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  2. 賃貸マンションは外壁塗装だけで大丈夫? 大規模修繕との違いと優先順位
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賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装の違いを徹底解説

賃貸マンションの外壁に色あせやひび割れが目立ちはじめたとき、「そろそろ外壁塗装をしたほうがよいのか?」「それとも大規模修繕として建物全体を直すべきなのか?」と迷われるオーナー様は少なくありません。

外壁塗装と大規模修繕は、どちらも建物を守るために行う工事ですが、工事の目的・調査範囲・施工内容・必要な予算には、大きな違いがあります。
外壁をきれいに塗り替えたとしても、屋上防水が傷んでいたり、シーリングが破断していたり、鉄骨階段の内部で腐食が進んでいたりすれば、建物全体の問題を解決したことにはなりません。

逆に比較的状態のよい賃貸マンションに対して、すべてを一度に直そうとすると、まだ使える部分まで工事対象に含まれ、必要以上に予算が膨らんでしまうこともあります。

ですから、賃貸マンションの維持管理で本当に大切なのは、「外壁塗装か、大規模修繕か」という二者択一ではなく、建物の状態を正確に調べて、今直すべき部分と経過観察できる部分を分けることです。

賃貸マンションの修繕では、安全性や防水性を守るだけでなく、入居者様の生活、空室対策、家賃の維持、建物の資産価値まで考える必要があり、いわば建物の健康管理と賃貸経営を同時に考える仕事です。

このコラムでは、賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装の違いをはじめ、工事範囲、費用の考え方、優先順位、失敗しない業者選びまで、「名古屋の塗装店」小林塗装が分かりやすくお伝えします。

このコラムで分かること
  • ■ 賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装の基本的な違い
  • ■ 外壁塗装だけで対応できるケース
  • ■ 大規模修繕を検討したほうがよい劣化症状
  • ■ 修繕費用と予算配分の考え方
  • ■ 安全性・防水性・美観の優先順位
  • ■ 入居者対応や空室対策で注意したいポイント
  • ■ 大規模修繕で失敗しない施工会社の選び方

賃貸マンションの外壁塗装・防水工事を相談する

1. 賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装の違い

結論からお伝えすると、外壁塗装は建物の一部分を対象にした修繕工事で、大規模修繕は建物全体の状態を見ながら複数の工事をまとめて行う総合的な修繕です。

外壁塗装の主な目的は、紫外線や雨から外壁材を守っている塗膜を塗り替え、保護性能と美観を回復させることです。
一方の大規模修繕では、外壁塗装だけでなく、屋上やベランダの防水、シーリング、タイル、鉄部、共用廊下、階段、手すり、雨樋などを幅広く点検します。

たとえるなら、外壁塗装は衣服の表面をきれいに整えることで、大規模修繕は、衣服だけでなく、靴底や傘、バッグの金具まで確認して、これからも安心して使えるように手入れすることに近いイメージです。

ただし、賃貸マンションで使われる「大規模修繕」という言葉には、工事範囲が法律で一律に決められているわけではありません。
施工会社によって、外壁塗装と防水工事をまとめて大規模修繕と呼ぶこともあれば、設備工事やタイル改修まで含めることもあります。

そのため、見積書を見る際は「大規模修繕一式」という名称だけで判断せず、どの場所を、どの材料で、どこまで直す計画なのかを確認することが重要です。

2. 賃貸マンションの大規模修繕とは

賃貸マンションの大規模修繕とは、建物の経年劣化を総合的に調査し、安全性、防水性、耐久性、美観を回復させるために行う修繕工事のことです。

新築時には美しかった建物も、年月が経つと、外壁の色あせ、シーリングの硬化、防水層の摩耗、鉄部のサビなどが少しずつ進行します。
これらは同じスピードで傷んでいくわけではなく、日差しの強い南面は退色が進みやすく、北面はカビやコケが発生しやすい傾向があります。
また、屋上は紫外線と雨を受け続け、鉄骨階段は歩行による摩耗や雨水の影響を受けます。

大規模修繕では、こうした場所ごとの劣化を調べ、工事の必要性を一つずつ判断します。

大規模修繕に含まれる代表的な工事

賃貸マンションの大規模修繕では、主に次のような工事が検討されます。

  • ■ 外壁塗装工事
  • ■ 外壁のひび割れ・欠損補修
  • ■ タイルの浮き・ひび割れ・欠損補修
  • ■ シーリングの打ち替え・増し打ち
  • ■ 屋上・ベランダ・共用廊下の防水工事
  • ■ 鉄骨階段・手すり・扉などの鉄部塗装
  • ■ 軒天・天井・共用部壁面の塗装
  • ■ 雨樋・排水ドレン・笠木まわりの点検
  • ■ エントランスや共用部の美観改善
  • ■ 必要に応じた給排水・照明・設備の更新

すべての工事を毎回行う必要はありません。
建物の状態によっては、防水工事を優先し、比較的状態のよい鉄部は部分補修にとどめることもできます。

大規模修繕の目的は見た目を新しくすることだけではありません

大規模修繕というと、足場に囲まれた建物が新しい色へ生まれ変わる光景を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、本来の目的は外観のリニューアルだけではなく、雨水の侵入を防ぐこと、落下や腐食の危険を減らすこと、劣化の進行を遅らせることが、大規模修繕の中心です。
いくら見た目がきれいでも、タイルが浮いていたり、シーリングの奥で水が回っていたりすれば、建物の健康状態は良好とはいえません。

外から見える美しさと、見えない部分の安全性。その両方を整えることが本当の意味での大規模修繕です。

3. 賃貸マンションの外壁塗装とは

外壁塗装は、建物の外壁に新しい塗膜を形成し、雨水、紫外線、排気ガス、カビ、コケなどから外壁材を守る工事です。

塗装の役割は「色を付けること」だけではなく、塗膜は外壁材の表面に薄い保護層をつくり、水分の吸収や表面劣化を抑えていますが、塗膜が劣化すると、外壁表面に白い粉が付くチョーキングや色あせ、細かなひび割れが発生します。

そういった状態を放置すると、外壁材が水分を吸収しやすくなり、反り、浮き、欠損、内部腐食などにつながることがあります。

外壁塗装で対応できる主な内容

外壁塗装を中心とした工事では、一般的に次のような作業を行います。

  • ■ 足場の設置
  • ■ 飛散防止ネットの設置
  • ■ 高圧洗浄
  • ■ ひび割れや欠損の部分補修
  • ■ 養生
  • ■ 下塗り
  • ■ 中塗り
  • ■ 上塗り
  • ■ 付帯部塗装
  • ■ 必要に応じたシーリング工事

外壁塗装は大規模修繕の中心になることも多く、決して小さな工事ではありません。

ただし、塗装だけでは屋上防水の劣化やタイル内部の浮き、設備配管の老朽化までは直せません。
塗料は万能薬ではなく、あくまで適切な下地に施工してこそ性能を発揮する材料です。

外壁塗装だけで対応しやすいケース

次のような条件であれば、大規模修繕ではなく、外壁塗装を中心にした修繕で対応できる可能性があります。

  • ■ 主な劣化が色あせやチョーキングである
  • ■ 外壁のひび割れが軽微である
  • ■ タイルの浮きや落下リスクが少ない
  • ■ 屋上・ベランダ防水に大きな不具合がない
  • ■ シーリングの破断や大きな剥離が少ない
  • ■ 鉄部の腐食が表面的である
  • ■ 雨漏りや漏水の履歴がない

ただし、外から見ただけでは判断できない劣化もあるので、外壁塗装だけでよいかどうかは、足場を組む前の現地調査と、過去の修繕履歴を踏まえて判断することが大切です。

4. 賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装を比較

大規模修繕と外壁塗装の違いを、オーナー様が比較しやすいように整理しました。

比較項目 外壁塗装 大規模修繕
主な目的 外壁の保護機能と美観の回復 建物全体の安全性・防水性・耐久性の回復
主な工事範囲 外壁、軒天、雨樋、鉄部など 外壁、防水、シーリング、タイル、鉄部、共用部など
事前調査 外壁塗膜と下地の状態を中心に調査 建物全体を総合的に調査
工事期間 比較的短い 工事範囲が広く、長くなりやすい
費用 工事範囲が限定されるため抑えやすい 補修、防水、共用部工事を含み高くなりやすい
向いている状態 塗膜劣化が中心で、他の部位が比較的健全 複数箇所に劣化があり、まとめて修繕したい
注意点 防水やタイルの劣化を見落とす可能性 工事範囲を広げすぎると予算が膨らむ可能性

大規模修繕のほうが必ず優れているわけではなく、外壁塗装のほうが必ず経済的とも限りません。
なぜなら、外壁塗装だけで済ませた結果、数年後に屋上防水のため再び足場が必要になれば、足場費用や入居者対応が二重になることがあるからです。

一方でまだ十分に使える防水層や鉄部まで全面改修すれば、その時点では安心でも、修繕費の回収に時間がかかってしまいます。
建物の状態に対して、過不足のない工事範囲を設定することが、賃貸マンション修繕の基本です。

5. 賃貸マンションは外壁塗装だけでよい?判断するポイント

外壁塗装だけでよいか、大規模修繕として計画すべきかは、外壁の見た目だけではなかなか判断できません。
なぜなら最低でも、次の項目を確認する必要があるからです。

過去の修繕履歴を確認する

まず確認したいのが、前回の外壁塗装、防水工事、シーリング工事を行った時期です。

同じ時期に施工していても、使われた材料や施工方法によって劣化速度は異なります。
塗料の商品名、防水工法、施工写真、保証書などが残っていれば、今回の判断材料になるので、修繕履歴が分からない場合は、見た目だけで「まだ大丈夫」と決めず、少し慎重に調査したほうが安心です。

外壁以外に不具合が出ていないか確認する

外壁の色あせが目立つ時期には、シーリング、防水、鉄部も同じように年数を重ねています。

次のような症状がないかを確認します。

  • ■ 屋上やベランダに水たまりができる
  • ■ 防水層がひび割れている
  • ■ シーリングが硬くなり、割れている
  • ■ 鉄骨階段の踏板や裏側にサビがある
  • ■ タイルをたたくと軽い音がする
  • ■ 共用廊下の天井に雨染みがある
  • ■ 室内で雨漏りや結露跡が見られる
足場を有効活用できるか考える

外壁塗装には足場が必要で、屋上の立ち上がり、外部シーリング、雨樋、鉄部、タイルなども足場がなければ安全に施工できない場合があります。

数年以内に別の工事で再び足場が必要になる可能性が高いなら、一度の足場でまとめて施工したほうが、総額を抑えられることがあります。
ただし、「足場を組むから全部直しましょう」と工事範囲を無制限に広げるのも正しくありません。

足場を使わなければ施工できない部分を中心に今回まとめたほうが合理的な工事と次回でもよい工事を分けることが大切です。

6. 賃貸マンションの大規模修繕を検討したい劣化症状

次のような症状が複数見られる場合は、外壁塗装だけでなく、大規模修繕として工事範囲を検討したほうがよい可能性があります。

外壁のひび割れ・欠損・爆裂

モルタルやコンクリート外壁に深いひび割れがある場合、表面に塗料を塗るだけでは十分ではありません。

ひび割れの幅や深さ、動きの有無を確認し、必要に応じてUカット、シーリング充填、エポキシ樹脂注入などの補修を行います。
また鉄筋コンクリートの外壁は、内部の鉄筋がサビて膨張し、コンクリートを押し出す「爆裂」が起きることもあります。
この場合は、浮いたコンクリートを撤去し、鉄筋の防錆処理と断面修復が必要です。

タイルの浮き・ひび割れ

タイル外壁は、見た目がきれいでも、下地との間に浮きが発生している場合があります。

タイルの浮きは、打診調査などで確認します。
浮いたタイルをそのまま放置すると、地震や振動、経年劣化によって剥落する可能性があるため、安全面から優先順位の高い補修です。

シーリングの破断・剥離

外壁目地やサッシまわりのシーリングは、建物の動きを吸収しながら雨水の侵入を防いでいます。

シーリングが硬化して割れたり、外壁材から剥がれたりすると、目地の奥へ雨水が入りやすくなります。
いくら表面に塗料を塗って隠しても、シーリング自体の劣化は直らないので、既存材の状態を確認し、打ち替えまたは適切な増し打ちを行います。

屋上・ベランダ防水の劣化

屋上やベランダの防水層に、ひび割れ、膨れ、摩耗、剥がれが見られる場合は、防水工事を検討する必要があります。
排水ドレンの詰まりや勾配不良によって水たまりができている場合、トップコートの塗り替えだけでは解決しないことがあります。

鉄骨階段・手すりの腐食

鉄部のサビは、表面にうっすら発生した段階でしたら、ケレン作業とサビ止め塗装で対応できますが、板厚が薄くなっている、穴が開いている、溶接部が腐食している場合は、塗装だけでは安全性を回復させることはできないので、鉄部の交換や補強が必要です。

サビた鉄部に塗料を厚く塗っても、内部の腐食が止まるとは限りません。
塗装で直せる範囲と、板金・溶接補修が必要な範囲を見分けることが重要です。

7. 賃貸マンション大規模修繕の優先順位

修繕したい場所が多い一方、使える予算には限りがあるので、工事内容を同じ重さで考えるのではなく、優先順位を付ける必要があります。

優先順位1|入居者様と第三者の安全

最優先は、人の安全に関わる部分です。

  • ■ 落下する可能性のあるタイルやモルタル
  • ■ 腐食した鉄骨階段や手すり
  • ■ 固定が緩んだ笠木や金物
  • ■ 破損した共用廊下の床
  • ■ 漏電や転倒につながる設備の不具合

これらは最も先に対応する必要があります。

優先順位2|雨漏りと水の侵入を防ぐ工事

次に優先したいのが、屋上防水、ベランダ防水、シーリング、外壁ひび割れなど、水の侵入に関わる工事です。
建物の劣化は水が入ることで急速に進むので、木部の腐朽、鉄部のサビ、断熱材の劣化、室内のカビなど、二次的な被害を招いてしまいます。

優先順位3|劣化を進ませないための保護

外壁塗装や鉄部塗装は、現在の状態を保ち、これ以上傷みを進ませないための予防的な工事です。
雨漏りが起きてから直すより、塗膜や防水層が役割を失う前に手入れしたほうが、補修範囲を抑えやすくなります。

優先順位4|美観と入居率の改善

安全性と防水性を確保したうえで、外壁色、エントランス、共用廊下、階段などのイメージを良くします。

賃貸マンションは、商品写真と同じように、第一印象が内見者の判断へ影響します。
ただし、見た目だけを優先して本当に必要な補修を削ってしまうと、本末転倒な結果になってしまいます。

優先度 工事の目的 代表的な工事項目
最優先 安全性の確保 タイル落下防止、鉄骨補強、手すり補修
高い 雨水侵入の防止 屋上防水、シーリング、ひび割れ補修
中程度 劣化進行の抑制 外壁塗装、鉄部塗装、付帯部塗装
計画的に実施 美観・商品力の向上 色彩変更、エントランス改善、共用部改修

見た目の華やかさよりも、まずは建物の土台となる安全と防水が大切です。
料理にたとえるなら、盛り付けを整える前に、食材の鮮度と火の通りを確認するようなものです。

8. 賃貸マンション大規模修繕の費用と予算配分

賃貸マンションの大規模修繕費用は、建物の規模、階数、戸数、外壁面積、外壁材、防水面積、補修量によって大きく変わります。

小規模な賃貸マンションでも数百万円、建物の規模や劣化状態によっては数千万円規模になることがあります。
そのため、「1戸当たりいくら」「坪数だけでいくら」といった数字だけでは、正確な比較はできません。

大規模修繕費用を左右する項目

主な費用項目は、次のとおりです。

  • ■ 仮設足場・飛散防止ネット
  • ■ 高圧洗浄
  • ■ 外壁下地補修
  • ■ タイル補修
  • ■ シーリング工事
  • ■ 外壁塗装
  • ■ 屋上・ベランダ・廊下防水
  • ■ 鉄部・付帯部塗装
  • ■ 養生・清掃・廃材処分
  • ■ 現場管理・入居者対応

たとえ同じ面積でも、ひび割れ補修が少ない建物と、タイルの浮きや爆裂が多い建物では、費用が大きく異なります。

見積りでは数量と施工仕様を確認する

見積りを比較するときは、総額だけでなく、数量と仕様を確認します。

確認項目 チェックしたい内容
足場 架面積、昇降設備、飛散防止ネットの有無
外壁塗装 塗装面積、塗料名、塗装回数、下塗り材
シーリング 打ち替えか増し打ちか、施工延長、材料名
防水 防水面積、工法、下地処理、改修用ドレンの有無
下地補修 補修方法、予定数量、追加精算の条件
鉄部 ケレン方法、サビ止め、上塗り回数
管理 入居者案内、工程管理、完了検査、報告書

「大規模修繕一式」「外壁補修一式」といった記載だけでは、どこまでの施工が含まれているのか判断しにくく、安い見積りほどお得とは限りませんし、高い見積りほど高品質とも限りません。

適正価格とは、必要な工事が不足せず、不要な工事が過剰に含まれていない価格です。

予算が限られる場合の分け方

一度にすべての工事を行うことが難しい場合は、工事を段階的に分ける方法もあります。
たとえば、第一期工事で屋上防水と危険箇所の補修を行い、第二期工事で外壁塗装と共用部の美観改善を行う計画です。

ただし、工事を分けることで足場費用や入居者対応が重複することもあるので、分割工事を選ぶ場合は、目先の支払額だけでなく、5年から10年程度の総費用を勘案しながら判断することが大切です。

9. 賃貸マンションの大規模修繕と空室対策の関係

賃貸マンションの修繕は、建物を守るだけでなく、入居希望者から選ばれやすい外観へ整える機会でもあります。
現在は、賃貸物件を探す多くの方が、最初にインターネットの写真で物件を比較します。

「外壁が色あせている」「鉄骨階段がサビている」「共用廊下が暗い」「エントランスが雑然としている」こうした物件は、室内を見る前の段階で候補から外される原因になることがあります。

清潔感は賃貸マンションの安心につながります

女性やファミリー層が物件を選ぶ際は、室内設備だけでなく、共用部の清潔感や管理状態もよく見ています。
外壁の色そのものが高級である必要はありません。大切なのは、建物の形、築年数、周辺環境に合った色で、全体が丁寧に整えられていることです。

アイボリー、グレージュ、淡いモカ、低彩度のグレーなどは、清潔感と落ち着きを両立しやすく、幅広い入居者層に受け入れられやすい傾向があります。

流行色より長く愛される配色を選びましょう

賃貸マンションの外壁色は、オーナー様個人の好みだけで決めず、想定する入居者層や地域性まで考えることが大切です。
個性的な配色は写真で目立ちますが、好みが分かれやすく、数年後に古く見える可能性もあります。

小林塗装では、流行だけを追うのではなく、建物のデザインを生かしながら、時間が経っても違和感の少ない色彩計画を大切にしています。

外壁塗装は、ただ新しい色を塗るのではなく、その建物らしさを整えることです。
それが長く選ばれる賃貸物件の外観につながります。

10. 入居者様がいる賃貸マンションの大規模修繕で大切なこと

賃貸マンションの修繕工事は、入居者様が生活している状態で行うことが一般的です。
そのため、施工品質だけでなく、工事中の案内や生活への配慮が欠かせません。

工事前に伝えておきたい内容

工事前には、次の内容を入居者様へ案内します。

  • ■ 工事の開始日と終了予定日
  • ■ 作業時間
  • ■ 足場設置・解体の日程
  • ■ 高圧洗浄の日程
  • ■ ベランダが使えない期間
  • ■ 洗濯物を外に干せない日
  • ■ 窓を開けられない時間帯
  • ■ 臭気や騒音が発生する作業
  • ■ 車や自転車の移動が必要な日
  • ■ 緊急時の連絡先

単に案内文を配るだけでなく、工事内容が変わったときに、その都度お知らせすることも重要です。

ベランダまわりの工事は特に丁寧な案内が必要です

ベランダ防水や外壁塗装では、荷物の移動、物干しの制限、窓の養生など、日常生活に大きく影響する場面があります。

工事直前に突然伝えると、入居者様の負担が大きく、不満が生じ、クレームが発生しやすくなるので、余裕を持ってお知らせして高齢者世帯や小さなお子様がいる家庭にも配慮する必要があります。

職人のマナーも建物の評価につながります

あいさつ、喫煙、清掃、資材の置き方、車両の駐車方法など、職人のふるまいも工事品質の一部です。
どれだけ塗装がきれいでも、入居者様や近隣の方に不快な思いをさせてしまえば、オーナー様にとって良い修繕工事とはいえません。

賃貸マンションの大規模修繕には、技術力と同じくらい、説明力・段取り力・近隣配慮が求められます。

11. 賃貸マンションの大規模修繕を任せる施工会社の選び方

大規模修繕の施工会社を選ぶ際は、会社の規模や見積金額だけでなく、建物の状態を正確に説明できるかを確認します。

現地調査が丁寧か?

外壁を遠くから眺めるだけでなく、屋上、ベランダ、共用廊下、階段、シーリング、鉄部などを細かく確認する会社が安心です。
雨漏り履歴、過去の工事、入居者様から寄せられた不具合についても確認してもらいましょう。

写真を使って説明してくれるか

オーナー様が建物のすべてを直接確認することは難しいため、写真付きの調査報告書が必要です。
劣化箇所だけでなく、「今回は施工しなくてもよい部分」まで説明してくれる会社は、工事範囲の妥当性を判断しやすいと言えます。

材料名と施工工程が明確か

外壁シリコン塗装、屋上防水工事という漠然とした表現だけでなく、メーカー名、商品名、塗布回数、下地処理方法まで確認しましょう。
塗料や防水材は、同じ種類の中にもさまざまな性能があり、名称が似ていても、耐久性や施工条件は同じではありません。

追加工事の条件が明確か

タイルの浮きや下地内部の劣化は、足場設置後の打診調査で正確な数量が分かる場合があります。
その際、どのような条件で追加費用が発生するのか、単価はいくらなのかを事前に確認しておきます。

工事後の報告と点検があるか

大規模修繕は、完成した瞬間だけきれいであればよい工事ではありません。
施工写真、使用材料、補修箇所、保証内容、今後の点検時期を記録し、次の修繕計画へつなげることが重要です。

施工会社に確認すべき質問
  • ■ なぜ、この工事が必要なのですか?
  • ■ 今回は施工しなくてもよい場所はありますか?
  • ■ 外壁塗装だけでは不足する理由は何ですか?
  • ■ 使用する材料と選定理由を教えてください。
  • ■ 下地補修の数量はどのように決めますか?
  • ■ 追加費用が発生する条件は何ですか?
  • ■ 入居者様への案内は誰が行いますか?
  • ■ 工事写真と完了報告書は提出されますか?

質問に対して分かりやすく答えられない会社よりも、メリットと注意点を正直に説明する会社を選ぶことをおすすめします。

12. まとめ|大規模修繕と外壁塗装は建物の状態に合わせて選びましょう

まとめ|大規模修繕と外壁塗装は建物の状態に合わせて選びましょう イメージ

賃貸マンションの外壁塗装は、外壁の保護機能と美観を回復させる重要な工事です。

大規模修繕は、外壁塗装に加えて、防水、シーリング、タイル、鉄部、共用部などを総合的に点検し、必要な補修を行う工事です。
外壁塗装だけで十分な建物もあれば、複数の劣化が進んでおり、大規模修繕として計画したほうがよい建物もあります。

判断の基本は、次の順番です。

  • ■ 安全性に関わる劣化を確認する
  • ■ 雨漏りや水の侵入を防ぐ
  • ■ 外壁や鉄部の劣化進行を止める
  • ■ 外観と共用部の印象を整える

修繕費を抑えるために必要な工事を削りすぎると、数年後に大きな補修費が必要になることがあります。
逆に安心のためという理由だけで、まだ使える部分まで一度に直せば、賃貸経営を圧迫する可能性があります。

良い大規模修繕とは、工事範囲が大きいことではありません。
建物にとって必要な工事が適切に組み立てられていることです。

小林塗装では、外壁の見た目だけで判断せず、シーリング、防水、鉄部、共用部まで確認したうえで、今行うべき工事と次回へ回せる工事を整理してから提案しています。
賃貸マンションの外壁塗装や大規模修繕で迷われているオーナー様は、まずは建物の状態を知るところから始めてみてください。

賃貸マンションの修繕計画でお困りではありませんか?

外壁塗装だけでよいのか、それとも防水やシーリングまで直すべきなのか、建物の状態に合わせて丁寧に説明します。
必要以上に工事範囲を広げず、安全性・耐久性・賃貸経営のバランスを考えた提案を大切にしています。

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13. 賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装|深掘りQ&A

賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装|深掘りQ&A イメージ

Q1.賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装は同じ工事ですか?

A.同じ工事ではありません。

外壁塗装は、主に外壁表面の塗膜を塗り替えて、保護性能と美観を回復させる工事です。
大規模修繕は、外壁塗装に加えて、防水、シーリング、タイル、鉄部、共用部などを総合的に点検し、必要な補修をまとめて行います。

Q2.外壁塗装だけで済む賃貸マンションもありますか?

A.建物の状態によっては、外壁塗装を中心とした工事で対応できます。

塗膜の色あせやチョーキングが主な症状で、防水層、タイル、シーリング、鉄部に重大な不具合がなければ、工事範囲を外壁塗装中心に絞れる場合があります。
ただし、ぱっと見た目だけでは分からない劣化もあるため、施工前の現地調査は欠かせません。

Q3.大規模修繕は築何年で行うべきですか?

A.築年数だけで工事時期を決めるのはおすすめできません。

立地、外壁材、施工仕様、日当たり、風通し、過去の修繕内容によって、劣化の進み方は異なります。
築年数は点検を考える目安として使い、実際の工事時期は調査結果をもとに決めるのが基本です。

Q4.雨漏りがなければ、大規模修繕はまだ必要ありませんか?

A.雨漏りがないから建物に問題がないとは限りません。

防水層やシーリングが劣化していても、室内まで水が到達していないことがあるからで、タイルの浮きや鉄骨階段の腐食も雨漏りとは別の問題です。
雨漏りが起きてからでは補修範囲が広がることがあるため、予防的な点検が重要です。

Q5.大規模修繕の費用はどのくらいですか?

A.建物の規模と補修範囲によって、数百万円から数千万円まで大きく変わります。

外壁面積、足場面積、防水面積、タイル補修量、シーリング延長、鉄部の数などによって費用が変わります。
坪数や戸数だけで判断せず、実際の数量と施工仕様が記載された見積書で比較してください。

Q6.予算が足りない場合、どの工事から優先すべきですか?

A.安全性、防水性、劣化防止、美観の順で考えるのが基本です。

落下リスクのあるタイルや腐食した鉄骨、雨漏りにつながる防水やシーリングは、優先度が高くなります。
外観のデザイン変更や共用部の装飾は、建物を守る基本工事を確保した後に検討しましょう。

Q7.足場を組むなら、屋上防水も一緒にしたほうがよいですか?

A.必ずしも同時施工が正解とは限りませんが、屋上防水の状態と今後の修繕計画は確認しておくことが大切です。

屋上へ足場を設置せずに上がれる建物であれば、防水工事だけを別の時期に行うこともできます。

一方、防水層の立ち上がりや笠木、外部シーリングなどの施工に外周足場が必要な場合は、外壁塗装と一緒に施工したほうが合理的なケースも少なくありません。
足場費用だけでなく、次回の工事時期や入居者様への負担まで含めて、総合的に判断します。

Q8.外壁色を変えると空室対策になりますか?

A.外壁色だけで空室が必ず解消するわけではありませんが、物件の第一印象を改善する効果は期待できます。

インターネット掲載写真や現地内見では、外壁、エントランス、階段、共用廊下の清潔感が印象を左右するので、周辺環境や入居者層に合った配色を選び、鉄部や共用部まで整えることで、管理の行き届いた印象につながります。

Q9.大規模修繕中の入居者対応は施工会社に任せられますか?

A.対応範囲は施工会社によって異なるため、契約前に確認が必要です。

工事案内の作成、掲示、各戸への配布、工程変更のお知らせ、問い合わせ窓口まで対応する会社もあります。
オーナー様や管理会社、施工会社の役割を事前に分けておくと、連絡漏れや説明の食い違いを防ぎやすくなります。

Q10.大規模修繕後に保管しておくべき書類は何ですか?

A.見積書、契約書、施工写真、材料一覧、保証書、補修箇所図、完了報告書を保管してください。

使用した塗料や防水材、施工日、補修箇所が分かれば、次回の点検や修繕計画を立てやすくなります。
工事記録は、建物のカルテのようなものなので、将来の売却や管理会社の変更時にも建物の維持管理状況を説明する資料として役立ちます。

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コラム 賃貸マンションの大規模修繕と外壁塗装の違い|オーナー様が知っておきたい基本 筆者小林塗装 店主 小林ゆず

コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず

名古屋市を中心に戸建住宅・アパート・賃貸マンションの外壁塗装、屋根塗装、防水工事、シーリング工事、鉄部塗装、下地補修などを行う地域密着型の塗装店です。

塗装業界で30年以上、2,000件以上の施工経験を生かし、建物の状態やご予算、将来の修繕計画に合わせた施工を提案しています。

ただ塗料を塗るのではなく、下地調整、補修、養生、塗布量、乾燥時間といった基本を大切にし、長持ちする高品質な仕上がりを追求しています。

賃貸物件の修繕では、安全性、防水性、美観、入居者様への配慮、賃貸経営のバランスを考え、必要な工事と不要な工事を正直にお伝えすることを心掛けています。

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