけでなく、住まいをしっかり守る塗膜の耐久性を長く維持することができます。
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コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、コラム「外壁塗装のピンホールについて」の筆者で、名古屋を中心に「塗装工事の専門店」としてこれまで数多くの現場に携わり、長年に亘って培ってきた豊富な知識と経験を大切にしてきました。
当店のホームページでは、そうした多く経験の積み重ねから得た確かな技術やノウハウを、外壁・屋根・室内など塗装を検討されている一般のお客様に分かりやすくお伝えできるよう、コラムというカタチで発信しています。
塗装工事は、多くのお客様にとって一生のうちに何度も経験することではなく、「どの塗料を選べば安心なのだろう?」「そもそも何年くらいで塗り替えるのがいいの?」といった疑問や不安が尽きないものだと思います。
だからこそ、自分自身が専門家としての知識を惜しみなく共有しながら、どなたにも気軽に読んでいただける言葉で、少しでも安心や納得につながる情報をお届けすることを心掛けています。
これからも初めて塗装工事を検討される方はもちろん、ちょっとした疑問を感じている方にも、肩ひじ張らずに読んでもらえる情報を発信し続け、住まいに寄り添う塗装の専門家としてお役に立てたら嬉しいです。
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