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屋根の雨漏り 8つの原因となる部分

屋根の雨漏りというと、ドラマや映画の中の出来事のように感じられるかもしれません。
普段の暮らしの中では、実際に経験する機会はそれほど多くないため、「うちはまだ大丈夫」と思われる方も多いと思います。

ですが、いざ雨漏りが起きてしまうと、生活への影響は想像以上に大変です。
天井にシミができたり、壁紙が浮いたりするだけでなく、屋根の下地や建物内部にまで傷みが広がってしまうこともあります。だからこそ、早めに原因を知っておくことがとても大切です。

今回は、雨漏りでお悩みのお客様や屋根塗装を検討中のお客様に向けて、屋根の雨漏りの原因となりやすい部分を詳しくお伝えします。
住まいを長く安心して守っていくために、ぜひ最後までご覧ください。

1. 実際に屋根で雨漏りしやすい部分とは?

屋根の雨漏り イメージ

屋根の雨漏りというと、屋根の広い面全体から水が入ってくるような印象を持たれる方もいらっしゃいますが、実際には屋根の中央の平らな面から雨漏りするケースはそれほど多くありません。

むしろ雨漏りが起こりやすいのは、屋根材どうしの取り合い部分や、棟、壁との境目、板金まわりなど、構造が複雑になっている部分です。 そうした部分から入り込んだ雨水が、天井裏の下地材や柱をつたって流れ、実際の浸入箇所とは離れた場所に雨染みとして現れることも少なくありません。

そのため、室内の天井の真ん中あたりにシミができていたとしても、必ずしもその真上が原因とは限りません。
雨漏り調査では、「シミがある場所」と「実際に雨水が入っている場所」が違うという前提で確認することがとても大切です。

それでは次に、実際に屋根で雨漏りが発生しやすい代表的な部分について、分かりやすく具体的にお伝えしていきます。

2. 屋根でよく雨漏りする部分1 谷樋

谷樋(たにどい)とは、屋根と屋根が合わさってできる谷状の部分に取り付けられている排水部材のことです。
屋根に降った雨水を集めて流す役割があり、屋根全体の中でも特に大量の雨水が集中しやすい重要な箇所です。

たとえば、大雨の日に道路の水が一か所へ集まって流れていくように、屋根の雨水も谷樋に向かって集まります。つまり谷樋は、屋根の中でも負担がかかりやすい場所です。
雨水が多く流れるだけでなく、風で飛ばされてきた落ち葉、砂ぼこり、小枝なども溜まりやすいため、排水不良を起こしやすいのが特徴です。

こうした状態が続くと、谷樋の内部に水分や汚れが残りやすくなり、金属部分の腐食や穴あきにつながることがあります。
特に昔の屋根で使われていることの多いトタン製や銅板製の谷樋は、経年劣化によって傷みが進みやすく、気づかないうちに雨漏りの原因になっているケースも少なくありません。

また、谷樋は材料の劣化だけでなく、施工時の納まりも雨漏りに大きく関わります。
板金の重なりが不十分だったり、谷樋まわりの防水紙(ルーフィング)の施工が甘かったりすると、一見きれいに見えても、雨水が内部へ入り込んでしまうことがあります。
特に強風を伴う雨や横殴りの雨のときにだけ雨漏りする場合は、このような見えにくい不具合が隠れていることもあります。

実際の現場でも、室内にできた雨染みの原因をたどっていくと、谷樋の劣化や詰まり、穴あきが見つかることは珍しくありません。
しかもやっかいなのは、雨漏りしている場所と、室内にシミが出る場所が一致しないことです。
谷樋から入った雨水が、野地板や下地、柱などを伝って別の場所に現れるため、表面だけ見て原因を判断すると見誤ることがあります。

谷樋部分から雨漏りしている場合は、傷みの程度に応じて、シーリングによる一時的な補修、板金の差し替え、谷樋全体の交換などの対応が必要です。
ただし、すでに下地材まで傷んでいる場合は、表面的な補修だけでは再発することもあります。ですから、その場しのぎの補修ではなく、原因を見極めたうえで適切に直すことがとても大切です。

谷樋は、普段は下から見えにくい場所ですが、屋根の雨仕舞いを支えるとても大切な部分です。
屋根塗装や屋根点検を行う際には、塗膜の傷みだけでなく、谷樋の腐食・詰まり・板金の浮きまでしっかり確認しておくことが住まいを長く守るうえで安心につながります。

3. 屋根でよく雨漏りする部分2 パラペット笠木

パラペット笠木とは、屋上や陸屋根(ろくやね)、または箱型の外観をした住宅でよく見られる、立ち上がった壁(パラペット)の最上部に取り付けられている仕上げ材のことです。
近年のデザイナーズハウスやモダンな住宅ではよく採用されており、見た目をすっきり整える役割とあわせて、壁の天端から雨水が入り込むのを防ぐ大切な役目も担っています。

一見するとシンプルな部材に見えますが、実はこのパラペット笠木まわりは、雨漏りが起こりやすい要注意箇所のひとつです。
なぜなら、笠木は金属部材の継ぎ目や固定ビスまわり、壁との取り合い部分など、細かな接合部が多く、そこに防水上の弱点が生じやすいからです。

特に以前の施工では、笠木の継ぎ目や壁との隙間の防水処理を、シーリング材に大きく頼っているケースも少なくありませんでした。
しかし、シーリングは紫外線や風雨の影響によって、年数の経過とともに硬化・ひび割れ・剥離が起こります。
すると、そのわずかな隙間から雨水が笠木の内部へ入り込み、気づかないうちに下地や金属部材の裏側を傷めてしまうことがあります。

さらにやっかいなのは、パラペット笠木内部では雨水の浸入だけでなく、結露による腐食が起こることもある点です。
金属板の裏側は普段見えないため、表面はきれいに見えていても、内部では腐食が進行し、穴あきや固定力の低下が起きていることがあります。
こうなると、単なるシーリングの打ち替えだけでは十分でない場合もあり、見た目以上に深刻な傷みへ発展しているケースも珍しくありません。

また、ビスの浮きや緩み、笠木自体のわずかな変形によっても、雨仕舞い(あまじまい)が悪くなり、強風を伴う雨のときに内部へ水が吹き込むことがあります。
室内に雨染みが出てから初めて異常に気づくことも多いため、外から見て異常が少なくても安心はできません。

こうしたパラペット笠木部分から雨漏りしている場合は、劣化状況に応じて、シーリング補修、ビスの締め直し・打ち替え、笠木材の交換、下地の補修などの対応が必要になります。
ここで大切なのは、表面の隙間だけを塞ぐのではなく、内部まで傷んでいないかをきちんと確認することです。
応急処置でいったん雨漏りが止まったように見えても、原因が残っていれば再発するおそれがあります。

パラペット笠木は、住まいの外観を美しく見せる一方で、防水の面ではとても繊細な部分です。
スタイリッシュな家ほど、このような見えにくい取り合い部分の施工精度やメンテナンスが重要になります。屋根点検や外装メンテナンスの際には、ぜひ笠木まわりの状態もあわせて確認しましょう。

4. 屋根で雨漏りする部分3 内樋

内樋(うちどい)とは、パラペットの立ち上がり部分と屋根スラブの取り合いに設けられた排水部分のことで、屋上や陸屋根に降った雨水を集めて排水口へ流す、大切な役割を担っています。
建物全体から見れば目立たない部分ですが、雨水が最終的に集まる場所であるため、実はとても負担がかかりやすい部分です。

内樋には、雨水だけでなく、風で運ばれてきた砂ぼこり、落ち葉、小枝、土なども少しずつ集まってきます。
そのため、定期的な清掃や点検を行わないと、排水口まわりが詰まり、雨水がうまく流れなくなることがあります。

特に注意したいのは、内樋が詰まったときの状態です。排水できなくなった雨水は、まるで水槽のように屋根の上に溜まり続けます。
すると、本来なら水がかからないはずの立ち上がり部分や防水の継ぎ目、板金の取り合い部分にまで雨水が達し、そこから建物内部へ浸入して雨漏りにつながることがあります。

さらに、内樋まわりは常に湿気がこもりやすいため、水が滞留する状態が続くと、金属部分に錆びや腐食が発生しやすくなります。
表面だけでなく、笠木の内側や板金の裏側、固定部まわりなど、見えにくい部分で傷みが進行していることもあり、気づいたときにはすでに穴あきや防水層の劣化が進んでいるケースも少なくありません。

また、内樋からの雨漏りは、単純に「古いから漏る」というだけではなく、ゴミの堆積による排水不良板金や防水の経年劣化が重なって起こることが多いのも特徴です。
ですから、室内に雨染みが出ている場合は、ただ防水材を足すだけでなく、まずは内樋の中が詰まっていないか、どこまで傷みが進んでいるかを確認することが大切です。

内樋部分から雨漏りしている場合、最初に行いたいのは清掃です。
落ち葉や土を取り除き、排水口がきちんと機能する状態に戻すだけで改善するケースもあります。
ただし、内樋そのものに腐食、穴あき、継ぎ目の傷みがある場合は、清掃だけでは根本解決にはなりません。
その場合は、シーリング補修、防食テープによる補修、板金補修、状態によっては内樋全体の改修などが必要になります。

内樋は、普段あまり意識されない部分ですが、雨漏りを防ぐうえではとても重要な場所です。
屋上や陸屋根のある建物では、外壁や屋根の見た目だけでなく、こうした排水部分のメンテナンスをきちんと行うことが、住まいを長く守ることにつながります。

5. 屋根でよく雨漏りする部分4 ドレン(排水口)

ドレンとは、陸屋根(ろくやね)や内樋に集まった雨水を、排水管へ流していくための排水口のことです。
見た目は小さな部材ですが、屋上や陸屋根の排水機能を支えるとても大切な部分であり、ここが正常に機能しているかどうかで、建物の防水性は大きく変わります。

ドレンから雨漏りが起こる主な原因としては、ドレン本体と排水パイプの接合部の不具合、施工時の納まり不良、防水工法に適合していないドレンの使用などが挙げられます。
防水層とドレンは、本来一体でしっかり納められていなければなりませんが、この取り合い部分にわずかな不具合があるだけでも、そこから雨水が入り込み、建物内部へ影響を及ぼすことがあります。

また、ドレンとその周辺は、建物の中でも特に雨水、砂、泥、落ち葉、ゴミなどが集まりやすい場所です。排水口である以上、汚れが集まるのはある意味当然ですが、だからこそ詰まりやすく、常に水分が残りやすい環境になりがちです。その結果、ドレンまわりの防水層や金属部分の劣化が進みやすくなり、雨漏りの原因になることがあります。

さらに注意したいのが、コケや草の繁殖です。ドレン周辺は湿気がこもりやすく、土やほこりも溜まりやすいため、いつの間にかコケが生えたり、雑草が根を張っていたりすることがあります。見た目には小さな変化でも、コケが排水の流れを悪くしたり、草の根が防水層のすき間に入り込んだりすることで、雨漏りにつながるケースは実際によくあります。ときには、伸びた根が防水層を傷めてしまい、じわじわ建物内部へ水が回っていることもあります。

実際の現場でも、ドレンまわりの詰まりが原因で雨水が排水しきれず、屋上や内樋に水が溜まり、その水が防水の立ち上がり部分を越えて浸入していた、というケースは少なくありません。
特に大雨のときだけ雨漏りする場合は、ドレンまわりの排水不良が関係していることも多いため、見逃せないポイントです。

このように、ドレン部分から雨漏りしている場合は、シーリングによる補修だけで済むこともあれば、傷んだ既存ドレンの上から「改修用ドレン」と呼ばれる専用部材を取り付けて補修する方法が必要になることもあります。さらに、周辺の防水層や下地まで傷んでいる場合には、ドレンまわりを含めた防水改修が必要になるケースもあります。
大切なのは、表面の水漏れだけを見るのではなく、排水の流れ・詰まり・防水との取り合いまで含めて確認することです。

ドレンは小さな部材ですが、雨漏りを防ぐうえでは非常に重要な役割を担っています。
屋上や陸屋根のある建物では、外観だけでなく、こうした排水口まわりの清掃や点検を定期的に行うことが結果として大切なお住まいを長持ちさせることにつながります。

6. 屋根でよく雨漏りする部分5 雨押え部分(壁との境界=側面・正面)

雨押えとは、外壁と屋根が取り合う部分に設けられる板金部材のことで、壁側から入ろうとする雨水を受け止め、屋根の内部へ入り込まないようにする大切な役割があります。
屋根と壁という異なる部材が交わる境界部分であるため、どうしても構造が複雑になりやすく、屋根の中でも雨漏りが発生しやすい注意箇所のひとつです。

特に、雨押えの側面部分は、外壁を伝って流れてきた雨水の影響を受けやすい場所です。
外壁にひび割れ(クラック)があったり、シーリングが切れていたりすると、そのすき間から入り込んだ雨水が、壁の内側や雨押えの取り合い部分へ回り込み、結果として雨漏りにつながることがあります。表面上は小さなひびでも、雨の吹き込み方や建物の形状によっては、内部に予想以上の水が入り込んでしまうことがあります。

一方で、雨押えの正面部分は、側面のように壁を伝う雨水の影響だけではなく、風を伴う雨による吹き込みや、板金の継ぎ目、固定ビスまわりの劣化などが原因となって、雨漏りが起きることがあります。
屋根から流れてくる大量の雨水を直接受けるわけではないため、一見すると安心に思えるかもしれませんが、実際にはこの正面部分も見逃せない雨漏りポイントです。

また、雨押えまわりは、板金・シーリング・下地材・屋根材・外壁材など、複数の材料が重なり合って納まっているため、どこか一か所でも劣化や施工不良があると、雨水の侵入経路ができやすいという特徴があります。さらに、経年によってビスが緩んだり、板金が浮いたり、継ぎ目のシーリングが硬化して切れたりすると、防水性は少しずつ低下していきます。

実際の現場でも、室内の壁際や天井際にできた雨染みを調査すると、原因がこの雨押え部分だったというケースは珍しくありません。
しかも、壁との境界から入った雨水は、すぐ下に落ちるとは限らず、下地や柱を伝って離れた場所に症状が現れることもあります。
そのため、見えているシミだけで判断せず、壁との取り合い全体を丁寧に確認することが大切です。

壁との境界から雨漏りしている場合は、症状や原因に応じて、シーリング補修、ビスの締め直し、雨押え板金の補修・交換、棟板金や屋根棟材の交換、漆喰のやり替えなど、複数の対応が必要になることがあります。
大切なのは、表面だけを塞ぐ応急処置で終わらせず、どこから水が回っているのかを見極めたうえで適切に補修することです。

雨押え部分は、外から見ると細かな取り合いに見えるかもしれませんが、住まいの雨仕舞いを支える非常に大切な場所です。
屋根塗装や外壁塗装、屋根点検の際には、こうした壁との境界部分の板金やシーリングの状態までしっかり確認しておくことで、雨漏りの予防につながります。

7. 屋根でよく雨漏りする部分6 隅棟

隅棟(すみむね)とは、屋根の頂上部にある大棟(おおむね)から斜め下方向へ伸びている棟のことで、屋根の面と面が交わる重要なラインにあたります。 見た目には屋根の形を美しく整える部分ですが、実際には風雨の影響を受けやすく、雨漏りの原因になりやすい箇所のひとつです。

隅棟は屋根の高い位置にあり、日常ではなかなか状態を確認できませんが、長年にわたって強風や台風、寒暖差、場合によっては積雪の影響を繰り返し受けています。
そのため、少しずつ固定ビスの緩み、板金の浮き、棟材のズレなどが起こりやすくなります。
こうした小さな不具合でも、隙間ができるとそこから雨水が入り込み、下地材や屋根内部を傷めてしまうことがあります。

また、瓦屋根や漆喰を用いた棟では、棟まわりの漆喰が劣化して剥がれたり、ひび割れたりすることでも雨水の浸入経路が生まれます。
板金屋根でも、継ぎ目や固定部まわりの納まりが悪くなると、吹き込みの強い雨のときに内部へ水が回ることがあります。
特に隅棟は屋根の形状上、雨水の流れが集まりやすい方向と重なることもあり、見た目以上に雨仕舞い(あまじまい)が重要になる部分です。

実際の現場でも、天井の隅や壁際に現れた雨染みを調べていくと、原因が隅棟のズレや棟板金の浮き、漆喰の傷みだったということは珍しくありません。
しかも、棟から入った雨水はそのまま真下に落ちるとは限らず、野地板や下地を伝って別の場所に症状が出ることもあります。そのため、室内のシミの位置だけで原因を判断するのは危険です。

隅棟から雨漏りしている場合は、症状や屋根材の種類に応じて、シーリング補修、ビスの締め直し、棟板金の補修・交換、屋根棟材の積み直し、漆喰のやり替えなどの対応が必要になります。
ただし、単に表面を塞ぐだけでは再発することも多いため、どの部分が緩み、どこから水が入っているのかをしっかり見極めたうえで補修することが大切です。

隅棟は、屋根の中でも風や雨の影響を受けやすい繊細な部分です。
普段は見えにくい場所だからこそ、屋根点検や屋根メンテナンスの際には、棟板金の浮きやビスの緩み、漆喰の劣化まで丁寧に確認しておくことが、雨漏り予防につながります。

8. 屋根で雨漏りする部分7 主棟

主棟(しゅとう)とは、屋根の最も高い位置にある中心の棟のことで、屋根全体の頂上部分にあたります。 屋根の形を整える大切な部位であると同時に、風雨の影響を特に受けやすい雨漏りの注意箇所でもあります。

主棟は、常に強い日差し、雨、風、寒暖差にさらされるため、年月の経過とともに少しずつ傷みが進みやすい場所です。
特に台風や強風の影響を受けやすく、固定しているビスの緩み、棟板金の浮き、棟材のズレなどが起こると、そのすき間から雨水が入り込み、雨漏りの原因になることがあります。

また、瓦屋根では、棟を支えている漆喰(しっくい)のひび割れや剥がれも注意が必要です。
漆喰が傷んでくると、内部の葺き土や下地が露出しやすくなり、そこへ雨水が回ることで、屋根内部の劣化や雨漏りにつながることがあります。
板金屋根でも、継ぎ目や固定部まわりの傷みが進むと、見た目には小さな不具合でも内部へ水が入り込むことがあります。

主棟は、隅棟と同じように屋根の高い位置にあり、雨漏りの原因となる仕組みもよく似ています。
隅棟に比べると雨水が集中して流れる量はやや少ない傾向がありますが、それでも屋根の重要な取り合い部分であることに変わりはなく、固定のゆるみや板金の浮き、漆喰の劣化などがあれば、十分に雨漏りの原因になります。

実際の現場でも、天井にできた雨染みの原因をたどると、主棟の板金浮きや棟材のズレ、漆喰の傷みが見つかることがあります。
しかも、主棟から入り込んだ雨水は、そのまま真下に落ちるとは限らず、野地板や下地を伝って別の場所に症状が出ることもあるため、見えているシミの位置だけでは原因を特定しにくいのが雨漏りの難しいところです。

主棟から雨漏りしている場合は、症状や屋根材の種類に応じて、シーリング補修、ビスの締め直し、棟板金の補修・交換、屋根棟材の交換・積み直し、漆喰のやり替えなどの対応が必要になります。
大切なのは、表面だけを一時的に塞ぐのではなく、どこが傷み、どこから雨水が入っているのかを正しく見極めることです。

主棟は、屋根のてっぺんにあるため普段は見えにくい部分ですが、住まいの雨仕舞いを支える重要な場所です。屋根点検や屋根メンテナンスの際には、棟板金の浮きやビスの緩み、漆喰の状態まで丁寧に確認しておくことで、雨漏りの予防につながります。

9. 屋根でよく雨漏りする部分8 平場

ここまでお伝えしてきたように、屋根の雨漏りは、棟や谷、壁との取り合い部分など、構造が複雑な箇所で発生することが多いです。
ただし、まれではありますが、屋根の平場(ひらば)、つまり屋根面の広い部分そのものが原因となって雨漏りしているケースもあります。

この平場からの雨漏りは、単なる年数の経過だけで起きるというよりも、屋根材そのものの割れ・欠け・ズレ・破損、あるいはその下にある防水材(ルーフィングなど)の傷みが進んでいる場合に起こることが多いです。
つまり、平場で雨漏りが起きているときは、表面だけの軽い不具合ではなく、屋根材や防水層にしっかりとした異常が起きている可能性が高いと考えた方がよいでしょう。

たとえば、カラーベスト(スレート屋根)では、ひび割れや欠け、反り、釘の浮きなどが原因で雨水が入り込むことがあります。
セメント瓦では、瓦の割れやズレ、固定部分の劣化、下地防水材の傷みが関係することがあります。
また、陶器瓦は瓦自体の耐久性は高いものの、瓦のズレや割れ、下葺き材の劣化によって雨漏りすることがあります。
さらに、陸屋根やベランダ上部などに使われるシート防水でも、シートの破れ、継ぎ目の浮き、端部の剥がれなどがあると、そこから雨水が浸入してしまいます。

平場の雨漏りがやっかいなのは、見た目だけでは異常が分かりにくいことがある点です。
地上から見ただけでは、屋根材の細かな割れやズレ、防水材の傷みまでは判断しづらく、気づいたときには内部の下地材まで水が回っていることもあります。
特に、飛来物による破損、台風後のズレ、経年劣化などが重なっている場合は、表面上の傷み以上に内部の状態が悪くなっているケースもあります。

平場から雨漏りしている場合は、部分補修で対応できることもありますが、多くは原因となっている屋根材や防水材そのものの交換が必要になります。
たとえば、カラーベスト、セメント瓦、陶器瓦、シート防水材など、傷みのある材料を適切に交換し、あわせて下地や防水層の状態も確認することが大切です。
表面にシーリングを打つだけの応急処置では、根本的な解決にならないことも少なくありません。

平場からの雨漏りはそれほど多いものではありませんが、もし起きている場合は、屋根材や防水材の傷みが進んでいるサインかもしれません。
大切なお住まいを長く守るためにも、「まだ大丈夫かな」と様子を見るのではなく、早めに状態を確認し、建物に合った補修や交換を行うことが大切です。

10. 実際に住宅で雨漏りする部分 まとめ

ここまでお伝えしてきたように、屋根の雨漏りは、屋根の広い面そのものよりも、角・隅・天端・取り合い部分など、構造が複雑になる箇所で発生することが多いです。

こうした部分は、雨水の流れをきちんと逃がすための納まりや、板金、防水、シーリングなどの施工精度がとても重要になります。見た目では小さな部位に見えても、住まい全体の防水性を左右するとても大切なポイントです。

だからこそ、屋根の雨漏りを防ぐうえで大切なのは、「端の部分=雨仕舞」にしっかり目を向けられる業者かどうかです。
もし住まいの屋根で雨漏りが起きた際は、今回紹介したような屋根の端部分について、どこを確認して、どのように補修するのかを業者に聞いてみてください。
そうした説明の丁寧さや具体性が、技術力や信頼性を見極めるポイントになります。

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コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず

屋根・屋上の雨漏り 8つの原因となる部分コラム 筆者 イメージ

小林塗装の店主小林ゆずは、コラム「屋根・屋上の雨漏り 8つの原因となる部分」の筆者で、名古屋を拠点に「塗装工事の専門店」としてこれまで数多くの現場に携わり、30年以上に亘って培ってきた豊富な知識と経験を大切にしてきました。
当店のホームページでは、そうした多く経験の積み重ねから得た確かな技術やノウハウを外壁・屋根・室内など塗装を検討されている一般のお客様に分かりやすくお伝えできるよう、コラムというカタチで発信しています。

塗装工事は、多くのお客様にとって一生のうちに何度も経験することではなく、「どの塗料を選べば安心なのだろう?」「そもそも何年くらいで塗り替えるのがいいの?」といった疑問や不安が尽きないものだと思います。
だからこそ、自分自身が専門家としての知識を惜しみなく共有しながら、どなたにも気軽に読んでもらえる言葉で、少しでも安心や納得につながる情報をお届けすることを心掛けています。

これからも、住まいに寄り添う塗装の専門家として、日々の現場で感じたことや本当に大切だと思うことを誠実にお届けしていきます。
大切な住まいを長く守るためのヒントとして、お役立ていただければ嬉しく思います。

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