外壁塗装は艶あり艶なしどちらがおしゃれ?
外壁塗装の色選びで、意外と迷いやすいのが「艶ありにするか、艶なしにするか」という問題です。
外壁の色はベージュ、グレージュ、白、ネイビー、黒、ブラウンなど、比較的イメージしやすいものです。
ところが艶となると、「ピカピカしすぎるのは嫌だけど、艶なしは汚れやすいの?」「高級感があるのはどれ?」「最近のおしゃれな家は艶を抑えている気がするけど、耐久性は大丈夫?」と、判断が難しくなります。
外壁塗装の艶は、建物のデザイン、外壁材の質感、選ぶ色、塗料の種類、周辺環境、そしてお客様が求める雰囲気によって最適解が変わります。
艶ありは、塗膜に光沢があり、汚れが付きにくく、塗料本来の性能を発揮しやすい傾向があります。
一方で、光を強く反射するため、外壁がピカピカと見えすぎたり、サイディングの凹凸や補修跡が目立ったりする場合があります。
艶なしや3分艶は、落ち着いた上品な印象になりやすく、近年のナチュラルモダン、和モダン、北欧風、カフェ風の住まいにもよく合います。
ただし、塗料によっては汚れやすさ、艶ムラ、耐候性、施工難易度に注意が必要です。
つまり、外壁塗装の艶選びは「艶あり=正解」「艶なし=おしゃれ」という単純な話ではありません。
洋服でいうなら、同じ黒でも、エナメルの靴、ウールのコート、リネンのワンピースでは印象がまったく違うようなものです。
住まいの外壁も艶によって「きちんと感」「やわらかさ」「高級感」「新築感」「落ち着き」が変わります。
今回は、外壁塗装の艶あり・7分艶・5分艶・3分艶・艶消しの違い、高級感、汚れやすさ、耐候性、塗料ごとの注意点、後悔しない選び方について、「名古屋の塗装店」小林塗装が分かりやすく詳しく解説します。
- ■ 外壁塗装の艶あり・7分艶・5分艶・3分艶・艶消しの違い
- ■ 艶ありと艶なし、どちらがおしゃれに見えるのか
- ■ 艶と高級感・汚れやすさ・耐候性の関係
- ■ 塗料ごとの艶選びの注意点
- ■ 艶ムラを防ぐための施工ポイント
- ■ 後悔しない艶の選び方
1. 外壁塗装の艶とは何か
外壁塗装における艶とは、塗膜表面が光をどのくらい反射するかを表す見た目の質感です。
同じ色の塗料でも、艶ありと艶消しでは、まったく違う印象になるので、艶ありは光を反射しやすく、色がはっきり見え、外壁に新しさや清潔感が出やすい仕上がり感になります。
艶消しは光の反射を抑えるため、やわらかく、落ち着いた印象になります。
外壁塗装では、一般的に次のような艶の段階があります。
| 艶の種類 | 見た目の印象 | おすすめの住まい |
|---|---|---|
| 艶あり | 光沢が強く、新築感が出やすい | 明るくきれいに見せたい住まい |
| 7分艶 | 艶ありより少し落ち着く | 清潔感と落ち着きを両立したい住まい |
| 5分艶 | ほどよい艶で自然な印象 | 幅広い住宅に合わせやすい |
| 3分艶 | かなり落ち着いた上品な印象 | 和モダン・北欧風・ナチュラルモダン |
| 艶消し | マットでしっとりした印象 | 高級感・素材感を重視する住まい |
ただし、ここで大切なのは、すべての塗料で艶あり・7分艶・5分艶・3分艶・艶消しを自由に選べるわけではないという点です。
塗料によっては、艶ありのみ、艶あり・3分艶のみ、艶あり・7分艶・5分艶・3分艶まで、艶消し対応無しというように選択肢が限られる場合があります。
また、艶を落とすためには、塗料の中に艶調整剤やフラットベースと呼ばれる成分を加える場合があります。
これによって光の反射を抑えることができますが、塗膜表面の性質も変わるため、汚れやすさや艶ムラに影響することがあります。
つまり、艶は単なる見た目の好みではなく、塗料設計・耐久性・施工性に関わる大切な要素です。
2. 艶あり・7分艶・5分艶・3分艶・艶消しの違い
外壁塗装の艶選びで後悔しないためには、それぞれの艶の特徴を知ることが大切です。
艶ありは、塗膜表面に光沢があり、外壁が明るくきれいに見えやすい仕上がりです。
塗り替え直後の満足感が分かりやすく、「きれいになった」という印象が出やすいのが特徴で、白、アイボリー、ベージュ、クリーム系では清潔感が出やすく、濃色では色に深みが出ます。
また、艶あり塗料は塗膜表面が比較的なめらかになりやすいため、汚れが付きにくい傾向があり、塗料本来の性能を発揮しやすいことも多く、耐候性や低汚染性を重視する場合には有力な選択肢です。
ただし、艶が強いと、外壁の凹凸、補修跡、ローラー目、サイディングの反りなどが光の反射で目立つことがあります。
特に濃色の艶ありは、想像以上にピカピカと見えることがあるため注意が必要です。
7分艶は、艶ありよりも少し光沢を抑えた仕上がりです。
艶ありの清潔感や塗膜感を残しつつ、ピカピカ感をやわらげたい場合に向いており、外壁塗装では、艶ありだと少し派手に感じるけれど、艶を抑えすぎるのも不安という方に選ばれやすい艶感です。
7分艶は、明るい外壁色にも濃い外壁色にも合わせやすく、比較的バランスの良い仕上がりになります。ただし、塗料によっては7分艶の設定がない場合もあるため、事前確認が必要です。
5分艶は、外壁塗装で非常に使いやすい艶のひとつです。
艶ありほど光らず、艶消しほどマットになりすぎないため、清潔感と落ち着きの両方を出しやすい仕上がりです。
グレージュ、ベージュ、アイボリー、ブラウン、ネイビー、チャコールなど、幅広い色に合わせやすい艶といえます。
特に40代から60代の持ち家のお客様には、5分艶はおすすめしやすい選択です。
決して派手すぎず、地味すぎず、住まい全体に「きちんと手入れされている感じ」が出ます。
ファッションでいえば、少し上質なレザーのバッグや、控えめな光沢のあるシルク混のブラウスのようなイメージです。
主張しすぎないけれど、ちゃんと品がある。外壁塗装では、この「ほどよさ」がとても大切です。
3分艶は、かなり艶を抑えた仕上がりです。
外壁の光沢感を控えめにしたい方、ナチュラルモダン、和モダン、北欧風、カフェ風、落ち着いた住宅デザインにしたい方に向いています。
3分艶は、グレージュ、チャコール、ネイビー、オリーブグレー、くすみベージュなどの色と相性がよく、今の住まいづくりのトレンドにも合いやすい艶感です。
ただし、3分艶は艶ありや5分艶に比べて、艶ムラが目立ちやすい場合があるので、下地の吸い込み、塗布量、希釈率、乾燥時間、ローラーの使い方によって、仕上がりに差が出ることがあるため、施工精度が大切です。
艶消しは、光沢をほとんど感じにくいマットな仕上がりです。
落ち着き、重厚感、素材感、高級感を出しやすく、特にモルタル外壁、ジョリパット、リシン、スタッコ、意匠性のある外壁材と相性が良い場合があります。
艶消しの外壁は、ギラギラした印象がなく、街並みに自然になじみます。美術館、カフェ、ギャラリー、上質な旅館のような静かな雰囲気をつくりたい場合にも向いています。
ただし、艶消し塗料は、艶ありに比べると汚れが付きやすい傾向があり、塗料によっては耐候性や低汚染性の面で注意が必要です。
すべての艶消し塗料が弱いわけではありませんが、「艶消し=おしゃれ」だけで選ぶのではなく、塗料の種類と施工条件を確認することが大切です。
艶の段階は、住まいの表情を決める「質感のデザイン」です。色が服の色だとすれば、艶は生地の質感。ここを丁寧に選ぶことで、外壁塗装の満足度は大きく変わります。
3. 艶あり外壁のメリット・デメリット
艶あり外壁には、分かりやすい美しさと実用性があります。
一方で、住まいの雰囲気によっては、少し光りすぎると感じることもあります。
- ■ 塗り替えた実感が出やすい
- ■ 新築のような清潔感が出やすい
- ■ 塗膜表面がなめらかで汚れが付きにくい傾向がある
- ■ 塗料本来の性能を発揮しやすい場合が多い
- ■ 白系・淡色系では明るく見えやすい
- ■ 濃色では色に深みが出やすい
艶ありは、外壁塗装後の変化が分かりやすい艶です。工事が終わったときに「きれいになった」と感じやすく、塗り替えの満足感が高くなりやすいです。
また、艶あり塗料は表面が比較的なめらかに仕上がりやすいため、雨で汚れが流れやすく、低汚染性を活かしやすい傾向があります。
道路沿い、排気ガスの影響を受けやすい場所、苔や藻が気になる場所では、艶ありや中艶を検討する価値があります。
- ■ ピカピカしすぎると感じることがある
- ■ 濃色では光沢が強く見えやすい
- ■ 外壁の凹凸や補修跡が目立つ場合がある
- ■ 和風住宅や自然素材風の住宅では浮いて見えることがある
- ■ 艶が経年で落ちていく変化が分かりやすい
艶ありの注意点は、光の反射です。
特に南面や西面のように日差しが強く当たる面では、想像以上に艶が強く見えることがあります。
小さな色見本では上品に見えても、実際の外壁の大きな面積になると、「少しテカテカして見える」と感じる場合もよくあります。
また、古い外壁で補修跡や凹凸の差がある場合、艶ありにすると光の反射でその差が目立つことがあり、下地の状態があまり良くない場合は、艶を少し抑えた方が自然に見えることもあります。
艶ありは、決して悪い選択ではありません。むしろ実用性の高い艶です。
ただし、住まいのデザインや外壁材との相性を見ずに選ぶと、思っていた雰囲気と違う仕上がりになることがあります。
4. 艶なし・低艶外壁のメリット・デメリット
近年は、艶を抑えた外壁を好まれるお客様が増えています。
特にグレージュ、ベージュ、チャコール、ネイビー、ブラック、オリーブ系など、落ち着いた色を選ぶ場合は、3分艶や艶消しがよく似合います。
- ■ 落ち着いた印象になる
- ■ 高級感・上質感が出やすい
- ■ 外壁材の素材感を活かしやすい
- ■ 街並みに自然になじみやすい
- ■ 光の反射が少なく、派手に見えにくい
- ■ 和モダン・北欧風・カフェ風と相性が良い
艶なしや3分艶の魅力は、何といっても落ち着きです。
ピカピカとした新しさではなく、しっとりとした上品さが出ます。
外壁に光沢が少ないと、建物全体がやわらかく見え、植栽や木目玄関、石調タイル、アイアン手すりなどとも調和しやすくなります。
最近の住宅デザインでは、「いかにも塗りました」という仕上がりよりも、「自然に整っている」「暮らしになじんでいる」「センスよく手入れされている」という雰囲気が好まれる傾向があります。 その意味では、3分艶、艶消し仕上げはとても魅力的です。
- ■ 艶ありに比べて汚れが付きやすい場合がある
- ■ 塗料によっては耐候性に注意が必要
- ■ 艶ムラが目立ちやすいことがある
- ■ 濃色では白っぽい汚れが目立つ場合がある
- ■ 塗料の選択肢が限られることがある
- ■ 施工難易度が高くなる場合がある
艶なし・低艶の注意点は、塗膜表面の性質です。
艶を抑えるということは、光の反射を乱反射させるような表面にするということなので、塗膜表面が艶ありよりも汚れを抱え込みやすくなる場合があります。
また、艶なしや3分艶は、塗り方の差が艶ムラとして見えやすくなる場合があり、塗布量、乾燥時間、希釈率、下地の吸い込み、ローラーの動かし方が安定していないと、同じ色でも面によって見え方が変わることがあります。
つまり、低艶仕上げはおしゃれですが、誰が塗っても同じように仕上がるわけではなく、職人の技術と現場管理が、とても大切になります。
艶なしや3分艶は、住まいを落ち着きを持たせておしゃれ見せる選択といえます。
ただし、汚れや艶ムラのリスクも理解したうえで、塗料と施工店を選ぶことが大切です。
5. 高級感が出やすい艶の選び方
外壁塗装で高級感を出したい場合、単に高い塗料を選べばよいわけではありません。
色、艶、建物の形、外壁材、屋根、サッシ、玄関ドア、植栽まで含めて、全体のバランスを見る必要があります。
一般住宅で上品に見えやすい艶は、5分艶または3分艶です。
5分艶は、清潔感と落ち着きのバランスがよく、外壁塗装で失敗しにくい艶です。艶ありほど強く光らず、艶消しほどマットになりすぎないため、多くの住宅に合わせやすいです。
3分艶は、より落ち着きや高級感を出したい場合に向いています。特に、グレージュ、チャコール、ネイビー、ブラック、ブラウン、オリーブグレーなどの落ち着いた色では、3分艶がよく合います。
和モダン、北欧風、ナチュラルモダンの住まいでは、艶を抑えた仕上がりが似合いやすいです。
木目玄関、軒天の木調、黒やブラウンのサッシ、植栽、石材、タイルなどがある住まいでは、外壁が光りすぎると素材感のバランスが崩れることがあります。
その場合、5分艶や3分艶にすることで、外壁が主張しすぎず、建物全体がまとまりやすくなります。
白やアイボリーの外壁は、艶ありにすると明るく清潔感が出ます。
一方で日差しの強い面では反射が強く、少しまぶしく見えることがあります。
白系の外壁を上品に見せたい場合は、5分艶や3分艶を検討するとよいかと思います。
黒、ネイビー、チャコールなどの濃色は、艶ありにすると高級車のような重厚感が出ます。
ただし、住宅の外壁としては光りすぎると圧迫感が出たり、少し強い印象になったりすることがあります。
大人っぽく、落ち着いた外観にしたい場合は、3分艶や5分艶がおすすめです。濃色の深みを残しながら、ギラギラ感を抑えることができます。
外壁塗装の高級感は、艶だけでは決まりません。
どれだけおしゃれな艶を選んでも、塗りムラ、艶ムラ、ローラー目、ダレ、透け、養生のにじみ、ラインの乱れがあれば、上質には見えません。
高級感のある外壁塗装とは、色と艶のセンスに加えて、細部の仕上がりが整っていることです。サッシまわり、雨樋、破風、軒天、幕板、水切り、玄関まわりまで、きれいに納まっていること。そこに住まいの品格が出ます。
艶選びは、外壁塗装の「質感づくり」で、本当の高級感は、派手さではなく、細部まで端正に整った美しさから生まれます。
6. 艶と汚れやすさ・耐候性の関係
外壁塗装の艶を選ぶとき、多くのお客様が気にされるのが「艶なしは汚れやすいのか」「艶ありの方が長持ちするのか」という点です。
一般的には、艶あり塗料の方が塗膜表面がなめらかで、汚れが付きにくい傾向があります。
塗膜表面がなめらかであれば、埃、排気ガス、雨だれ、苔や藻の原因となる汚れが引っかかりにくくなり、雨で汚れが流れやすくなる場合もあります。
ただし、これは塗料の種類や低汚染技術によっても変わります。最近では、艶を抑えても低汚染性に配慮された塗料もあります。
ですから、「艶消しだから必ず汚れる」とは言い切れません。
艶消し塗料は、光の反射を抑えるために塗膜表面が細かく凹凸のある状態になりやすいです。
そのため、艶あり塗料に比べると、汚れが表面に引っかかりやすい場合があります。
特に交通量の多い道路沿い、北面、湿気が多い場所、樹木が近い場所では、汚れや苔・藻が目立つことがあります。
艶消しを選ぶ場合は、デザイン性だけでなく、立地条件も考えることが大切です。
耐候性とは、紫外線、雨、風、熱などに対して塗膜がどのくらい長く性能を保てるかという性質です。
耐候性は、艶だけで決まるものではありません。シリコン、ラジカル制御形、フッ素、無機など、塗料の樹脂グレードや顔料、添加剤、塗膜設計によって大きく変わります。
ただし、同じ塗料の中で比較した場合、艶ありの方が塗料本来の耐候性を発揮しやすいとされることがあります。
艶を落とすための樹脂量調整によって、塗膜表面の性質が大きく変わるためです。
とはいえ、現在の塗料は技術が進んでおり、低艶でも十分に高耐候な製品があります。
大切なのは、使用する塗料がその艶でどのような性能を持つのかを確認することです。
外壁塗装の艶は、塗った直後の状態が永遠に続くわけではありません。
紫外線や雨風の影響により、艶は少しずつ落ちていくので、艶ありで塗装しても、数年経つと落ち着いた見え方になることがあります。
そのため、塗装直後の艶だけでなく、数年後の見え方も考えることが大切です。
最初から落ち着いた雰囲気にしたいなら5分艶や3分艶、塗装直後の新築感を楽しみたいなら艶ありや7分艶という考え方もできます。
艶と汚れや耐候性の関係は、単純な二択ではなく、住まいの立地、外壁材、色、塗料グレード、施工精度まで含めて判断することが後悔しない艶選びにつながります。
7. 塗料ごとの艶選びの注意点
外壁塗装の艶は、塗料の種類によって注意点が変わります。ここでは、代表的な塗料ごとの艶選びについて解説します。
シリコン塗料は、価格と耐久性のバランスがよく、外壁塗装で広く使われている塗料です。
艶あり、7分艶、5分艶、3分艶などの選択肢がある製品も多く、比較的選びやすい塗料といえます。
ただし、安価なシリコン塗料の場合、艶を落としたときに汚れやすさや耐候性の面で差が出ることがあります。シリコン塗料で低艶を選ぶ場合は、塗料の品質を確認することが大切です。
ラジカル制御形塗料は、紫外線による塗膜劣化を抑える技術を採用した塗料です。
近年の外壁塗装では、シリコン塗料より少し上のグレードとして選ばれることが多く、コストパフォーマンスに優れています。
ラジカル制御形塗料は、艶ありから低艶まで選べる製品もありますが、製品ごとに対応可能な艶が異なります。
5分艶や3分艶を選ぶ場合は、メーカーの仕様を確認することが重要です。
フッ素塗料は、耐候性に優れた高グレード塗料です。
長期間外壁を保護したい場合に向いていますが、艶を大きく落とす場合は注意が必要です。
フッ素塗料の持つ低汚染性や耐候性を重視するなら、艶ありや5分艶を選ぶ方が性能面では安心な場合があります。
もちろん、製品によっては低艶でも高性能なものがあります。
ただし、フッ素塗料は価格も高くなるため、「せっかく高い塗料を選ぶなら、どの艶が性能と見た目のバランスに合うのか」を慎重に考える必要があります。
無機塗料は、紫外線に強い無機成分を含む高耐候塗料です。
無機塗料は艶あり仕上げのイメージが強いものもありますが、製品によっては3分艶や艶消しに対応するものもあります。
ただし、無機塗料の中には塗膜が硬くなりやすい製品もあるため、下地の動き、シーリング、外壁材との相性を考えることが大切です。
艶だけでなく、建物全体の状態に合った仕様を選ぶ必要があります。
艶消し専用塗料は、最初からマットな仕上がりを前提に設計された塗料です。
艶あり塗料に艶消し剤を加えて調整するタイプとは異なり、艶消し仕上げでも性能を出しやすい製品があります。
マットな外壁を希望する場合は、単に艶あり塗料を艶消しに調整するのではなく、艶消しに適した塗料を選ぶことも大切です。
多彩模様塗料は、石材調や高級感のある外壁に仕上げられる塗料です。
多彩模様塗料では、艶の強さだけでなく、模様の見え方、クリヤートップの艶、粒の密度が仕上がりに影響します。
艶ありクリヤーを使うと色に深みが出やすく、低艶クリヤーを使うと自然で落ち着いた感じになります。
ただし、低艶クリヤーは塗布ムラが見えやすい場合があるため、施工技術が重要です。
塗料ごとの艶選びでは、「この艶にできますか?」だけでなく、「その艶にしたとき、性能や汚れやすさ、施工性はどう変わりますか?」まで確認することが大切です。
8. 艶ムラを防ぐ施工方法
艶あり・艶なしを問わず、外壁塗装では艶ムラを防ぐ施工が重要です。
特に3分艶や艶消しは施工条件の影響を受けやすいため、丁寧な管理が必要です。
艶ムラの大きな原因のひとつが、下地の吸い込み差です。
外壁の経年劣化が進んでいる部分は、塗料を吸い込みやすくなります。
吸い込みが激しい部分では艶が引けて、吸い込みが少ない部分では艶が残るため、同じ塗料を塗っても艶ムラに見えることがあります。
これを防ぐには、下地に合った下塗りを選び、必要に応じて下塗りを2回行うことが大切です。
艶調整された塗料は、成分が均一に混ざっていることが重要です。
撹拌不足のまま塗装すると、缶の上部と下部で艶の出方が変わることがあります。 特にフラットベースを含む塗料では、十分な撹拌が必要です。
塗料を薄めすぎると、艶が変わったり、塗膜が薄くなったり、色や艶の安定性が悪くなったりします。
同じ面を塗るときは、希釈率をできるだけ統一することが大切です。午前と午後、職人ごと、缶ごとに希釈が変わると、艶ムラの原因になります。
艶は、塗膜の厚みによっても見え方が変わります。
塗布量が少ない部分は艶が引けやすく、塗布量が多い部分は艶が強く残ることがあります。
ローラーで薄く伸ばしすぎる塗り方は、艶ムラや耐久性不足につながります。
外壁塗装では、塗料をただ広げるのではなく、必要な量を均一に配ることが大切です。
広い壁面では、塗り継ぎのタイミングが艶ムラに影響します。
先に塗った部分が乾き始めてから隣を塗ると、境目に艶差が出ることがあり、特に夏場や風の強い日は乾燥が早いため、作業区画を考えて塗る必要があります。
サッシ、目地、入隅、出隅など、自然な区切りまで一気に仕上げることが理想です。
艶ムラは、気象条件にも左右されます。
気温が高すぎると塗料の表面乾燥が早くなり、ローラー目や塗り継ぎが残りやすくなります。湿度が高いと乾燥が遅れ、艶が安定しにくくなることがあります。
また、直射日光が強い面では、塗った瞬間から塗料の乾燥が進むため、艶ムラが出やすくなります。
職人は、太陽の動き、風、外壁の温度を見ながら、塗る面や順番を判断します。
艶ムラを防ぐ施工とは、塗料を塗る技術だけではありません。下地を読み、天候を読み、材料を読み、外壁一面をきれいにつなげる総合的な現場管理です。
9. 後悔しない艶選びの実践ポイント
外壁塗装の艶選びで後悔しないためには、カタログや小さな色見本だけで判断しないことが大切です。
室内で見る色見本と、屋外で見る外壁の色は違って見えます。
照明の下では落ち着いて見えた色が、太陽光の下では明るく見えることがあります。また、艶も屋外では強く感じやすくなります。
色と艶を確認するときは、できれば屋外で、朝・昼・夕方の見え方を確認するのがおすすめです。
小さな色見本では、艶の印象が分かりにくいことがあります。
外壁は大きな面積になるため、色も艶も想像より強く感じることがあります。特に、艶ありや濃色を選ぶ場合は、大きめの塗り板で確認すると安心です。
艶選びは、建物のデザインと合わせることが大切です。
| 住宅デザイン | 相性のよい艶 | 理由 |
|---|---|---|
| シンプルモダン | 5分艶・3分艶 | すっきり上品に見える |
| 和モダン | 3分艶・艶消し | 落ち着きと素材感が出る |
| 北欧風 | 5分艶・3分艶 | やさしく自然に見える |
| 洋風住宅 | 艶あり・7分艶・5分艶 | 明るく華やかに見える |
| 重厚感のある住宅 | 3分艶・艶消し | 高級感が出やすい |
サイディングの柄、モルタルの風合い、ジョリパットの模様、タイル調の凹凸など、外壁材の質感によって似合う艶は変わります。
凹凸の深い外壁に艶ありを塗ると、光の反射で模様が強く見えることがあります。一方で、マットにしすぎると重く見える場合もあります。
外壁材の質感を活かしたい場合は、5分艶や3分艶が扱いやすいことが多いです。
道路沿い、川沿い、樹木が多い場所、日当たりが悪い北面、湿気がこもりやすい場所では、汚れや苔・藻が付きやすくなります。
このような立地では、艶消しの雰囲気だけで決めるのではなく、低汚染性、防藻・防かび性、塗料グレードも考えることが大切です。
艶ありは少し光りすぎる気がする。艶消しは汚れや耐久性が心配。3分艶はおしゃれだけど、少しマットすぎるかもしれない。
そんな場合は、5分艶がバランスを取りやすい選択です。
5分艶は、清潔感、上品さ、実用性のバランスがよく、多くの住宅に合わせやすい艶です。
もちろん、すべての建物に万能というわけではありませんが、後悔しにくい選択肢のひとつです。
艶選びで大切なのは、「流行っているから」ではなく、「自分の家に似合うか」「暮らしに合うか」「長く見て気持ちよく眺められるか」です。
10. 外壁塗装の艶選びに関する深堀りQ&A
おしゃれに見えやすいのは、建物のデザインに合った艶です。
近年のナチュラルモダン、和モダン、北欧風の住まいでは、5分艶や3分艶のような低艶仕上げが上品に見えやすいです。一方で、洋風住宅や明るい外壁色では、艶ありや7分艶の清潔感がよく合う場合もあります。
一般的には、艶ありに比べて艶なしの方が汚れを抱え込みやすい場合があります。
ただし、最近は低汚染性に配慮された艶消し塗料や低艶塗料もあります。立地条件、塗料グレード、外壁色を合わせて判断することが大切です。
迷った場合は、5分艶がバランスを取りやすいです。艶ありほど光りすぎず、艶消しほどマットになりすぎないため、清潔感と落ち着きの両方を出しやすい艶です。
ただし、建物のデザインや色によっては、3分艶や7分艶の方が合う場合もあります。
高級感を出したい場合は、3分艶または5分艶がおすすめです。
特にグレージュ、チャコール、ネイビー、ブラック、ブラウンなどの落ち着いた色では、艶を少し抑えることで上品に見えやすくなります。
艶ありが必ず安っぽく見えるわけではありません。清潔感や新築感が出やすく、塗料本来の性能を発揮しやすい場合もありますが、濃色や凹凸の強い外壁で艶が強すぎると、ピカピカ感が目立つことがあります。
艶の落ち方は、塗料の種類、色、日当たり、立地条件によって変わります。一般的には、紫外線や雨風の影響で少しずつ艶は落ちていきます。
南面や西面のように日差しが強い面では、艶の変化が早く見えることがあります。
すべての艶消し塗料の耐久性が低いわけではありませんが、同じ塗料で艶ありと艶消しを比較した場合、艶ありの方が塗料本来の性能を発揮しやすいことがあります。
艶消しを選ぶ場合は、艶消しに適した塗料かどうかを確認することが大切です。
3分艶は、かなり艶を抑えた仕上がりですが、わずかに光沢があります。艶消しは、さらに光沢を抑えたマットな仕上がりです。
一般住宅では、完全な艶消しよりも3分艶の方が、見た目と実用性のバランスを取りやすい場合があります。
ネイビー、ブラック、チャコール、ダークブラウンなどの濃色には、3分艶または5分艶が合いやすいです。
艶ありにすると色の深みは出ますが、光沢が強く見えすぎることがあります。落ち着いた高級感を出したい場合は、低艶がおすすめです。
白やアイボリーに艶ありを合わせると、明るく清潔感のある仕上がりになります。ただし、日当たりのよい面では反射が強く見えることもあります。やわらかく上品に見せたい場合は、5分艶や3分艶もおすすめです。
一般的には、3分艶や艶消しなど、艶を抑えた塗料の方が艶ムラが目立ちやすい場合があり、下地の吸い込み、塗布量、希釈率、乾燥時間、ローラーの使い方が仕上がりに影響します。
使用する塗料で選べる艶、艶を落とした場合の汚れやすさ、耐候性、艶ムラのリスク、施工上の注意点を確認するとよいかと思います。
なお、色見本だけでなく、塗り板や施工事例を見せてもらうと判断しやすくなります。
11. まとめ|艶選びは住まいの印象を決める大切な仕上げです
外壁塗装の艶あり・艶なし選びは、見た目の好みだけで決めるものではありません。
艶ありは、新築感、清潔感、汚れにくさ、塗料本来の性能を活かしやすいというメリットがあります。
一方で光沢が強く見えすぎたり、外壁の凹凸や補修跡が目立ったりする場合があります。
7分艶は、艶ありの良さを少し落ち着かせた仕上がりです。5分艶は、上品さと実用性のバランスがよく、幅広い住宅に合わせやすい艶です。
3分艶は、落ち着きや高級感を出しやすく、和モダン、北欧風、ナチュラルモダンの住まいに向いています。艶消しは、マットで素材感のある仕上がりになりますが、汚れや艶ムラ、塗料選定には注意が必要です。
後悔しない艶選びのためには、次のポイントが大切です。
- ■ 小さな色見本だけで決めない
- ■ 屋外で色と艶を確認する
- ■ 建物のデザインと外壁材に合わせる
- ■ 汚れやすい立地かどうかを考える
- ■ 塗料ごとの艶の選択肢を確認する
- ■ 艶ムラを防げる施工店に依頼する
外壁塗装の艶は、住まいの印象を決める最後の質感です。
艶ひとつで、同じ色でも「明るく清潔」「落ち着いて上品」「重厚で高級」「自然でやさしい」と、まったく違った表情になります。
小林塗装では、外壁の色だけでなく、艶、塗料の性能、下地の状態、周辺環境、屋根や付帯部とのバランスまで考えて、住まいに合った塗装を提案しています。
艶ありにするか、艶なしにするか。迷ったときは、無理にすぐ決めなくても大丈夫です。住まいの雰囲気、暮らし方、これから何年も眺める気持ちまで含めて、一緒に考えていきます。
外壁塗装は、住まいを守る工事であり、毎日の景色を整える工事でもあります。長く気持ちよく眺められる艶選びを丁寧に大切にしていきたいです。
作者情報
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主 小林ゆずは、名古屋を拠点に、外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事・足場工事・内装工事・リペア工事・板金工事などを行う塗装工事の専門家です。
塗装職人として30年以上、これまで2,000件以上の施工実績を重ねてきました。
現場では、塗料の性能だけでなく、下地処理、下地補修、養生、塗布量、乾燥時間、道具選び、色彩提案、近隣配慮まで、住まい全体の品質に関わる細かな部分を大切にしています。
特に外壁塗装の色選びでは、建物のテイスト、周辺環境、お客様の好み、屋根・サッシ・玄関ドア・植栽との調和を考えながら、上品で長く愛せるカラーコーディネートを提案しています。
小林塗装では、「安さ」だけを前面に出すのではなく、適正価格で高品質な施工を行い、長持ちする住まいづくりを大切にしています。
初めて外壁塗装を検討される方にも分かりやすく、誠実に、そして少し楽しく感じていただけるような情報発信を心掛けています。
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