塗装工事のローラー種類・用途について
外壁塗装や屋根塗装は、塗料の種類だけで仕上がりが決まるわけではありません。
実は、現場でどのローラーを選び、どのように塗るかによって、見た目の美しさも、塗膜の持ちも、大きく変わってきます。
お客様の多くは、塗装工事を考える際に「どんな塗料を使うのか」「手抜き工事はされないか」という点を気にされます。
もちろん、それはとても大切な視点です。
しかし実際の現場では、塗料と同じくらい、いえ場合によってはそれ以上に、刷毛やローラーといった道具の選び方と使い方が仕上がりを左右します。
たとえば、外壁、屋根、室内、床では、それぞれ下地の質感も求められる塗膜の付き方も違います。
それに合わせて、ローラーにもさまざまな種類があり、毛丈、含み、吐き出し方、仕上がり感まで細かく使い分ける必要があります。
どんなに高品質な塗料を使っても、下地や塗料に合わないローラーを選んでしまえば、仕上がりはどこか粗く、塗膜の性能も十分に引き出せません。
反対に建物の状態や塗料の性質をきちんと見極め、適切なローラーと塗り方で丁寧に仕上げれば、外観はぐっと整い、塗膜も長持ちしやすくなります。
言ってしまえば、ローラーは単なる道具ではなく、職人の考え方と技術がそのまま表れる仕上がりの鍵といえます。
このコラムでは、塗装工事の品質を静かに、けれど確実に左右している各種塗装用ローラーの特徴や、ローラー塗装で押さえておきたい大切なポイントを、「名古屋の塗装店」小林塗装の視点で分かりやすくまとめました。
塗装工事を検討中のお客様はもちろん、DIYでローラー塗装を考えている方にとっても、きっと参考になる内容です。
見積書にはなかなか書かれないけれど、仕上がりにはしっかり差が出ます。そんな「道具と技術の本質」を、ぜひゆっくりご覧ください。
1. 塗装用ローラー毛の種類

ローラー毛の種類は、塗料の種類、塗装面の状態、作業性を考慮して、選択する必要があります。
外壁、屋根塗装用 ナイロン繊維ローラー(ナイロン・ポリエステル編み物)
ナイロン繊維ローラー(編み物)は、大面積の外壁塗装に適しています。
ローラーの価格が安い、塗料の含みと吐き出しに優れているので作業性が良いなどといったメリットがあります。
しかしその反面、ローラーの耐久性が若干低い、抜け毛が多い、塗装にピンホールが発生しやすい、塗料の飛散が大変多いなどといった欠点もあります。
ナイロン繊維ローラーは、安価な塗装工事でよく使われています。
ナイロン繊維ローラーには、PIAの「メロン」、大塚刷毛の「ピーチ」などがあります
室内、外壁、屋根塗装用 アクリル繊維ローラー(アクリル・ポリエステル編み物)
アクリル繊維ローラーは、ナイロン繊維ローラーと同様に大面積の外壁塗装に適しています。
また、塗料の含みと吐き出し、耐溶剤性、耐久性に優れています。
穏やかなローラーマークが作れるので、室内におけるエマルション塗料の塗装に使用するのがおすすめです。
しかし、現在主流のマルチフィラメントローラー、マイクロファイバーローラーに比べ、アクリル繊維ローラーは、塗料の飛散が多いといった欠点もあります。
アクリル繊維ローラーには、PIAの「ラム」‥があります。
外壁塗装用 ナイロン繊維+二次加工織物ローラー
ナイロン繊維+二次加工織物のローラーは、耐久性と作業性に優れる外壁用に適したローラーです。
ナイロン繊維+二次加工織物ローラーには、PIAの「かぐや姫」‥があります。
鉄部・木部塗装用 マルチフィラメントローラー(ポリエステル織物)
マルチフィラメントローラーは、内装、外装、鉄部、木部の仕上げ塗装に適しており、きめが細かいキレイな仕上がりになります。
塗料の飛び散りと泡立ちが少ないローラーです。
マルチフィラメントローラー(織物)には、PIA「ピナクル」、「ボンパラゴン」や大塚刷毛「グレープ」‥があります。
外壁・屋根・室内塗装用 マイクロファイバーローラー(ポリエステル極細繊維)
マイクロファイバーローラーは、最近職人の中で一番人気がある塗装用ローラーです。
内装、外装、鉄部、木部の仕上げ塗装に適しています。
マイクロファイバローラーは、毛の一本一本が細かいので、塗料の飛び散りが極めて少ないといった点が大きな特徴で、無泡タイプで、仕上がり感、使用感も良好です。
最近では、廉価品のマイクロファイバーローラーも多数販売されています。
ただしマイクロファイバーローラーの耐久性は、マルチフィラメントローラー、アクリル繊維ローラーに比べ劣ります。
また、強溶剤型塗料を使用した場合、シンナーで毛が縮んで抜けてしまう事があるので、使用する際には注意が必要です。
マイクロファイバーローラー(極細繊維)は、好川産業「マイクロキューブ」大塚刷毛「マイクログランデ」、PIA「弁財天」、「お多福」‥があります。
なお、2022年3月に最新型のマイクロファイバーローラーで強溶剤にもしっかり対応できる大塚刷毛「マイクロエイト」が発売されました。
外壁塗装用 マイクロファイバー+ナイロン繊維(混紡)ローラー
マイクロファイバー+ナイロン繊維の混紡ローラーは、無泡タイプで抜け毛が少ない外装用に適した塗装用ローラーです。
通常のマイクロファイバーローラーよりも耐久性があります。
塗装の仕上がり感については、アクリル繊維ローラーとマイクロファイバーローラーの中間ぐらいの仕上がり感です。
マイクロファイバー+ナイロン繊維ローラーには、PIAの「ポポラス」、「チャスキ」、はけ屋「東京ローラー」‥があります。
厚付け塗装用 マスチックローラー(多孔質ローラー)
壁面に凸凹の模様付けするローラーです。
凸凹模様の大きさは、大、中、小、極小の4種類があります。
マスチックローラーは、大塚刷毛、好川産業、PIAなどで製造されています。
デザインローラー(ゴム製、スウェード製、スポンジ製)
デザインローラーは、模様付け専用のローラーです。
デコラティブペイントが盛んな海外製のローラーが多いです。
国内製品では、好川産業「YKパターンローラーシリーズ」、KFケミカル「KFグラデーションローラー」、秀和塗装の「SWファンデーションローラー」‥があります。
ヘッドカットローラー(ジュラコン製、デルリン製、塩ビ製)
ヘッドカットローラーとは、吹付タイル・スタッコ面を押さえて仕上げる為の専用ローラーです。
ヘッドカットローラーは、大塚刷毛、好川産業‥で製造されています。
2. 塗装用ローラーのサイズ(幅)

ローラーのサイズ(幅)は、塗装する部分や作業性を考慮して選択します。
・1インチ(2.54㎝)
見切り部材‥の塗装に適したローラーサイズです。・2インチ(5.08㎝)
ドア枠・見切り部材・格子‥の塗装に適したローラーサイズです。・3インチ(7.62㎝)
破風板、雨樋‥の塗装に適している、細部塗装で最も汎用性が高いローラーサイズです。・4インチ(10.16㎝)
破風板・雨樋(箱型)・胴差‥の塗装に適している汎用性が高いサイズです。・5インチ(12.7㎝)
折板屋根、S字瓦、波形スレート屋根‥塗装に適しているローラーサイズです。・6インチ(15.4㎝)
6インチローラーは、日本人の体格に合った汎用性と作業性に優れるローラーサイズです。
平成時代の中頃から普及してきた、ローラーサイズで、現在最も外壁や屋根の塗り替え工事で使用されています。・6.5インチ(16.51㎝)
最近、アメリカなどで使われている外壁塗装に適した次世代型のローラーサイズです。・7インチ(17.78㎝)
7インチローラーは、昭和時代から平成時代の初頭まで最も使用されたローラーサイズです。
最近では、あまり塗装工事の現場で使用される事が少なくなり、主にDIYで使われています。・8インチ(20.32㎝)
作業性を重視した大面積の壁面に使用します。最近ではあまり使われる事はありません。・9インチ(22.86㎝)
作業性を重視した大面積の壁面や床塗装に使用します。
塗料を含んだローラーが重いので、最近ではあまり使われる事はありません。・12インチ(30.48㎝)
瓦棒屋根塗装、アスファルトシングル、塩ビシート、加硫ゴムシート、床塗装に適した特別製のローラーです。・14インチ(45.72㎝)
加硫ゴムシート、床塗装に適した特別サイズのローラーです。・18インチ(30.48㎝)
アスファルトシングル、塩ビシート、加硫ゴムシート、床塗装に適した特別サイズのローラーです。・24インチ(60.96㎝)
床塗装に適した特別サイズのローラーです。
3. 塗装用ローラーの毛丈(毛の長さ)

ローラーの毛丈は、塗装の仕上がり感、作業性を考慮して選択する必要があります。
塗装用 超短毛ローラー(2㎜)
ダブルトーン仕上げ(多彩仕上げ)などに使用します。
塗装用 短毛ローラー(4㎜、5㎜、6㎜)
鉄部の鏡面仕上げ用に適しているローラーです。
ローラー筋の無い、均一な膜厚にするには、高度な塗装技術が必要です。
塗装用 中短毛ローラー(7㎜、8㎜、9㎜、10㎜)
中短毛ローラーは、室内鉄部や木部の仕上げ塗装用に適しています。
毛が短いので、ローラーマークが出にくく、仕上がり感も良好です。
ちなみに小林塗装では、雨樋の仕上げや水切り板‥仕上げ塗装で使用しています。
塗装用 中毛ローラー(11㎜、12㎜、13㎜)
中毛ローラーは、従来から多く使われており、最も汎用性に優れ、室内、外装、床用に適しています。
塗装用 中長毛ローラー(15㎜、18㎜)
中長毛ローラーは、一般的なサイディング、吹き付けタイル、リシンなど外装用のローラーに適しています。
最近の外壁塗装工事で頻繁に使われる毛丈です。
塗装用 長毛ローラー(20㎜、23㎜、25㎜、30㎜)
長毛ローラーは、凹凸が深いサイディング、吹き付けスタッコなど外装用に適している塗料の含みが良い作業スピード重視のローラーです。
しかし、平滑面の塗装で、微弾性フィラー、水性塗料など粘度の高い塗料を使用した場合、ローラーマークが出やすく、塗装の仕上がりが悪くなる事があります。
また、塗料の飛散も多くなるので、塗装する際は注意が必要です。
なお、長毛ローラーは、下請けメインの塗装屋さんが、「逃げる仕事(手抜き仕事)」、「叩く仕事(粗い仕事)」で長毛ローラーをよく使います。
4. 塗装用ローラーの内径
各種ローラー毛の内径は、作業環境、施工性を考慮して選択します。
塗装用 ミニスモールローラー(8㎜)
ミニスモールローラーは、取り回しがよく、刷毛に代わって最近頻繁に使用されているローラー径です。
ミニスモールローラーの幅は、1~5インチまであります。
塗装用 スモールローラー(14㎜)
スモールローラーは、日本人の体格に合った、最も使われているローラー径です。
スモールローラーの幅は、1~7インチまであります。
現在、スモールローラーの日本国内シェアは約90%と言われています。
塗装用 ミドルローラー(23㎜)
ミドルローラーは、今から、20年くらい前に流行りましたが、最近ではあまり使われていません。
現在、ミドルローラーの日本国内シェアは約3~2%と言われています。
ローラー幅は、8インチです。
塗装用 ジャンボローラー(18.6㎜)
ジャンボローラーは、最近アメリカなどで使われている外壁塗装に適した次世代型のローラー内径です。
ローラー幅は、6.5インチです。ジャンボローラーは、全体に力が均一に掛かる為、塗膜厚が安定し、作業性も良好です。
塗装用 レギュラーローラー(38㎜)
レギュラーローラーは、DIY、大面積の塗装工事で使われています。
20年ほど前は、レギュラーローラーが最も使用されていましたが、現在ではレギュラーローラーの日本国内シェアは5%程度です。
(アメリカでは、シェア約90%と言われています。)
ローラー幅は、4、7、9、12インチがあります。
5. 塗装用ローラーハンドル(柄)

ローラーを選ぶ上で大切なポイントをまとめました。
■ ローラーハンドル(柄)は、各種ローラーのサイズに合わせて選択します。
■ ローラーのハンドル(柄)長さとグリップ(持ち手部分)が、職人の塗り心地(ローラーを押さえる圧力)と作業性(ローラーを転がすスピード)に大きく影響します。
■ ローラーハンドル(柄)は、大塚刷毛、好川産業、PIA、タイホウ‥で製造されています。
6. 塗装用ローラー塗装の予備知識

塗装工事で『一体どういったローラーで塗るのか?』それは、塗料の種類、塗装する部位、作業環境、納期、工事予算を勘案して決める必要があります。
ちなみに現在の外壁・屋根・室内・床‥塗り替え工事の約80%はこのローラーで塗装しています。
ですから、せっかく高級な塗料を使って塗装しても、品質の良くないローラーや塗料の種類、用途に合わないローラーを使うと、塗装している際にローラーの毛が抜けて塗料に混じってしまい、抜けた毛が壁や屋根にくっついてしまったり、塗装面にギザギザの汚いローラーマークが付いてしまったり、とても見栄えの悪い仕上がり具合になってしまいます。
さらに用途や塗料の種類に合わないローラーを使用した場合、塗料と塗装下地の間には空気が入り込んでしまって、塗装の見栄えが悪いだけでなく塗膜自体の耐久性が大きく低下してしまうことがあります。
なお、ローラーが持つ性能以外で塗膜の中に空気が入り込む原因は次のようなことが考えられます。
理想とされるローラーを転がすスピードは、一般的に0.3m/秒~0.5m/秒程度です。
このくらいの速度は、塗料を下地へ無理なく移しやすく、飛散や泡立ちも抑えやすい、ちょうどよいバランスの範囲だと考えられています。
ローラーを転がすスピード(ローラーが回転するスピード)が速くなりすぎると、ローラーに含まれた塗料が面に穏やかに乗るのではなく、弾かれるように散りやすくなります。
そのため、塗料の飛散が増えるだけでなく、塗膜の中に余分な空気を巻き込みやすくなり、泡立ちや仕上がりの乱れにつながることがあります。
反対に遅すぎても同じ箇所を触る回数が増えてしまい、塗料が動きすぎてムラや艶むらの原因になることがあります。
ローラー塗装で大切なのは、ただ速く塗ることでも、慎重に触りすぎることでもなく、塗料の粘度や外壁の凹凸、気温や風の状態を見ながら、一定のリズムで安定して転がすことです。
ローラー塗装では、転がす速さだけでなく、どのくらいの力で塗装面に当てるかも仕上がりを左右する大切な要素です。
ローラーの塗装面に対する圧力を強くする(塗装面を押さえ付けるように塗る)と、見た目には泡立ちが少なくなったように感じられることがあります。
ただし、その分だけ泡が押しつぶされながら大きくなり、塗膜の中に粗い空気のかたまりが残りやすくなる場合があります。
また、力を入れすぎるとローラーが本来持っている塗料の含み方や吐き出し方のバランスが崩れ、塗料を均一に配れなくなることもあります。
逆に、ローラーの塗装面に対する圧力を弱める(塗装面に対し、あまり力を入れずに塗装する)と、塗料はやわらかく広がりやすくなりますが、その一方で細かい泡が発生しやすくなる傾向があります。
つまり、強すぎても弱すぎても理想的とは言えません。
塗装面に対してローラーを押さえる圧力バランス(力の入れ方)が重要であり、下地の状態や塗料の粘度、ローラーの毛丈に合わせて、ちょうどよい圧を保つことが必要です。
職人の経験が出るのは、まさにこの部分です。外壁の凹凸に対してどこで少し圧をかけ、どこで力を抜くか。その微妙な調整が、塗膜の美しさと密着性を大きく左右します。
ローラー塗装では、ひとつの面をどれだけの時間で仕上げるかも非常に重要です。
作業に時間が掛かりすぎると、先に塗った塗料が塗装面へ少しずつ定着し始め、表面の粘り(粘性)が上がってきます。
その状態で同じ部分を何度もローラーで触ると、塗料が素直に伸びなくなり、表面を引きずるような動きになってしまいます。
これが、ローラーマーク、ムラ、艶の不均一、肌の乱れなどの原因になります。
そのため、ローラー塗装では、あまり何度も同じ部分をゴロゴロ転がさないことが大切です。
目安としては、ローラーを2~3回往復させる程度で整えていくのが理想的です。
もちろん、下地の凹凸や塗料の種類によって多少の調整は必要ですが、基本的には一度塗った面を必要以上に触りすぎないことが、きれいな仕上がりにつながります。
丁寧に塗ることと、何度も触ることは同じではありません。むしろ、本当に技術のある職人ほど、必要最低限の回数で無駄なく仕上げていきます。
ローラー塗装を安定して行うためには、塗る前の塗料の粘度調整が欠かせません。
塗料は、製品ごとに性質が異なるだけでなく、作業する季節、気温、湿度、塗装する素材によっても扱いやすさが変わります。
そのため、塗料の種類、作業する時期、塗装する部位や下地の状態を事前に考慮しながら、ローラーの種類に合った粘度へ調整する必要があります。
粘度が高すぎると、ローラーの回転が重くなり、塗料が伸びにくく、泡立ちや塗りムラの原因になります。
その一方で塗料の粘度を下げすぎると、今度は塗料がだれやすくなったり、隠ぺい性が落ちたり、規定の塗膜厚を確保しにくくなることがあります。
つまり、粘度調整は単なる「薄める作業」ではありません。
塗料本来の性能を損なわず、なおかつ現場で無理なく均一に塗れる状態へ整えるための、非常に大切な工程です。
ローラー塗装では、どのローラーを使うかを決める前に、まず下地材の性質を正しく見極めることが必要です。
下地には、凹凸が激しい素材、表面に細かな穴があるポーラスな素材、塗料を強く吸い込む素材、逆に非常に緻密で塗料が乗りにくい素材など、さまざまな種類があります。
外壁ひとつ取っても、サイディング、モルタル、ALC、コンクリート、金属面では、それぞれ塗料の乗り方もローラーの相性も異なります。
たとえば、吸い込みの強い下地では塗料が思った以上に奪われるため、見た目には塗れていても、実際には必要な塗膜が確保できていないことがあります。
また、凹凸の激しい面では、毛丈の短いローラーでは奥まで塗料が届きにくく、表面だけに色が乗ったような状態になることもあります。
このように、下地材の種類や状態を見誤ると、どれだけ良い塗料を使っても仕上がりと耐久性の両方に影響します。
そのため、各種下地材の性質を見極めたうえで、適切なローラーを選択し、塗り方まで含めて調整する必要があります。
ローラー塗装では、塗る前の塗料の攪拌状態も見落とせないポイントです。
塗料は保管中に成分が分離したり、顔料や樹脂が沈んだりすることがあるため、使用前にはしっかり攪拌して、成分を均一な状態に整える必要があります。
この工程が不十分だと、色ムラや艶ムラだけでなく、塗料本来の性能が安定して発揮されない原因になります。
ただし、攪拌すればそれで終わりではありません。
ローラー塗装する際には、塗料を攪拌した後に、塗料中に含まれる空気をしっかり抜く必要があります。
攪拌直後の塗料には細かな空気が混ざっていることがあり、そのまま使うと、ローラーで塗ったときに泡として表面へ出やすくなります。
つまり、攪拌は「均一にするため」、脱泡は「余分な空気を減らすため」です。
このふたつがきちんとできてはじめて、安定したローラー塗装につながります。
ここまでお伝えしてきたように、ローラー塗装は、単純にローラーを転がせばよい作業ではありません。
転がすスピード、押さえる圧力、仕上げるまでの時間、塗料の粘度調整、攪拌と脱泡、下地の見極め。
これらをその場の状況に合わせて判断し、ひとつひとつ組み立てながら塗装していく技術が求められます。
つまり、最終的な仕上がりを決めるのは、ローラーそのものだけではなく、それを扱う職人の理解力と現場対応力です。
残念ながら、営業主体、孫請け主体の塗装会社では、このような理屈や基本を十分に理解しないまま作業している未熟な職人が入ってしまうケースもあります。
見積りの金額や塗料名だけでは見えにくい部分ですが、実際にはこうした「見えない技術差」が、数年後の持ちや美しさの差として表れます。
7. ローラー塗装でキレイに仕上げるためには

品質が良い塗装を作るためには、正しい塗装の知識を持つ職人が用途に合った高品質な塗装道具を使って初めて作ることができます。
良い塗装工事とは、ただ価格が安かったり、高級な塗料を使ったりした高価な塗装工事が良い訳ではありません。
本当の品質が良い塗装工事とは、『品質が価格を上回る事』だと思います。
ですから、品質の良い塗装工事をお求めのお客様は、先にお伝えしたように現場で塗装する職人がローラーや刷毛をどのように考え選び、どのようにして塗るのか?などを知って頂く必要があるかと思います。
8. ローラー塗装に関する よくある質問

A. ローラーとは、筒状の芯に毛が巻き付けられた、面を均一に塗るための塗装道具です。
ローラーは、大きな外壁をムラなく塗るために最適な道具で、スプレーや刷毛に比べて、飛散が少なく、近隣やお車への配慮もしやすいというメリットがあります。
外壁や屋根のような広い面はローラー、細かい部分は刷毛といったように、部位ごとに使い分けるのがプロの基本です。
ローラーと言っても実は種類がとても多く、「毛丈(毛の長さ)」「毛の素材」「幅」などを外壁の材質や仕上がりイメージに合わせて選びます。
A. 毛丈は、仕上がりの質感と塗料の乗り方に大きく関わります。
一般的に、毛丈が長い(中長毛〜長毛)ローラーは、凹凸のある外壁やサイディングに向いており、塗料をたっぷり抱き込んでくれるので、一度にしっかり塗り込めます。
逆に、毛丈が短い(短毛〜超短毛)ローラーは、フラットな面や、ダブルトーン仕上げのように凸部だけ色を乗せたいときなど、繊細な仕上がりに向いています。
職人は「塗料の粘度」「外壁の凹凸」「狙いたい質感」を見ながら、現場ごとに毛丈を変えて使い分けています。
A. 最近の外壁塗装では、主に以下のようなローラーがよく使われます。
・ ウールローラー:万能タイプで、下塗り、中塗り、上塗りに広く使われる一般的なローラーです。
・ マイクロファイバーローラー:塗料含みが良く、吐き出しも滑らかで、ムラの少ない仕上がりが得意です。ラジカル制御塗料やフッ素塗料などの高性能塗料と相性が良いケースも多いです。
・ パターンローラー:意匠性仕上げやデザイン塗装で模様を出したいときに使用します。
このほか、幅の違うミニスモールローラーもあり、狭いところや細かい部分の塗装に活躍します。
職人は「塗料の種類」「塗る場所」「求められる仕上がり」に合わせて、ローラーを選択・使い分けています。
A. 基本的には、「広い面=ローラー」「細かい部分や際(キワ)=刷毛」という使い分けをします。
外壁の大きな面はローラーで素早く・均一に塗り、サッシ周りや雨樋の裏、細い隙間などは刷毛で丁寧に塗り込みます。
また、ダブルトーン塗装やデザイン塗装など、微妙なニュアンスを出したい部分では、ローラーと刷毛を組み合わせて使うこともあります。
きれいな外壁は、「ローラーだけ」でも「刷毛だけ」でもなく、それぞれの得意な部分をきちんと役割分担させることで生まれます。
A. 仕上がりムラの多くは、「塗料の付けすぎ・塗り伸ばし不足・乾燥条件」などが原因です。
ローラーに塗料を付けすぎると、筋模様のようなローラーマークが残ったり、垂れやすくなったりします。逆に、塗料が少なすぎると、カサついたような塗りムラ感が出てしまいます。
また、日なたと日陰で乾き方が違う場所では、塗り重ねのタイミングによっても見え方に差が出ることがあります。
プロの職人は、ローラーを塗料受けのネットでしごく力加減や、塗るスピード・押し付ける力を細かく調整しながら、「均一で自然な塗膜」になるようコントロールしています。
A. はい、あります。見た目は似ていても、毛の密度・抜け毛の少なさ・塗料の含みと吐き出しのバランスなどで品質に差が出ます。
安価なローラーは、毛が抜けて外壁に残ってしまったり、塗料が均一に出てこなかったりすることがあります。
一方、きちんとしたメーカーのプロ用ローラーは、塗料がなめらかに伸び、仕上がりのツヤ感も整いやすいのが特長です。
お客様からは見えにくい部分ですが、職人がローラー選びにこだわること=塗装の仕上がりへのこだわりでもあります。
A. ダブルトーンやデザイン塗装では、「ベース用」と「仕上げ用」でローラーを使い分けるのが一般的です。
まず、ベース色を塗るときは、中毛〜中長毛ローラーで凹凸の奥までしっかり塗料を行き渡らせます。
その上で、凸部だけ色を乗せたい仕上げ工程では、超短毛ローラー(2〜6mm程度)を使い、凹部に塗料が入らないように慎重に転がしていきます。
この「毛丈の違い」と「ローラーの角度・押し付ける力加減」で、タイル調や擬石調の立体感ある表情を作っていきます。
A. 危険というより、「思った以上に難しい作業」と考えてもらうほうがよいかもしれません。
ローラー自体はホームセンターでも手軽に購入できますが、外壁塗装では「足場の安全」「下地処理」「適切な塗料選び」「塗布量や乾燥時間の管理」など、多くの要素が関わります。
また、2階部分や屋根周りなど高所作業になるため、転落リスクも無視できません。
玄関まわりの小さな補修程度であればDIYも一つの楽しみですが、建物全体の外壁塗装は、安全と仕上がりを考えるとプロに任せたほうが安心かと思います。
A. ローラーの毛の素材によって、塗料の含み方・吐き出し方・仕上がりの風合いが大きく変わります。
ナイロン製ローラーは弾力があり、塗料の含みが良く、耐久性にも優れています。ラフな外壁やリシン・スタッコなどの凹凸面に向いています。
一方、ポリエステル製ローラーは柔らかく、塗料の吐き出しが滑らかで、平滑な面に適しています。上品な艶感を出したいときや、上塗りの仕上げに用いられることが多いです。
最近では、両方の特性を活かした「ナイロン×ポリエステル混毛タイプ」も登場しており、プロの現場では用途に合わせて複数の素材を使い分けています。
A. はい。ローラーも「道具」ですから、メンテナンスや交換のタイミングが非常に大切です。
あまりに使用を重ねると毛がつぶれたてしまったり、塗料が奥まで固まってしまい、塗りムラや塗料だまりの原因になります。
プロの現場では、塗料の種類ごとにローラーを分けたり、1現場ごとに新品を10本以上使うことも珍しくありません。
水性塗料の場合は使用後にすぐ洗えば再利用もできますが、溶剤系塗料の場合は完全に落とすのが難しく、次回に影響するため使い切りが基本です。
道具を大切に扱うことは、仕上がりの美しさを保つための職人の基本姿勢でもあります。
外壁ローラー塗装のことなら「塗装工事のプロ」小林塗装にお任せください。
小林塗装は、名古屋市にある外壁塗装店です。
当店は、2,003年の創業以来、名古屋で「塗装専門店」として豊富な知識・経験・ワンランク上の塗装技術で、外壁塗装を行っています。
塗装工事の見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、名古屋「塗装工事の専門店」小林塗装ホームページのコンテンツ作成をしています。
塗装工事のエキスパートとして、外壁・屋根・室内など塗り替え工事を検討している一般のお客様にとって分かりやすく、役立つ情報発信をいつも心掛けています。
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