フッ素塗料はもう古い?外壁塗装で選ばれにくくなった理由を解説
外壁塗装の塗料選びで、少し前まで「長持ちする塗料」としてよく名前が挙がっていたのが、フッ素樹脂塗料です。
外壁塗装を検討している方は、「フッ素塗料は高級で長持ちする」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
確かにフッ素樹脂塗料は、今でも高耐候性に優れた、外壁塗装・屋根塗装における上級グレードの塗料です。
日本ペイントのフッ素塗料「ファインDFセラミック」も、ライフサイクルコスト低減につながる超高耐候性、超低汚染性、防藻・防かび性、透湿性などが特長として挙げられています。
では、なぜ近年の外壁塗装では、以前ほどフッ素樹脂塗料の名前を聞かなくなってきたのでしょうか。
これを結論からお伝えすると、フッ素塗料の性能が悪くなったからではありません。
むしろ塗料技術が進化し、ラジカル制御形塗料や無機塗料、無機複合フッ素塗料など、選択肢が大きく広がったことが理由です。
つまり、昔のように「長持ちする塗料=フッ素一択」とは言い切れない時代になってきたということです。
今回は、外壁塗装でフッ素樹脂塗料が以前ほど使われなくなってきている理由を、塗料の性能、価格、施工性、現在の塗料トレンドまで含めて、「名古屋の塗装店」小林塗装が分かりやすく解説します。
- ■ フッ素樹脂塗料が以前ほど選ばれなくなった理由
- ■ フッ素塗料・ラジカル制御塗料・無機塗料の違い
- ■ フッ素塗料が今でも向いている住まい
- ■ 塗料選びで失敗しないための考え方
1. フッ素樹脂塗料とは?
フッ素樹脂塗料とは、塗膜をつくる主成分である樹脂にフッ素樹脂を使用した高耐候型の塗料です。
外壁塗装や屋根塗装では、紫外線、雨、風、湿気、排気ガス、酸性雨などから建物を守るために使われます。
外壁塗装で使われる塗料は、大きく見ると「顔料」「樹脂」「添加剤」「溶剤または水」などで構成されています。
顔料は色をつくる成分、添加剤は塗料の性能を補助する成分です。
その中でも樹脂は、塗膜の骨格をつくるとても大切な成分です。
分かりやすく言うと、樹脂は塗料の「体」をつくる部分です。
この樹脂がしっかりしているほど、塗膜は紫外線や雨風に対して強くなり、色あせ、チョーキング、艶引け、ひび割れなどの劣化を抑えやすくなります。
フッ素樹脂は、炭素とフッ素の結びつきが非常に強いことから、紫外線や酸性雨などに対して安定しやすい性質を持っています。
そのため、長期間にわたって外壁や屋根を保護することが期待され、以前から高耐久塗料の代表的な存在として扱われてきました。
少し前までは、「高耐久塗料といえばフッ素」というイメージがありました。
シリコン塗料よりも上のグレードとして提案されることが多く、塗り替え回数を減らしたい方や長期に亘って美観を保ちたい建物で選ばれてきた塗料です。
また、フッ素樹脂塗料は、ビル、マンション、商業施設、橋梁、公共建築など、長期的なメンテナンス性が重視される建物でも採用されてきました。
足場を何度も組みにくい建物や、塗り替え回数をできるだけ減らしたい建物では、材料費が高くても長期的なメリットが出やすい場合があります。
ただし、フッ素樹脂塗料にも種類があります。
水性タイプ、弱溶剤タイプ、強溶剤タイプ、1液型、2液型、低汚染性を重視したもの、屋根用、外壁用、無機成分を組み合わせたものなど、製品によって性質は異なります。
つまりフッ素樹脂塗料は、単に「高い塗料」というより、長期的な耐候性や美観維持を重視するための上級グレード塗料ですが、どんな住まいにも必ず最適というわけではなく、外壁材の状態、下地処理、予算、次回メンテナンス計画まで含めて選ぶことが大切です。
2. なぜ、フッ素塗料は高級塗料と言われてきたのか
フッ素塗料が高級塗料と言われてきた理由は、主に耐候性・低汚染性・長期的な美観維持にあります。
外壁塗装では、塗った直後の美しさだけでなく、10年後、15年後にどのような状態を保てるかがとても大切です。
外壁や屋根は、毎日、紫外線、雨、風、湿気、熱、排気ガス、酸性雨などにさらされています。
人の肌が日差しで少しずつダメージを受けるように、外壁の塗膜も紫外線を受け続けることで、少しずつ劣化していきます。
その劣化症状として代表的なのが、チョーキング、退色、艶引け、ひび割れ、汚れの付着などです。
チョーキングとは、外壁を手で触ったときに白い粉が付く現象で、塗膜の樹脂が紫外線などによって分解されているサインのひとつです。
フッ素塗料は、紫外線による塗膜劣化を抑えやすく、長期的にチョーキングや退色を起こしにくいグレードとして扱われてきました。
そのため、以前から「長持ちする塗料」「高耐久塗料」「上級グレードの塗料」として提案されることが多かったのです。
フッ素塗料の価値は、単に「塗料代が高い」というところにあるのではありません。
本来の考え方としては、耐候性の高い塗料を使うことで、塗り替え回数を減らし、長期的なメンテナンスコストを抑えることにあります。
外壁塗装では、塗料代だけでなく、足場代、高圧洗浄、下地補修、シーリング、養生、職人の施工費など、さまざまな費用がかかります。
そのため、耐久性の高い塗料を使って次回の塗り替え時期を少しでも延ばせれば、長い目で見たときにメリットが出る場合があります。
特にビル、マンション、商業施設、公共建築、橋梁など、足場費用や工事規模が大きくなりやすい建物では、フッ素塗料のような高耐候塗料が採用されてきました。
一度の塗装工事にかかる準備や費用が大きい建物ほど、塗り替え回数を減らす意味が大きくなるからです。
フッ素塗料には、耐候性だけでなく、低汚染性が優れた製品もあります。
低汚染性とは、外壁に汚れが付きにくく、雨水によって汚れを流しやすくする性能のことです。
たとえば、親水性によって雨水で汚れを流しやすくするセルフクリーニング機能や、防藻・防かび性、透湿性などを備えた製品もあります。
日本ペイントのファインDFセラミックでも、親水性膜によるセルフクリーニング機能、防藻・防かび性、透湿性が製品特長として示されています。
外壁は、雨だれ、排気ガス、土ぼこり、カビ、藻などによって少しずつ汚れていきます。
特に白系、アイボリー系、ベージュ系などの明るい外壁色では、汚れの見え方が気になることがあります。
そのため、美観を長く保ちたい建物では、低汚染性を備えたフッ素塗料が評価されてきました。
| フッ素塗料が高級塗料と言われてきた理由 | 内容 |
|---|---|
| 高い耐候性 | 紫外線や雨風による塗膜劣化を抑えやすく、長期的に外壁や屋根を守ることが期待されます。 |
| 美観維持 | チョーキング、退色、艶引けを抑えやすく、外観のきれいさを長く保ちやすい塗料として扱われてきました。 |
| 低汚染性 | 親水性やセルフクリーニング機能を備えた製品では、雨水で汚れを流しやすくする効果が期待できます。 |
| 塗り替え回数の低減 | 長持ちしやすい塗料を選ぶことで、建物によっては長期的なメンテナンス回数を減らしやすくなります。 |
| 大型建築での採用実績 | ビル、マンション、商業施設、公共建築など、長期的な維持管理が重視される建物でも使われてきました。 |
つまり、フッ素塗料は「安く塗るための塗料」ではなく、塗り替え回数を減らし、長い目で住まいを守るための塗料として選ばれてきたのです。
ただし、ここで大切なのは「高い塗料=どんな家にも最適」とは限らないということです。
たとえば、外壁だけを高耐久にしても、シーリング、屋根、付帯部、ベランダ防水が先に傷んでしまうことがあります。
その場合、外壁塗膜はまだきれいでも、別の部分のメンテナンスが必要になることがあります。
フッ素塗料は今でも優れた高級塗料ですが、大切なのは「高いから良い」と決めることではありません。
住まいの状態、外壁材、屋根、シーリング、予算、次回のメンテナンス計画まで含めて、その家に合うかどうかを見極めることが大切です。
3. フッ素塗料があまり使われなくなってきた理由
フッ素塗料が以前ほど使われなくなってきた理由は、ひとつだけではありません。その理由を詳しくお伝えします。
ラジカル制御塗料の登場は、外壁塗装の塗料選びに大きな変化を与えました。
以前は、一般住宅の塗料グレードを大きく分けると、ウレタン、シリコン、フッ素という流れが分かりやすい選び方でした。
「価格を抑えるならウレタン」「標準的に長持ちさせるならシリコン」「より高耐久を求めるならフッ素」というように、お客様にも説明しやすい時代がありました。
しかし現在は、シリコン塗料の中にも高耐候型が増え、ラジカル制御技術を組み合わせた塗料も多くなっています。
つまり、昔のように「シリコンは標準、フッ素は高級」と単純に分けにくくなってきたのです。
ラジカルとは、塗膜の劣化を進める原因のひとつです。
外壁は毎日、紫外線を受けています。
その紫外線によって塗膜の中で劣化因子が生まれ、樹脂を傷め、チョーキング、退色、艶引けなどにつながります。
この劣化因子の働きを抑える技術が、ラジカル制御です。
ラジカル制御塗料は、従来のシリコン塗料よりも塗膜劣化を抑えやすく、価格と耐候性のバランスが良い塗料として、一般住宅の外壁塗装で広く選ばれるようになりました。
関西ペイントのアレスダイナミックTOPやエスケー化研のプレミアムシリコンのように、期待耐用年数14〜16年とされるハイブリッドシリコン樹脂塗料もあり、一般住宅では十分に現実的な選択肢になっています。
これは、フッ素塗料から見ると少し厳しい状況です。
なぜなら、価格はフッ素塗料より抑えながら、一般住宅で求められる耐久性にはかなり近づいてきた塗料が増えたからです。
もちろん、最高レベルの耐候性だけを比べれば、今でもフッ素塗料や無機系塗料に分があります。
特に日当たりの強い南面・西面、足場費用が高くなりやすい建物、塗り替え回数をできるだけ減らしたい建物では、フッ素塗料の良さが活きる場合があります。
しかし一般住宅では、最高スペックだけでなく、費用対効果、家族構成、住み替え予定、次回メンテナンスの考え方、屋根やシーリングとのバランスまで含めて判断する必要があります。
外壁だけを極端に高耐久にしても、シーリング、屋根、付帯部、防水が先に傷むこともあります。
そのため、現在の塗料選びでは「とにかく一番長持ちする塗料を選ぶ」というより、住まい全体のメンテナンス計画に合う塗料を選ぶことが大切になっています。
| 塗料の考え方 | 現在の位置づけ |
|---|---|
| 従来のシリコン塗料 | 一般住宅で標準的に使われてきた塗料です。 価格と耐久性のバランスが取りやすく、近年はより高耐候な製品が増えています。 |
| ラジカル制御塗料 | 塗膜劣化の原因となるラジカルの発生や働きを抑える塗料です。 高耐候性と費用対効果のバランスが良く、一般住宅で選ばれやすくなっています。 |
| フッ素塗料 | 高耐候性に優れた上級グレードの塗料です。 ただし、価格差を含めて建物全体のメンテナンス計画と合わせて考える必要があります。 |
| 無機塗料 | 紫外線に強い無機成分を活かした高耐候塗料です。 近年は無機と有機樹脂を組み合わせたハイブリッド型が多く使われています。 |
このように、ラジカル制御塗料の登場によって、フッ素塗料は「一番分かりやすい高級塗料」から、目的に合わせて選ぶ専門性の高い塗料へと立ち位置が変わってきました。
フッ素塗料が悪くなったわけではありません。
むしろ今でも優れた塗料です。
ただし、塗料の選択肢が増えたことで、塗装店には「なぜその塗料を選ぶのか」を、より具体的に説明する力がより求められるようになりました。
近年、外壁塗装で人気が高まっているのが無機塗料です。
無機塗料は、紫外線で劣化しにくい無機成分を活かした高耐候塗料です。
無機成分は、石やガラス、鉱物のように、自然界で長く安定している素材をイメージすると分かりやすいかもしれません。
紫外線に強く、長期的な美観維持を期待できることから、外壁塗装でも存在感を高めています。
ただし、無機成分だけを強くすれば良いというわけではありません。
完全な無機に近づけすぎると、塗膜が硬くなりすぎたり、建物の動きに追従しにくくなったりすることがあります。
外壁は、気温差や湿度、地震、風、建物の揺れによって、わずかに動いています。
その動きに塗膜がついていけないと、ひび割れや剥がれ、密着不良の原因になることもあります。
つまり、外壁塗料には「強さ」だけでなく、「しなやかさ」も必要なのです。
そこで現在は、無機の強さと有機樹脂の柔軟性を組み合わせた、無機有機ハイブリッド型の塗料が多く使われています。
無機成分で紫外線への強さを高め、有機樹脂で建物の動きに追従しやすくする。
このバランス設計が、現在の高耐久塗料ではとても重要になっています。
関西ペイントの無機系塗料でも、無機の強靭さ、有機の柔軟性、フッ素レジンの保護機能を組み合わせる考え方が示されています。
ここが大切です。
現在の高級塗料は、フッ素を完全に否定しているのではありません。
フッ素の良さを活かしながら、無機成分やラジカル制御技術と組み合わせる方向へ進化しているのです。
つまり現在の高耐久塗料は、単純に「フッ素か、シリコンか」という時代から、無機・有機・フッ素・シリコン・ラジカル制御などをどう組み合わせるかという時代へ変わってきています。
ここが、フッ素塗料の名前を以前ほど聞かなくなってきた理由のひとつです。
フッ素塗料そのものが悪くなったわけではなく、高耐久塗料の選択肢が増え、無機塗料や無機複合塗料の存在感が大きくなったのです。
お客様の印象としても、「昔ながらのフッ素塗料」より、「無機塗料」「無機フッ素」「ラジカル制御無機」などの名前に新しさや安心感を感じやすくなっています。
これは塗料メーカーの技術開発が進んだ結果でもあり、外壁塗装の選択肢が豊かになったという意味では、とても良い変化です。
ただし、小林塗装としては、無機塗料だから必ず良い、フッ素塗料だから古い、というような単純な考え方はおすすめしていません。
大切なのは、「その塗料がどのような設計思想で、どの外壁材に向いていて、どの下塗り材と組み合わせるのか」です。
そして、住まいの劣化状態やメンテナンス計画に合っているかどうかです。
| 高耐久塗料の見方 | 大切な考え方 |
|---|---|
| 無機成分 | 紫外線に強く、長期的な耐候性を高める目的で使われます。 ただし、硬くなりすぎない設計が大切です。 |
| 有機樹脂 | 塗膜に柔軟性や密着性を持たせる役割があります。 建物の動きに追従するために重要です。 |
| フッ素樹脂 | 高耐候性や長期的な美観維持に役立つ上級グレードの樹脂です。 無機成分と組み合わせた製品もあります。 |
| ラジカル制御技術 | 塗膜劣化の原因となるラジカルの発生や働きを抑えます。 価格と耐候性のバランスを高める技術として普及しています。 |
塗料の世界も、料理に少し似ています。
良い素材をひとつ使えば必ずおいしくなる、というほど単純ではありません。
素材の組み合わせ、火加減、下ごしらえ、盛り付けまで整って、はじめて「また食べたい」と思える一皿になります。
外壁塗装もそれと同じです。
フッ素という素材だけで判断するのではなく、無機という名前だけで飛びつくのでもありません。
その塗料がどのような設計で、どの外壁材に向いているのかを見ることが大切です。
昔は、シリコン塗料とフッ素塗料の耐久性には、比較的分かりやすい差がありました。
そのため、価格差も説明しやすかったのです。
「少し高くなりますが、その分、長持ちしやすい塗料です」とお伝えすれば、お客様にも納得してもらえる時代でした。
フッ素塗料は、高級塗料としての立ち位置がはっきりしており、塗り替え回数を減らしたい方にとって、分かりやすい選択肢だったのです。
しかし現在は、ラジカル制御シリコン塗料や無機塗料の性能が上がり、価格と耐久性のバランスが変わってきました。
「フッ素ほど高額ではないけれど、一般住宅では十分に長持ちが期待できる塗料」が増えたことで、フッ素塗料の価格差を以前ほど単純には説明しにくくなっています。
お客様からすると、「フッ素塗料が良いのは分かるけれど、その差額を出すだけの理由が本当にあるの?」という疑問が出てきます。
これは、とても自然な感覚です。
外壁塗装は、決して安い工事ではありません。
足場、高圧洗浄、下地補修、シーリング、下塗り、中塗り、上塗り、付帯部塗装、防水工事。
一つひとつ必要な工程を丁寧に積み重ねると、どうしてもまとまった費用になります。
だからこそ、お客様が「少しでも良い工事をしたい」と思う一方で、「どこまで費用をかけるべきか」と悩まれるのは当然です。
塗装店としても、ただ高い塗料をおすすめするだけでは、誠実な提案とは言えません。
どんな家庭でも、塗装工事以外の予定がたくさんあります。
キッチンを直したい。
お風呂やトイレもそろそろ気になる。
車を買い替えたい。
旅行にも行きたい。
お孫さんへのプレゼントも考えたい。
親御さんのこと、自分たちの老後のこと、日々の暮らしの楽しみもあります。
人生は、外壁塗装だけでできているわけではありません。
これは、塗装店としてとても大切にしたい本音です。
外壁塗装は、住まいを守るために必要な工事です。
しかし、お客様の暮らし全体を考えたときに、塗装工事だけに無理をして予算をかけすぎることが、必ずしも幸せな選択とは限りません。
もちろん、安さだけを優先して、必要な下地処理を省いたり、塗布量を減らしたり、耐久性の合わない塗料を選んだりするのは良くありません。
それは結果的に、早期劣化や再工事につながり、かえって高くつくことがあります。
一方で、建物の状態や家族の予定を考えたときに、必ずしも最高級グレードの塗料でなくても十分に安心できる仕様が組める場合もあります。
たとえば、外壁はラジカル制御塗料でバランスよく仕上げ、シーリングや下地補修、付帯部塗装にしっかり予算をかける。
あるいは、屋根や防水の状態も含めて、建物全体のメンテナンス周期をそろえる。
このような考え方のほうが、その住まいにとって誠実な場合もあります。
外壁塗装の見積りでは、塗料のグレードだけが目立ちやすいものです。
しかし実際には、下地処理、下塗り材の選定、シーリング、塗布量、乾燥時間、職人の施工精度、近隣配慮まで含めて、工事の価値が決まります。
だからこそ現在の塗料選びでは、単純なグレード競争ではなく、住まいの状態、予算、次回メンテナンス時期、色の好み、屋根とのバランス、そして暮らし全体の優先順位まで含めた提案が必要になっています。
高い塗料をすすめることよりも、その家にとって無理がなく、長く安心できる仕様を考えることが大切であり、お客様が工事後に「頼んでよかった」と喜んでもらえることですこと。
そこにこれからの塗装店しての誠実さが表れると小林塗装は考えています。
現在は、フッ素という名前が付いていても、製品によって中身の設計が大きく異なります。
同じ「フッ素塗料」と呼ばれていても、樹脂設計、下塗り材との相性、低汚染性、艶の出方、施工性、期待耐用年数、塗膜の硬さ、外壁材への適性には違いがあります。
少し前までは、「シリコンよりフッ素のほうが上級グレード」というように、比較的分かりやすい説明ができました。
しかし現在は、塗料の技術が進化し、同じフッ素系でもかなり細かく分類されるようになっています。
たとえば、水性なのか、弱溶剤なのか。
1液型なのか、2液型なのか。
低汚染性を重視しているのか、耐候性を重視しているのか。
艶ありなのか、艶を抑えた仕上がりなのか。
サイディング外壁向きなのか、モルタル外壁やALC外壁にも使いやすいのか。
このように、同じ「フッ素塗料」という名前でも、製品によって考えるべきポイントが違います。
さらに近年では、無機複合ふっ素樹脂塗料、ラジカル制御技術を持つふっ素樹脂系塗料、水性1液タイプの高耐候塗料、超低汚染性を強化したフッ素系塗料など、分類がかなり複雑になっています。
昔のように「フッ素だから長持ち」と一言で説明するだけでは、その塗料の本当の特徴を伝えきれなくなっているのです。
エスケー化研の外装用上塗材にも、ふっ素樹脂系、無機複合、ラジカル制御、超低汚染性などを組み合わせた製品群が掲載されています。
つまり、現在の塗料は、ひとつの樹脂名だけで性能を判断するのではなく、どの技術を、どの目的で、どのように組み合わせているかを見る時代になっています。
ここが、お客様にとって分かりにくいところです。
見積書に「フッ素塗料」と書かれていても、それだけでは十分な情報とは言えません。
どのメーカーの、どの製品なのか。
水性なのか、弱溶剤なのか。
1液なのか、2液なのか。
下塗りは何を使うのか。
既存外壁との相性は良いのか。
そこまで確認して、はじめて適切な判断ができます。
つまり、お客様にとっては「フッ素だから良い」というよりも、そのフッ素塗料は、どのような設計で、どの外壁に向いているのかが大切になっているのです。
| 確認したい項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 水性・弱溶剤 | 臭気、施工環境、既存塗膜との相性、密着性に関わります。 住宅密集地では臭いへの配慮も大切です。 |
| 1液型・2液型 | 作業性や硬化性能に関わります。 2液型は扱いに注意が必要ですが、高い性能を発揮する製品もあります。 |
| 低汚染性 | 雨だれ、排気ガス、土ぼこりなどの汚れにくさに関わります。 白系や淡色系の外壁では特に重要です。 |
| 艶の種類 | 艶あり、7分艶、5分艶、3分艶、艶消しなどで外観の印象が変わります。 高級感や汚れにくさにも関係します。 |
| 下塗り材との相性 | どれだけ良い上塗り材でも、下塗りが合っていなければ密着不良や早期劣化につながります。 |
| 外壁材への適性 | 窯業サイディング、モルタル、ALC、旧塗膜の種類によって適した塗料や下塗り材が変わります。 |
ブランド名だけで服を選んでも、サイズや生地感、着心地が合わなければ長く着られないことがあります。
これは塗料も同じです。
有名なメーカーの高級塗料であっても、外壁材や下地状態に合っていなければ、本来の性能を十分に発揮できない場合があります。
たとえば、下地の吸い込みが強い外壁に適切な下塗りを使わなければ、上塗りの艶や耐久性に影響することがあります。
旧塗膜との相性を見誤れば、密着不良や膨れ、剥がれの原因になることもあります。
また、塗料の艶を抑えた仕上げを選ぶ場合は、汚れ方や耐候性、補修時の見え方まで考える必要があります。
つまり、塗料選びで大切なのは、名前よりも住まいとの相性です。
「フッ素」という言葉だけで安心するのではなく、その塗料がどのような性能を持ち、どの下地に向いていて、どのような施工管理が必要なのかを見ることが重要です。
これからの外壁塗装では、塗料名だけを比べる時代から、塗料の中身と施工仕様を見極める時代へ変わっています。
フッ素塗料を選ぶ場合も、ただ「高級だから」ではなく、住まいの状態、外壁材、下塗り、艶、汚れにくさ、施工性まで含めて判断することが、後悔しない塗料選びにつながります。
外壁塗装で見落とされがちなのが、塗膜だけが長持ちしても、建物全体が同じように長持ちするわけではないという点です。
フッ素塗料のような高耐候塗料を使えば、外壁の塗膜は長くきれいに保ちやすくなります。
これは大きなメリットです。
しかし、住宅は外壁だけで成り立っているわけではありません。
たとえば、外壁塗膜が15年、20年持ったとしても、シーリング、付帯部、屋根、ベランダ防水、板金、換気フードまわり、サッシまわりは、それぞれ別の速度で劣化します。
外壁の塗膜だけが大丈夫でも、ほかの部分が先に傷んでしまうことは珍しくありません。
特に窯業サイディング外壁の場合、シーリングの劣化はとても重要です。
シーリングは、外壁材同士の目地やサッシまわりに施工されているゴム状の防水材です。
建物の揺れや温度変化による動きを受け止めながら、雨水の侵入を防ぐ役割があります。
このシーリングが硬くなったり、ひび割れたり、外壁材から剥がれたりすると、外壁塗膜がどれだけ高耐候でも、雨水が入り込むリスクがあります。
つまり、外壁の表面がきれいに見えていても、目地が傷んでいれば、住まい全体としては安心とは言えません。
また、破風板、雨樋、鼻隠し、水切り、シャッターボックス、換気フード、霧除け、ベランダ手すりなどの付帯部も、外壁とは違う条件で劣化します。
素材も、塩ビ、鉄部、アルミ、ガルバリウム鋼板、木部、窯業系部材などさまざまです。
それぞれに適した下地処理や塗料選びが必要になります。
屋根も全く同じです。
外壁よりも強い紫外線や雨を受けるため、屋根のほうが早く傷むこともあります。
屋根材の種類によっては、色あせ、苔、反り、ひび割れ、板金の釘浮き、棟板金の浮き、縁切り不足など、外壁とは違う確認ポイントがあります。
ベランダ防水も外壁とは別に考えるべき大切な部分です。
床面は人が歩き、雨水がたまりやすく、紫外線も受けます。
トップコートの劣化、ひび割れ、膨れ、排水口まわりの詰まりなどがあると、雨漏りにつながる可能性があります。
もうひとつ、一般住宅で意外と大切なのが、外壁色にも流行があるという視点です。
外壁塗装は、住まいを守る工事であると同時に、外観の印象を整える工事でもあります。
塗料の耐久性だけを見れば、長く持つことは大きな価値です。
しかし、外壁の色やデザインの好みは、10年、15年、20年の間に少しずつ変化します。
少し前までは、クリーム系、ベージュ系、明るいグレー系など、やさしく無難で住宅街になじみやすい色が多く選ばれてきました。
近年では、グレージュ、チャコールグレー、ネイビー、ブラック、モカブラウン、セージグリーン、オリーブ、くすみカラーなど、少し落ち着きと個性のある色も人気になっています。
また、艶ありのピカッとした仕上がりよりも、3分艶、5分艶、艶控えめの落ち着いた質感を好まれる方も増えています。
外壁色の世界も、ファッションやインテリアと同じように、時代の空気を受けながら少しずつ変わっていくのです。
そのため、外壁塗膜だけを20年近く持たせる仕様にすると、性能面ではまだ大丈夫でも、「そろそろ色を変えたい」「今の外観を少し今らしく整えたい」と感じる場合があります。
つまり、耐久性が長いことはメリットである一方で、外観デザインの更新タイミングとは必ずしも一致しないことがあるのです。
特に濃色系の外壁や、流行性の強い色を選ぶ場合は、色あせの見え方、艶の変化、周辺環境との調和、将来的な好みの変化まで考えることが大切です。
どれだけ高耐候な塗料を選んでも、色そのものの印象が暮らしに合わなくなれば、住まいの満足度は下がってしまうことがあります。
小林塗装では、塗料の耐久性だけでなく、色の流行、住まいのテイスト、周辺環境、10年後も違和感の少ない配色まで含めて考えることが大切だと考えています。
| 部位・視点 | 外壁塗膜とは違う劣化・検討ポイント |
|---|---|
| シーリング | 硬化、ひび割れ、肉やせ、剥離が起こります。 サイディング外壁では防水性に大きく関わる重要な部分です。 |
| 屋根 | 外壁より紫外線や雨を強く受けるため、色あせ、苔、ひび割れ、板金の浮きなどが起こりやすい部分です。 |
| 付帯部 | 雨樋、破風板、水切り、シャッターボックスなどは素材ごとに劣化の仕方が違います。 外壁と同じ塗料で良いとは限りません。 |
| ベランダ防水 | トップコートの劣化、ひび割れ、膨れ、排水不良などが雨漏りの原因になることがあります。 |
| サッシまわり | シーリング切れ、雨筋汚れ、隙間、取り合い部の劣化が起こりやすい部分です。 雨水の侵入にも注意が必要です。 |
| 板金部分 | 釘浮き、錆、浮き、ジョイント部分の劣化などが起こることがあります。 屋根まわりでは特に確認が必要です。 |
| 外壁色の流行 | グレージュ、チャコール、ネイビー、くすみカラー、艶控えめなど、外壁色の好みは時代とともに変わります。 塗膜が長持ちしても、外観デザインを更新したくなる場合があります。 |
外壁だけがきれいに見えていても、外壁目地のシーリングが切れていたり、ベランダ防水が傷んでいたり、屋根の板金が浮いていたりすれば、住まい全体としては安心とは言えません。
そのため一般住宅では、外壁塗料だけを長寿命化するよりも、建物全体のメンテナンス周期をそろえるほうが合理的な場合もあります。
たとえば、外壁だけ20年近く持つ仕様にしても、10年から15年でシーリングや屋根、防水の点検・補修が必要になる場合があります。
その場合、外壁塗膜はまだ大丈夫でも、結局足場を組む必要が出ることがあります。
足場は外壁塗装の費用の中でも大きな割合を占めるため、メンテナンス周期がずれると、結果的に負担が増えることもあります。
さらに、外壁色の好みや流行を考えると、15年前後で外観を見直すことが、住まいの印象を整える良いタイミングになる場合もあります。
色あせや汚れだけでなく、「今の暮らしに合う外観へ整える」という意味でも、外壁塗装は大切なリフォームです。
だからこそ、塗料選びでは「一番長持ちする塗料を選ぶ」だけではなく、建物全体の寿命のリズムを見ることが大切です。
外壁、屋根、シーリング、防水、付帯部、そして外壁色の更新タイミング。
それらをひとつのものとして考え、どの部分にどのくらいの耐久性を持たせるか。
そこを整理すると、無理のない塗装仕様が見えてきます。
もちろん、フッ素塗料が向いているケースもあります。
3階建て住宅、足場が組みにくい住宅、狭小地、大きな建物、日当たりの強い外壁、塗り替え回数をできるだけ減らしたい建物では、フッ素塗料の価値が活きることがあります。
一方で、一般的な戸建て住宅では、外壁だけ最高グレードにするより、ラジカル制御塗料や高耐候シリコン塗料を選び、シーリング、下地補修、屋根、付帯部、防水までバランスよく整えるほうが、住まい全体として安心できる場合もあります。
- ■ 外壁塗膜だけが長持ちしても、シーリングや屋根、防水は別の速度で劣化します
- ■ サイディング外壁では、シーリングの状態が防水性に大きく関わります
- ■ 屋根やベランダ防水は、外壁より厳しい条件にさらされることがあります
- ■ 外壁色にも流行があり、10年後、15年後に好みが変わることもあります
- ■ 塗料選びでは、外壁単体ではなく建物全体のメンテナンス周期を見ることが大切です
- ■ 高級塗料を選ぶことより、住まい全体に合った仕様を組むことが重要です
外壁塗装は、塗料の耐用年数だけで考えるものではありません。
外壁、屋根、シーリング、防水、付帯部、そして外壁色の流行や暮らしの変化。
住まい全体をひとつのチームとして見て、どこにどのくらいの耐久性を持たせるかを考えることが大切です。
フッ素塗料は今でも優れた塗料ですが、住まい全体のメンテナンスバランスを考えると、必ずしもすべての住宅で最優先になるとは限りません。
大切なのは、塗料の名前やグレードだけでなく、その家にとって無理がなく、長く安心でき、さらに暮らしの変化や外観の好みにも寄り添える仕様を選ぶことです。
近年、フッ素塗料を語るうえで、避けて通れなくなってきたテーマがPFASの問題です。
PFASとは、有機フッ素化合物の総称です。
水や油をはじきやすい、熱や薬品に強い、汚れが付きにくいといった性質を持つため、これまでさまざまな産業分野で使われてきました。
身近なところでは、撥水加工、撥油加工、コーティング材、電子部品、半導体、工業材料、消火剤など、幅広い用途があります。
フッ素系材料は、非常に安定した性質を持つことが大きな長所です。
だからこそ、汚れにくさ、耐薬品性、耐熱性、耐候性が求められる分野で重宝されてきました。
外壁塗装で使われるフッ素樹脂塗料も、紫外線や雨風に対する強さを期待され、高耐候塗料として評価されてきた背景があります。
しかし一方で、PFASの中には、環境中で分解されにくく、長く残りやすいものがあることから、世界的に規制や管理の動きが強まっています。
特に、製造過程、排水、廃棄、蓄積性などへの関心が高まり、社会全体として「フッ素系材料をどのように扱うべきか」という見方が変わってきています。
ここで大切なのは、PFASという言葉と、住宅用のフッ素樹脂塗料を単純に同じ危険性として扱ってはいけないということです。
住宅用のフッ素樹脂塗料は、施工後に硬化し、外壁や屋根を保護する塗膜として使われます。
通常の外壁塗装において、施工後の外壁から直ちに大きな健康被害が出るという話ではありません。
そのため、「フッ素塗料=危険」と短絡的に考えるのは正確ではありません。
ただし、社会全体として有機フッ素化合物への視線が厳しくなっていることは事実です。
塗料そのものの使用時だけでなく、原料の製造、工場での管理、廃液処理、廃塗料の処分、将来的な規制、代替技術の開発まで含めて、フッ素系材料を取り巻く環境は少しずつ変わっています。
つまり、フッ素塗料の評価は、これまでのように「長持ちするかどうか」だけでは語りにくくなってきました。
耐久性に優れていることは大切です。
しかしこれからは、それに加えて、環境負荷、製造背景、廃棄時の扱い、代替塗料との比較まで含めて考える必要があります。
これは、フッ素塗料を否定する話ではありません。
むしろ、フッ素塗料の良さを正しく理解し、必要な場所に適切に使うための考え方です。
たとえば、足場費用が高くなりやすい建物、紫外線の影響を強く受ける外壁、長期的な美観維持を重視する建物では、フッ素塗料が今でも有力な選択肢になることがあります。
一方で、一般住宅の外壁塗装では、ラジカル制御塗料や無機塗料、無機複合塗料など、フッ素以外にも高耐候な選択肢が増えています。
そのため、「長持ちさせたいから必ずフッ素」という考え方ではなく、建物の状態、予算、立地条件、メンテナンス周期、環境への配慮まで含めて、より総合的に判断することが大切です。
- ■ PFASとは、有機フッ素化合物の総称です
- ■ フッ素系材料は、水や油をはじきやすく、熱や薬品に強い性質があります
- ■ 一部のPFASは環境中で分解されにくく、世界的に管理や規制への関心が高まっています
- ■ 住宅用フッ素樹脂塗料を、PFAS問題と単純に同じ危険性として扱うのは正確ではありません
- ■ これからは耐久性だけでなく、環境負荷や廃棄時のことまで含めた塗料選びが大切です
塗装店として大切なのは、不安をあおることではありません。
また、古い価値観のまま「長持ちするから何でも良い」と言い切ることでもありません。
必要なのは、塗料の性能、リスク、社会的な流れを冷静に見ながら、その住まいにとって本当に良い選択肢を考えることです。
外壁塗装は、住まいを守るための工事です。
同時に、これからの暮らし方や環境への向き合い方ともつながっています。
耐久性が高く、費用対効果が良く、施工しやすく、建物全体のメンテナンスバランスにも合っている。
そうした総合的な視点が、これからの塗料選びではますます重要になります。
これからの外壁塗装では、耐久性だけでなく、価格、施工性、環境への配慮、建物全体のメンテナンスバランスまで含めて、「その住まいにとって本当にふさわしい塗料は何か」を考えることが大切です。
フッ素塗料を選ぶ場合も、選ばない場合も、名前だけで判断せず、性能と目的をきちんと見極めること。
それが、これからの時代に合った誠実な塗料選びだと小林塗装は考えています。
6. それでもフッ素塗料が向いているケースとは?
では、フッ素塗料はもう選ばなくてよいのでしょうか。
答えは、そうではありません。
フッ素塗料は今でも、条件が合えば非常に優れた選択肢で、次のようなケースではフッ素塗料の良さが活きやすくなります。
| 向いているケース | 理由 |
|---|---|
| 長期間、塗り替え回数を減らしたい場合 | 高耐候性により、長期的なメンテナンス回数を抑えやすくなります。 |
| 日当たりが強い南面・西面が多い住宅 | 紫外線による劣化を抑えたい場合に有効です。 |
| 大きな建物・足場費が高い建物 | 塗り替え回数を減らすことで、足場費の負担軽減につながります。 |
| 汚れが目立ちやすい立地 | 低汚染性を備えた製品なら、美観維持に役立ちます。 |
| 屋根や付帯部も高耐久仕様でそろえる場合 | 建物全体のメンテナンス周期を合わせやすくなります。 |
特に3階建て住宅、足場が組みにくい住宅、狭小地、屋根勾配がきつい住宅などでは、塗料代よりも足場代や施工費用の負担が大きくなることがあります。
このような場合は、多少材料費が高くても、長持ちする塗料を選ぶ意味があります。
一方で10年後くらいに屋根、防水、シーリング、外構などをまとめて見直したい場合は、ラジカル制御塗料や高耐候シリコン塗料のほうがバランス良く感じられることもあります。
大切なのは、塗料の名前だけで決めないことです。
フッ素、無機、シリコン、ラジカル。
どれも道具であり、目的に合って初めて価値が出ます。
7. まとめ|フッ素塗料は消えたのではなく、選び方が変わりました
外壁塗装でフッ素樹脂塗料があまり使われなくなってきている理由は、フッ素塗料の価値がなくなったからではありません。
むしろ、フッ素塗料は今でも高耐候性が優れるハイグレード塗料です。
ただし、ラジカル制御塗料や無機塗料、無機複合フッ素塗料などが増えたことで、以前のように「高耐久ならフッ素一択」とは言い切れなくなりました。
現在の外壁塗装では、塗料のグレードだけでなく、外壁材の種類、旧塗膜の状態、下地処理、シーリング、屋根、付帯部、立地環境、色選び、予算、次回メンテナンスの時期まで含めて考えることが大切です。
ですから、フッ素塗料を選ぶべき家もありますし、ラジカル制御塗料で十分な家もあり、無機塗料が向いている家もあります。
本当に大切なのは、塗料名に引っ張られすぎず、その住まいにとって、いちばん誠実で長持ちする仕様を選ぶことです。
外壁塗装は、ただ壁に色を塗る工事ではありません。
これからの暮らしを、雨や紫外線から守り、街並みの中でその家らしさを整える仕事です。
塗料選びに迷ったときは、価格だけでなく、建物全体のバランスを見てくれる塗装店に相談することをおすすめします。
8. フッ素樹脂塗料に関するよくある質問
いいえ、古い塗料というわけではありません。
フッ素塗料は今でも高耐候性に優れた上級塗料です。
ただ近年はラジカル制御塗料や無機塗料の性能が上がってきたため、以前ほど「フッ素一択」ではなくなっています。
製品によって異なります。
無機塗料の中にもフッ素樹脂を組み合わせたものが多数あり、単純に比較することはできません。
外壁材、下塗り、塗布量、施工環境まで含めて判断することが大切です。
不要とは言い切れません。
ラジカル制御塗料は費用対効果に優れていますが、より長期的な耐候性や塗り替え回数の削減を重視する場合は、フッ素塗料や無機系塗料が向いていることもあります。
あります。
フッ素塗料は高性能ですが、下地処理や下塗りの選定が不適切だと本来の性能を発揮できません。
また、外壁だけ長持ちしても、シーリングや付帯部が先に傷むことがあるため、建物全体のメンテナンス周期を考える必要があります。
一般住宅では、高耐候シリコン塗料、ラジカル制御塗料、フッ素塗料、無機塗料の中から、建物の状態と予算に合わせて選ぶのがおすすめです。
大切なのは、塗料の名前ではなく、住まいに合った仕様になっているかどうかです。
小林塗装では、外壁材の状態、シーリング、屋根、付帯部、立地環境まで確認したうえで、住まいに合った塗料選びを提案しています。
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主 小林ゆずは、名古屋を拠点に、外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事などを行う塗装工事の専門家です。
これまで30年以上にわたり、一般住宅を中心に数多くの塗装工事に携わり、外壁材の劣化診断、下地処理、下塗り材の選定、塗料のグレード選び、塗布量、乾燥時間、色選び、近隣配慮まで大切にした施工を心掛けています。
外壁塗装では、フッ素塗料、ラジカル制御塗料、無機塗料、シリコン塗料など、さまざまな塗料があります。
しかし、小林塗装では、塗料の名前やグレードだけで判断するのではなく、住まいの状態、外壁材、屋根、シーリング、付帯部、防水、立地環境、次回メンテナンス計画まで含めて、無理のない仕様を提案することを大切にしています。
高い塗料を使えば、必ず良い外壁塗装になるわけではありません。
また、価格を抑えることだけを優先しても、住まいを長く守ることはできません。
大切なのは、その住まいにとって、本当にふさわしい塗料と施工方法を選ぶことです。
このコラムでは、フッ素樹脂塗料が以前ほど使われなくなってきている理由を、塗料の性能、価格、ラジカル制御塗料や無機塗料の進化、PFASへの関心、建物全体のメンテナンスバランスまで含めて解説しました。
塗料選びで迷われている方が、名前や価格だけに振り回されず、納得できる外壁塗装を考えるきっかけになれば幸いです。
小林ゆずの自己紹介はこちら
https://www.yuzu-tosou.com/about/小林ゆず自己紹介/
このコラムは役に立ちましたか?
このページに関連するコラムはこちら











