シャッター塗装の正しい施工手順|塗り替え時期・塗料選びの注意点
外壁をきれいに塗り替えたあと、窓まわりを見てみると、「あれ、シャッターだけ妙に古く見えるな」と感じることがあります。
外壁はすっきり新しくなったのに、シャッターだけ白っぽく色あせていたり、細かなサビがポツポツ出ていたり。
洋服は新しくしたのに、靴だけずいぶん履き込んだまま――そんな感じでしょうか。
そこで「せっかく外壁を塗るなら、シャッターも一緒に塗っておこう」と考える方は多いと思います。
もちろん、状態が良ければシャッターも塗装できます。
ただ、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。
シャッターは、単なる「金属板」ではなく、開け閉めするために何枚ものスラットが動く「可動する建具」だということです。
細長いスラットが連結され、左右のガイドレールの中を上下し、上部のシャッターボックスへ巻き取られていきます。
つまり、塗装したあとも部材同士が動いたり、触れたり、曲がったりするわけです。
そのため、外壁や雨戸と同じ感覚で「しっかり厚く塗っておけば安心」というものではありません。
むしろ厚く塗り過ぎることで、開閉が重くなったり、スラット同士が貼り付いたり、巻き上げた瞬間に塗膜が線状に剥がれたりすることがあります。
シャッター塗装で大切なのは、どこを塗るかだけではなく、「どこを塗らないか」を見極めること。
そして、材質、既存塗膜、サビ、作動状態を確認したうえで、下地に合った塗料を選び、必要以上に塗膜が厚くならないよう均一に仕上げることです。
きちんと施工できれば、色あせや軽いサビを整えながら、金属表面を雨や紫外線から守ることができます。
外壁との色も揃って、窓まわりがすっきりすると、住まい全体が思っている以上にきれいに見えます。
このコラムでは、名古屋で外壁塗装や金属塗装を行っている小林塗装が、シャッター塗装の施工手順、材質別の塗料選び、塗ってはいけない部分、失敗しやすいポイント、費用、DIYの注意点まで、現場で確認している内容を交えながら詳しく説明します。
シャッターを塗るか迷っている方はもちろん、外壁塗装の見積書に「シャッター塗装」と書かれていて、「実際には何をするの?」と思っている方にも参考にしていただければと思います。
- ■ シャッターを塗装できる状態と、交換を優先した方がよい状態
- ■ スチール・亜鉛めっき鋼板・アルミなど材質による塗装方法の違い
- ■ シャッター塗装で行う下地処理から仕上げまでの詳しい施工手順
- ■ ガイドレールや可動部など、原則として塗装しない部分
- ■ 吹き付け・ローラー・刷毛による仕上がりと施工性の違い
- ■ 塗膜の貼り付き・剥がれ・作動不良を防ぐための考え方
- ■ シャッター塗装の費用と見積書で確認しておきたいポイント
- ■ DIY塗装と専門業者へ依頼する判断基準
1. シャッター塗装で最も大切な結論
まず、シャッター塗装で一番大切なのは、材質と作動状態を最初に確認し、接触する可動部には塗料を付けず、スラット表面へ必要な塗膜を薄く均一につくることです。
少し変な言い方ですが、私たちはシャッターを見るとき、「鉄部」というより「塗装することのできる機械部品に近い建具」として考えています。
シャッターは、開け閉めするたびにスラットが曲がり、隣り合う部分がわずかに接触しながら、ガイドレールの中を上下します。
この動きを無視して塗料を厚く付けると、乾いた塗膜が接着剤のような状態になり、スラット同士がくっついてしまうことがあります。
さらに見た目が同じようなシャッターでも、スチール、亜鉛めっき鋼板、アルミ、ステンレス、カラー鋼板など、素材や表面処理はさまざまで、ここが金属塗装の少しややこしいところで、「金属だから全部サビ止めを塗ればよい」というわけではありません。
例えば、一般的な鉄部へ使いやすい防錆プライマーでも、亜鉛めっき面やアルミには十分に密着しないことがあります。
反対に既存の工場塗膜がしっかり残っている場合は、金属素地そのものより「古い塗膜と新しく塗る塗料の相性」の方が重要になることもあります。
ですから、良いシャッター塗装は「高い塗料を使っているか」より、「塗る前にどこまで状態を見ているか」で差が出ます。
サビの深さ、旧塗膜の密着、油汚れ、スラットの変形、ガイドレールとの擦れ、開閉時の異音。
こうした少し地味な確認の積み重ねが、実は仕上がりと耐久性を大きく左右します。
小林塗装では、施工前にシャッターを実際に開閉し、塗装できる状態なのか、先に修理した方がよいのかを確認します。
「せっかく足場があるから何でも塗っておきましょう」ではなく、塗らない方がよいものは塗らない。
これも、長く安心して使っていただくための塗装店の仕事だと考えています。
2. 塗装前に確認したいシャッターの種類と材質
シャッター塗装で失敗しないためには、まず「このシャッターは何でできているのか」「どんな構造なのか」を確認します。
見た目だけでは分かりにくいので、可能であればメーカー名、品番、設置時期、取扱説明書なども確認します。
特に電動シャッターや防火設備に関係する製品は、塗装だけを見て判断しないことが大切です。
戸建住宅の掃き出し窓や腰窓によく付いているタイプです。
手動式と電動式があり、外から見ると金属製に見えても、アルミと鋼板、樹脂部品などが組み合わされている製品もあります。
窓用シャッターのスラットは比較的薄く、上部のボックスへ小さな半径で巻き取られます。
つまり、塗装後には思っている以上に塗膜へ曲げの力が加わります。
そのため、一度にベタッと厚く塗るよりも、塗料を均一に配り、谷部や連結部へ余分な塗料をためないことが重要です。
電動式では、モーター、配線、受信部、障害物検知機能なども組み込まれています。
高圧洗浄や吹き付け塗装を行う場合は、こうした部分へ水や塗料を入れない養生と施工方向の管理が欠かせません。
車庫、倉庫、店舗などに使われる比較的大きなシャッターです。
スチール製や亜鉛めっき鋼板製が多く、屋外では紫外線、雨、排気ガス、砂ぼこりなどの影響を受けます。
塗装面積が大きいため、塗り方が悪いとローラー模様、艶ムラ、塗り継ぎが想像以上によく見えます。
特にスラットの谷部分。
ここへ塗料を入れ過ぎると、タレたり、乾燥が遅れたり、巻き上げ時に塗膜が傷みやすくなります。
また、ガレージでは車のワックス、油分、排気ガス汚れなどが付着していることがあります。
見た目はきれいでも塗料をはじくことがあるため、水洗いだけで済ませず、必要に応じて脱脂まで行います。
工場、ビル、商業施設などで使われる重量シャッターや防火シャッターは、単なる外装部材ではなく、安全設備としての役割を持っている場合があります。
感知器、自動閉鎖装置、危害防止装置、非常用スイッチ、座板、安全センサーなどが関係する製品では、塗装によって機能を妨げてはいけません。
メーカー名、型式、点検ラベル、注意表示なども、後々の点検や部品交換に必要になる情報です。
見た目をきれいにしたいからといって、何でも塗りつぶせばよいわけではありません。
(重要)重量シャッター、防火シャッター、作動に異常がある電動シャッターは、一般的な住宅塗装の感覚で分解や調整を行わず、必要に応じてメーカーやシャッター専門業者へ確認することが基本です。
同じ「シャッター」でも、材質が違えば下地処理も下塗り材も変わります。
| 材質・表面 | 主な特徴 | 塗装時の注意点 |
|---|---|---|
| スチール | 強度があり、住宅・倉庫・店舗で広く使われる | サビや浮いた旧塗膜を除去し、状態に合う防錆プライマーを使用する |
| 亜鉛めっき鋼板 | 鋼板を亜鉛の層で保護している | 一般的な鉄部用サビ止めでは付着が不安定になる場合があり、めっき面に適合する下塗材を選ぶ |
| カラー鋼板・化粧鋼板 | 工場で塗装や化粧処理が施されている | 既存塗膜との相性を確認し、必要に応じて試し塗りを行う |
| アルミ | 軽量で赤サビが発生しにくい | 脱脂・目荒らしを行い、アルミに適合するプライマーを使用する |
| ステンレス | 耐食性に優れるが、表面が滑らかで塗料が付きにくい | そもそも塗装が必要かを確認し、塗る場合は適切な下地処理と専用下塗材を選ぶ |
| 木製 | 意匠性が高く、自然な風合いがある | 含水状態、腐朽、旧塗膜を確認し、木部に合う塗装仕様を組む |
「磁石が付いたから鉄ですね」という判断だけでは十分ではありません。
亜鉛めっき鋼板にも磁石は付きますし、表面に工場塗装が残っていれば、実際に新しい塗料が接するのは金属ではなく旧塗膜です。
メーカー資料、表面の状態、サビ方、研磨した際の素地、既存塗膜の密着などを合わせて判断する。
このひと手間が、数年後の剥がれを減らす大切な部分です。
3. シャッター塗装が必要になる劣化症状と塗り替え時期
「シャッターは何年ごとに塗ればいいですか?」とよく聞かれますが、外壁と同じように、年数だけで一律に決めるのはおすすめしていません。
南向きか北向きか、雨が当たるか、海に近いか、道路沿いか、毎日開け閉めするか。
条件が違えば、同じ年数でも劣化の進み方はかなり変わります。
最初に気づきやすいのが、色あせや艶の低下です。
表面が少し白っぽく見えたり、以前よりくすんで見えたりします。
この段階ですぐ穴が開くようなことはありませんが、紫外線や雨によって表面の塗膜が少しずつ劣化しているサインです。
外壁を塗り替えるタイミングでシャッターの色あせも目立っているなら、一度状態を確認しておくとよいでしょう。
表面を手で触ると、白い粉や元の色に近い粉が付く状態です。
紫外線などによって塗膜表面の樹脂が劣化し、顔料が粉のように残っている状態です。
ここで大切なのは、その粉を残したまま塗らないこと。
いくら良い塗料を塗っても、その下に粉の層が残っていれば、新しい塗膜はシャッター本体ではなく「粉にくっついているだけ」になってしまいます。
赤茶色の小さな点がポツポツ出始めたら、できれば早めに対処したいところです。
サビは、塗料を上からかぶせただけでは基本的に解決しません。
浮いた酸化物や弱くなった部分を除去し、周囲の水分、塩分、汚れなどもできるだけ取り除いてから防錆処理を行います。
サビの上に高級塗料を塗っても、下地が弱ければ長持ちは期待できません。
料理に例えるなら、少し傷んだ食材へ高級なソースをかけても、おいしい料理にはなりにくいのと同じです。
塗装も、仕上げより前の「下ごしらえ」がかなり重要です。
既存塗膜が浮いたり剥がれたりしている場合、そのまま上から塗ることはできません。
新しい塗料だけがどれだけしっかりしていても、その下にある古い塗膜が剥がれれば、一緒に取れてしまうからです。
経年劣化だけでなく、以前の塗装で脱脂や目荒らしが不足していた、下塗りが材質に合っていなかった、乾燥前に巻き上げたなど、過去の施工条件が影響している場合もあります。
開け閉めするとガタガタ音がする、途中で止まる、片側だけ下がる、以前より重い。
こうした症状がある場合は、塗装よりも先に作動状態を確認します。
塗装は表面を保護する工事です。
モーターの不具合やスラットの変形、巻き取り機構の異常まで直すものではありません。
塗る前から調子が悪かったのか、塗ったことで悪くなったのか。
ここを曖昧にしないためにも、施工前の開閉確認はとても大切です。
4. シャッター塗装ができる状態と交換を優先する状態
シャッターは、塗れば何でも元通りになるわけではありません。
塗装でできるのは、あくまで表面を保護し、美観を回復させること。
サビで薄くなった鋼板の厚みや、曲がってしまったスラットの形、壊れたモーターまでは戻せません。
| 状態 | 塗装の判断 | 推奨する対応 |
|---|---|---|
| 色あせ・軽いチョーキング | 塗装できることが多い | 洗浄・目荒らし・適合下塗り・上塗り |
| 浅い点サビ | 塗装できることが多い | ケレン・防錆処理・上塗り |
| 部分的な塗膜剥離 | 旧塗膜の密着状態による | 弱い塗膜を除去し、必要に応じて試験施工 |
| スラットの大きな凹み・変形 | 塗装だけでは改善しない | スラット交換やメーカー修理を検討 |
| サビによる穴あき | 原則として交換を優先 | 部品交換または本体交換 |
| 巻き上げ不良・途中停止 | 塗装前に点検・修理が必要 | メーカー・専門業者へ相談 |
| ガイドレールからの外れ | 塗装を行う状態ではない | 使用を控え、早めに点検 |
| 電動部品の故障 | 塗装では改善しない | モーター・配線・制御部などを点検 |
特に注意したいのが、サビが進んで鋼板そのものが薄くなっている場合です。
表面だけきれいに塗れば、一見すると直ったように見えるかもしれません。
しかし、塗料には失われた金属の強度を戻す力はありません。
見た目だけなら塗れてしまう。
だからこそ、塗装店側の判断が大切になります。
何でも仕事にして塗ってしまうのではなく、「これは塗装で守れる」「これは先に修理した方がよい」「これは交換した方が安心」と正直に分けること。
少し商売っ気がないように見えるかもしれませんが、結果的にはその方がお客様のためになります。
5. シャッター塗装で塗ってはいけない部分
シャッター塗装では、「どこをきれいに塗るか」と同じくらい「どこへ塗料を入れないか」が重要です。
塗料は液体のときには薄く見えますが、乾燥すると塗膜になります。
下塗り、中塗り、上塗りと膜が重なれば、わずかな厚みでも接触部分では影響が出ることがあります。
シャッター両端のスラットが上下する溝です。
ここへ塗料が何層も付くと、クリアランスが小さくなり、擦れ、異音、引っ掛かりの原因になることがあります。
外側の見える部分を塗装するときも、スラットが実際に接触するレール内部はきちんと養生します。
スラットの継ぎ目は、シャッターを巻き取るときに角度が変わります。
この谷へ塗料をたっぷり入れると、隣り合うスラットの間に塗膜でつながってしまうことがあります。
その状態で動かせば、当然その橋は切れます。
結果として、ひび割れや線状の剥がれにつながります。
奥まで完璧に塗ろうとせず、見付け面を中心に、可動を妨げない塗膜へ整えることが基本です。
座板やガイドレールには、ゴム、モヘア、樹脂製の気密材などが使われています。
こうした部分へ塗料を付けると、硬化、変形、ベタつきなどの不具合が起こることがあります。
また、古くなったゴムや樹脂へ粘着力の強いマスキングテープを貼ると、養生を剥がすときに部品まで傷めることがあります。
養生テープも「貼れれば何でも同じ」ではありません。
鍵穴へ塗料が入れば、当然鍵が使いにくくなります。
電動シャッターのスイッチ、センサー、受信部、配線接続部分などにも塗料を付けません。
作業中の誤操作を防ぐため、スイッチ部分を養生し、必要に応じて操作禁止の表示を行います。
メーカー名、製造番号、型式、製造年月、注意事項などが書かれたラベルは、将来修理するときの重要な情報です。
ペンキで真っ白に塗られた銘板を見ることもありますが、いざ故障したときに品番が分からず困ることがあります。
きれいに仕上げることと、大切な情報まで消してしまうことは別です。
必要な表示は養生して残します。
6. シャッター塗装の詳しい施工手順
ここからは、一般的なスチール製・亜鉛めっき鋼板製シャッターを想定して、実際の施工をもう少し細かく見ていきます。
もちろん、すべてのシャッターを同じ方法で塗るわけではありません。
材質、旧塗膜、使用する塗料、メーカー仕様によって工程は調整しますが、「何を確認しながら施工するのか?」を知ってもらう参考にはなると思います。
まず塗る前にシャッターを動かします。
メーカー、型式、手動・電動、設置年、過去の塗装歴などを確認しながら、ゆっくり開閉させます。
- ■ 開閉が重くないか
- ■ 途中で止まらないか
- ■ ガイドレールへ強く擦れていないか
- ■ スラットに凹み・曲がり・外れがないか
- ■ 電動式の安全機能が正常か
- ■ 施工前から傷・剥がれ・異音がないか
この確認をせずにいきなり塗ってしまうと、工事後に「前はこんな音しなかった」といった話になりかねません。
施工前の写真や動画を残して、お客様と状態を共有しておく。
華やかさはありませんが、こういう記録が施工管理ではかなり大切です。
床、外壁、サッシ、ガラス、照明、植栽、車など、塗料を付けたくない部分を養生します。
特に吹き付け塗装では、塗料ミストが思っている以上に遠くまで流れます。
風向きによっては、作業している側ではなく反対側へ回り込むこともあります。
住宅密集地では、「シャッター一枚を塗るだけだから」と簡単には考えられません。
電動式なら、ご家族が室内からうっかりリモコンを押してしまわないように操作禁止を共有します。
店舗やガレージでは、営業時間や車の出入り、防犯まで考えて段取りを組み建てる必要があり、塗装だけできればよいのではなく、普段の生活や営業をなるべく邪魔しないことも現場管理の一部です。
砂、ホコリ、泥、排気ガス汚れ、鳥のふん、クモの巣などを落とします。
意外に厄介なのが油分で、車庫のシャッターなどは、排気ガスやワックス成分、手垢が付いていることがあります。
油分が付いたまま研磨すると、落とすつもりが逆に表面へ広げてしまうこともあります。
軽い汚れなら中性洗剤と柔らかいスポンジで洗浄します。
高圧洗浄を行う場合は、外壁を洗うときのように至近距離から強い圧力を当てません。
薄いスラットを変形させたり、シャッターボックスや電気部品へ水を押し込んだりしないよう、距離、圧力、噴射方向を調整します。
洗ったあとは、しっかり乾かします。
「表面が乾いているから大丈夫」と思いやすいのですが、スラットの継ぎ目や座板、ガイドレールまわりには水が残っていることがあります。
塗り始めた途端、隙間から水がじわっと出てくるということも現場では珍しいことではありません。
水分が残った状態で塗装すると、密着不良、膨れ、白化などの原因になります。
時計だけを見るのではなく、気温、湿度、日当たり、風通しまで見ながら乾燥を判断します。
水洗いで落ちない油分がある場合は、材質や既存塗膜に合う方法で脱脂します。
ただし、「油なら強い溶剤で拭けばいい」というわけでもありません。
化粧鋼板や工場塗装面では、強い溶剤で旧塗膜を軟化させたり、艶を変えたりする場合があるので、目立たないところで確認しながら、素地に合った適切な強さで必要な部分だけ処理します。
こういう作業は、強くやれば良いというものではありません。
ケレンは、金属塗装の寿命を左右する重要な下地処理です。
サンドペーパー、研磨パッド、皮すき、ワイヤーブラシなどを使い、サビ、浮いた旧塗膜、弱くなった表面を取り除きます。
- ■ 浮きサビを残さない
- ■ 剥がれかけた旧塗膜を残さない
- ■ 旧塗膜との段差をできるだけなだらかにする
- ■ 薄いスラットを必要以上に削らない
- ■ ガイドレールや可動部を傷つけない
塗膜が剥がれた部分と残った部分の境目は、周囲をなだらかに研磨します。
こうした処理をフェザーエッジ処理と呼びます。
サビを塗料で見えなくすることと、サビを処理することはまったく別です。
茶色い部分をそのまま隠してしまえば、その日はきれいに見えます。
でも数年後、同じところからまた赤サビが顔を出す。
塗装では、こうした「あとから出る差」がかなり大きいのです。
艶が残った旧塗膜は表面が滑らかなため、新しい塗料が十分に食いつかないことがあります。
そこで研磨パッドや細かなサンドペーパーで表面を均一に擦り、微細な傷を付けます。
目荒らしは、「古い塗膜を全部削り取る作業」ではありません。
新しい塗膜が塗装面につかまるための足場をつくる作業と考えると分かりやすいと思います。
ただし、亜鉛めっき鋼板やアルミなどは、研磨し過ぎて表面処理を傷めないよう注意します。
力任せではなく、下地に合わせた研磨材と力加減が必要です。
ケレンや目荒らしをしたあとは、必ず研磨した粉が出ます。
刷毛、清潔な布、エアブローなどを使って、粉を残さないように清掃します。
粉が残ったまま塗ると、新しい塗料はシャッターではなく、その粉にくっつきます。
これでは密着しているように見えても、下地から浮きやすくなります。
スラットの谷や端部は粉が残りやすいため、正面だけでなく斜めから光を当てて確認します。
清掃後に、汚れた手袋でベタベタ触らないことも大切です。
ガイドレール内部、ゴム、モヘア、鍵穴、スイッチ、センサー、銘板、電装部品などを養生します。
シャッターの養生では、単に「塗料が付かないよう覆う」だけでは足りません。
どこまでを塗装面にするのか。
どこからを可動部として残すのか。
その境界線を決める作業でもあります。
養生は、仕上がりを守る作業であると同時に、シャッターの機能を守る作業です。
鉄部であれば防錆プライマー、亜鉛めっき鋼板やアルミであれば、それぞれの素材や既存表面に適合するプライマーを選びます。
サビが出ていた部分、折り曲げ部、端部、旧塗膜が剥がれた部分などは、状態に応じて先に拾い塗りを行うことがあります。
拾い塗りは、傷みやすい部分へ先に塗料を入れて、必要な保護膜を確保する作業です。
ただし、シャッターでは下塗りだからといって厚くためるのは禁物です。
必要なところへ必要な量を、薄く均一に。
これは下塗りでも上塗りでも変わりません。
また、各塗料には塗り重ね可能時間があります。
乾燥不足のまま次を塗っても問題になりますし、逆に長期間空け過ぎても付着性に影響することがあります。
使用する塗料の施工要領を確認して進めます。
中塗りでは、仕上げ塗料の1回目を塗装します。
シャッターは凹凸が連続しているため、ローラーに塗料を含ませ過ぎると谷部分へドッと流れ込みます。
数枚のスラットごとに区切りながら、塗料を置き、配り、最後に軽く整える。
この流れで塗布量をそろえていきます。
刷毛とローラーを併用するときは、端部を刷毛で塗ってから、その部分が乾き切る前にローラーで肌をなじませます。
刷毛部分だけ先に乾くと、艶や肌の違いが残りやすくなります。
「触って手に塗料が付かないから、もう乾いたでしょう」と思われがちですが、塗料の乾燥はもう少し複雑です。
表面だけが乾いた状態と、次の塗装ができる状態、さらにシャッターを巻き上げても問題が起きにくい状態は、同じではありません。
気温が低い日、湿度が高い日、日陰、塗膜が厚い部分では乾燥が遅くなります。
ここで急いでシャッターを巻き上げてしまうと、スラット同士が貼り付き、せっかくの塗膜が筋状に剥がれることがあります。
「早く開けたい気持ちを少し我慢する時間」これも立派な施工工程です。
上塗りでは、中塗りの透け、塗りムラ、ローラー肌を確認しながら、最終的な塗膜を整えます。
シャッターは正面から見るときれいでも、斜めから見ると谷部が透けていることがあります。
そのため、正面だけではなく左右、斜め下、斜め上と見る角度を変えながら確認します。
また、赤、黄、鮮やかな青などは、色によって隠ぺい性が低く、標準的な回数だけでは下地が透ける場合があります。
その場合は、下塗り色を調整したり、中間色を利用したり、必要に応じて工程を追加したりします。
ただし、「透けるなら何回も厚く塗ればいい」というものではありません。
発色と塗膜厚、そしてシャッターの可動性。
この三つをバランスよく考える必要があります。
養生テープは、塗料の乾燥状態を見ながら適切なタイミングで撤去します。
完全に硬化したあと無理に剥がすと、塗膜の端まで一緒に持ち上がる場合があります。
養生を取ったあとも、すぐにシャッターを全開にするわけではありません。
使用した塗料、気温、湿度、膜厚などを考慮し、十分に硬化するまで待ちます。
夜露や雨が予想される日は、夕方まで無理に塗り続けない判断も必要です。
遅くまで作業していると一生懸命に見えますが、塗装では「今日はここで止めよう」と決めることも品質管理。
なかなか地味ですが、大切な判断です。
塗膜が十分に硬化したことを確認してから、少しずつシャッターを動かします。
最初から勢いよく全開にせず、途中で止めながら音や抵抗を確認します。
- ■ 塗膜同士が貼り付いていないか
- ■ ガイドレールへ強く擦れていないか
- ■ 巻き上げ時に塗膜が線状に剥がれないか
- ■ 途中停止や傾きがないか
- ■ 電動式の安全機能が正常に作動するか
- ■ 鍵やロックを正常に使用できるか
最後に塗り残し、透け、タレ、塗料の飛散、養生跡などを確認します。
そしてお客様へ「何時以降なら開閉してよいか」「しばらく注意していただきたいこと」をお伝えして完了です。
塗って終わりではなく、きちんと動くところまで確認してシャッター塗装は一区切りです。
7. シャッター塗装に使用する下塗り材と上塗り塗料
シャッターの塗料を選ぶときは、「何年持つ塗料か」だけでは決めていけません。
付着性、防錆性、乾燥性、塗膜の硬さ、柔軟性、耐候性、そしてスラット同士が接触したときに貼り付きにくいかといった性質まで考えるひつようがあります。
外壁では長期耐候性が大きな比較ポイントになりますが、シャッターは動く部材なので、少し考え方が違います。
サビを除去し、下地の状態に合う防錆プライマーを使用します。
変性エポキシ樹脂系などの防錆下塗材を使い、その上へ弱溶剤形のウレタン系、シリコン系などを塗装する仕様が一般的です。
ただし、「サビているところだけサビ止めを塗ればよい」とは限りません。
旧塗膜の劣化状況や密着性によっては、部分補修だけでなく全面下塗りを選ぶこともあります。
亜鉛めっき鋼板は、鉄のように見えても表面性状が違います。
そのため、一般的な鉄部用サビ止めを何となく塗ると、十分に密着しない場合があります。
新品に近いめっき面ほど表面が滑らかで、塗料が食いつきにくいこともあります。
脱脂、適度な目荒らし、適合プライマーの選定が重要です。
すでに工場塗装が施されている場合は、めっき面そのものより旧塗膜との相性を確認します。
必要に応じて小範囲で試し塗りを行い、縮れ、軟化、密着不良などがないかを確認します。
アルミは鉄のような赤サビは出にくいものの、白っぽい腐食や点状の変色が起こることがあります。
また表面が平滑なので、下地処理をせず直接上塗りすると剥がれやすい素材です。
塗装する場合は、脱脂、適度な目荒らしを行い、アルミに適合する非鉄金属用プライマーなどを選定します。
ただし、アルミは何でも塗れば良いわけではありません。
元の表面処理がまだ良好なら、洗浄だけで十分きれいになることもあります。
「塗れるか」ではなく、「本当に塗る必要があるか」から考えます。
| 塗料 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 水性塗料 | 臭いが比較的少なく、住宅地で使いやすい | 金属下地との適合性、低温時の乾燥、耐ブロッキング性などを確認する |
| 弱溶剤形塗料 | 金属部へ使用しやすく、平滑性や付着性を得やすい製品が多い | 臭気、火気、換気、近隣への配慮が必要 |
| 2液形塗料 | 主剤と硬化剤の反応によって塗膜性能を発現する | 配合比、攪拌、可使時間、塗り重ね時間の管理が重要 |
| 1液形塗料 | 硬化剤を計量する必要がなく、施工管理しやすい | 製品ごとの適用下地と要求性能を確認する |
シャッターに対して「無機塗料が一番良いですか?」「フッ素なら一番長持ちしますか?」と聞かれることもあります。
しかし、シャッターの場合は単純な耐候年数の競争ではありません。
いくら紫外線に強くても、塗膜が厚過ぎたり、接触部で欠けやすかったり、乾燥後に貼り付きやすかったりすれば、シャッター用としては使いにくいことがあります。
シャッターには、シャッターの動きに合った塗膜設計が必要です。
塗料の「格」よりも、下地との相性と使い方の方が大切になる場合があります。
8. シャッター塗装は吹き付け・ローラー・刷毛のどれがよいか
シャッターの仕上がりは、使う塗料だけではなく、何で塗るかによってもかなり変わります。
吹き付け、ローラー、刷毛にはそれぞれ向き・不向きがあるので、「どれが一番上手な方法」というより、現場条件に合う方法を選ぶのが正解です。
塗料を細かな霧状にして吹き付ける方法です。
スラットの凹凸へ塗料を均一に届けやすく、上手に施工すれば薄く平滑で、工場塗装に近い見た目をつくりやすい方法です。
シャッターらしいスッキリした仕上がりを求めるなら、非常に相性のよい工法です。
ただし、最大の弱点は塗料の飛散で、塗料ミストは非常に細かいため、住宅密集地や道路沿い、近くに車がある現場ではかなり慎重な養生が必要です。
風が強い日に「今日は予定だから」と無理に吹くことは絶対にダメで、仕上がりだけでなく、周辺環境まで含めて施工方法を検討する必要があります
住宅地で比較的採用しやすいのがローラー塗装です。
吹き付けより飛散が少なく、周囲へのリスクを抑えながら施工できます。
ただし、ローラーなら簡単というわけではありません。
毛丈が長過ぎるローラーや塗料をたっぷり含ませ過ぎたローラーを使うと、スラットの谷へ塗料がたまりやすくなります。
また、力を入れてグイグイ押し付けると、ローラーの両端から塗料が押し出され、筋状の盛り上がりが残ります。
短毛ローラーやマイクロファイバー系など、塗料と仕上がりに合うローラーを選び、力で塗るのではなく、塗料を均等に運ぶ感覚で仕上げます。
刷毛は、端部、隅、細かな部分、ローラーが入りにくい場所では欠かせません。
一方、大きなシャッター全面を刷毛だけで塗ると、刷毛目や塗り継ぎが出やすくなります。
そのため、細部を刷毛で塗って、広い面をローラーで整える方法が現実的です。
ただし、刷毛で先に塗った部分が乾き始めてからローラーをかけると、そこだけ肌や艶が変わります。
作業範囲を小さく区切り、乾燥状態を見ながら進めます。
9. シャッター塗装で起こりやすい失敗と原因
シャッター塗装の少し怖いところは、塗った直後だけ見ればきれいに見える失敗があることです。
「うん、きれいになった」と思って翌日シャッターを開けたら塗膜が剥がれた。
数か月後、同じところからサビが出てきた。
こうした不具合には、それぞれ原因があります。
| 失敗症状 | 主な原因 | 予防方法 |
|---|---|---|
| 塗膜が貼り付く | 乾燥不足・厚塗り・早過ぎる巻き上げ | 塗膜厚を管理し、十分な硬化時間を確保する |
| 開閉が重くなる | ガイドレール内部への塗装・塗料だまり | 可動部と接触部を正確に養生する |
| 巻き上げ時に剥がれる | 下地処理不足・塗膜過厚・塗料の不適合 | 目荒らし・適合下塗り・適正な塗膜厚 |
| サビが再発する | サビ除去不足・水分や汚れの残り・防錆処理不足 | ケレン・清掃・拾い塗り・適切な防錆処理 |
| 塗料が縮れる | 旧塗膜と新しい塗料の溶剤相性 | 試し塗り・適合仕様の確認 |
| 艶が部分的に違う | 塗布量・乾燥速度・塗り継ぎの差 | 同一面を連続して均一に仕上げる |
| ブツブツが残る | 研磨粉・ホコリ・砂などの混入 | 塗装前の清掃と周辺環境の管理 |
| 塗料が垂れる | 一度に付け過ぎた・粘度や希釈が不適切 | 一度に厚く付けず、塗料を均一に配る |
| 近隣車両へ飛散する | 養生不足・風のある日の吹き付け | 施工方法変更・広範囲の飛散対策 |
外壁塗装では、メーカーが定める必要塗布量を守ることがとても大切です。
シャッターも塗膜不足では十分に保護できません。
ただし、可動部材なので「多ければ多いほど安心」という考え方でも困ります。
山部分は薄いのに、谷だけ塗料がたっぷりたまっている。
こうした状態では均一な塗膜とはいえません。
必要な量を、必要な場所へ、均一につける。
言葉にすると簡単ですが、シャッター塗装ではこの塗布量管理に職人の技術差が出ます。
シャッターの動きが少し重いと、「シリコーンスプレーを吹いておけば滑りが良くなるかな」と思うことがあります。
ただ、塗装直前は要注意です。
シリコーン、油、グリースなどが塗装面へ回り込むと、塗料がはじかれ、丸い穴のようなハジキや密着不良が起こることがあります。
潤滑が必要な場合は、塗装完了後、メーカーの取扱説明書などで指定箇所と方法を確認して行います。
「何となく滑りそうだからシュッとしておこう」は、塗装前には避けた方が安心です。
10. シャッター塗装はDIYできる?専門業者へ依頼する判断基準
小さな手動シャッターなら、「これくらいなら自分で塗れそう」と思う方もいるかと思います。
実際、地上から安全に作業でき、サビや傷みが軽く、材質と塗料の相性も確認できるのであれば、DIYを検討できるケースはあります。
ただし、シャッターはペンキを塗る板であると同時に、重量のある可動設備です。
- ■ 地上から無理なく安全に作業できる
- ■ 手動式で、現在の作動状態に異常がない
- ■ サビが軽微で穴あきがない
- ■ 材質と適合塗料を確認できる
- ■ ガイドレールや可動部を正確に養生できる
- ■ 十分な乾燥時間を確保できる
DIYでは塗る作業そのものより、「その間シャッターを使えない」という点も考える必要があります。
ガレージであれば車の出入り、防犯、突然の雨。
実際にやってみると、塗ること以外の段取りの方が案外大変です。
- ■ 電動シャッター
- ■ 2階以上など高所にある窓シャッター
- ■ ガレージ・店舗などの大型シャッター
- ■ 重量シャッター・防火シャッター
- ■ サビ穴・大きな変形がある
- ■ 途中停止・異音・引っ掛かりがある
- ■ 既存塗膜が広い範囲で剥がれている
- ■ アルミ・ステンレス・化粧鋼板など材質判断が難しい
- ■ 近隣住宅や車への飛散リスクが高い
特に電動式、防火設備、大型シャッターは、塗装だけを見て判断しない方が安全です。
塗装工事とシャッター修理は、それぞれ別の専門分野。
分からないところまで無理に触らないことも、プロとして大切な判断だと思っています。
11. シャッター塗装の費用相場と見積書の確認ポイント
シャッター塗装の費用は、大きさだけでは決まりません。
材質、サビの程度、塗装する範囲、下地処理、施工方法、足場の有無などで変わります。
特に小さなシャッターでは、塗装面積そのものよりも、養生、清掃、ケレン、材料準備などの手間が価格へ影響することがあります。
| シャッターの種類 | 一般的な費用目安 | 価格が変わる主な要因 |
|---|---|---|
| 小型の窓用シャッター | 1か所8,000~20,000円前後 | 窓サイズ、ボックス・枠の有無、足場 |
| 約1,200mm×2,400mm程度 | 片面15,000~21,000円前後 | 塗料、サビの状態、枠を含む範囲、色 |
| ガレージシャッター | 30,000~100,000円前後 | 面積、電動・手動、作業環境、劣化状態 |
| 面積単価で算出する場合 | 2,800~4,800円/㎡前後 | 下地処理、塗装回数、養生、施工方法 |
(価格はあくまで目安です)シャッターだけを単独で依頼する場合は、出張費、最低施工費、養生費などが加わるため、単純に「面積×単価」だけでは計算できないことがあります。
外壁塗装と同時に行う場合は、足場や養生、職人の移動などを共用できるため、単独で依頼するより合理的になる場合があります。
- ■ 塗装するシャッターの数量と寸法
- ■ スラット・シャッターボックス・枠のどこまで含むか
- ■ 片面塗装か両面塗装か
- ■ ケレン・清掃・脱脂など下地処理の内容
- ■ 下塗材のメーカー名・商品名
- ■ 上塗材のメーカー名・商品名
- ■ 塗装回数
- ■ ガイドレール内部など塗装しない部分
- ■ サビ穴や変形が見つかったときの対応
- ■ 塗装後に開閉確認を行うか
見積書に「付帯部塗装一式」とだけ書かれていると、シャッターボックスだけなのか、スラット本体まで含むのか分かりません。
「何を・どこまで・どんな下地処理をして・何の塗料で・何回塗るのか」が分かる見積書の方が、工事内容を確認しやすく安心です。
12. 外壁塗装と調和するシャッターのおしゃれな色選び
シャッターは、開いている昼間はそれほど気にならなくても、閉めた瞬間にかなり大きな面積になります。
そのため、外壁だけを見て色を決めるのではなく、サッシ、玄関ドア、雨樋、屋根、シャッターボックスなどとのつながりを見ます。
小さな色見本だけではなく、「家全体で見たときにどう見えるか」が大切です。
ブラック、ブロンズ、ステンカラー、ホワイトなど、サッシに近い色へ合わせる方法です。
窓まわりが一つのまとまりとして見え、外観がすっきりします。
色選びに迷ったときにも比較的失敗しにくく、住宅全体を落ち着いて見せやすい配色です。
アイボリーやベージュ、明るいグレージュの外壁なら、モカブラウン、アッシュグレー、濃いグレージュなどを合わせる方法があります。
真っ黒ほど輪郭が強くならず、窓まわりをほどよく引き締められます。
柔らかい外壁色に少しだけ濃い色を入れると、洋服でベルトや靴の色を合わせるように、全体がきれいにまとまります。
外壁とシャッターの色差を小さくすると、窓の存在感が弱くなり、建物全体が静かにまとまって見えます。
狭い間口の住宅や、窓まわりをあまり強調したくない外観には効果的です。
ただし、同じ色番号を使っても、外壁と金属では艶や光の反射が違うため、完全に同じ見え方にはなりません。
色番号だけではなく、艶と素材感まで合わせて考えます。
ブラック、チャコールグレー、濃紺などは、モダンで引き締まった印象になります。
ただし、大きなガレージシャッターを真っ黒にすると、思った以上に存在感が強くなることがあります。
また、濃色はホコリや擦り傷が見えやすくなる場合があります。
できれば小さなカタログ見本だけで決めず、A4程度以上の塗板を屋外で見て、日なたと日陰の両方で確認するとイメージしやすくなります。
13. シャッター塗装後の美観と作動を保つメンテナンス
塗装後のシャッターを長くきれいに保つコツは、実はそれほど特別なことではありません。
一番大切なのは、砂、ホコリ、塩分などを長期間ため込まないことです。
柔らかい布やスポンジを使い、水または薄めた中性洗剤でやさしく清掃します。
洗剤を使ったあとは水で十分に流し、できれば水分も拭き取ります。
金属たわし、硬いブラシ、研磨剤入り洗剤、強い溶剤などは、塗膜へ細かな傷を付ける可能性があるため避けます。
ガイドレールへ砂、小石、枯葉などが入ると、スラット表面を擦ったり、開閉が重くなったりします。
掃除機や柔らかな刷毛、布などでkaruku取り除きます。
塗装面だけをきれいにしていても、動く場所に砂がたまっていれば傷は増えます。
シャッターは「塗膜」と「動く部分」の両方を見てあげることが大切です。
塩分、排気ガス、粉じんなどが付着しやすい環境では、金属部の腐食が進みやすくなります。
特に軒下など雨が直接当たりにくい場所は、「雨が当たらないから傷みにくい」とは限りません。
雨で自然に洗い流されないため、汚れや塩分が残り続けることがあります。
小さな点サビのうちに気づけば、部分補修や再塗装で対応できる可能性があります。
サビは大きく育ててから対処するより、小さいうちに見つけた方がずっと楽です。
14. シャッター塗装の施工手順と注意事項まとめ
シャッター塗装は、一見すると普通の金属塗装に見えます。
ですが実際には、スラットが動き、曲がり、ガイドレールへ入り、ボックス内へ巻き取られるため、一般的な鉄部とは少し違う考え方が必要です。
特に大切なのは、「きれいに塗ること」と「正常に動くこと」を両立させること。
見た目だけを追いかけて塗膜を厚くすれば、機能に影響する可能性があります。
反対に、薄過ぎれば十分な保護性能を得られません。
基本となるポイントをまとめると、次のようになります。
- ■ 塗装前に材質と作動状態を確認する
- ■ 異音・変形・穴あきがあれば修理や交換を先に検討する
- ■ 油分・ホコリ・サビ・弱い旧塗膜を十分に除去する
- ■ 材質と既存塗膜に適合する下塗材を選ぶ
- ■ ガイドレール内部や可動部へ塗料を入れない
- ■ スラットの谷や継ぎ目へ塗料をため過ぎない
- ■ 塗り重ね時間と硬化時間を守る
- ■ 十分に硬化したあと慎重に開閉確認を行う
シャッターの塗り替えは、単に色を新しくするだけの工事ではありません。
紫外線や雨から金属表面を守り、サビの進行を抑えながら、外壁とのカラーコーディネートを整えるメンテナンスでもあります。
外壁がきれいになったあと、色あせたシャッターだけが残ると意外と目立ちます。
反対に、シャッター、サッシ、外壁、雨樋などの色が自然につながると、建物全体の完成度はぐっと上がります。
ただし、動かないシャッター、サビ穴の開いたシャッター、大きく変形したシャッターまで無理に塗装する必要はありません。
塗装できるもの。
修理を先にした方がよいもの。
交換した方が安心なもの。
そこを正直に分けて考えることが、最終的には一番無駄の少ないメンテナンスになります。
小林塗装では、シャッターの材質、サビ、既存塗膜、作動状態まで確認し、塗装が本当に適しているかを判断しています。
「外壁と一緒にシャッターもきれいにしたい」「これは塗った方がいいのか、交換した方がいいのか分からない」という場合も、お気軽に相談ください。
塗ることを前提にするのではなく、住まいにとって無理のない方法を提案します。
15. シャッター塗装に関する深掘りQ&A
A.年数だけで決めるより、現在の塗膜とサビの状態を見て判断する方が確実です。
色あせ、チョーキング、点サビ、塗膜の浮きや剥がれなどが見え始めたら、一度点検するタイミングと考えてよいでしょう。
同じ築年数でも、南面と北面、雨が当たる場所と軒下では傷み方が違います。
沿岸部、幹線道路沿い、強い西日を受ける場所などでは劣化が早くなる場合があるため、「築何年だから」ではなく実際の状態を確認することが大切です。
A.状態が良く塗装可能であれば、外壁塗装と同時施工は合理的です。
足場や養生を共用しやすく、外壁との色合わせも同時に考えられます。
ただし、外壁を塗るからといって、必ずシャッターも塗る必要はありません。
アルミ製で表面状態が良好な場合や、作動不良がある場合は、塗装より清掃や修理を優先した方がよいこともあります。
A.塗装できる場合はありますが、下地処理とプライマー選びが特に重要です。
アルミは表面が滑らかで、鉄部用塗料をそのまま塗っても十分に密着しない場合があります。
脱脂、適度な目荒らしを行い、アルミに適合する下塗材を使用します。
一方、軽い汚れや色あせ程度なら、無理に塗らず洗浄だけで見た目が改善することもあります。
塗装の必要性そのものから判断することをおすすめします。
A.鉄部やサビが出ている部分では基本的に防錆処理が必要ですが、「何でも同じサビ止め」でよいわけではありません。
スチール、亜鉛めっき鋼板、アルミ、ステンレスでは表面性状が異なります。
大切なのは「サビ止めを塗ったか」ではなく、「その下地に適合する下塗材を選んだか」です。
A.外側を塗れる場合はありますが、スラットが接触する内部は原則として塗装を避けます。
ガイドレール内部へ塗膜が重なると、溝がわずかに狭くなり、擦れ、異音、開閉抵抗の原因になることがあります。
見える部分と可動部分を分けて考え、接触部を正確に養生することが重要です。
A.すぐには開閉せず、塗膜が十分に硬化するまで待つことが大切です。
表面を指で触って塗料が付かなくても、塗膜内部まで十分に硬化しているとは限りません。
完全に乾燥していない状態で早く巻き上げると、スラット同士が貼り付いたり、線状に塗膜が剥がれたりすることがあります。
必要な時間は塗料、気温、湿度、日当たり、塗膜厚などで変わるため、施工業者から案内された開閉可能時刻を守ってください。
A.塗装できる場合はありますが、手動式以上に養生と施工前後の作動確認が重要です。
モーター、配線、スイッチ、センサー、受信部などへ水や塗料を入れないように施工します。
塗装前から途中停止、異音、反応不良などがある場合は、まずメーカーやシャッター専門業者へ点検を依頼します。
塗装と機械修理を無理に一緒の仕事として扱わず、それぞれの専門分野を分けて考える方が安全です。
A.平滑で薄く均一な仕上がりは吹き付けが得意ですが、住宅地ではローラーの方が適している場合もあります。
吹き付けはきれいな肌をつくりやすい反面、塗料ミストの飛散対策が必要です。
住宅密集地では、短毛ローラーと刷毛を使い、飛散を抑えながら均一に仕上げる方が現実的なこともあります。
どちらが上というより、周辺環境、シャッターの形状、求める仕上がりに合わせて施工方法を選ぶことが大切です。
A.浅い表面サビなら塗装で保護できる場合がありますが、穴あきや板厚低下まで進んでいる場合は交換する必要があります。
塗装はサビの進行を抑えることはできますが、失われた鋼板の厚みや強度までは戻せません。
大きな変形、スラットの外れ、強い作動不良がある場合も、塗装より先に修理や部品交換を検討する必要があります。
A.小型の手動シャッターで、地上から安全に作業でき、劣化も軽い場合なら検討できます。
ただし、材質に合う塗料選び、ケレン、脱脂、可動部の養生、乾燥時間の確保まで必要です。
電動式、高所、大型シャッター、重量シャッター、防火シャッター、強いサビ、作動異常がある場合は専門業者へ相談してください。
塗装のやり直しで済めばまだよいのですが、シャッターは重量のある可動設備です。
落下や挟まれ事故につながる可能性もあるため、DIYでは仕上がり以上に安全を優先してください。
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
この記事を書いた人
小林塗装 代表・塗装職人 小林
塗装職人として30年以上、戸建住宅を中心に2,000件以上の施工に携わってきました。
外壁塗装、屋根塗装、防水工事、シーリング工事、金属塗装、下地補修など、建物の材質や劣化状態に合わせた施工をご提案しています。
私たちが大切にしているのは、「この塗料は高級だから大丈夫」「何回塗れば安心」と、材料名や回数だけで工事を決めないことです。
同じ塗料を使っても、下地処理、塗布量、乾燥時間、施工環境が違えば結果は変わります。
だからこそ、まず建物を見る。
そして、塗る前の状態をきちんと確認することを大切にしています。
シャッター塗装でも同じです。
「塗れるかどうか」だけではなく、安全に使い続けられる状態なのかまで確認し、塗装、修理、交換の中から適切な方法を正直にお伝えします。
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