

外壁塗装 足場工事の基礎知識
今回は、外壁塗装や屋根塗装における足場工事の基礎知識を「名古屋の塗装店」小林塗装が分かりやすく、外壁塗装を検討しているお客様にお伝えします。
1. 現在の足場業界について

最近の足場業界は、新築・リフォーム需要により、足場材の需要が増えています。
しかし、足場業界の現状は、経験豊富な熟練足場職人の高齢化が進んでおり、またリーマンショック以降の建築不況によって、現場を動かす中堅の足場職人が育たなかった為、人材不足の問題が深刻化しています。
足場仮設工事は、主に高所作業となる為、脚力が必要で重い足場材を運ぶ事も多く、腕力、作業を続ける体力、精神力が必要なとても過酷な職業です。
しかも、機械に頼る事ができない足場工事は、住宅塗装工事において絶対に欠かせない職業と言えます。
住宅の塗装工事を施工する会社は、ハウスメーカー、リフォーム会社、塗装専門店‥
とありますが、住宅塗装の場合足場を自社で組むケースはほとんどありません。
そんな住宅塗装工事では、自社で足場を組むケースも含めて、全部で4パターンあります。
住宅足場の組み方
- ① 塗装店が足場材を持っていて、自社で足場を組みます。
- ② 塗装店が足場をレンタルして、自社で足場を組みます。
- ③ 塗装店が足場屋に頼んで、足場屋の足場材で足場を組んでもらいます。
- ④ 塗装店が足場屋に頼んで、足場屋が足場レンタル業者からレンタルして組んでもらいます。
1番初めにお伝えした、「塗装店が足場を持っていて、自社で足場を組む。」が唯一自社で全て施工する、この場合、お値打ちに足場を組む事ができますが、毎日足場を架けているプロの足場屋さんに比べて施工時間が長くなりがちで工期が伸びてしまう‥といった欠点もあるので、ほとんどの塗装屋さんは足場屋さんに依頼して足場を組んでいます。
なお、最近ではパターン3とパターン4のケースが多いです。
2. 塗装工事 足場無料!のカラクリ

多くのお客様は、「塗装工事 足場無料!」というチラシを見かけたり、お客様が塗装工事の見積りをとった際、営業マンに足場を無料にすると言われた事はありませんか?
また、足場が無料になるからといって、工事契約の直前までなってしまってはないでしょうか?
塗装工事を経験された事のないお客様の為にも説明させて頂きますが、こういった説明は足場工事を無料にする事でお得感を演出し、塗装工事の契約を急かす「典型的な営業トーク」なのです。
ですから、これはお得だと思って釣られて契約してしまっては絶対にいけません。
なぜなら、足場が無料になっている訳ではなく、他の部分を価格を操作して足場費用を取っているだけにすぎません。
こういった営業トークの具体例を2つご紹介します。
「塗り替えキャンペーンで、今なら足場代が無料!!」
「今、近所で塗装工事をしていて、足場の運搬費が掛からないから、足場費用をタダにします。」
大体、この2パターンが多いです。
このような2パターンの結論から言いますと、足場費用が無料になる事は絶対にありません。
足場を組み立てるには塗装作業と違って、組み立てて解体するのに、かなりの労力が必要とされるからです。
足場工事をよく知らない素人目からすると、近所で工事をしているから足場を運ぶ距離が短くなるので費用が安くなると一見思いがちですが、例え次の現場が近くても、遠くても、足場を解体して組み立てるのは全く同じ労力が掛かります。
例え、交通費やガソリン代が安くなったとしても、足場工事費用全体に占めるウェイトは微々たるものだと言えます。
さらに足場工事は、安全かつ品質の高い外壁塗装をする上で必ず必要で、一般的な30坪ほどの家で15万円~20万円程度の費用が掛かります。
ですから、冷静にちょっと考えればお分かり頂けると思いますが、15万円〜20万円もする工事を無料にしてしまうと、当然ですが工事を請け負った業者にとって、かなりの痛手になってしまいます。
というよりも、そんな気前の良い会社がある訳ありません。
(仮にいつもそんな事をやっていたら、とっくにその会社は潰れています。)
何度も繰り返しお伝えしますが、仮に足場費用が無料であったとしても、足場費用を他の部分に上乗せしている場合がほとんどで、最終的な工事費用は変わりません。
3. 足場の価格相場について

現在、足場工事の施工単価は、地域や業者によって、価格差が生じますが極端に変わる事はありません。
一般住宅の場合、大体1㎡あたり650円〜1,000円(税別)が足場工事の相場と言えます。
これは、足場の設置及び解体、塗料の飛散防止ネットの取り付け、取り外し、トラックでの資材運搬、交通費、損料、工事保険代を含めた金額で、一般的な2階建て住宅の場合、ほとんどが15~20万円程度の足場費用で収まります。
そこで、もし手元に塗装工事の見積書があるお客様は、1㎡あたりの施工単価の欄に注目して下さい。
1㎡あたりの価格が1,000円位なら許容範囲ですが、あまりにそれを上回っている場合は注意が必要です。
一般的に外壁塗装は、工事代金全体の約15~22%が足場費用になります。
ですから、外壁塗装を行うお客様によっては、同時に屋根塗装をしてしまうお客様も多いです。
屋根塗装する際、もしその屋根勾配が急な場合、屋根の上で作業する職人の安全性と作業性を十分確保するため、屋根に足場を組む必要がある事もあります。
その場合、屋根足場の費用も加算されるので、事前の確認が必要です。
4. 外壁塗装で足場をかける必要があるの?

そもそも、外壁塗装で足場をかける必要があるの?
外壁塗装や屋根塗装を検討しているお客様の中には、「足場を組まずに脚立やはしごを使って塗装する事はできないのだろうか?」‥と考えているお客様もいるかと思いますが、結論から先お伝えしますと、仮設足場は、必ず組んでもらった方が絶対に良いです。
実際、脚立やハシゴだけで住宅を塗装をする事は不可能ではありません。
しかし足場が無い場合、上下左右の移動がしづらく、両手放しで作業ができないので、品質の良い塗装ができません。
それでも中には、塗装工事に加えて20万円も払いたくないと思うお客様もいるかもしれませんが、その考え方は絶体に良くありません。
中には足場がなくても塗装できますと言う業者もいるかと思いますが、ちょっと冷静に考えてみると先にお伝えした通り、作業上の足場が安定しない分、作業がしづらいので、作業に時間が掛かり、おまけに品質の良い塗装ができないという事は容易に想像できますし、100万円以上もする塗装工事の足場費用をケチった事によって、塗装工事が台無しになってしまいます。
つまり、足場を組む事は、品質の良い外壁や屋根の塗装工事にとって必要不可欠だと言えます。
5. 外壁塗装 足場の種類について
住宅足場の種類は、大きく分けると3種類あります。
5-2 外壁塗装 足場の種類 単管足場

単管足場とは、単管という丸い鋼管パイプをクランプで2本抱き合わせて組み立てる足場です。
鋼管パイプ2本の上を足が乗るので、意識して作業しないと、鋼管パイプの上で足を滑らせてしまい、転落事故を起こしかねません。
こういった理由から、現在単管足場は住宅塗装工事ではほとんど使われる事がありません。
ただし、クサビ足場や単管ブラケット足場では作業できない様な狭い部分‥では単管足場が現在でも使われる事があります。
5-3 外壁塗装 足場の種類 単管ブラケット足場
単管ブラケット足場とは、単管パイプにブラケットという支持・取付け金物を取り付け、足場板(道板)を敷き、その上で作業する足場材です。
足場材の高さや躯体との間隔を細かく調整でき、組み立ての自由度が高いも大きな特徴です。
単管足場とは違い、ブラケット足場は足を乗せる道板があり、安全に移動する事ができるので作業がしやすいです。
基本的に、単管ブラケット足場は道板を付けて足場を組むのが一般的です。
しかし、単管足場と同様にクランプをラチェットレンチで閉めて組み立てなければならないので、作業内容に不備があると足場が揺れやすくなる事があります。
また、単管ブラケット足場は部材一つ一つを組み合わせる必要があるので、足場を組むのに時間が掛かるのが欠点です。
5-4 外壁塗装 足場の種類 クサビ足場
現在、最も頻繁に住宅塗装工事で使われている足場がこの「クサビ型足場」です。
クサビ足場は、ブラケットや支柱をハンマーで打ち込み組み立てていく足場で、組み立てるのも解体するのも非常に早く施工する事ができます。
また足場板幅の種類も多く、ハンマーでガッチリ固定して組むので、足場の揺れも少なく住宅用の足場の中では、一番作業しやすいといえる足場材です。
クサビ足場には、信和「シンワキャッチャー」、ダイサン「ビケ足場」、KRH「KRHクサビ式足場」、ホリー「サスコム」、三共「セブン足場」、平和技研「ヘイワビルダー」‥と言った種類があります。
6. 一般住宅 足場費用の算出方法
お客様自身で、ざっくりとした足場面積を簡単に積算し見積する方法をお伝えします。
ざっくりとした 住宅足場面積の算出方法
(住宅の外周 m+足場から距離①)×高さ m= ㎡ 足場仮設面積
※ 足場から外壁までの距離=約0.3(軒無し・狭小住宅)~1.2m(軒が深い住宅)程度
※ 2階建て一般住宅 高さの出し方
外壁が雨樋の高さまでの場合=約5.6m
外壁が屋根の天辺付近まである場合=約7m
『ざっくりとした 外壁塗装面積の算出方法
足場仮設面積 ㎡×0.7= ㎡ ざっくりとした外壁塗装の面積です。
※一般住宅の外壁塗装面積は、足場面積の約70%程度です。
(窓、ドアなど開口部分を除くと、大体このくらいの面積になります。)
足場仮設面積 ㎡×足場の価格相場650円~1,000円= 円 足場施工費用

上記のように計算すると、一般的な30坪の2階建ての住宅場合、大体15万〜20万円が足場の価格になるはずです。
なお、外壁塗装と屋根塗装を別々に行う場合、足場費用が2倍程度掛かってしまうので、外壁塗装、屋根塗装の両方検討しているお客様は外壁と屋根を同時に塗装工事した方が経済的と言えます。
7. 外壁塗装 足場工事の基礎知識 まとめ
外壁塗装を行う上で、多くの費用が掛かる足場工事は外壁や屋根の知識と同様にある程度知っておく必要があります。
そんな足場工事に関連する大事なポイントを分かりやすくまとめますと
- 1. 足場費用が無料になる事は、まずをもってありえません。
- 2. 足場費用の相場は、一般的な家庭で15〜20万円程度掛かります。
- 3. 住宅足場の種類は3種類あり、住宅足場のほとんどは、くさび形足場が使われています。
以上の3点をしっかり理解する事が、適正価格で高品質な外壁塗装を完成させる事に繋がると思います。
足場工事の事なら、小林塗装にお任せ下さい。
小林塗装は、名古屋市にある外壁塗装店です。
当店は、2,003年の創業以来、名古屋で「塗装専門店」として豊富な知識と経験で、足場工事や外壁塗装を行っています。
名古屋周辺にお住まいの方は、無料で外壁塗装診断を行っています。
足場工事のお見積・
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コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、名古屋「塗装工事の専門店」小林塗装ホームページのコラムを作成しています。
塗装工事のエキスパートとして、外壁・屋根・室内‥塗り替え工事を検討している一般のお客様にとって分かりやすく、役立つ情報発信をいつも心掛けています。
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