既存の外壁がフッ素塗装だった場合の塗り替え方法|施工上の注意点を解説
「前回は耐久性の高いフッ素塗料を使ったから、今回の塗り替えもそれほど難しくないでしょう」と思われる方は少なくありません。
たしかにフッ素塗料は紫外線や雨風に強く、色あせやチョーキングが起こりにくい、高耐候な外壁塗料です。
仕様書に準じてきちんと施工されていれば、美しい艶と外壁を保護する力を長期間維持してくれますが、いざ次の外壁塗装を行う段階になると、その耐久性の高さや汚れにくさが、新しい塗料の密着を難しくすることがあります。
そのため、一般的な外壁塗装と同じ感覚で、高圧洗浄をして、そのまま一般的なシーラーを塗り、上塗りを重ねると、施工直後はきれいでも、数年後に浮きや剥がれが生じる可能性があるので、
既存の外壁がフッ素塗装だった場合に大切なのは、「何を塗るか?」より先に、「何の上へ、どのように密着させるか?」を十分考えることです。
前回使用した塗料の確認、既存塗膜の付着状態、チョーキングの程度、艶の残り方、外壁材の種類、目荒らしの必要性、下塗り材の適合性など、これらを一つずつ確認し、必要であれば試験施工を行ってから、本施工の仕様を決めます。
このコラムでは、既存の外壁がフッ素塗装だった住宅を安全に塗り替えるために、現地調査で確認すべきこと、正しい下地処理、下塗り材の選び方、サイディング・モルタル・金属外壁ごとの施工方法まで、「名古屋の塗装店」小林塗装が詳しく解説します。
「塗装後の見た目だけでなく、その奥にある密着性まで丁寧に整えること」それが、フッ素塗装の塗り替えを長持ちさせる基本です。
- ■ 既存のフッ素塗膜へ新しい塗料が密着しにくい理由
- ■ 前回使用した塗料がフッ素塗料か確認する方法
- ■ 塗装前に確認すべき劣化症状と付着状態
- ■ 高圧洗浄、脱脂、目荒らしを行う目的
- ■ 既存フッ素塗膜に適した下塗り材の選び方
- ■ サイディング・モルタル・金属外壁ごとの施工注意点
- ■ フッ素塗装の塗り替えで起こりやすい失敗
- ■ 見積書で確認しておきたい施工項目
1. 既存の外壁がフッ素塗装でも塗り替えは可能です
現在の外壁がフッ素塗装であっても、既存塗膜の状態を正しく確認し、適切な下地処理と下塗り材を選べば塗り替えは可能です。
「フッ素塗料の上には、新しい塗料を塗れないのですか?」と心配される方もいらっしゃいますが、フッ素塗膜だからという理由だけで、塗り替えができないわけではありません。
ただし、一般的なアクリル塗膜やウレタン塗膜と同じ塗装仕様を、そのまま当てはめるのは少し危険です。
フッ素塗膜は、汚れが付きにくく、紫外線にも強いという優れた性質を持っていますが、その一方で塗装面が滑らかで水や汚れをはじきやすいため、新しく塗る塗料まで密着しにくくなることがあります。
たとえば、外壁にまだ艶が残っていて、手で触ってもチョーキングの粉がほとんど付かない場合です。
既存のフッ素塗膜は良い状態に見えますが、新しい塗料の場合、つかまる場所の少ない、つるりとした表面になっている可能性があります。
このような場合は、高圧洗浄だけで塗装を始めるのではなく、研磨材などで表面へ細かな傷を付ける目荒らしを行い、塗料が密着しやすい状態へ整えることが大切です。
逆に既存のフッ素塗膜がすでに大きく劣化し、チョーキングやひび割れ、膨れ、剥がれが進んでいる場合も注意が必要で、こういった場合、「新しい塗料がフッ素塗膜へ密着するか?」だけではなく、古い塗膜そのものが外壁材へしっかり付着しているかを確認しなければなりません。
フッ素塗膜を安全に塗り替えるための基本条件
- ■ 既存塗膜が外壁材へ十分に密着している
- ■ 浮き、膨れ、剥がれ、ひび割れの状態を確認している
- ■ 汚れ、チョーキング粉、油分、藻、カビを十分に除去している
- ■ 艶の残った表面には、必要に応じて目荒らしを行っている
- ■ 既存のフッ素塗膜に対応した下塗り材を使用している
- ■ 外壁材、下塗り材、上塗り材の組み合わせが適合している
- ■ 塗料メーカーの施工仕様、塗布量、乾燥時間を守っている
- ■ 判断が難しい場合は、試験施工や付着確認を行っている
特に重要なのが、下塗り材の選定で、下塗り材は、外壁と上塗り塗料をつなぐ接着剤のような役割をします。
しかし、どのシーラーやプライマーでもよいわけではなく、フッ素塗膜の種類や劣化状態、外壁材の種類によっては、難付着面に対応したプライマーや、既存塗膜との密着性に優れた下塗り材が必要になります。
また、下塗り材だけが適合していても、上塗り材との組み合わせが合っていなければ、十分な性能は発揮できません。
既存塗膜、下塗り材、中塗り材、上塗り材が一つの塗装仕様としてつながっていることが大切です。
前回使用した塗料の商品名や施工記録が残っていれば、できるだけ確認します。
資料が残っていない場合は、艶、チョーキング、溶剤への反応、既存塗膜の付着状態などを調べながら、施工方法を判断していきます。
状況によっては、小さな範囲へ実際に下塗り材を塗り、十分に乾燥させたあとで付着状態を確認する試験施工もおすすめします。
少し手間はかかりますが、工事後の剥がれを防ぐためには、とても意味のある確認です。
こうした条件を一つずつ整えることで、下塗り、中塗り、上塗りがしっかりと密着し、初めて一つの丈夫な塗膜として機能します。
「フッ素塗料の上だから塗れない」のではありません。
「既存塗膜の状態や塗料の相性を確認せずに塗ると、密着不良を起こしやすい」と考える方が賢明です。
2. 既存フッ素塗膜の塗り替えが難しい理由とは?
フッ素塗料は、紫外線や雨風などから外壁を長期間守るために、耐候性と耐汚染性に優れた丈夫な塗膜をつくります。
色あせやチョーキングが起こりにくく、きれいな外観を長く保ちやすいことは、フッ素塗料の大きな魅力ですが、次の塗り替えでは、その丈夫さと汚れにくさが、新しい塗料を密着させるうえで注意点になることがあります。
少し不思議に感じるかもしれませんが、「長持ちする良い塗膜」と「次の塗料が付きやすい塗膜」は、必ずしも同じではありません。
フッ素樹脂は、水や油、汚れなどが付着しにくい表面特性を持っています。
専門的には、こうした性質を表面自由エネルギーが低いと表現します。
分かりやすくいえば、水滴や油分が表面へ広がりにくく、ころんとはじかれやすい状態です。
この性質は、外壁をきれいに保つうえでは大きなメリットです。
ホコリ、排気ガス、雨筋汚れなどが固着しにくく、低汚染性を持つ製品では、雨水によって汚れが流れ落ちやすくなるよう設計されています。
しかし、塗り替え時には、この「付きにくさ」が新しい下塗り材にも影響する場合があります。
下塗り材が既存塗膜の表面へ十分に広がらず、しっかりとなじまなければ、塗装直後はきれいに見えても、時間の経過とともに浮きや剥がれが起こるおそれがあり、
特に表面がつるつるして艶が強く残っている場合は、見た目がきれいだからと安心せず、塗料のぬれ性や付着性を慎重に確認する必要があります。
状態によっては、研磨材で細かな傷を付ける目荒らしを行い、下塗り材がくっつきやすい表面へ整える必要があります。
ただし、目荒らしをすれば何でも密着するわけではなく、既存塗膜に適合する下塗り材の選定と、正しい施工方法を組み合わせることが大切です。
一般的な塗膜は、経年劣化が進むと色あせや艶引け、チョーキングなどが目立ちやすくなりますが、高耐候なフッ素塗膜は、年数が経過しても艶や色が比較的残りやすいため、見た目だけでは塗り替え時期を判断しにくいことがあります。
「まだ外壁がきれいだから、もう少し先でも大丈夫そう」と思われるかもしれませんが、建物は外壁の塗膜だけで守られているわけではありません。
外壁がきれいに見えていても、次のような部分が先に傷んでいる場合があります。
- ■ サイディング目地のシーリング
- ■ 窓やサッシまわりのシーリング
- ■ ベランダや屋上の防水層
- ■ 破風板や鼻隠し
- ■ 雨樋や水切りなどの付帯部
- ■ 手すりや庇などの鉄部
- ■ 外壁のひび割れや目地まわり
たとえば、外壁塗膜に艶が残っていても、シーリングが硬くなって割れていれば、そこから雨水が入り込む可能性があります。
建物は、一枚の外壁だけで雨を防いでいるのではなく、外壁、目地、窓まわり、防水層、屋根、付帯部などが、手を取り合うようにして住まいを守っています。
そのため、フッ素塗膜だけが元気に見えても、ほかの部材が傷んでいれば、建物全体のメンテナンスを先延ばしにできるとは限りません。
塗り替え時期を判断するときは、外壁の色あせやチョーキングだけでなく、シーリング、防水、付帯部、下地の状態まで含めて確認することが大切です。
ひと口にフッ素塗料といっても、すべてが同じ成分や性能を持っているわけではないので、樹脂の構成、硬化方法、溶剤の種類、低汚染機能、艶、添加剤などによって、塗膜の硬さや密着性、適切な下塗り材は変わってきます。
- ■ 水性1液型フッ素塗料(3フッ化・ラジカル制御・超低汚染・遮熱効果・撥水効果・クリヤーなど)
- ■ 水性2液型フッ素塗料(3フッ化・4フッ化・超低汚染・ラジカル制御・遮熱効果・クリヤーなど)
- ■ 弱溶剤1液形フッ素塗料(3フッ化・4フッ化・超低汚染・ラジカル制御・遮熱効果・クリヤーなど)
- ■ 弱溶剤2液反応硬化形フッ素塗料(3フッ化・4フッ化・超低汚染・ラジカル制御・遮熱効果・撥水効果・クリヤーなど)
- ■ 工場で焼き付けられたフッ素樹脂系塗膜
住宅の現場で塗装されたフッ素塗膜と金属サイディングやアルミ建材へ工場で焼き付けられたフッ素樹脂塗膜では、同じ「フッ素」という名前でも表面の性質が大きく異なります。
特に工場塗装された金属外壁やアルミ部材は、一般的な住宅用シーラーでは十分な密着性を得られないことがあります。
必要に応じて目荒らしをしっかり行い、難付着面に対応した専用プライマーを選ばなければなりません。
また、外壁材の種類によっても施工方法は変わります。
- ■ 窯業系サイディング:目地のシーリング、反り、吸水、表面塗膜の付着状態を確認します
- ■ モルタル外壁:ひび割れ、浮き、既存仕上げ材の種類、下地の含水状態を確認します
- ■ ALC外壁:板間目地、開口部まわり、吸水、塗膜の防水性を確認します
- ■ 金属サイディング:白錆、赤錆、チョーキング、工場塗膜の種類、付着性を確認します
さらに既存塗膜の上へ塗る下塗り材だけでなく、その下塗り材と新しい上塗り塗料の相性も重要です。
既存塗膜には密着しても、上塗り材との組み合わせがメーカー仕様から外れていれば、縮み、軟化、乾燥不良、層間剥離などにつながる可能性があります。
前回の見積書や塗料名が分かる資料が残っている場合は、現地調査の際に確認できるよう準備しておくと、より正確な施工仕様を検討しやすくなります。
「フッ素塗装だから、この下塗り材を使えば大丈夫」と一括りにするのは危険です。
既存塗料の種類と劣化状態、外壁材、下塗り材、上塗り材の組み合わせまで確認し、必要に応じて試験施工を行うことが、高品質で安全な塗り替えにつながります。
3. 既存の外壁塗装がフッ素塗料か確認する方法
既存塗膜がフッ素塗料かどうかは、外壁を見ただけで完全に判別できるものではありません。
最も確実なのは、前回の外壁塗装で使用した塗料の商品名を確認することです。
- ■ 工事見積書
- ■ 工事契約書
- ■ 施工仕様書
- ■ 完了報告書
- ■ 塗料メーカーの保証書
- ■ 使用済み塗料缶の写真
- ■ 施工中の工程写真
「フッ素塗装 一式」とだけ書かれている見積書では、正確な製品名や水性・溶剤形の区別まで分からないことがあります。
塗料の商品名、メーカー名、下塗り材、中塗り材、施工回数まで記録されていると、次回の塗り替え計画を立てやすくなります。
前回の施工会社が分かる場合は、使用塗料や塗装仕様の記録が残っていないか確認しましょう。
ただし、施工から長期間が経過していると、会社の廃業、担当者の退職、記録の破棄などによって確認できない場合もあります。
資料が残っていない場合は、現地で塗膜の状態を確認しながら施工仕様を検討しましょう。
- ■ 艶の残り方
- ■ チョーキングの程度
- ■ 水のはじき方
- ■ 塗膜の硬さ
- ■ ひび割れや剥がれ
- ■ 既存塗膜の厚み
- ■ 溶剤による反応
- ■ 外壁材との付着状態
ただし、水をよくはじくから必ずフッ素塗料、艶があるから必ずフッ素塗料というわけではありません。
シリコン塗料や無機系塗料、光触媒コーティングなどにも、似た表面特性を持つものがあります。
既存塗料が特定できない場合は、代表的な場所へ下地処理と下塗りを行い、付着性や塗膜異常の有無を確認します。
日当たりの強い南西面、湿気の残りやすい北面、補修跡のある部分では、既存塗膜の状態が異なることがあるので、一か所だけを見て建物全体を判断せず、条件の異なる場所を比較することがより確実な診断につながります。
4. 既存フッ素塗膜の施工前に確認すべき外壁の状態
フッ素塗装の塗り替えでは、表面がきれいかどうかより、既存塗膜が下地へどの程度密着しているかを確認します。
| 確認項目 | 見られる症状 | 考えられるリスク | 主な対応 |
|---|---|---|---|
| 既存塗膜の付着 | 浮き、膨れ、剥離、層間剥離 | 新しい塗膜ごと剥がれる | 脆弱塗膜の除去、原因確認、補修 |
| チョーキング | 手に白い粉や外壁色の粉が付く | 粉の上へ塗ることで密着不良になる | 高圧洗浄、ブラッシング、再確認 |
| 艶の残存 | 表面が滑らかで光沢が強い | 下塗り材がなじみにくい | 目荒らし、脱脂、専用下塗り |
| 汚れ・油分 | 排気ガス、手あか、油煙、雨筋 | 局部的なはじき、縮み、密着不良 | 洗浄、脱脂、十分なすすぎ |
| 藻・カビ | 緑色、黒色、茶色の付着物 | 再発、塗膜の密着阻害 | 薬剤洗浄、すすぎ、乾燥 |
| 外壁の含水 | 湿り、膨れ、変色、漏水跡 | 塗膜内部からの膨れや剥離 | 漏水原因の補修、乾燥確認 |
| シーリング | ひび割れ、破断、肉やせ、剥離 | 雨水浸入、外壁材端部の傷み | 撤去打ち替え、適合プライマー |
| 補修跡 | 艶違い、色違い、段差 | 吸い込み差、仕上がりむら | 補修材の適合確認、下塗り調整 |
既存塗膜が外壁材から浮いている場合、その上へ高性能な下塗り材を塗っても、根元からの剥がれを止めることはできません。
たとえるなら、壁紙が下地から剥がれているところへ、表面だけ接着剤を塗っても長持ちしないのと同じです。
浮きや剥がれが見られる部分は、密着している範囲まで除去し、外壁材の状態を確認したうえで補修します。
チョーキングした外壁の表面には、樹脂が劣化して生じた顔料や粉化物が付着しています。
この粉が残ったまま下塗り材を塗ると、下塗り材は外壁ではなく粉へ付着することになります。
見た目は塗れていても、弱い層を挟み込んだ状態です。
高圧洗浄後は、乾燥した外壁を手で触り、粉が残っていないか確認します。
必要に応じてブラシ洗浄や再洗浄を行います。
窓まわりや配管まわりに、塗装できないシリコーンシーリングが使用されていると、その周囲へシリコーン成分が移行し、塗料が弾かれてしまうことがあります。
また、外壁用の撥水剤、ワックス、洗浄剤、家庭用コーティング剤などが使用されている場合も塗装の付着性へ影響することがあります。
現地調査では、既存塗料だけでなく、過去に外壁へ何が施工されたかまで調査することが大切です。
5. 既存フッ素塗膜を塗り替える正しい施工方法
既存フッ素塗膜の塗り替えは、次のような順序で進めます。
ただし、外壁材、既存塗膜、使用塗料によって工程は調整します。
最初に、前回の使用塗料、施工時期、外壁材、劣化状態、雨漏りの有無などを確認します。
窯業系サイディング、モルタル、ALC、金属サイディングでは、外壁の動き方や水分の抜け方が違うので、既存塗膜の種類だけで塗装仕様を決めず、外壁材との組み合わせで判断しましょう。
既存塗膜の種類が不明な場合や、艶が強く残っている場合は、本施工前に試験施工を行います。
実際に使用する予定の下地処理方法、下塗り材、上塗り材を用いて、小面積を塗装します。
十分に硬化させた後、塗膜のはじき、縮み、膨れ、乾燥不良、密着性を確認しましょう。
試験施工は、塗料を少し塗って、その日のうちに触るだけでは十分ではなく、塗膜が所定の状態まで硬化してから確認することが重要です。
高圧洗浄では、砂ぼこり、排気ガス、チョーキング粉、藻、カビなどを除去します。
フッ素塗膜は汚れにくいといっても、長年の外部環境によって、外壁表面には目に見えにくい汚染物が付着しています。
洗浄圧を必要以上に上げると、シーリング目地、サイディング端部、脆弱な塗膜を傷めることがあるので、外壁の状態に合わせて、圧力、ノズル、距離を調整します。
藻やカビが多い場合は、適合する洗浄剤を使用し、洗浄成分が残らないよう十分にすすぎます。
交通量の多い道路沿い、飲食店の近く、換気扇まわり、車庫まわりでは、油分を含んだ汚れが付着している場合があります。
高圧水だけでは油分を完全に除去できないことがあるため、必要に応じて適合する洗浄剤で脱脂します。
洗浄剤を使用した場合は、下塗り材への影響を防ぐため、すすぎと乾燥を入念に行います。
浮き、膨れ、剥がれ、ひび割れが生じている塗膜は、皮スキ、スクレーパー、研磨工具などを使用して除去します。
除去する範囲は、見えている剥がれ部分だけではありません。
周囲を軽く叩いたり、工具を当てたりしながら、密着している塗膜まで確認します。
剥がした部分に段差が生じた場合は、補修材や下地調整材を使用して、仕上がりに段差が目立ちにくいよう整えます。
艶が残っている健全なフッ素塗膜には、サンドペーパー、研磨パッド、研磨布などを使用し、表面へ細かな傷を付けます。
これを「目荒らし」「足付け」と呼びます。
目荒らしの目的は、既存塗膜をすべて削り取ることではなく、表面の艶を均一に落とし、下塗り材が物理的にかみ込みやすい状態をつくることです。
目荒らし作業の注意点
- ■ 一部分だけでなく、必要な範囲を均一に研磨する
- ■ サイディングの凹凸や模様を削りすぎない
- ■ 外壁材の角や端部を傷めない
- ■ 研磨粉を残さない
- ■ 使用する下塗り材の仕様を確認する
凹凸の深いサイディングでは、平らな部分だけを研磨しても、凹部に艶が残ることがあるので、研磨パッドやブラシを使い分け、塗料が接する面をできるだけ均一に足付けします。
目荒らし後の研磨粉が残っていると、下塗り材の密着を妨げます。
ブロワー、掃除機、刷毛、清潔なウエスなどを使用し、目地、凹部、サッシまわりまで清掃します。
研磨したことで満足してしまい、粉を残したまま塗るのは本末転倒です。
下地処理は、削る工程と清掃する工程を一組として考えます。
サイディング目地、窓まわり、外壁のひび割れ、釘まわりなどを補修します。
シーリングを打ち替える場合は、既存材を撤去し、目地底を清掃して、シーリング材専用プライマーを塗布します。
外壁に使用する塗料とシーリング材の相性も確認します。
塗膜のひび割れ、べたつき、変色を防ぐため、可塑剤移行や塗装適性を考慮した材料選定が必要です。
下地処理後、既存フッ素塗膜、外壁材、上塗り材に適合する下塗り材を塗装します。
フッ素塗膜の塗り替えでは、下塗り材が新旧の塗膜をつなぐ接着層になります。
透明シーラー、白色シーラー、二液形エポキシシーラー、弱溶剤形高付着プライマーなどから、メーカー仕様に基づいて選定します。
「エポキシ系なら何でも付く」「二液形なら必ず強い」とは限りません。
製品ごとに適用できる既存塗膜、外壁材、上塗り材が異なります。
下塗り材を十分に乾燥させた後、中塗りと上塗りを行います。
塗料の混合比、希釈率、可使時間、塗り重ね乾燥時間、標準塗布量を守ります。
下塗り材の塗装後、上塗りまで長期間空けすぎると、表面へ汚れが付着したり、製品が定める塗り重ね可能時間を超えたりすることがあるので、乾燥時間を待たずに塗り重ねると、縮み、膨れ、乾燥不良、艶むらなどの原因になります。
仕上げ後は、色や艶だけでなく、塗り残し、はじき、縮み、膨れ、ピンホール、付着状態を確認します。
施工中の写真には、完成後に見えなくなる下地処理や下塗り工程も残しておきましょう。
フッ素塗膜の塗り替えでは、完成写真の美しさと同じくらい、目荒らしや下塗りの記録が大切です。
6. 既存フッ素塗膜に使用する下塗り材の選び方
既存フッ素塗膜の塗り替えで、最も慎重に選びたい材料が下塗り材です。
下塗り材のカタログや施工仕様書には、適用下地、適用旧塗膜、使用できる上塗り材、施工上の注意事項が記載されています。
一見すると高付着型に見える下塗り材でも、フッ素樹脂塗膜、無機系塗膜、光触媒コーティングなどには適用できない製品があります。
そのため、商品名だけで判断せず、最新のカタログ、施工要領書、塗料メーカーへの問い合わせによって適合性を確認します。
下塗り材が既存フッ素塗膜へ付着しても、その上に塗る上塗り材が適合しなければ、塗装仕様として成立しません。
確認すべき組み合わせは、次の三つです。
- ■ 既存フッ素塗膜と下塗り材の相性
- ■ 下塗り材と中塗り・上塗り材の相性
- ■ 外壁材と塗装仕様・全体の相性
たとえば、フッ素旧塗膜へ適用できる下塗り材でも、水性上塗り材には対応していないことがあります。
透明シーラーは、下地の状態を確認しやすく、意匠性を生かす仕様に向いている場合があります。
一方、白色シーラーやサフェーサーは、既存色を隠し、上塗りの発色を整えやすいことがメリットです。
濃い色から淡い色へ変更する場合、補修跡が多い場合、シーラーの吸い込み差がある場合は、白色系の下塗り材が仕上がりの安定に役立つことがあります。
| 既存外壁の状態 | 下塗り材選びの方向性 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 艶の残った健全なフッ素塗膜 | フッ素旧塗膜対応の高付着プライマー | 目荒らしと試験施工を併用する |
| チョーキングがあるフッ素塗膜 | 粉化物除去後、浸透性と付着性を持つ下塗り | 洗浄後に粉の残存を確認する |
| 補修跡が多い外壁 | 白色シーラーやサフェーサー | 補修材との相性と吸い込み差を確認する |
| 外壁材が露出している部分 | 露出素材に適合する下塗り材で補修塗り | 旧塗膜面と露出面で下塗りを使い分ける場合がある |
| 無機・光触媒の可能性がある外壁 | 特殊コーティング対応の専用下塗り | フッ素塗膜と決めつけずメーカー確認を行う |
| 金属サイディング | 金属と旧塗膜に適合するエポキシ系プライマー | 錆、白錆、金属露出部を別途処理する |
小林塗装では、下塗り材の商品名だけでなく、既存塗膜への適用、上塗り適性、塗り重ね時間まで確認して施工仕様を組み立てます。
7. 外壁材別|フッ素塗装を塗り替える施工方法と注意点
ひと口にフッ素塗装の塗り替えといっても、すべての建物を同じ方法で施工できるわけではありません。
窯業系サイディング、モルタル、ALC、金属サイディングでは、傷みやすい場所、水分の入り方、外壁の動き方、必要な下地処理がそれぞれ違うからです。
さらにフッ素塗膜は汚れにくく耐候性に優れる反面、表面が緻密で、新しく塗る塗料が密着しにくい場合があるので、既存のフッ素塗膜だけを見るのではなく、外壁材、旧塗膜、下地の水分、補修跡まで含めて施工仕様を組み立てることが大切です。
窯業系サイディングでは、外壁表面のフッ素塗膜だけでなく、目地シーリングやサイディングの端部まで丁寧に確認します。
- ■ 目地シーリングの破断や剥離
- ■ サイディング端部の吸水や膨れ
- ■ 釘まわりのひび割れ
- ■ サイディングの反りや浮き
- ■ 凍害や層間剥離
- ■ クリヤー塗膜の白化
外壁表面が耐候性の高いフッ素塗膜で守られていても、目地シーリングが切れていれば、そこから雨水が入り込むことがあります。
特に注意したいのが、サイディングの小口と呼ばれる切断面です。
小口から水分を吸い込むと、表面が膨れたり、層状に剥がれたりすることがあります。
サイディングに大きな反りや崩れが見られる場合は、塗料を塗るだけでは元の状態には戻せません。
部分的な張り替えやビスによる固定補修などを行い、外壁材を安定させてから塗装することが、長持ちする仕上がりにつながります。
施工店向けの技術ポイント
既存塗膜がフッ素樹脂塗料の場合は、チョーキングの有無だけで付着性を判断せず、洗浄、脱脂、目荒らし後に試験施工を行います。
旧塗膜が健全に見えても、低表面エネルギーによって下塗り材が十分に濡れ広がらない場合があります。
研磨後の粉じんを残さず、メーカーが既存フッ素塗膜への適合を確認している下塗り材を選定することが重要です。
シーリング工事では、先打ち、後打ちの適否を上塗り材とシーリング材の相性から判断します。
可塑剤移行、ブリード汚染、塗膜の割れ、三面接着にも注意が必要です。
サイディング端部に吸水膨張や層間剥離がある場合、脆弱部へ浸透形シーラーを塗布するだけでは十分な強度を回復できないので、基材自体が崩れている場合は、張り替えを優先します。
釘頭の浮きや板の反りは、単に増し打ちするのではなく、胴縁位置、留め付け状態、通気層、下地腐食の有無まで確認します。
モルタル外壁では、ひび割れだけでなく、外壁内部の浮き、爆裂、旧塗膜の膨れなども確認します。
見た目には小さなひび割れでも、内部でモルタルが浮いていたり、水分が入り込んでいたりする場合があるためです。
また、フッ素塗膜の下に弾性塗材や厚膜仕上げが施工されている場合は、表面のフッ素層だけで判断することはできません。
なぜなら、下にどのような塗膜があり、どの層まで傷んでいるのかを見極める必要があるからです。
外壁内部に水分が残ったまま、透湿性の低い塗膜を重ねてしまうと、太陽熱で水分が水蒸気となって、塗膜を内側から押し上げることがあり、これが塗膜の膨れにつながる原因の一つになります。
ひび割れを補修するときは、幅、深さ、動きの有無を確認し、それぞれの状態に合った補修方法を選びましょう。
素地の表面へシーリング材を薄くこすり付けるだけでは、見た目は一時的に補修されていても、ひび割れの動きに十分追従できず、再び割れてしまうことがあります。
ひび割れを隠すことよりも、なぜひび割れたのかを考えて補修することが大切です。
施工店向けの技術ポイント
モルタル外壁は、旧塗膜の種類と塗膜構成をできる限り確認します。
リシン、吹付タイル、弾性スタッコ、単層弾性、複層仕上塗材などでは、膨れ方や水分の抜け方が異なります。
既存のフッ素上塗り層だけが健全でも、その下の主材層や下塗り層で凝集破壊が起きている場合があります。
付着試験では、新しく塗る塗料の密着性だけでなく、旧塗膜内部の破断位置も確認しましょう。
ひび割れ補修は、幅だけでなく挙動性を見極めます。
動きの少ない微細なひび割れ、構造的な動きを伴うひび割れ、モルタル浮きを伴うひび割れでは、フィラー擦り込み、樹脂注入、UカットまたはVカット、アンカーピンニングなど、必要な工法が異なります。
膨れがある場合は、笠木、開口部、配管貫通部、取り合い、クラックからの水分浸入に加え、壁内結露や下地の含水も疑う必要があります。
膨れた部分だけを削って再塗装しても、供給水分が止まっていなければ再発する可能性があるからです。
透湿性を重視する場合も、透湿性能だけで塗料を選ばず、既存塗膜との付着性、下地調整材の種類、塗膜厚、ひび割れ追従性を含めて仕様を検討しましょう。
ALCは軽量で断熱性に優れた外壁材ですが、内部へ水分を含みやすい性質があるので、ALC表面だけでなく、目地、パネルのつなぎ目、窓などの開口部まわり、笠木まわりの防水状態を確認することが欠かせません。
既存のフッ素塗膜に膨れが見られる場合も、単純な塗料の付着不良とは限りません。
なぜなら、目地シーリングの切れや笠木の不具合などから水分が入り、外壁内部にたまった湿気が塗膜を押し上げている可能性があるからです。
このような状態で、塗膜が膨れた部分だけを削って塗り直しても、水分の入り口が残っていれば、同じ場所やその周辺に再び膨れが現れることがあります。
塗膜の膨れを直す前に、水分がどこから入り、どこへ抜けているのかを確認することが、ALC外壁では特に重要です。
施工店向けの技術ポイント まとめ
ALC外壁では、パネル目地、サッシまわり、笠木、屋上防水との取り合い、パネル固定部を一体の防水系として確認します。
外壁塗装だけで防水性能を回復できるとは限りません。
目地シーリングの改修では、既存シーリングの劣化状態、目地深さ、バックアップ材の位置、三面接着の有無を確認し、必要な厚みと幅を確保しましょう。
ALCパネル内部の含水が高い状態で、緻密な塗膜を形成すると、膨れや剥離を起こす危険があります。
高圧洗浄後は表面が乾いて見えても、目地やパネル内部に水分が残る場合があるため、乾燥期間を十分に取ります。
外壁下塗り材は、ALCへの浸透性や吸い込み止めだけでなく、既存フッ素塗膜への付着性も必要です。
部分的に旧塗膜を除去した場合は、既存塗膜面とALC露出面で吸い込みが異なるため、下塗り仕様を分けることも検討します。
パネル間の挙動を塗膜だけで受け止めようとすると、目地上に割れが再発することがあるので、動きのある目地は、塗りつぶす場所とシーリングで納める場所を明確にします。
金属サイディングには、工場でフッ素系塗膜を焼き付けて仕上げた製品があります。
この工場塗装は、住宅の現場でローラー施工する一般的なフッ素塗料とは、塗膜の硬さや表面の滑らかさが異なることがあります。
見た目がきれいだからといって、そのまま新しい塗料を重ねると、十分に密着せず、早い段階で剥がれてしまうおそれがあります。
- ■ 表面に付着した油分や汚れの除去
- ■ 全面の目荒らしによる付着性の確保
- ■ 白錆や赤錆の除去
- ■ 金属が露出した部分への補修塗り
- ■ 亜鉛めっき、アルミ、ガルバリウム鋼板への適合確認
- ■ 試験施工による密着状態の確認
金属サイディングの塗り替えでは、洗浄だけでなく、表面へ細かな傷を付ける「目荒らし」が重要になります。
塗膜を大きく削る作業ではなく、新しい下塗り材がしっかり食いつくよう、表面を均一に整えるための工程です。
また、金属サイディングは夏場の日差しによって高温になり、気温の変化に合わせて伸び縮みします。
そのため、塗料を選ぶ際は硬さや耐候性だけでなく、金属の動きへ追従できる柔軟性と、下地への付着性のバランスも考えなければなりません。
施工店向けの技術ポイント まとめ
金属サイディングの工場塗膜には、フッ素樹脂系のほか、ポリエステル系や高耐候樹脂系などがあります。
見た目だけで塗膜種を断定せず、建材資料、築年数、既往工事、溶剤反応、研磨時の状態などを参考に判断しましょう。
工場焼付けフッ素塗膜は表面が緻密で、一般的な弱溶剤形さび止めを直接塗っても十分に密着しない場合があります。
全面研磨後、難付着下地への適合が確認されたプライマーを使用し、試験施工で密着を確認します。
目荒らしは、艶を消すだけの軽い研磨で終わらせず、塗り継ぎ部、折り曲げ部、リブ底、役物端部まで均一に行います。
ただし、過度な研磨によってめっき層まで傷つけないよう注意が必要です。
白錆、赤錆、点錆、切断面腐食は、それぞれ進行状態が異なります。
赤錆を残したまま錆転換材だけに頼るのではなく、可能な範囲で健全部までケレンし、露出金属へ適合する防錆下塗りを行います。
ガルバリウム鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミでは適合する下塗り材が異なることがあります。
異種金属が混在する役物やビスについても、腐食状態と下塗り材の適合を確認します。
濃色仕上げは表面温度が上がりやすいため、塗膜の伸縮、シーリングの挙動、金属板の熱変形まで考慮する必要があり、高耐候性だけを優先し、過度に硬い塗膜仕様にすると、折り曲げ部や継ぎ目で割れが生じる場合があります。
レンガ調や石目調など、デザイン性の高いサイディングには、柄を残すために透明なフッ素クリヤーが施工されていることがあります。
クリヤー塗装は、もともとの模様や色合いを生かせることが大きな魅力です。
一方で、透明な塗料なので、補修跡、色あせ、ひび割れ、シーリングまわりの変色などを隠すことはできません。
既存のクリヤー塗膜に白化や部分的な剥がれが見られる場合は、その上から再びクリヤー塗装をしても、傷んだ部分が透けて見えることがあります。
また、劣化したクリヤー塗膜の上へそのまま塗り重ねると、既存塗膜との境目が目立ったり、仕上がりに色むらのような違和感が残ったりする場合もあります。
「せっかくの柄を残したい」という気持ちはよく分かりますが、外壁の傷みが進んでいるときは、クリヤー塗装にこだわりすぎないことも大切です。
施工店向けの技術ポイント まとめ
既存クリヤー塗膜の上へ再度クリヤー塗装を行う場合は、付着性だけでなく、透明度、黄変、艶むら、白化、層間剥離の危険を確認します。
旧塗膜に部分剥離がある状態では、剥離部を補修しても、健全部との光沢差や色調差が残りやすくなります。
透明仕上げは下地の状態がそのまま見えるため、補修技術だけでは隠せない限界があります。
目荒らしによって既存意匠へ擦り傷が入ると、クリヤー塗装後に白っぽく見える場合があるので、研磨材の番手、研磨圧、試験箇所を調整し、濡れ色になった状態まで想定して確認します。
シーリングを先打ちする場合は、シーリング表面へクリヤー塗膜が付着することで、汚染、割れ、変色が起きる可能性があり、後打ち仕様を含め、塗料メーカーとシーリング材メーカーの適合を確認します。
既存塗膜の白化、広範囲の退色、補修跡、基材の欠損が目立つ場合は、クリヤー再塗装よりも着色塗装やダブルトーン塗装へ切り替えたほうが品質を安定させやすくなります。
既存フッ素塗膜の塗り替えでは、「フッ素の上に何を塗るか」だけで仕様を決めないことが重要です。
現場では、次の項目を一つずつ確認し、外壁材と旧塗膜の両方に適合する施工方法を選びます。
- ■ 既存フッ素塗膜が現場塗装か工場塗装か
- ■ 旧塗膜の膨れ、割れ、剥離、白化、チョーキングの状態
- ■ 旧塗膜内部で層間剥離や凝集破壊が起きていないか
- ■ 外壁材内部や背面から水分が供給されていないか
- ■ 洗浄、脱脂、研磨によって付着性を確保できるか
- ■ 下塗り材が旧塗膜と外壁材の両方に適合しているか
- ■ シーリング材、補修材、上塗り材の相性に問題がないか
- ■ 試験施工で乾燥性、付着性、仕上がりを確認したか
付着試験を行う場合は、新しい塗膜が剥がれたかどうかだけでなく、どの層で破断したのかを確認します。
下塗り材と既存フッ素塗膜の界面で剥がれたのか、既存塗膜内部で剥がれたのか、外壁材ごと破壊されたのかによって、必要な下地処理は変わります。
試験施工では、塗った直後の密着だけでなく、所定の乾燥期間を置いた後に確認することが大切で、低温時や高湿度時は、見かけ上乾いていても塗膜内部の硬化が進んでいない場合があります。
また、現場条件によっては全面剥離や既存塗膜の除去が必要になることもあり、付着性に不安がある状態で、高性能な上塗り材だけを重ねても、弱い旧塗膜から一緒に剥がれてしまいます。
既存フッ素塗膜の塗り替えで最も大切なのは、高価な塗料を選ぶことではなく、外壁材、旧塗膜、水分、補修材の状態を正しく診断し、必要な下地処理と適合する塗装仕様を組み立てることです。
8. 既存フッ素塗膜の上に塗る塗料の選び方
既存塗膜がフッ素塗料だったからといって、次回も必ずフッ素塗料を選ばなければならないわけではありません。
適合する下塗り材を介し、メーカーが認める塗装仕様であれば、シリコン塗料を使用できる場合があります。
ただし、フッ素塗膜へシリコン塗料を直接塗ることは避けます。
予算だけで樹脂グレードを下げるのではなく、次回のメンテナンス時期、屋根やシーリングの耐久性も考えて選びます。
ラジカル制御形塗料も、専用下塗り材を含む適合仕様であれば選択肢になります。
外壁塗料の耐候性だけでなく、低汚染性、防藻・防カビ性、艶、色の選択肢などを比較します。
長期間の耐候性や美観維持を重視する場合は、再びフッ素塗料を選ぶ方法があります。
ただし、「フッ素の上へフッ素なら相性がよい」という単純な考え方はできません。
下塗り材を含めたメーカー仕様の確認が必要です。
無機有機ハイブリッド塗料などの高耐候塗料も選択肢になります。
無機系塗料は製品ごとに樹脂構成、硬さ、艶、低汚染性が異なります。
既存塗膜やシーリングとの相性を確認し、建物の動きへ対応できる仕様を選びます。
外壁塗料だけが長持ちしても、屋根、シーリング、防水、鉄部が先に劣化すると、足場を再び組む必要があります。
塗料選びでは、一番耐久性の高い塗料を選ぶことより、住まい全体のメンテナンス周期をそろえることが大切です。
高級なジャケットだけを新調するのではなく、靴や鞄まで含めて装いを整えるように、外壁、屋根、目地、付帯部を一つの建物として考えます。
9. 既存フッ素塗膜の塗り替えで起こりやすい失敗
既存フッ素塗膜の塗り替えで難しいのは、施工直後には不具合が見えにくいことです。
工事が終わったばかりの外壁は、色も艶も整っているため、一見するときれいに仕上がっているように見えます。
ところが、下地処理や塗料の選び方に問題があると、数か月後から数年後にかけて、膨れ、剥がれ、縮み、艶むらなどが現れることがあります。
フッ素塗膜は耐候性に優れ、表面が緻密で汚れにくい反面、新しく塗る塗料が密着しにくい場合があります。
見た目がきれいだから、そのまま塗っても大丈夫とは限らないことが、既存フッ素塗膜を塗り替える際の大切な注意点です。
高圧洗浄をしっかり行えば、塗料もよく密着すると思われるかもしれません。
しかし、高圧洗浄は主に、外壁表面に付着したほこり、排気ガス、カビ、コケ、チョーキング粉などを洗い流すための工程です。
洗浄によって汚れは落とせても、健全なフッ素塗膜の艶を均一に消し、新しい下塗り材が食いつきやすい面をつくれるとは限りません。
特に日陰や軒下などに強い艶が残っている場合は、表面が滑らかなままで、新しい塗料をはじくことがあります。
このような外壁では、既存塗膜の状態を確認したうえで、研磨材を使った目荒らしや、難付着下地に対応する専用下塗り材を検討します。
高圧洗浄は塗装前の清掃であり、必ずしも密着性を高める下地処理ではないという点を理解しておくことが大切です。
現場では、「いつもこのシーラーを使っているから大丈夫」と考えてしまうことがあります。
しかし、一般的なシーラーが、すべての既存フッ素塗膜に密着するとは限りません。
下塗り材には、外壁材への浸透や吸い込み止めを目的としたもの、旧塗膜との密着性を高めるもの、脆弱な下地を補強するものなど、それぞれ役割があり、窯業系サイディング用として使用できる製品であっても、既存フッ素塗膜の上へ塗れるとは限らないため、カタログや施工仕様書の確認を行いましょう
確認する際は、「フッ素旧塗膜適用」という記載だけでなく、現場塗装されたフッ素塗膜なのか、工場焼付け塗膜なのか、艶の状態や劣化程度まで考える必要があり、下塗り材だけが適合していても、組み合わせる中塗り・上塗り材が施工仕様から外れていれば、本来の性能を発揮できないことがあります。
下塗り材は、外壁材、既存塗膜、上塗り材をつなぐ接着層です。
いつもの材料ではなく、その外壁に合う材料を選ぶことが重要です。
目荒らしを行っていても、研磨した範囲が部分的では十分とはいえません。
手の届きやすい平らな部分だけを研磨し、サイディングの凹部、軒下、窓まわり、配管の裏側、入隅などに艶が残ると、その部分だけ密着不良が起こる可能性があり、特に凹凸の深いサイディングでは、ローラーが当たりやすい凸部と、奥まった凹部で下地処理の程度に差が出やすくなります。
施工直後は特に問題がなくても、日射熱や雨水、温度変化を繰り返すうちに、研磨不足の部分から小さな剥がれが始まることがあるので、目荒らしは、単に傷を付ければよい作業ではありません。
外壁全面の艶と表面状態をできるだけ均一に整え、新しい塗膜が同じ条件で密着できる面をつくる工程です。
目荒らしを丁寧に行っても、その後の清掃が不十分では、かえって密着不良を起こすことがあります。
研磨作業をすると、細かな旧塗膜の粉や研磨材の粉じんが外壁表面に残ります。
その上から下塗り材を塗ると、下塗り材が既存塗膜へ直接密着せず、粉の層を挟んだ状態になります。
たとえるなら、ほこりの付いたテーブルに粘着テープを貼るようなものです。
貼った直後は付いていても、少し力が加わると簡単に剥がれてしまいます。
研磨後は、エアブロー、清掃、拭き取り、必要に応じた再洗浄などを行い、粉じんや汚れを残さないようにします。
溶剤拭きを行う場合も、既存塗膜を溶かしたり、拭き跡を残したりする可能性があるため、使用する溶剤と旧塗膜の相性を確認する必要があります。
既存塗料の商品名や塗装履歴が分からない建物は、決して珍しくありません。
前回の見積書や保証書が残っていなかったり、「フッ素塗料だったと思う」という情報だけで、正確な製品名までは分からなかったりすることもあります。
このような場合に役立つのが、目立ちにくい場所で行う試験施工です。
実際に洗浄、目荒らし、下塗り、上塗りまでを小さな範囲で行い、乾燥状態、はじき、縮み、密着性、仕上がりを確認します。
試験施工は、塗った直後だけで判断せず、製品ごとに必要な乾燥期間を置いてから、付着状態を確認することが大切です。
「たぶん大丈夫だろう」という感覚で建物全体を塗り、不具合が生じてからやり直すと、塗膜の除去や再塗装が必要になり、お客様にも施工店にも大きな負担がかかります。
試験施工は手間を増やすための工程ではなく、大きな失敗を小さな範囲で防ぐための確認作業です。
浮いた旧塗膜へ、浸透性のある下塗り材をたっぷり塗れば、再びしっかり接着すると思われることがあります。
しかし、すでに外壁材から層間がある塗膜は、上から塗料を重ねても、元の接着力を完全に取り戻すことはできません。
新しい塗料が旧塗膜へ強く密着したとしても、その下の旧塗膜が外壁材から浮いていれば、古い塗膜ごと剥がれてしまいます。
この状態は、弱くなった壁紙の上へ強力な接着剤を塗るようなものです。
表面だけを固めても、下から離れている部分までは直せません。
浮きや剥がれがある場合は、まず密着していない塗膜を除去し、どの層で剥がれているのかを確認します。
新しい塗膜と既存フッ素塗膜の間なのか、既存塗膜の内部なのか、下塗り層と外壁材の間なのかによって、必要な処置は変わります。
剥がれの範囲が広い場合は、部分補修ではなく、旧塗膜の全面除去や施工仕様の見直しが必要になることもあります。
フッ素塗膜に膨れがあると、塗料同士の相性や密着不良だけを疑ってしまいがちです。
しかし、塗膜の内側に水分が入り込んでいる場合は、どれだけ適合性の高い下塗り材を使用しても、膨れが再発することがあります。
確認したいのは、屋根や笠木からの雨水浸入、シーリングの破断、窓まわりの防水不良、配管貫通部、ベランダとの取り合い、外壁内部の結露などです。
外壁へ入り込んだ水分は、日差しで温められると水蒸気になり、逃げ場を失うと塗膜を内側から押し上げます。
特に、厚膜仕上げや弾性塗材の上へ、緻密なフッ素塗膜が施工されている場合は、水分の影響を受けて大きく膨れることがあります。
高圧洗浄後も、表面は乾いて見えていても、目地や外壁内部には水分が残っている場合があります。
膨れた塗膜を直すだけではなく、水分がどこから入り、どこへ抜けるのかを調べることが、再発を防ぐうえで欠かせません。
塗料を薄めると、ローラーが軽く動き、作業しやすく感じることがありますが、メーカーが定めた範囲を超えて過度に希釈すると、必要な塗膜厚を確保しにくくなり、隠ぺい性、耐候性、付着性、防水性が低下するおそれがあります。
見た目には色が付いていても、塗膜が薄ければ、本来想定されている耐久性能は得られません。
特に既存フッ素塗膜への付着を心配して、下塗り材を薄く伸ばしすぎる施工は避ける必要があります。
下塗り材には、既存塗膜へ均一に濡れ広がり、上塗り材と下地をつなぐために必要な塗布量がありますが、必要以上に厚く塗ればよいわけでもなく、過剰な膜厚は、乾燥不良、縮み、ひび割れ、たれなどの原因になることがあります。
塗料は薄すぎても厚すぎても性能が安定しないため、規定の希釈率と塗布量を守ることが基本です。
塗装工事では、下塗りが乾いたように見えたから、すぐに次の塗料を重ねてもよいとは限りません。
塗膜の表面だけが乾き、内部に溶剤や水分が残っている状態で上塗りをすると、縮み、膨れ、艶むら、乾燥不良が起こることがあります。
特に気温が低い日、湿度が高い日、日陰、風通しの悪い場所では、カタログに記載された標準時間より乾燥が遅れることがあります。
反対に下塗り後から上塗りまでの時間を空けすぎることにも注意が必要です。
製品によっては、塗り重ね可能時間の上限を超えると、下塗り表面が硬くなりすぎ、新しい塗膜が十分に密着しなくなることがあります。
その場合は、再度の目荒らしや下塗りの塗り直しが必要になることもあります。
塗り重ね時間は、現場の予定に合わせて決めるものではなく、使用する塗料、気温、湿度、日射、風、塗膜厚を見ながら判断する必要があります。
塗料は、塗れば自然に固まる単純な液体ではなく、温度、湿度、乾燥時間、希釈率、塗布量、膜厚がそろって、初めて設計された性能を発揮する工業製品です。
10. フッ素塗装の塗り替え見積書で確認したいポイント
既存フッ素塗膜の塗り替えを依頼する際は、塗料の商品名だけでなく、下地処理の内容を確認してください。
| 確認項目 | 見積書に記載してほしい内容 | 注意したい表現 |
|---|---|---|
| 既存塗膜の確認 | 既存フッ素塗膜、特殊塗膜の可能性、調査方法 | 「現状の上から塗装」だけ |
| 高圧洗浄 | 外壁洗浄、藻・カビ処理、必要に応じた脱脂 | 洗浄一式のみで内容が不明 |
| 目荒らし | 研磨パッド、サンドペーパーなどによる全面目荒らし | ケレン一式のみで施工範囲が不明 |
| 脆弱塗膜除去 | 浮き、剥がれ、膨れ部分の除去 | 下塗りで固めるという説明 |
| 試験施工 | 使用予定材料による付着確認 | 確認しなくても大丈夫という説明 |
| 下塗り材 | メーカー名、正式商品名、塗装回数 | 密着シーラー、専用下塗りなど曖昧な表現 |
| 上塗り材 | 正式商品名、樹脂、艶、塗装回数 | フッ素グレード、無機グレードだけ |
| 施工記録 | 目荒らし、下塗り、使用缶、工程写真 | 完成写真だけ |
「高性能シーラー」「特殊プライマー」と書かれていても、どの製品を使用するのか分からなければ適合性を確認できません。
メーカー名と正式商品名を記載してもらい、既存フッ素塗膜への適用を確認します。
付帯部だけのケレンなのか、外壁全面を目荒らしするのかでは、作業量が大きく違ってくるので、「下地処理一式」という表現だけで判断せず、どの部分に何を行うのか確認しましょう。
フッ素塗膜の塗り替えは、目荒らし、清掃、試験施工、専用下塗りなどによって、一般的な塗り替えより手間がかかる場合があります。
見積金額が安くても、必要な下地処理が省略されていれば、長期的には再施工のリスクが高くなります。
下塗りは完成後に見えなくなりますが、塗装の寿命を支える土台なので、見えない工程ほど、見積書と写真で確認することが大切です。
11. フッ素塗装の外壁を塗り替える時期と劣化症状
フッ素塗料は高耐候ですが、何年経っても塗り替えなくてよい塗料ではありません。
塗り替え時期は、塗料の商品、色、艶、塗布量、外壁材、立地、日当たり、前回の施工品質によって変わります。
次のような症状が見られたら、外壁全体の点検をおすすめします。
- ■ 外壁の色あせや艶引け
- ■ チョーキング
- ■ 部分的な剥がれや膨れ
- ■ 外壁のひび割れ
- ■ シーリングの破断や剥離
- ■ サイディングの反りや浮き
- ■ 外壁材端部の崩れ
- ■ 藻、カビ、雨筋汚れの増加
- ■ 鉄部の錆
- ■ ベランダ防水の摩耗やひび割れ
フッ素塗膜には艶が残っていても、シーリングや防水部分が先に劣化していることがあります。
外壁が剥がれるまで待つのではなく、塗膜が健全なうちに適切な下地処理をして塗り替えるほうが、補修範囲を抑えられる場合があります。
前回の工事から何年経ったかは参考になりますが、年数だけで塗り替えを決めることはできません。
日当たりの強い南面と、湿気の多い北面では、同じ建物でも劣化の現れ方が異なります。
年数と現場の状態を照らし合わせ、今すぐ塗装が必要なのか、補修を先行するのか、数年後でよいのかを判断します。
12. まとめ|既存フッ素塗膜の塗り替えは下地処理と下塗り材が重要

既存の外壁がフッ素塗装であっても、適切な施工方法を選べば塗り替えることができます。
ただし、フッ素塗膜は耐候性、低汚染性、非粘着性に優れるため、一般的な旧塗膜よりも新しい塗料が密着しにくい場合があります。
既存フッ素塗膜を塗り替える重要ポイント
- ■ 前回使用した塗料の商品名と施工仕様を確認する
- ■ 既存塗膜の付着、艶、チョーキング、膨れを調査する
- ■ 汚れ、粉化物、油分、藻、カビを除去する
- ■ 脆弱な旧塗膜は健全な範囲まで除去する
- ■ 艶の残った塗膜は必要に応じて全面目荒らしする
- ■ 研磨粉を入念に清掃する
- ■ 既存フッ素塗膜に適合する下塗り材を使用する
- ■ 下塗り材と上塗り材の組み合わせを確認する
- ■ 既存塗料が不明な場合は試験施工を行う
- ■ 塗布量、乾燥時間、混合比、可使時間を守る
外壁塗装は、最後に塗る上塗り塗料だけで品質が決まるわけではありません。
特に既存フッ素塗膜の塗り替えでは、完成後に見えなくなる洗浄、目荒らし、清掃、下塗りが、仕上がりを長く保つための大切な骨格になります。
きれいに塗ることはもちろんですが、剥がれにくい状態をつくってから塗ること。
それが、塗装店として絶対守るべき基本です。
小林塗装では、既存塗膜と外壁材の状態を確認し、住まいに適した塗装仕様を提案しています。
前回の使用塗料が分からない場合や、フッ素塗装の塗り替えに不安がある場合も、お気軽にご相談ください。
13. 既存フッ素塗膜の塗り替えに関する深掘りQ&A

適合する下塗り材を使用し、目荒らしと付着確認を行えば、シリコン塗料を施工できる場合があります。
ただし、フッ素塗膜へシリコン塗料を直接塗る施工は避けてください。
既存フッ素塗膜、下塗り材、シリコン上塗り材の三者が、メーカー仕様として適合していることが条件です。
専用下塗り材を介したメーカー指定仕様であれば、水性上塗り塗料を使用できる場合があります。
ただし、水性塗料だから密着しない、溶剤塗料だから必ず密着するという単純な違いではありません。
下塗り材によっては、フッ素旧塗膜に使用できない製品や、水性上塗り材に対応していない製品があります。
艶が残り、表面が滑らかなフッ素塗膜では、基本的に目荒らしを検討します。
ただし、旧塗膜が激しくチョーキングしている場合や外壁模様が非常に深い場合など、状態によって施工方法は変わります。
塗料メーカーの仕様書、現地状態、試験施工を踏まえて判断します。
高圧洗浄と目荒らしは、目的が異なります。
高圧洗浄は、汚れ、藻、カビ、チョーキング粉を除去する工程です。
目荒らしは、健全で滑らかな塗膜表面へ細かな傷を付け、下塗り材が密着しやすい状態をつくる工程です。
洗浄を丁寧に行っても、艶の残ったフッ素塗膜の表面性状まで均一に変えられるとは限りません。
外壁表面に艶が残っていても、建物全体が健全とは限りません。
シーリング、外壁のひび割れ、サイディング端部、窓まわり、防水、鉄部などを確認してください。
フッ素塗料は表面が比較的きれいに見えるため、ほかの劣化を見落とさないことが大切です。
見積書、契約書、保証書、施工写真などを確認します。
資料がない場合は、既存塗膜の艶、チョーキング、硬さ、溶剤反応、付着状態などを調査します。
それでも判断できない場合は、安全側に立った下地処理を行い、試験施工によって付着性を確認します。
同じメーカーで塗装システムを統一すると、適合性や問い合わせ先が明確になりやすいメリットがあります。
ただし、既存塗料と同じメーカーでなければ施工できないわけではありません。
他メーカーの材料を使用する場合も、既存塗膜、下塗り材、上塗り材への適合が確認できれば施工できる場合があります。
既存クリヤーの密着状態が良好で、外壁材の退色や傷みが少なければ、再びクリヤー仕上げが可能な場合があります。
ただし、白化、剥がれ、補修跡、シーリングの汚れがある場合は、透明塗装では隠せません。
状態によっては、着色塗装や多彩仕上げへ変更したほうが、美観と耐久性を整えやすくなります。
塗り替えは可能ですが、工場塗装された硬い塗膜は、住宅現場で塗られたフッ素塗膜より密着しにくい場合があります。
全面脱脂、目荒らし、錆処理、金属露出部の補修塗り、専用プライマーが重要です。
亜鉛めっき、アルミ、ガルバリウム鋼板など、金属素材への適合性も確認します。
代表的な場所へ実際の塗装仕様で試験塗りを行い、十分に硬化させた後、付着状態を確認します。
碁盤目試験、テープ試験、プルオフ試験などがありますが、外壁の模様や塗膜構成によって適した方法が異なります。
試験によって外壁へ傷が付くため、実施場所と補修方法を決めてから行います。
外壁材から密着していない旧塗膜を、上から塗料で接着し直すことはできません。
浮きや剥がれを健全な範囲まで除去し、外壁材の水分、下地劣化、前回の下塗り不足など、剥がれた原因を確認します。
原因を残したまま表面だけ塗り直すと、新しい塗膜ごと剥がれる可能性があります。
全面目荒らし、脱脂洗浄、試験施工、専用下塗り材、剥離部の補修などが必要な場合は、一般的な外壁塗装より下地処理費用が増えることがあります。
ただし、必要な工程を省いて安く施工しても、早期剥離が起これば、足場からやり直さなければなりません。
見積金額だけでなく、目荒らしの範囲、下塗り材の商品名、試験施工の有無、施工写真の内容まで比較することをおすすめします。
フッ素塗装の塗り替えは小林塗装へご相談ください
既存フッ素塗膜の塗り替えでは、現在の外壁がきれいに見えるかどうかだけでなく、塗膜の付着状態や下塗り材との相性を確認する必要があります。
小林塗装では、外壁材、既存塗膜、シーリング、防水、付帯部まで丁寧に調査し、必要な下地処理と塗装仕様をご説明します。
前回使用した塗料が分からない場合や、ほかの塗装会社から「フッ素の上は塗れない」と言われて不安を感じている場合も、まずは現在の状態を確認することが大切です。
名古屋市および周辺地域で、フッ素塗装の外壁塗り替えをご検討中の方は、無料診断・ご相談をご利用ください。

コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
名古屋市を中心に、外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事・足場工事などを手掛ける地域密着型の塗装店です。
塗装職人として30年以上、2,000件を超える施工経験をもとに、建物の状態、お客様のご希望、周辺環境に合った塗装仕様をご提案しています。
塗料の性能だけに頼るのではなく、入念な現地調査、下地処理、下地補修、養生、適正な塗布量と乾燥時間を大切にしています。
外壁の色選びや質感のご相談から、既存塗膜に合わせた専門的な塗り替え仕様まで、分かりやすく丁寧にご説明します。
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