塗料顔料の価格差とは?無機・有機・遮熱顔料を塗装店が解説
顔料の価格差はなぜ生まれる?外壁塗装の色・耐候性・遮熱性を左右する原料の違い
外壁塗装に使われる顔料は、種類やグレードによって価格差がかなり大きく、安い顔料と高い顔料では数倍から、特殊なものでは10倍以上の差が出ることがあります。
| 顔料の種類 | 安い顔料の目安 | 高い顔料の目安 | 価格差の目安 |
|---|---|---|---|
| 無機顔料 | 約100〜500円/kg | 約1,500〜10,000円/kg以上 | 約3〜20倍以上 |
| 有機顔料 | 約300〜1,000円/kg | 約3,000〜20,000円/kg以上 | 約5〜30倍以上 |
| 遮熱顔料 | 約800〜2,000円/kg | 約3,000〜15,000円/kg以上 | 約3〜10倍以上 |
ただし、塗料の品質は「顔料だけ」で決まるものではありません。
顔料+樹脂+添加剤+下塗り材+塗布量+職人の施工精度がそろってはじめて、外壁塗装の本当の品質が決まります。
結論からお伝えすると、外壁塗装や屋根塗装に使われる顔料は、安いものと高いものでは想像以上に大きな価格差があります。
「顔料」と聞くと、単に塗料に色を付ける粉のように思われるかもしれません。
しかし実際には、顔料は塗料の色、隠ぺい力、色あせのしにくさ、遮熱性、耐候性に関わる、とても大切な原料です。
外壁塗装で使われる塗料は、屋外で何年も紫外線や雨風にさらされており、真夏の強い日差し、冬の冷たい風、梅雨時期の湿気、排気ガス、砂ぼこり。
そうした環境の中で、建物の美観を守り続けるためには、顔料にも高い安定性が求められます。
たとえば、一般的な酸化鉄系の無機顔料は比較的安価で、外壁塗装でも使いやすい顔料です。赤茶、黄土色、ブラウン、ベージュ系など、自然で落ち着いた色をつくるときに関係します。
一方で、コバルト系顔料や複合金属酸化物系の高耐候顔料になると、価格は一気に高くなります。
これらは、一般的な顔料よりも耐候性、耐熱性、化学的な安定性に優れているものが多く、屋外で長く色を保ちたい場合や、特殊な色を安定して出したい場合に使われることがあります。
有機顔料も同じです。一般的なアゾ系顔料やフタロシアニン系顔料は、比較的使いやすい価格帯のものがあります。
特にフタロシアニンブルーやフタロシアニングリーンは、青や緑の色をしっかり出しやすく、塗料の調色でも重要な顔料です。
しかし、キナクリドン、ペリレン、DPP系などの高性能有機顔料になると、かなり高価になります。
これらは、鮮やかな赤、ピンク、紫、オレンジ系などを美しく表現しながら、屋外での色あせにも配慮された顔料です。
さらに、遮熱塗料に使われる近赤外線反射顔料は、単に色を付けるだけの顔料ではありません。
太陽光に含まれる近赤外線を反射して、屋根や外壁の表面温度上昇を抑えるための機能性顔料です。
通常の黒や濃色顔料は、太陽光を吸収しやすく、表面温度が上がりやすい傾向があります。
ところが、遮熱顔料では、見た目は黒やネイビー、ブラウンのような濃色でも、近赤外線を反射しやすいように設計されているものがあります。
そのため、通常の顔料とは設計思想が違い、価格も高くなりやすいです。
- ■ 安い顔料が、必ず悪いわけではありません。
- ■ 高い顔料を使えば、必ず良い塗料になるわけでもありません。
- ■ 大切なのは、外壁材・立地・色・塗料グレードに合った顔料が使われているかです。
- ■ 顔料の性能を活かすには、下塗り・塗布量・乾燥時間・施工技術も重要です。
つまり、顔料の価格差を見るときは、単純に「高いから良い」「安いから悪い」と判断するのではなく、その顔料が、どのような目的で、どのような塗料に使われているのかを見ることが大切です。
外壁塗装は、住まいに新しい服を着せるような仕事です。けれど、その服は毎日外で雨に打たれ、紫外線を浴び、風にさらされます。
だからこそ、色の美しさだけでなく、色を支える顔料の質、塗膜を守る樹脂の性能、そして現場での丁寧な施工が欠かせません。
今回は、外壁塗装や屋根塗装で使われる「高い顔料」と「安い顔料」の違いを、価格差、性能差、色あせ、遮熱性の視点から、「名古屋の塗装店」 小林塗装が分かりやすくお伝えします。
なお、この記事で紹介する価格は、2026年6月時点で確認できる海外BtoB・原料系公開価格を参考にした概算です。
国内塗料メーカーの実際の仕入れ価格は、契約数量、品質規格、分散加工、商社経由、為替、在庫状況などによって変わるので、本コラムではあくまで「目安」として、できるだけ誠実に記載しています。
- ■ 無機顔料・有機顔料・遮熱顔料の価格差の目安
- ■ 高い顔料と安い顔料の違い
- ■ 安い顔料が必ず悪いわけではない理由
- ■ 高い顔料を使っても、塗装品質が決まるわけではない理由
- ■ 外壁塗装で色あせしにくい塗料を選ぶ考え方
1. 外壁塗料に使われる顔料の価格差はどのくらいあるのか?
外壁塗装に使われる顔料の価格は、かなり幅があり、公開されている海外BtoB価格や顔料販売価格を参考にすると、工業用の安価な顔料は1kgあたり数百円程度から、高性能顔料や特殊顔料では1kgあたり数千円から1万円以上になる場合があります。
2026年6月時点の為替は、1ドルあたり約161円前後で推移しています。
今回は分かりやすく、1ドル=約160円として概算します。
為替が円安になるほど、海外原料に頼る顔料・樹脂・添加剤の国内価格は上がりやすくなります。
2026年6月19日前後、ドル円は161円台付近で推移していると報じられています。
| 顔料の種類 | 安い顔料の目安 | 高い顔料の目安 | 価格差の目安 |
|---|---|---|---|
| 無機顔料 | 約100〜500円/kg | 約1,500〜10,000円/kg以上 | 約3〜20倍以上 |
| 有機顔料 | 約300〜1,000円/kg | 約3,000〜20,000円/kg以上 | 約5〜30倍以上 |
| 遮熱顔料 | 約800〜2,000円/kg | 約3,000〜15,000円/kg以上 | 約3〜10倍以上 |
ただし、この表はあくまで「顔料単体」の目安です。実際の建築塗料では、顔料をそのまま塗料に入れるのではなく、樹脂、溶剤または水、分散剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、艶調整剤、沈降防止剤などと組み合わせて製品化されます。
つまり、顔料が高いから塗料価格がそのまま10倍になるわけではありません。
しかし、濃色・鮮やかな色・高耐候色・遮熱色・特殊色では、顔料コストが塗料価格に大きく反映されます
2. 無機顔料|安い顔料と高い顔料の違いとは?
無機顔料とは、酸化鉄、酸化チタン、カーボンブラック、酸化クロム、コバルト系顔料、複合金属酸化物顔料など、鉱物・金属酸化物系の性質を持つ顔料です。
一般的に無機顔料は、耐候性・耐熱性・隠ぺい力に優れやすいという特徴があります。
外壁塗装では、白、ベージュ、グレー、ブラウン、黒、アイボリーなど、落ち着いた色をつくるうえで欠かせない材料です。
比較的安価な無機顔料としては、酸化鉄系顔料やカーボンブラックなどがあります。酸化鉄顔料は、赤、黄、黒、茶系の色をつくる際によく使われます。
海外BtoB価格では、酸化鉄顔料が1トンあたり数百ドル台で掲載されている例もあり、kg単価にすると数十円から数百円台の水準になります。
酸化鉄系顔料は、建築塗料にとってとても頼もしい存在で、耐候性が比較的よく、土や石、瓦、レンガのような自然な色味を表現しやすい顔料です。
外壁で使うブラウン、ベージュ、テラコッタ、赤茶、黄土色などには、このような無機顔料の考え方が関係しています。
白色顔料の代表が酸化チタンです。 酸化チタンは、白さ、隠ぺい力、紫外線に対する強さに関わる重要な顔料です。外壁塗料の白、アイボリー、淡彩色の多くに関係しています。
塗料用ルチル型酸化チタンの公開価格では、1kgあたり約2.4〜3.5ドル程度の例が見られます。
日本円にすると、ざっくり約400〜600円/kg前後です。
酸化チタンは、白色顔料として塗料・インキ・化学繊維・製紙など幅広く使われる代表的な材料です。
白い外壁塗装が清潔感を出せるのは、単に「白い塗料だから」ではなく、下地を隠す力、光の反射、色の安定性などを支える白色顔料の性能があるからです。
白はシンプルですが、実はとても技術的な色です。
高価な無機顔料としては、コバルトブルー、コバルトグリーン、複合金属酸化物顔料、いわゆるCICPやMMO顔料があります。
CICPは複数の金属酸化物を高温で焼成してつくられる顔料で、耐候性、耐熱性、化学的安定性に優れ、厳しい用途の塗料やプラスチック、セラミックなどにも使われます。
コバルトブルー系顔料では、公開されている小口販売価格で1kgあたり数十ユーロから100ユーロを超える例もあります。
工業用の大量購入価格とは異なりますが、一般的な酸化鉄顔料と比べると、かなり高価な顔料であることが分かります。
| 無機顔料の種類 | 価格帯の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 酸化鉄・カーボンブラック | 安い | 比較的安価で、茶・赤・黄・黒系に使いやすい |
| 酸化チタン | 中程度 | 白さ・隠ぺい力に重要。淡彩色にも関係 |
| 酸化クロム・一部特殊無機顔料 | 中〜高い | 耐候性・耐熱性に優れるものが多い |
| コバルト系・CICP・MMO | 高い | 高耐候・高耐熱・特殊色・遮熱用途にも関係 |
無機顔料の価格差は、単に「色が違うから」ではありません。
原料金属の価格、焼成温度、粒子設計、耐候性、安全性、分散性、色の再現性などが重なって決まります。
安い顔料は日常使いの良い道具、高い顔料は厳しい環境に耐えるプロ仕様の道具。そのように考えると分かりやすいです。
3. 有機顔料|鮮やかさと価格差の関係
有機顔料は、無機顔料に比べて鮮やかな色を表現しやすい顔料です。赤、青、緑、紫、ピンク、オレンジなど、外壁に少し華やかさを出したいときに関係してきます。
ただし、有機顔料は種類によって耐候性に大きな差があります。屋外で長く使う外壁塗装では、ただ鮮やかなだけでなく、紫外線、熱、雨、アルカリ、酸性雨、排気ガスなどに耐えられるかが重要です。
比較的安価な有機顔料としては、一部のアゾ系顔料や汎用フタロシアニンブルーなどがあります。
公開されているBtoB価格では、フタロシアニンブルー系顔料が1kgあたり2〜6ドル程度で掲載されている例があります。
日本円では、ざっくり約300〜1,000円/kg前後です。
フタロシアニンブルーやフタロシアニングリーンは、比較的性能が高く、色の強さもあります。 少量でしっかり色が出るため、塗料の調色でも重要な顔料です。濃いブルー、グリーン、ネイビー系の色をつくるときに関係することがあります。
高価な有機顔料としては、キナクリドン、ペリレン、DPP、イソインドリノン、ベンズイミダゾロンなどの高性能有機顔料があります。
これらは高耐候性・高耐熱性・高彩度が求められる用途で使われることが多く、外装用塗料、自動車補修塗料、粉体塗料、高級インキ、プラスチック着色などにも関係します。
キナクリドン系のPigment Red 122では、公開BtoB価格で1kgあたり18〜50ドル程度の例があります。
ペリレン系では、用途やグレードによって1kgあたり8〜8.8ドル程度の例から、ペリレンブラックのように70〜130ドル程度の例も見られます。
つまり、高性能有機顔料は、安価な有機顔料と比べて数倍から数十倍になることがあります。
また、有機顔料の価格ガイドでは、アゾ系が比較的安く、キナクリドン、DPP、ベンズイミダゾロンなどは4〜10倍以上高くなる傾向があると説明されています。
| 有機顔料の種類 | 価格帯の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 汎用アゾ系 | 安い | 黄色・オレンジ・赤系で使われる。用途により耐候性に差がある |
| フタロシアニン系 | 安い〜中程度 | 青・緑系に強い。色の力が強く、比較的使いやすい |
| キナクリドン系 | 高い | 赤・ピンク・紫系で鮮やか。高耐候グレードは高価 |
| ペリレン・DPP系 | 高い〜非常に高い | 高級外装・自動車・高性能塗料向け。耐候性・耐熱性に優れる |
有機顔料は、ファッションでいえば発色のきれいな口紅やスカーフのような存在です。色の美しさは一瞬で印象を変えます。 しかし、外壁塗装では「きれい」だけでなく「屋外で長くきれいか」が大切です。ここに顔料の価格差が生まれます。
4. 遮熱顔料|普通の顔料より高くなる理由
遮熱顔料は、一般的な着色顔料とは少し役割が違います。
普通の顔料は、主に色を付けることが目的ですが、遮熱顔料は、色を付けながら太陽光に含まれる近赤外線を反射し、屋根や外壁の表面温度上昇を抑えることを目的としています。
特に黒、チャコール、ネイビー、ブラウンなどの濃色は、通常であれば太陽光を吸収しやすく、表面温度が上がりやすい色です。
そこに近赤外線反射顔料を使うことで、見た目は濃色でも、熱を持ちにくい設計を目指します。
近赤外線反射顔料は、黒色でも近赤外線を反射して温度上昇を抑える顔料として紹介されています。
また、特殊な赤外線反射顔料は、外装仕上げの近赤外反射率を高め、屋根や外壁の表面温度低下に寄与するものとして研究・実用化されています。
遮熱顔料にも価格差があります。比較的安価なものは、白色顔料である酸化チタンや、淡彩色向けの顔料設計によって反射率を確保する考え方です。 白やアイボリー、淡いグレーは、そもそも光を反射しやすいため、遮熱効果を出しやすい色です。
一方、高価になりやすいのは、濃色用の近赤外線反射顔料で、黒く見えるのに近赤外線を反射する黒色顔料、濃色でも温度上昇を抑える複合金属酸化物系顔料などです。 これらは単なる色材ではなく、機能性材料に近い存在です。
| 遮熱顔料の種類 | 価格帯の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 白・淡彩色向け遮熱設計 | 比較的安い | 白や淡色は反射率を確保しやすい |
| 一般的な遮熱用顔料 | 中程度 | 屋根・外壁用遮熱塗料に使われる |
| 濃色用近赤外線反射顔料 | 高い | 黒・ブラウン・ネイビーなどで遮熱性を狙う |
| CICP・MMO系高機能遮熱顔料 | 高い〜非常に高い | 耐候性・耐熱性・近赤外反射性を兼ねる |
遮熱顔料の価格は、一般顔料と比べて約3〜10倍以上になることがあります。
特に濃色の遮熱顔料では、ただの黒顔料を使うのではなく、見た目の色と近赤外線反射性能を両立させる必要があるため、原料設計が難しくなります。
遮熱塗料の価格が通常塗料より高くなりやすいのは、「遮熱」という言葉が付いているからではありません。
顔料、樹脂、添加剤、試験、品質管理まで含めて、普通の塗料より設計に手間がかかるからです。
5. 体質顔料とは?色を付けないけれど、塗料の品質を支える大切な顔料です
顔料には、大きく分けて「着色顔料」と「体質顔料」があります。
着色顔料は、赤、青、黄、黒、白など、塗料に色を付けるための顔料で、一方体質顔料は色を強く付けることが目的ではなく、塗料の厚み、作業性、艶、質感、強度、コストバランスなどを整えるために使われる顔料です。
少し分かりやすく例えるなら、着色顔料は料理でいう「味や香りを決める調味料」、体質顔料は「食感やまとまりを整える小麦粉や片栗粉」のような存在です。
前に出て目立つ材料ではありませんが、仕上がりの安定感を支える、縁の下の力持ちです。
外壁塗装や屋根塗装に使われる塗料にも、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、硫酸バリウム、シリカ、マイカなどの体質顔料が使われることがあります。
これらは、塗料の粘度を整えたり、塗膜に厚みを持たせたり、艶を調整したり、ローラーや刷毛で塗りやすくしたりする役割を持っています。
| 体質顔料の種類 | 主な役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 炭酸カルシウム | 塗膜の厚み・コスト調整 | 建築塗料で広く使われる代表的な体質顔料 |
| タルク | 作業性・塗膜感の調整 | なめらかさや塗りやすさに関係する |
| カオリン | 艶・粘度・沈降性の調整 | 塗料の安定性や仕上がり感に関係する |
| 硫酸バリウム | 塗膜の緻密さ・耐久性補助 | 比較的比重が高く、塗膜の充填性に関係する |
| シリカ | 艶消し・耐摩耗性・質感調整 | 艶を抑えたい塗料や機能性塗料にも使われる |
| マイカ | 塗膜の補強・層状保護 | 薄い板状の形をしており、塗膜の保護性に関係する |
体質顔料は、着色顔料に比べると比較的安価なものが多い傾向があります。
たとえば、炭酸カルシウムやタルクなどは、酸化チタンや高性能有機顔料、遮熱顔料に比べるとかなり安い価格帯で流通しています。
そのため、塗料の価格を抑えるために体質顔料が使われることもあります。
ただし、体質顔料そのものが悪いわけではありません。適切に使えば、塗料の作業性、塗膜の厚み、艶の落ち着き、仕上がり感を整える大切な材料になります。
問題になるのは、塗料の品質を高める目的ではなく、必要以上に体質顔料を多く入れて、樹脂や着色顔料の割合を下げすぎてしまう場合です。
このような塗料では、塗膜が粉っぽくなったり、耐候性が不足したり、早い段階でチョーキングが起きやすくなる可能性があります。
つまり、体質顔料は「安いから悪い材料」ではなく、適量で使えば塗料の品質を整える大切な材料で、あまり入れすぎると塗膜性能を下げる可能性がある材料と考えると分かりやすいです。
6. 高い顔料を使えば必ず良い塗料になるのか?
ここは、とても大切なところです。高い顔料を使えば、必ず良い塗料になるとは限りません。
顔料は塗料の品質を左右する重要な材料ですが、塗料は顔料だけでできているわけではありません。
外壁塗装や屋根塗装で長持ちする塗膜をつくるには、顔料だけでなく、樹脂、硬化剤、添加剤、下塗り材、塗布量、乾燥時間、下地処理、施工技術まで含めて考える必要があります。
たとえば、高耐候の顔料を使っていても、樹脂の耐候性が低ければ、塗膜全体の劣化は早く進みます。
反対に顔料だけが特別高価でなくても、建物に合った塗料を正しい膜厚で塗り、下地処理をきちんと行えば、十分に良い仕上がりになることもあります。
| 見るべきポイント | 理由 |
|---|---|
| 顔料の耐候性 | 色あせ・変色に関係する |
| 樹脂の耐候性 | 塗膜全体の寿命に関係する |
| 下塗り材の適合性 | 密着不良・剥がれ防止に関係する |
| 塗布量 | カタログ性能を発揮するために重要 |
| 乾燥時間 | 膨れ・艶ムラ・密着不良の予防に関係する |
| 職人の施工精度 | 仕上がり感と耐久性に直結する |
顔料は、塗料というオーケストラの中の大切な楽器ですが、良い音を出すには、楽器だけでなく、演奏者、楽譜、会場、全体のバランスが必要です。
外壁塗装も同じで、材料の良さを引き出すのは、最後は現場の判断と施工です。
7. 外壁塗装で大切なのは顔料だけではありません
外壁塗装の色あせを考えるとき、「顔料が良いか悪いか」は確かに重要です。
しかし、実際の現場では、顔料だけで色持ちが決まるわけではありません。
色あせや変色には、次のような要素が関係します。
- ■ 顔料の種類
- ■ 樹脂の種類
- ■ 艶の有無
- ■ 塗膜の厚み
- ■ 外壁材の吸い込み
- ■ 下塗り材の選定
- ■ 南面・西面などの日射条件
- ■ 海沿い・幹線道路沿いなどの立地条件
- ■ 濃色か淡彩色か
- ■ 塗装後のメンテナンス環境
特に濃色は、白やベージュ系に比べて色あせが目立ちやすい傾向があります。
黒、ネイビー、チャコール、濃いブラウン、深いグリーンなどは、とてもおしゃれで建物を引き締めてくれる色ですが、顔料の選定や塗料グレード、艶の設計を慎重に考える必要があります。
また、遮熱塗料を選ぶ場合も、色によって効果の出方が変わり、白や淡い色の方が反射率は高くなりやすく、濃色では特殊な近赤外線反射顔料の力が重要になります。
つまり、遮熱塗料は「どの色でも同じように涼しい」というものではありません。
塗装工事で後悔しないためには、塗料名だけでなく、「その色は外壁に向いているか」「その建物の立地に合っているか」「その塗料で本当に長くきれいに保てるか」まで考えることが大切です。
8. まとめ|顔料の価格差を知ると、塗料選びの見え方が変わります
顔料の価格差は、外壁塗装の品質を考えるうえで、とても興味深いポイントです。
安い無機顔料と高い無機顔料では、数倍から20倍以上の価格差が出ることがあります。 有機顔料では、汎用品と高性能品で5倍から30倍以上の差が出る場合もあり、遮熱顔料も一般的な顔料と比べて3倍から10倍以上高くなることがあります。
ただし、安い顔料が悪いわけではありません。酸化鉄や酸化チタンのように、比較的価格が安定していて、外壁塗装にとって非常に重要な顔料もあります。
大切なのは、安いか高いかだけで判断するのではなく、用途に合っているか、屋外で長持ちするか、塗料全体としてバランスが取れているかを見ることです。
外壁塗装は、住まいに新しい服を着せるような仕事です。けれど、その服は雨の日も、真夏の日差しの日も、冬の冷たい風の日も、毎日外で家を守り続けます。
だからこそ、色の美しさだけでなく、顔料、樹脂、下地処理、施工技術まで含めた総合的な品質が大切です。
小林塗装では、塗料名や価格だけでなく、建物の状態、外壁材、立地、色の見え方、将来の色あせまで考えながら、住まいに合った塗装仕様をご提案しています。
「この色は長持ちしますか?」「濃い色にしたいけれど色あせが心配です」「遮熱塗料は本当に必要ですか?」という方は、どうぞお気軽に相談ください。色選びは、少し先の暮らしを整える楽しい時間でもあります。
9. 顔料の価格差に関するよくある質問
高い顔料は、耐候性や発色性に優れていることがあります。
ただし、塗料の寿命は顔料だけで決まるわけではありません。樹脂の性能、下塗り材、塗布量、乾燥時間、下地処理、施工技術まで含めて判断することが大切です。
必ずしも避ける必要はありません。酸化鉄や酸化チタンのように、比較的価格が安定していて、建築塗料に欠かせない優れた顔料もあります。
問題なのは、屋外用途に向かない顔料を無理に使うことです。
有機顔料は種類によって差があります。
安価な顔料の中には屋外で色あせしやすいものもありますが、キナクリドン、ペリレン、DPP、フタロシアニンなど、高耐候性に優れた有機顔料もあります。
外壁塗装では、屋外用途に適した顔料かどうかが重要です。
一般的には高くなりやすいです。
遮熱顔料は、色を付けるだけでなく、太陽光に含まれる近赤外線を反射して温度上昇を抑える機能を持つため、通常の顔料より設計や原料コストが高くなります。
可能です。ただし、白や淡彩色に比べると遮熱効果は出にくくなります。
そのため、濃色では近赤外線反射顔料などの特殊顔料を使った遮熱塗料を選ぶことが大切です。
顔料単体の価格差が、そのまま工事金額に反映されるわけではありません。
ただし、濃色、高耐候色、遮熱色、特殊色では、塗料原価が高くなり、結果として見積金額に影響することがあります。
一般的には、白、アイボリー、ベージュ、淡いグレーなどの淡彩色は色あせが目立ちにくい傾向があります。
黒、ネイビー、濃いブラウン、赤、鮮やかな色は、色あせや退色が目立ちやすいため、塗料グレードや顔料の耐候性を慎重に選ぶ必要があります。
はい。塗料名だけでなく、色の濃さ、退色のしやすさ、外壁材、日当たり、周辺環境、将来のメンテナンス性まで考えながら提案しています。
特に濃色やおしゃれな色を選ぶ場合は、見た目だけでなく、長くきれいに保てるかを大切にしています。
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主 小林ゆずは、名古屋を拠点に、外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事などを行う塗装工事の専門家です。
これまで30年以上にわたり、一般住宅を中心に2,000件以上の施工に携わり、塗料の性能だけでなく、下地処理、顔料による色の見え方、色あせ、艶、遮熱性、建物全体の調和まで大切にした塗装工事を行っています。
小林塗装では、単に「高い塗料」「安い塗料」で判断するのではなく、住まいの状態、外壁材、立地条件、お客様の好み、将来のメンテナンス性まで考えた、誠実で分かりやすいご提案を心掛けています。
このコラムは役に立ちましたか?
このページに関連するコラムはこちら











