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外壁塗料はどこから届く?塗料の流通・直販メーカーの違い

外壁塗装で使われる塗料は、ある日突然、塗装店の倉庫に届くわけではありません。

その一缶の塗料が現場に届くまでには、原料メーカー、塗料メーカー、商社、塗料販売店、そして塗装店という、いくつもの流れがあります。

お客様から見ると、塗料は「シリコン」「ラジカル制御」「フッ素」「無機」といったグレードで比べられることが多いと思います。

しかし実際には、どのような流通経路で届いた塗料なのかによって、価格、提案内容、色の対応力、施工サポート、保証の考え方にも違いが出ます。

最近では、従来型の塗料メーカーだけでなく、塗装店へ直接販売する「直販型の塗料メーカー」も増えています。

その中でもアステックペイントやプレマテックスは、問屋や販売店などの仲介業者を介さない直販体制を採用していると公式に説明しています。

今回は、一般の方には少し見えにくい「外壁塗料の流通の仕組み」と、「一般塗料メーカー」と「直販塗料メーカー」の違いについて、名古屋の小林塗装が現場目線で分かりやすく解説します。

このコラムで分かること

  • 外壁塗料が現場に届くまでの基本的な流通経路
  • 塗料販売店や商社が果たしている大切な役割
  • 一般塗料メーカーと直販塗料メーカーの違い
  • 直販塗料は本当に安くて良い塗料なのか
  • お客様が塗料選びで確認しておきたいポイント

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1. 外壁塗料の流通経路は「メーカーから現場へ一直線」ではありません

外壁塗装で使われる塗料は、料理でいえば「食材」のようなものです。

同じトマトでも、どこの畑で育ち、どのように収穫され、どの温度で保管され、どの料理人がどのように扱うかによって、味わいや仕上がりは大きく変わります。

塗料もそれとよく似ています。

お客様の目に見えるのは、塗装工事の現場に置かれた塗料缶や、職人がローラーで外壁を塗っている姿かもしれません。

しかし、その一缶の塗料が現場に届くまでには、原料の製造、塗料メーカーでの開発・配合・品質管理、商社や代理店による流通、塗料販売店での在庫管理や調色、そして塗装店による材料選定と施工判断という、いくつもの工程があります。

つまり、外壁塗料は「メーカーで作られたものが、そのまま塗装現場へ届く」という単純な流れではありません。

その背景には、樹脂、顔料、添加剤、溶剤、硬化剤などの原料を扱う化学産業の流れがあり、さらに建築用塗料として安定した品質に整える塗料メーカーの技術があります。

そして、その塗料を現場で使える状態にするためには、販売店による調色、必要数量の手配、納期管理、現場への配送、関連資材の準備など、目立たないけれど欠かせない仕事があります。

建築用塗料は、一般住宅の外壁や屋根だけでなく、マンション、ビル、工場、店舗、橋梁、公共施設など、さまざまな建築物や構造物に使われる材料です。

そのため、塗料メーカー側でも、単に塗料を製造するだけでなく、より耐候性の高い製品、汚れにくい製品、遮熱性に優れた製品、環境に配慮した製品など、付加価値の高い塗料の開発が進められています。

また、現場ごとに求められる色や仕様に対応するため、流通体制や調色サービスの効率化も重要になっています。

外壁塗装では、同じ白系の色でも、少し黄みに寄った温かい白、グレーを含んだ上品な白、青みを感じるすっきりした白など、印象は大きく変わります。

その微妙な色の違いを現場に合わせて整えるためには、メーカーの標準色だけでなく、塗料販売店の調色技術や、塗装店の色選びの経験も関係してきます。

たとえば、外壁の一部を補修する場合や、既存の外壁色に近い色で塗り替える場合には、単にカタログから色を選ぶだけでは不十分なことがあります。

日焼けした外壁、雨だれが出ている外壁、経年で少し退色した外壁に対して、どの程度まで色を合わせるのか。そこには、材料の知識だけでなく、現場感覚も必要です。

つまり、塗料の流通は単なる「商品の受け渡し」ではありません。

塗料缶が右から左へ移動しているだけではなく、その途中には、色を作る技術、材料を見極める知識、在庫を切らさない管理力、現場へ間に合わせる配送力、そして塗装店からの技術相談に応える対応力があります。

外壁塗装の現場では、天候、気温、湿度、下地の傷み具合によって、予定通りに進まないこともあります。

急に下塗り材を変更した方がよいと判断することもあれば、想定より外壁が塗料を吸い込んでしまい、追加の材料が必要になることもあります。

また、シーリング材、防水材、錆止め、養生材、刷毛、ローラー、シンナーなど、塗料以外の資材が必要になる場面も少なくありません。

こうした時に、塗料販売店や流通業者の対応力があることで、現場の工程を止めずに済む場合があります。

反対に必要な材料がすぐに入らなければ、工期が延びたり、天候の良いタイミングを逃したり、お客様の生活への負担が長くなったりすることもあります。

そのため、塗料の流通は、外壁塗装の品質や工期にも関わる大切な仕組みなのです。

お客様から見ると、塗料の流通は少し遠い話に感じられるかもしれませんが、実際には、「どの塗料を、どこから、どのように仕入れ、どのように管理し、どのように現場で使うのか」は、仕上がりや耐久性に大きく影響します。

高性能な塗料であっても、建物に合っていなければ本来の力を発揮できません。

反対に、建物の状態に合った塗料を選び、正しい流通と管理のもとで現場に届け、適切な施工を行えば、住まいを美しく長く守ることにつながります。

外壁塗料の流通には、原料を作る人、塗料を設計する人、色を整える人、現場へ届ける人、そして実際に塗る職人の仕事が重なっています。見えないところで多くの手が関わっているからこそ、一缶の塗料には、単なる材料以上の価値があるのです。

2. 一般的な外壁塗料の流通ルート

一般的な建築塗料の流通は、決して単純なものではありません。

お客様の住まいに塗られる一缶の塗料は、原料メーカー、塗料メーカー、商社・代理店、塗料販売店、塗装店という、いくつもの段階を通って現場に届きます。

普段の暮らしでいえば、野菜や魚がお店に並ぶまでに、生産者、加工業者、卸売市場、販売店、料理人の手を通るようなものです。

外壁塗料も同じで、缶の中に入っている塗料だけを見ると一つの商品に見えますが、その背景には、原料を作る会社、塗料として製品化する会社、全国へ流通させる会社、現場に合わせて調色・納品する会社、そして実際に施工する塗装店の仕事があります。

一般的な建築塗料の流通は、おおまかに次のような流れになります。

流れ 役割 主な内容
原料メーカー 塗料の材料を供給 樹脂、顔料、溶剤、添加剤、硬化剤原料などを製造
塗料メーカー 塗料を開発・製造 塗料の性能設計、品質管理、製品化、カタログ作成
商社・代理店 流通全体を調整 メーカーと販売店の間で商品供給、価格調整、在庫管理を行う
塗料販売店 現場に近い供給拠点 調色、在庫、納品、技術相談、関連資材の販売
塗装店 施工を行う専門業者 建物診断、仕様選定、見積り、施工、管理、アフター対応
お客様の住まい 最終的な施工対象 外壁、屋根、付帯部、防水部分などに塗装される

まず、塗料の出発点になるのが原料メーカーです。

外壁塗料は、樹脂、顔料、添加剤、溶剤、水、硬化剤など、さまざまな材料を組み合わせて作られています。

樹脂は塗膜の骨格となり、顔料は色や隠ぺい性をつくり、添加剤は防カビ性、低汚染性、乾燥性、作業性などを調整します。

つまり、塗料の性能は、缶に詰められる前の原料段階からすでに始まっているのです。

次にそれらの原料を使って塗料を開発・製造するのが塗料メーカーです。

塗料メーカーでは、外壁材への密着性、紫外線への強さ、雨への耐久性、汚れにくさ、艶の出方、色の安定性、職人が塗りやすい作業性などを考えながら、塗料を設計します。

外壁塗装では、ただ「長持ちする塗料」であればよいわけではありません。

サイディングボード、モルタル、ALC、金属サイディング、木部、コンクリートなど、下地によって相性が違います。

そのため、塗料メーカーは、上塗り塗料だけでなく、下塗り材、錆止め、シーラー、フィラー、防水材、専用希釈材なども含めて、さまざまな製品を用意しています。

その後、商社や代理店が、メーカーと塗料販売店の間に入り、商品の供給や価格、在庫、物流を調整します。

商社や代理店は、お客様からは見えにくい存在ですが、全国的な流通を安定させるうえで大切な役割を持っています。

塗料は、地域や季節によって需要が大きく変わります。

春や秋の塗装シーズンには多くの材料が動き、梅雨時期や冬場には地域によって出荷量が変わります。

また、原材料価格の高騰、物流費の上昇、メーカーの生産状況、災害や社会情勢によって、塗料の供給が不安定になることもあります。

こうした中で、商社や代理店は、必要な塗料を必要な地域へ届けるための調整役を担っています。

そして、現場にもっとも近い材料供給の拠点となるのが塗料販売店です。

塗料販売店は、塗料を販売するだけでなく、塗装店にとって非常に頼りになる存在です。

たとえば、外壁色に合わせた調色、急な材料追加への対応、下塗り材の相談、関連資材の手配、現場への納品、メーカーへの技術確認など、実務に直結する仕事をしています。

外壁塗装の現場では、予定通りにいかないことも少なくありません。

高圧洗浄後に思った以上に外壁の吸い込みが強いと分かったり、旧塗膜の状態が悪く、予定していた下塗り材では不安が残ったりすることもあります。

また、補修範囲が増えたり、付帯部の劣化が見つかったり、色合わせが必要になったりすることもあります。

そのような時に、塗料販売店の在庫力、調色力、配送力、相談対応力が現場を支えてくれます。

その材料を実際に選び、見積りに落とし込み、現場で施工するのが塗装店です。

塗装店は、単に塗料を仕入れて塗るだけではありません。

建物の劣化状態を確認し、外壁材の種類を見極め、下地補修の必要性を判断し、どの塗料がその建物に合うのかを考えます。

そして、塗料の性能を発揮させるために、塗布量、乾燥時間、希釈率、塗り重ねのタイミング、天候条件などを守りながら施工します。

ここまでの流れを経て、ようやく塗料はお客様の住まいに塗られます。

外壁、屋根、雨樋、破風板、軒天、水切り、シャッター、ベランダ防水など、それぞれの部位に合った材料と工法で仕上げていきます。

この流れを見ると、「中間に入る会社が多いほど高くなるのでは?」と思われるかもしれません。

たしかに、流通段階が増えれば、それぞれに物流費、人件費、在庫管理費、調色費、配送費、技術サポート費などがかかります。

そのため、単純に材料費だけを見れば、中間流通が少ない方が安く見える場合もあります。

しかし、塗料の流通を「中間マージンがあるかどうか」だけで判断してしまうと、大切な部分を見落としてしまいます。

商社、代理店、塗料販売店があることで、塗料の供給が安定し、現場ごとの細かな要望に対応しやすくなります。

また、必要な塗料を必要なタイミングで手配できることは、外壁塗装の工期や品質に大きく関わります。

外壁塗装は「今日足りないから、来月届けばいい」という仕事ではありません。

塗料が足りなければ、そこで工程が止まります。

工程が止まれば、職人の段取りが変わり、足場の設置期間が延び、天候の良い日を逃し、お客様の生活への負担も長くなります。

特に外壁塗装は、雨、気温、湿度、風の影響を受ける工事です。

せっかく天候が安定している日に材料が届かなければ、次の作業に進めません。

また、足場がかかっている期間が長くなれば、洗濯物を外に干しにくい、窓を開けにくい、駐車スペースが使いにくいなど、お客様の日常生活にも影響します。

つまり、流通の安定性は、塗装店だけの都合ではありません。

お客様の暮らしをできるだけ乱さず、予定に近い形で工事を進めるためにも、とても大切な要素なのです。

もちろん、流通コストは工事価格に含まれます。

しかし、その中には、材料を確実に届けるための仕組み、急な変更に対応するための備え、色を正確に作るための技術、現場を止めないための対応力も含まれています。

安さだけを優先して、この部分を軽く見てしまうと、結果として工期の遅れや材料不足、色違い、仕様ミスといったリスクにつながることもあります。

外壁塗料の流通ルートは、一見すると複雑に見えるかもしれません。 しかし、その複雑さの中には、品質を守るための役割、現場を止めないための仕組み、お客様の住まいを予定通りに仕上げるための支えがあります。 だからこそ、外壁塗装では、塗料そのものの性能だけでなく、その塗料がどのように現場へ届き、どのように管理され、どのように施工されるのかまで考えることが大切です。

3. 塗料販売店は、外壁塗料流通におけるただの中間業者ではありません

塗料販売店は、単に塗料を右から左へ流しているだけの存在ではありません。

外壁塗装を検討されているお客様から見ると、塗料販売店は少し分かりにくい存在かもしれません。

見積書に直接「塗料販売店」という項目が出てくることはほとんどありませんし、実際の現場でも、お客様が塗料販売店の担当者と会う機会は多くありません。

そのため、「塗料メーカーから直接買えばよいのでは?」「間に入る会社がある分だけ高くなるのでは?」と思われる方もいらっしゃると思います。

たしかに、流通の途中に会社が入れば、そこには人件費、在庫管理費、配送費、調色費、店舗運営費などがかかります。

しかし、塗料販売店の役割は、単なる中間マージンだけで語れるものではありません。

現場の塗装店にとって、塗料販売店は「材料の相談役」であり、「調色の職人」であり、「急ぎの時の頼れる台所」のような存在です。

料理人にとって、信頼できる八百屋さんや魚屋さんがいると、旬の食材、状態の良い食材、料理に合う食材を相談できるように、塗装店にとっても、信頼できる塗料販売店がいることはとても大きな安心につながります。

外壁塗装では、塗料の名前だけを決めれば終わりではありません。

外壁材の種類、下地の傷み具合、既存塗膜の状態、塗り替える色、艶の有無、季節、気温、湿度、施工する部位によって、選ぶべき材料や注意点は変わります。

たとえば、同じ外壁塗装でも、窯業系サイディングボード、モルタル、ALC、金属サイディング、木部、コンクリートでは、相性の良い下塗り材や補修方法が違います。

また、外壁に使う塗料、屋根に使う塗料、雨樋や破風板に使う塗料、鉄部に使う錆止め、防水部分に使う材料は、それぞれ役割が異なります。

こうした材料の組み合わせを現場ごとに考える時、塗料販売店の知識や経験が役に立ちます。

たとえば、塗料販売店では次のような仕事をしています。

  • ■ 外壁色に合わせた調色
  • ■ 少量補修用の調色や追加調色
  • ■ 塗料、下塗り材、硬化剤、シンナーの組み合わせ確認
  • ■ サイディング、モルタル、金属、木部など下地に合う材料提案
  • ■ 塗料メーカーへの技術確認
  • ■ 現場への小口配送
  • ■ 刷毛、ローラー、養生材、防水材、シーリング材など関連資材の供給
  • ■ 塗装機器や工具、消耗品の相談
  • ■ 廃塗料や廃溶剤の処理に関する相談
  • ■ カラーシミュレーションや色見本に関する相談

特に大切なのが、調色です。

外壁塗装では、カタログに載っている標準色だけでなく、既存の外壁色に近づけたい場合や、付帯部とのバランスを整えたい場合など、現場ごとの細かな色合わせが必要になることがあります。

同じベージュでも、赤みのあるベージュ、黄みのあるベージュ、グレーを含んだ落ち着いたベージュでは、住まいの印象が大きく変わります。

同じグレーでも、青みが強いグレーはすっきり都会的に見え、ブラウンを含んだグレーはやわらかく上品に見えます。

外壁の色は、洋服やインテリアと同じで、ほんの少しの色味の違いで印象が変わります。

そして、その微妙な色を実際の塗料として作るためには、調色の技術が必要です。

塗料販売店では、メーカー標準色、日本塗料工業会の色番号、既存色に近い調色、現場補修用の少量調色など、さまざまな色づくりに対応することがあります。

外壁塗装の仕上がりを美しく整えるためには、塗装店の色彩提案だけでなく、塗料販売店の調色力も大切な裏方になります。

また、塗料販売店は、材料の納品面でも現場を支えています。

外壁塗装の現場では、天候や下地の状態によって、予定していた工程が変わることがあります。

たとえば、外壁の吸い込みが想定より強く、下塗り材が多く必要になることがあります。

高圧洗浄後に旧塗膜の傷みがはっきり分かり、予定していた材料よりも密着性を重視した下塗り材に変更した方がよいと判断することもあります。

また、補修箇所が増えたり、鉄部の錆が思ったより進んでいたり、付帯部の塗料が追加で必要になったりすることもあります。

このような時、近くに信頼できる塗料販売店があると、必要な材料を早く手配でき、現場の工程を大きく止めずに済むことがあります。

外壁塗装は、雨、気温、湿度、風の影響を受ける工事です。

晴れていて、気温も湿度も施工に適した日に、材料不足で作業が止まってしまうのは、とてももったいないことです。

工程が止まれば、足場の設置期間が延び、お客様の生活にも負担がかかります。

だからこそ、塗料販売店の在庫力や配送力は、外壁塗装の現場では非常に重要なのです。

さらに、塗料販売店は、塗装店と塗料メーカーをつなぐ相談窓口のような役割も持っています。

現場で判断に迷うことがあった時、塗装店が販売店に相談し、販売店から塗料メーカーへ確認してもらうことがあります。

たとえば、「この下地にこの下塗り材でよいか」「旧塗膜との相性は問題ないか」「この塗料に使う希釈材は何が適切か」「硬化剤の配合比はこの条件でよいか」といった確認です。

こうした確認を怠ると、密着不良、艶引け、乾燥不良、色むら、塗膜剥離などの不具合につながることがあります。

外壁塗装は、見た目をきれいにするだけの工事ではありません。

塗料と下地の相性、材料同士の組み合わせ、乾燥時間、塗布量など、基本を守ることで初めて、塗料本来の性能が発揮されます。

その基本を支えるうえでも、塗料販売店の知識やメーカーとの連携は大切です。

実際に、塗料販売店の中には、調色、少量調色、塗装機器レンタル、廃塗料・廃溶剤の引き取り、カラーシミュレーション提案などをサービスとして掲げている会社もあります。

また、昭和34年1月創業の塗料店である名古屋のナガヤ塗料は、塗料販売、調色、オリジナル商品の開発、インターネット通販を行っています。

このように、塗料販売店は、単に塗料を販売しているだけではありません。

現場で使う材料をそろえ、色を整え、納期を支え、技術的な確認をつなぎ、必要に応じて関連資材まで手配する、外壁塗装の裏方です。

お客様の目には見えにくい部分ですが、こうした裏方の支えがあるからこそ、塗装店は現場での作業に集中できます。

そして、結果として、色違い、材料不足、仕様ミス、納期遅れといったトラブルを減らすことにつながります。

もちろん、塗料販売店を通ることで流通コストは発生します。

しかし、そのコストの中には、単なる「中間マージン」ではなく、調色技術、在庫管理、配送体制、技術相談、現場対応力といった価値も含まれています。

外壁塗装では、安く仕入れることだけが正解ではありません。

必要な材料を、必要な品質で、必要なタイミングに現場へ届けること。

これもまた、良い塗装工事を支える大切な条件です。

つまり、塗料販売店は単なる「中間マージンの発生源」ではなく、現場品質を支える大切な裏方です。

外壁塗装の仕上がりは、塗る職人の技術だけでなく、材料を支える流通の力にも影響されます。色を作る人、材料をそろえる人、現場へ届ける人、技術確認をつなぐ人。そうした見えない仕事が積み重なることで、色違い、材料不足、仕様ミス、納期遅れといったトラブルを減らし、安心して任せられる外壁塗装につながっていくのです。

塗料商社の一般的な中間マージンとは?

外壁塗料の流通を考える時、「商社や販売店が間に入ると、その分だけ高くなるのでは?」と感じる方もいらっしゃると思います。

たしかに、塗料メーカーから塗装店へ直接届く場合と比べると、商社、代理店、塗料販売店などが間に入ることで、流通コストや中間マージンはいくらか発生します。

ただし、ここで大切なのは、塗料商社の中間マージンは、単なる「上乗せ利益」だけではないということです。

塗料商社や塗料販売店には、商品の仕入れ、在庫管理、配送、調色、与信管理、技術情報の提供、メーカーとの調整、急な材料手配など、現場を支える重要な役割があります。

そのため、塗料商社のマージンには、商品を右から左へ流すだけではなく、現場を止めないための機能費用も含まれていると考えると分かりやすいです。

塗料商社の中間マージンはどのくらい?

塗料商社の中間マージンは、公開されている統一的な数字があるわけではありません。

なぜなら、取扱量、メーカーとの契約条件、販売店の規模、地域性、商品ジャンル、配送条件、調色の有無、掛け売り条件などによって変わるからです。

そのうえで、一般的な卸売業の粗利率を見ると、卸売業は小売業に比べて粗利率が低く、売上総利益率は約11.8%という目安が示されています。

これは卸売業が大量取引を前提にしながら、比較的低い利益率で商品を流通させる業態であることを表しています。

塗料商社も基本的には卸売業に近い性格を持つため、一般的には「高い利益を大きく乗せる」というよりも、一定の粗利を確保しながら、物流、在庫、調色、技術対応を含めて商売を成り立たせていると考えられます。

取引形態 中間マージンの目安 考え方
大口取引・定番塗料 5〜10%前後 取扱量が多く、回転の早い商品はマージンが抑えられやすい
一般的な建築塗料 10〜20%前後 在庫、配送、掛け売り、調色、営業対応を含めた一般的な幅
小口注文・特殊色・少量調色 15〜30%前後 手間、ロス、調色作業、配送負担が増えるため高くなりやすい
特殊塗料・防水材・工業系材料 商品により大きく変動 技術対応、在庫リスク、メーカー条件によって差が出やすい

この数字は、あくまで業界構造から見た一般的な目安です。

実際には、塗料メーカーから一次商社、二次商社、地域販売店、塗装店へと流れる中で、それぞれの段階に少しずつマージンが乗る場合もあります。

反対に、取引量の多い塗装店やメーカーとの関係が強い販売店では、仕入れ条件がかなり良くなって、材料価格が抑えられることもあります。

中間マージンに含まれる主な費用

塗料商社のマージンには、次のような費用や役割が含まれています。

項目 内容 現場への影響
物流費 メーカー倉庫から販売店、販売店から現場への配送費 必要な材料を必要なタイミングで届けやすくなる
在庫管理費 定番塗料、下塗り材、シンナー、関連資材を保管する費用 急な材料不足に対応しやすい
調色費 色番号や現物見本に合わせて塗料を作る作業費 外壁色や補修色の精度を高めやすい
営業・事務費 見積り、受発注、納品書、請求書、掛け売り管理など 塗装店が現場管理に集中しやすい
与信管理 掛け取引のリスク管理 塗装店が材料を安定的に仕入れやすい
技術サポート 塗料メーカーへの確認、仕様相談、下地との相性確認 仕様ミスや材料選定ミスを減らしやすい
廃塗料・関連資材対応 廃塗料、廃溶剤、刷毛、ローラー、養生材などの相談 現場全体の段取りが整いやすい

つまり、塗料商社の中間マージンは、単に「間に入った分だけ高くなる費用」というよりも、外壁塗装の現場を安定させるための流通機能に対する費用といえます。

塗料商社のマージンが高くなりやすいケース

塗料商社や販売店のマージンは、すべての商品で同じ比率ではありません。

次のような場合は、価格が高くなりやすい傾向があります。

  • ■ 少量注文の場合
  • ■ 特殊色や細かな調色が必要な場合
  • ■ 現場への小口配送が多い場合
  • ■ 在庫回転の遅い特殊塗料を扱う場合
  • ■ 防水材や工業用塗料など、技術確認が必要な材料の場合
  • ■ メーカーからの仕入れ条件が厳しい商品の場合
  • ■ 急ぎの納品や分納が多い場合

たとえば、外壁塗装の現場で「あと少しだけ同じ色が足りない」という時、少量調色をして現場へ届けてもらうことがあります。

この場合、塗料そのものの量は少なくても、調色作業、容器、伝票処理、配送、人件費がかかります。

そのため、材料単価だけを見ると割高に感じることがあります。

しかし、その材料がすぐに届くことで、現場の工程が止まらず、足場期間の延長や職人の手待ちを防げる場合があります。

外壁塗装では、材料代だけでなく、工程全体のロスを減らすことも大切です。

塗料商社のマージンが抑えられやすいケース

一方で、次のような場合は、商社や販売店のマージンが抑えられやすい傾向があります。

  • ■ よく出る定番塗料を使う場合
  • ■ 取引量が多い塗装店が仕入れる場合
  • ■ メーカーキャンペーンや数量条件がある場合
  • ■ 同じ塗料をまとめて発注する場合
  • ■ 販売店が在庫を多く持っている商品を使う場合
  • ■ 調色や小口配送の手間が少ない場合

よく使われる定番塗料は、販売店側も在庫を持ちやすく、回転も早いため、比較的価格が安定しやすい傾向があります。

また、年間の取引量が多い塗装店は、販売店との価格交渉や仕入れ条件が良くなりやすく、結果として材料費を抑えられる場合があります。

ただし、安く仕入れられるからといって、その塗料がすべての建物に最適とは限りません。

外壁塗装では、価格だけでなく、下地との相性、耐候性、仕上がり、施工性、保証内容まで含めて選ぶことが大切です。

塗装店がお客様へ説明する時の考え方

お客様に説明する時は、「商社の中間マージンがあるから高い」という言い方ではなく、「流通には現場を支えるための機能が含まれている」と伝える方が誠実です。

もちろん、不要に高い流通コストは見直すべきです。

しかし、塗料販売店や商社の存在によって、材料が安定して届き、色合わせができ、急な追加にも対応でき、メーカーへの技術確認がしやすくなるというメリットもあります。

外壁塗装は、材料が一日遅れるだけでも工程に影響する仕事です。

足場、職人の段取り、天候、お客様の生活予定が関わるため、材料供給の安定性はとても重要です。

そのため、塗料商社の中間マージンは、単なる「余分な費用」ではなく、材料を安全に、正確に、必要なタイミングで現場へ届けるための費用でもあります。

塗料商社の一般的な中間マージンは、商品や取引条件によって大きく変わりますが、目安としては定番品で5〜10%前後、一般的な建築塗料で10〜20%前後、小口注文や特殊品では15〜30%前後になることがあります。大切なのは、マージンの有無だけを見るのではなく、その中に物流、在庫、調色、技術対応、現場対応という価値が含まれているかどうかを見極めることです。

4. 外壁塗料の流通経路 一般塗料メーカーとは?

ここでいう一般塗料メーカーとは、従来型の流通ルートを中心に展開している大手・中堅の塗料メーカーを指します。

もう少し分かりやすくいうと、塗料メーカーが製品を開発・製造し、その塗料が商社や代理店、塗料販売店を通じて、全国の塗装店や建築現場へ届けられる仕組みです。

外壁塗装の業界では、昔からこの流通形態が一般的に使われてきました。

たとえば、建築塗料の分野では、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研、ロックペイント、菊水化学工業、スズカファイン、水谷ペイントなどがよく知られています。

これらのメーカーは、住宅の外壁塗装や屋根塗装だけでなく、ビル、マンション、工場、店舗、公共施設、橋梁、鉄骨構造物など、さまざまな建築物や構造物に使われる塗料を扱っています。

つまり、一般塗料メーカーは、住宅塗装だけに特化したメーカーというよりも、建築塗料全体を広く支える総合的な塗料メーカーという位置づけです。

エスケー化研は、建築塗料・建築仕上塗材の総合メーカーとして、建築仕上塗材で国内シェアNo.1を誇っています。

また、関西ペイントは、建築用塗料だけでなく、自動車用塗料、工業用塗料、防食用塗料など、幅広い分野で事業を展開している総合塗料メーカーです。

一般塗料メーカーの大きな特徴は、製品数が多く、全国の塗料販売店を通じて広く流通している点です。

住宅用の外壁塗料だけを見ても、シリコン塗料、ラジカル制御型塗料、フッ素塗料、無機塗料、低汚染型塗料、遮熱塗料、弾性塗料、艶消し塗料など、さまざまな種類があります。

さらに屋根用塗料、鉄部用塗料、木部用塗料、防水材、錆止め、シーラー、フィラー、微弾性下塗り材、内装用塗料、床用塗料、工場用塗料、橋梁用塗料など、用途に応じた製品も豊富にそろっています。

外壁塗装の現場では、建物の状態が一軒一軒違います。

窯業系サイディングボードの住宅もあれば、モルタル外壁、ALC外壁、金属サイディング、木部が多い住宅、コンクリート造の建物もあります。

また、旧塗膜の状態、チョーキングの程度、ひび割れ、吸い込み、雨だれ、カビや藻の発生、シーリングの劣化など、劣化症状も建物によって異なります。

このように現場ごとの条件が違うため、塗装店としては、上塗り塗料だけでなく、下塗り材や補修材まで含めて、建物に合った材料を選ぶ必要があります。

一般塗料メーカーは、このような幅広い現場に対応できる製品群を持っていることが大きな強みです。

たとえば、同じ外壁塗装でも、下地の吸い込みが強い場合には浸透性の高いシーラーを使うことがあります。

細かなひび割れがあるモルタル外壁では、微弾性フィラーを使うことがあります。

金属部分には、錆止めや金属用の下塗り材が必要になります。

このように、現場ごとに材料を選び分けられることは、一般塗料メーカーの大きな安心材料です。

また、一般塗料メーカーの塗料は、全国の塗料販売店で取り扱われていることが多いため、材料の入手性にも優れています。

外壁塗装の現場では、思ったより材料が必要になったり、補修範囲が増えたり、追加で同じ色の塗料が必要になったりすることがあります。

そのような時に、地元の塗料販売店を通じて比較的早く材料を手配できることは、現場にとって大きなメリットです。

さらに一般塗料メーカーの製品は、カタログ、仕様書、設計価格表、施工要領書、色見本帳などが整っていることが多く、塗装店がお客様に説明しやすい点も特徴です。

どのような下地に使えるのか、標準塗布量はどのくらいか、乾燥時間はどれくらいか、どの下塗り材と組み合わせるのか、といった情報が確認しやすいため、施工仕様を組み立てやすくなります。

もちろん、一般塗料メーカーの塗料だからといって、すべての建物に自動的に合うわけではありません。

大切なのは、製品数が多い中から、その住まいの外壁材、劣化状態、周辺環境、予算、仕上がりの希望に合ったものを選ぶことです。

つまり、一般塗料メーカーの強みは「選択肢の広さ」にあります。

その一方で、選択肢が多いからこそ、塗装店側に材料を見極める知識と経験が求められます。

いわば、一般塗料メーカーは、塗料業界の「百貨店」のような存在です。

定番品から専門品まで品ぞろえが広く、さまざまな現場に対応しやすい反面、その中から本当に建物に合うものを選ぶには、現場を知る塗装店の判断力が欠かせません。

一般塗料メーカーの塗料は、長年の実績、幅広い製品群、全国的な流通網、技術資料の充実という点で大きな安心感があります。ただし、塗料の名前やメーカーの知名度だけで選ぶのではなく、その建物に合った仕様として組み立てられているかどうかが、外壁塗装ではとても大切です。

5. 外壁塗料の流通経路 直販塗料メーカーとは?

直販塗料メーカーとは、塗料販売店や問屋を通さず、塗装店へ直接塗料を販売する形態を取るメーカーのことです。

従来型の流通では、塗料メーカーが製造した塗料は、商社や代理店、塗料販売店を経由して、塗装店へ届けられるのが一般的です。

一方、直販型では、メーカーと塗装店が直接つながり、塗料の注文、情報提供、施工サポート、保証制度などをメーカー側が直接行う形になります。

代表的な例として、アステックペイントは、建築用塗料の研究開発・製造・販売を行い、公式情報で「直販体制」を特徴として掲げています。

直販型の仕組みでは、流通ルートはおおむね次のようになります。

一般的な流通 直販型の流通
塗料メーカー → 商社・代理店 → 塗料販売店 → 塗装店 → お客様 塗料メーカー → 塗装店 → お客様

この表の通り、直販型では、商社・代理店・塗料販売店といった中間流通を省く形になります。

そのため、メーカー側は、仲介業者を介さないことで中間マージンや管理費を削減し、その一部を原材料費や製品品質に反映できると説明しています。

また、アステックペイントは、ECサイトの活用による人件費削減や、シリーズ商品の展開による原材料費削減についても発表しています。

このように、直販型の塗料メーカーは、従来の塗料流通をよりシンプルにし、メーカーから塗装店へ直接情報と材料を届ける仕組みを持っています。

たとえるなら、直販型の塗料は「産地直送の野菜」のようなものです。

市場や仲卸を通さず、生産者から料理人へ直接届くことで、情報の流れが分かりやすくなり、商品に込められた考え方も伝わりやすくなります。

塗料の場合も同じで、メーカーがどのような意図でその塗料を開発したのか、どのような施工条件で性能を発揮するのか、どのような建物に向いているのかといった情報が、塗装店へ直接届きやすいという特徴があります。

また、直販型メーカーの中には、塗装店向けの研修、販促資料、保証制度、診断書作成システム、カラー提案ツールなどを用意しているところもあります。

そのため、住宅塗装の提案において、お客様へ分かりやすく説明しやすい仕組みが整っている場合があります。

一方で、直販型には注意点もあります。

まず、すべての塗装店が自由に扱えるわけではない場合があります。

メーカーによっては、登録店、加盟店、認定施工店などの制度を設けており、その条件を満たした塗装店だけが取扱いできる製品もあります。

これは、施工品質を一定に保つという意味ではメリットがあります。

しかし、お客様から見ると、相見積もりを取った時に、他社と同じ塗料名で比較しにくいという面もあります。

また、直販型では、地元の塗料販売店を通さない分、急な材料追加や少量調色、関連資材の細かな手配については、メーカーの配送体制や塗装店側の段取りに左右されやすい場合があります。

外壁塗装の現場では、天候や下地の状態によって、予定より材料が必要になることがあります。

そのため、直販塗料を使う場合には、塗装店が必要数量を正確に見込み、工程に合わせて早めに発注し、材料不足が起きないように管理することが重要です。

また、直販型の塗料は、メーカー独自の商品名やシリーズ構成になっていることも多いため、一般塗料メーカーの製品と単純に横並びで比較しにくい場合があります。

「同じシリコン塗料なのか」「ラジカル制御型なのか」「フッ素なのか」「無機なのか」「下塗り材は何を使うのか」「耐候性の根拠は何か」といった点を、塗装店が分かりやすく説明できることが大切です。

直販型は、従来の流通経路をシンプルにした仕組みです。

間に入る会社が少ない分、価格や情報の流れが分かりやすくなる一方で、対応できる範囲や仕組みにはメーカーごとの差が出やすくなります。

そのため、直販塗料を選ぶ場合には、単に「メーカーから直接だから安心」「中間マージンがないから安い」と判断するのではなく、塗料の性能、施工基準、保証内容、塗装店の理解度、現場対応力まで含めて見ることが大切です。

直販塗料メーカーは、産地直送のようにメーカーの考え方が塗装店へ届きやすい仕組みです。ただし、外壁塗装では、塗料の仕入れ方だけで品質が決まるわけではありません。その塗料が住まいに合っているか、塗装店が正しく扱えるか、現場で基本に忠実な施工ができるか。そこまで含めて判断することが、後悔しない塗料選びにつながります。

6. 外壁塗料の流通 一般塗料メーカーと直販塗料メーカーの違い

一般塗料メーカーと直販塗料メーカーの違いを、分かりやすく表にまとめると次のようになります。

比較項目 一般塗料メーカー 直販塗料メーカー
流通経路 商社・販売店を通じて流通 メーカーから塗装店へ直接販売
取扱いやすさ 多くの塗料販売店で入手しやすい 登録店・取扱店などに限定される場合がある
製品数 下塗り材、上塗り材、特殊材まで幅広い 住宅塗装向けに分かりやすく整理されていることが多い
調色対応 販売店の調色力を活用しやすい メーカー指定色や専用システム中心になる場合がある
価格構造 流通コストが価格に含まれる 中間流通を省くことで価格を抑える考え方
技術相談 販売店経由またはメーカーへ確認 メーカーと塗装店が直接つながりやすい
緊急対応 地元販売店の在庫や配送に強い メーカー在庫・配送体制に左右される
信頼性の見方 長年の実績、汎用性、公共・大型物件の採用実績など 施工店ネットワーク、専用保証、営業支援、製品コンセプトなど

どちらが絶対に良い、悪いという話ではありません。

一般塗料メーカーには、長年の実績、幅広い製品群、販売店ネットワーク、現場対応力があります。

一方で直販塗料メーカーには、流通の分かりやすさ、メーカーと施工店の距離の近さ、住宅塗装向けに整理された提案力があります。

大切なのは、お客様の住まいに対して「どちらの仕組みが合っているか」を冷静に見極めることです。

7. 外壁塗料の流通 直販塗料のメリット

直販塗料には、次のようなメリットがあります。

1. 流通コストを抑えやすい

直販型は、商社や販売店を介さないため、流通段階が少なくなります。

そのため、メーカー側が中間コストを抑え、その分を価格や原材料、販促物、施工店サポートに回しやすいという特徴があります。

ただし、ここで注意したいのは、「直販だから必ず安い」とは限りません。 なぜなら、開発費、広告費、保証制度、研修制度、営業支援費なども価格に含まれるからで、単純な材料代だけで比較するのは危険です。

2. メーカーの考え方が塗装店に伝わりやすい

直販型では、メーカーと塗装店が直接つながるため、製品コンセプトや施工上の注意点が伝わりやすい傾向があります。

塗料は、ただ塗れば性能が出るものではありません。

塗布量、希釈率、乾燥時間、下塗り材の選定、下地との相性を守って初めて、本来の性能に近づきます。

どれだけ高級な食材でも、火加減を間違えれば台無しになるのと同じです。塗料も「材料」と「扱い方」がそろって、ようやく良い仕上がりになります。

3. 住宅塗装向けの説明資料が分かりやすいことが多い

直販塗料メーカーは、塗装店の営業支援や提案資料づくりに力を入れているケースがあります。

そのため、お客様向けに分かりやすいカタログ、診断資料、保証説明、色選び資料などが整っていることもあります。

外壁塗装が初めてのお客様にとって、「何がどう違うのか」が分かりやすい資料は安心材料になります。

8. 直販塗料の注意点

一方で、直販塗料にも注意点があります。

1. どの塗装店でも扱えるとは限りません

直販型や認定施工店制度のある塗料は、すべての塗装店が自由に仕入れられるわけではありません。

塗料メーカーによっては、認定施工店や登録店だけが扱える製品もあります。認定施工店制度については、メーカーの審査や研修、講習を受けた施工店が認定される仕組みとして説明されています。

これは品質管理の面ではメリットですが、お客様から見ると「相見積もりで同じ塗料を比較しにくい」という面もあります。

2. 地元販売店のような即日対応が難しい場合があります

一般流通では、地元の塗料販売店が在庫を持っているため、急な材料不足にも対応しやすい場合があります。

一方、直販型ではメーカー倉庫からの出荷になることもあり、配送日数や注文締切の影響を受けることがあります。

外壁塗装の現場では、天候や下地の状態によって急に材料が必要になることもあります。

そのため、直販塗料を使う場合は、塗装店側が工程管理と材料発注をしっかり行うことが大切です。

3. 「オリジナル塗料」との見分けが必要です

直販塗料と、塗装会社独自の「オリジナル塗料」は、似ているようで別物です。

直販塗料メーカーは、自社で製品開発や販売体制を持つメーカーです。

一方、オリジナル塗料の中には、既存メーカーのOEM品に独自名称を付けて販売しているものもあります。

もちろん、すべてのオリジナル塗料が悪いわけではありません。

しかし、お客様が判断するには、次の点を確認した方が安心です。

  • ■ 製造メーカー名が明記されているか
  • ■ カタログや仕様書があるか
  • ■ 期待耐用年数の根拠があるか
  • ■ 下塗り材との組み合わせが明確か
  • ■ 保証内容が現実的か
  • ■ 極端に長い耐久年数を強調していないか

「この塗料は当社だけです」「他社では扱えない特別な塗料です」という言葉だけで判断するのではなく、その塗料がどこで製造され、どのような性能根拠があり、どの建物に適しているのかまで確認することが大切です。

外壁塗装における OEM塗料・ODM塗料とは?

外壁塗装の見積書や提案書を見ていると、聞き慣れない塗料名が出てくることがあります。

日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研、ロックペイント、菊水化学工業、水谷ペイントなど、大手塗料メーカーのカタログには載っていない塗料名です。

また、塗装会社や販売会社の独自ブランド名が付いた塗料として提案されることもあります。

たとえば、「当社オリジナル塗料」「自社専用塗料」「加盟店専用塗料」「地域限定塗料」「高耐久オリジナル塗料」といった表現で紹介されるケースです。

こうした塗料の中には、いわゆる「OEM塗料」や「ODM塗料」と呼ばれるものがあります。

OEMやODMという言葉は、塗料業界だけで使われている専門用語ではありません。

もともとは、家電、化粧品、アパレル、食品、雑貨、自動車部品など、さまざまな業界で使われている製造形態のことです。

たとえば、スーパーのプライベートブランド商品、ドラッグストアの独自化粧品、アパレルショップのオリジナル商品なども、実際には別のメーカーが製造していることがあります。

パッケージやブランド名は販売会社の名前でも、中身を作っているのは専門の製造会社というケースです。

塗料業界でも同じように、販売会社や塗装会社のブランド名で塗料が販売されていても、実際には別の塗料メーカーが製造している場合があります。

また、販売会社の要望に合わせて、製造メーカーが塗料の設計や仕様づくりから関わる場合もあります。

このような仕組みが、外壁塗装におけるOEM塗料やODM塗料です。

ここで大切なのは、OEM塗料やODM塗料そのものが良い・悪いという話ではないことです。

きちんとした塗料メーカーが製造し、仕様書や施工基準が明確で、性能試験や耐候性の根拠が確認できる塗料であれば、OEM塗料やODM塗料であっても、外壁塗装の選択肢になることはあります。

一方で、製造元が分からない、性能根拠が曖昧、施工仕様が不明確、保証内容が分かりにくい場合は注意が必要です。

外壁塗装は、塗料の名前だけで品質が決まる工事ではありません。

どこのメーカーが作っているのか、どのような外壁材に適しているのか、どの下塗り材と組み合わせるのか、どれくらいの塗布量で施工するのか、どのような条件で保証されるのか。

そうした中身の説明があって、初めて安心して選べる塗料になります。

つまり、OEM塗料やODM塗料で大切なのは、名前の珍しさや「自社専用」という響きではありません。その塗料の中身、製造元、性能根拠、施工仕様、保証内容がきちんと説明されているかどうかです。

OEM塗料とは?

OEMとは、「Original Equipment Manufacturer」の略です。

簡単にいうと、他社ブランドの製品を実際には別のメーカーが製造する仕組みのことです。

外壁塗装におけるOEM塗料の場合、塗装会社や販売会社が独自の商品名を付けて販売していても、実際の製造は塗料メーカーが行っていることがあります。

つまり、商品名や販売ブランドは塗装会社・販売会社側のものであっても、塗料そのものは専門の塗料メーカーが作っているという形です。

イメージとしては、スーパーのプライベートブランド商品に近いものです。

パッケージにはスーパー独自の名前が付いていても、実際には食品メーカーや製造工場が作っている商品があります。

それと同じように、塗料にも「販売する会社のブランド名」と「実際に製造する会社」が別になっているケースがあります。

OEM塗料には、いくつかのパターンがあります。

ひとつは、既存の塗料メーカーの製品をベースにして、商品名やラベルを販売会社用に変えているケースです。

もうひとつは、既存製品をもとにしながら、色、艶、容量、販売方法、保証制度などを販売会社向けに調整しているケースです。

また、販売会社専用の商品として、一般流通品とは少し違う仕様で製造される場合もあります。

ただし、外から見ただけでは、それがどの程度独自仕様なのか、既存製品と何が違うのかは分かりにくいことがあります。

そのため、お客様にとっては、販売名だけではなく「実際にどこのメーカーが製造しているのか」「一般流通品と何が違うのか」「仕様書や施工基準があるのか」を確認することが大切です。

項目 OEM塗料の考え方
商品名 塗装会社・販売会社・専用ブランド名で販売されることがある
製造 実際には塗料メーカーが製造している場合が多い
中身 既存製品をベースにしている場合もあれば、仕様を一部変えている場合もある
特徴 販売会社独自の商品として提案しやすい
メリット ブランド化しやすく、保証制度や提案資料と組み合わせやすい
注意点 製造元や性能根拠、一般流通品との違いが分かりにくい場合がある

OEM塗料は、きちんとしたメーカーが製造し、仕様書や施工基準が明確であれば、品質面で問題があるとは限りません。

むしろ、販売会社や施工店が住宅塗装向けに分かりやすく商品構成を整え、お客様へ提案しやすくしている場合もあります。

一方で、「自社専用」「他社では扱えない」という表現だけが強調され、製造元や性能根拠が説明されない場合は注意が必要です。

外壁塗装では、塗料名が立派でも、下地に合っていなかったり、下塗り材の選定が不適切だったり、塗布量や乾燥時間が守られていなければ、本来の性能は発揮されません。

OEM塗料を見る時は、「オリジナルだから良い」「専用塗料だから高性能」とすぐに判断するのではなく、製造元、仕様書、施工基準、一般流通品との違いまで確認することが安心につながります。

ODM塗料とは?

ODMとは、「Original Design Manufacturer」の略です。

OEMが「他社ブランドの製品を製造する仕組み」だとすれば、ODMは製品の設計や開発段階から製造メーカー側が関わる仕組みです。

外壁塗装におけるODM塗料では、販売会社や塗装会社の希望に合わせて、製造メーカーが塗料の性能設計、樹脂の選定、機能の組み合わせ、製品仕様の開発に関わることがあります。

つまり、単に既存の塗料に別の名前を付けるだけではなく、「どのような性能を持たせるか」「どの価格帯で販売するか」「どのような住宅に提案しやすくするか」といった部分から設計される場合があります。

たとえば、次のような考え方です。

  • ■ 汚れにくさを重視した外壁塗料にしたい
  • ■ 遮熱性を持たせた屋根塗料にしたい
  • ■ 無機成分を配合した高耐候型にしたい
  • ■ ラジカル制御技術を組み込んだ住宅向け塗料にしたい
  • ■ 艶あり・3分艶・艶消しなど、意匠性に対応しやすくしたい
  • ■ 特定の価格帯で提案しやすい仕様にしたい
  • ■ 住宅塗装向けに分かりやすいグレード構成にしたい
  • ■ 保証制度や診断資料と組み合わせやすい商品にしたい

このような要望に対して、製造メーカーが設計や配合の段階から関わり、販売会社のブランド名で展開される塗料がODM塗料です。

ODM塗料は、企画段階から商品づくりに関わるため、OEM塗料よりも独自性が出やすい傾向があります。

たとえば、耐候性、低汚染性、防カビ・防藻性、遮熱性、柔軟性、艶感、作業性など、特定の性能を前面に出した商品設計がされることがあります。

また、住宅塗装の営業現場で説明しやすいように、グレード名や保証年数、カタログの見せ方まで含めて設計されている場合もあります。

そのため、お客様にとっては、商品説明が分かりやすく感じられることもあります。

一方で、ODM塗料は開発過程が外から見えにくいことがあります。

販売会社のブランド名で展開されるため、どのメーカーが設計・製造に関わっているのか、どのような試験データに基づいているのか、一般流通品と何が違うのかが分かりにくい場合があります。

項目 ODM塗料の考え方
商品設計 製造メーカーが設計・開発に深く関わる
販売名 販売会社や塗装会社のブランド名で展開されることがある
特徴 独自性のある性能やコンセプトを打ち出しやすい
メリット 住宅塗装向けに分かりやすい商品設計がしやすい
確認したい点 設計意図、性能試験、耐候性の根拠、施工仕様
注意点 開発過程や一般流通品との違いが外から見えにくい場合がある

ODM塗料は、きちんと開発されていれば魅力的な塗料になる可能性があります。

販売会社や施工店の考え方が反映され、住宅塗装に合わせた分かりやすい商品として設計されている場合もあるからです。

しかし、その一方で、外からは開発過程が見えにくいため、カタログの言葉だけで判断するのは避けた方が安心です。

「高耐久」「超低汚染」「長期保証」「最高級」といった言葉は魅力的ですが、それだけでは塗料の実力は分かりません。

どのような試験データがあるのか、どの外壁材に適しているのか、どの下塗り材と組み合わせるのか、標準塗布量はどれくらいなのか、保証の対象はどこまでなのか。

こうした点まで確認することで、ODM塗料をより正しく判断できます。

ODM塗料は、設計から関わって作られる分、独自性や提案力を持たせやすい塗料です。ただし、その魅力を正しく判断するためには、商品名や宣伝文句だけでなく、試験データ、施工仕様、製造背景、保証内容まで確認することが大切です。

OEM塗料とODM塗料の違いとは?

OEM塗料とODM塗料は、どちらも販売会社や塗装会社のブランド名で展開されることがあるため、一般のお客様には違いが分かりにくいかもしれません。

どちらも「大手塗料メーカーのカタログには載っていない塗料名」として見えることがあり、見積書だけでは判断しにくい場合があります。

しかし、考え方には大きな違いがあります。

OEM塗料は、簡単にいうと「誰の名前で売るか」に特徴があります。

実際の製造は別のメーカーが行い、販売会社や塗装会社のブランド名で販売される仕組みです。

一方、ODM塗料は「どのように設計されたか」に特徴があります。

販売会社の要望に合わせて、製造メーカーが設計や開発段階から関わり、性能や仕様を組み立てる仕組みです。

OEM塗料とODM塗料の違いを、分かりやすくまとめると次のようになります。

比較項目 OEM塗料 ODM塗料
基本の考え方 他社ブランド名で製造する塗料 設計・開発から関わって作られる塗料
製品開発 既存製品をベースにすることもある 要望に合わせて設計されることがある
独自性 商品名や販売方法に独自性が出やすい 性能や仕様に独自性が出やすい
製造元 別の塗料メーカーが製造することが多い 開発・製造を担当するメーカーが存在する
お客様が確認したい点 製造元、仕様書、既存製品との違い 性能根拠、試験データ、施工基準、設計意図
メリット 独自ブランドとして提案しやすい 住宅塗装向けに性能や商品構成を設計しやすい
注意点 「自社専用」という言葉だけでは中身が分かりにくい 独自性を強調しすぎると他社製品と比較しにくい

簡単にいうと、OEM塗料は「販売するブランド名」と「製造するメーカー」が分かれている塗料です。

ODM塗料は、それに加えて、製品の設計や開発段階から製造メーカーが関わっている塗料です。

ただし、実際の塗料業界では、OEMとODMの境界がはっきり分かれていないケースもあります。

既存製品をベースに少し仕様を変えたものもあれば、販売会社向けに独自設計されたものもあります。

また、販売側が「オリジナル塗料」と表現していても、その中身がOEMなのか、ODMなのか、単なるラベル変更なのか、お客様側からは判断しにくい場合があります。

そのため、専門用語の違いだけを覚えるよりも、実際には次の点を見ることが大切です。

  • ■ 製造メーカーや供給元が明確か
  • ■ 仕様書や施工要領書があるか
  • ■ 一般流通品との違いを説明できるか
  • ■ 性能試験や耐候性の根拠があるか
  • ■ 下塗り材との組み合わせが明確か
  • ■ 保証内容と保証対象が分かりやすいか
  • ■ 塗装店がその塗料を正しく理解しているか

外壁塗装では、塗料の名前や販売形態よりも、その建物に合っているかどうかが重要です。

OEM塗料でも、ODM塗料でも、一般流通塗料でも、建物に合った仕様で正しく施工されれば、良い仕上がりにつながります。

反対に、どれだけ高性能をうたう塗料でも、下地に合わなかったり、塗布量や乾燥時間が守られなかったりすれば、不具合の原因になります。

そのため、お客様側は「OEMかODMか」という専門用語だけにとらわれる必要はありません。大切なのは、塗料の中身が分かりやすく説明されているか、性能の根拠があるか、施工仕様が明確か、そしてその塗装店が責任を持って扱える塗料なのかという点です。

外壁塗装でOEM塗料やODM塗料が使われる理由

外壁塗装でOEM塗料やODM塗料が使われる背景には、いくつかの理由があります。

  • ■ 他社と価格比較されにくい商品を持ちたい
  • ■ 自社ブランドとして提案しやすくしたい
  • ■ 塗料の特徴を分かりやすく整理したい
  • ■ 塗装会社専用の保証制度と組み合わせたい
  • ■ 販売会社や加盟店向けの専用商品として展開したい
  • ■ 一般流通品との差別化を図りたい

特に外壁塗装は、相見積もりが多い業界です。

同じ大手メーカーの同じ塗料名で見積もりを出すと、どうしても価格だけで比較されやすくなります。

そのため、塗装会社や販売会社によっては、独自ブランドの塗料を使い、「他社とは違う提案」として見せることがあります。

これは営業戦略としては自然なことです。ただし、お客様にとっては比較が難しくなるため、塗装店側にはより丁寧な説明責任が求められます。

OEM塗料・ODM塗料のメリット

OEM塗料やODM塗料には、次のようなメリットがあります。

メリット 内容
独自性を出しやすい 塗装会社や販売会社のブランドとして提案しやすい
商品構成を分かりやすくできる シリコン、ラジカル、フッ素、無機などを整理して説明しやすい
保証制度と組み合わせやすい 専用塗料として施工基準や保証をセットにしやすい
価格設計がしやすい 販売会社の方針に合わせた価格帯を作りやすい
特定の性能を打ち出しやすい 低汚染性、遮熱性、耐候性、防カビ性などを前面に出しやすい

特にODM塗料の場合、住宅塗装の営業現場に合わせて商品設計されていることもあり、お客様にとって分かりやすい資料や保証制度が整っている場合があります。

きちんと作られたOEM塗料・ODM塗料であれば、決して悪いものではありません。 むしろ、販売会社や施工店の考え方が明確に反映された、分かりやすい商品になることもあります。

OEM塗料やODM塗料の注意点

一方で、OEM塗料やODM塗料には注意したい点もあります。

特に気を付けたいのは、次のようなケースです。

  • ■ 製造メーカー名が分からない
  • ■ 一般流通品との違いが説明されない
  • ■ 期待耐用年数だけが大きく強調されている
  • ■ 試験データや仕様書が確認できない
  • ■ 下塗り材との組み合わせが曖昧
  • ■ 保証内容の対象範囲が分かりにくい
  • ■ 「当社だけの最高級塗料」といった表現が先行している
  • ■ 他社では扱えないため、相見積もりで比較しにくい

外壁塗装では、塗料名が立派でも、下地処理や塗布量、乾燥時間が守られていなければ、本来の性能は発揮されません。

また、OEM塗料やODM塗料は独自名称で販売されることが多いため、お客様がインターネットで調べても情報が少ない場合があります。

情報が少ないこと自体が悪いわけではありませんが、だからこそ、提案する塗装店が中身を分かりやすく説明できるかどうかが重要になります。

「オリジナル塗料」という言葉には注意が必要です

外壁塗装の営業では、「当社オリジナル塗料です」「この地域では当社だけです」「一般には出回っていない高級塗料です」と説明されることがあります。

もちろん、本当にしっかり開発された専用塗料であれば問題ありません。

ただし、オリジナル塗料という言葉は、とても幅が広い表現です。

中には、既存塗料のラベルを変えたもの、OEMで製造されたもの、販売会社専用に名前を付けたもの、ODMで独自設計されたものなど、さまざまなケースがあります。

そのため、お客様には次のように確認してもらうと安心です。

確認したいこと 理由
製造メーカーはどこですか? 実際に塗料を作っている会社を確認するため
カタログや仕様書はありますか? 施工基準や性能を確認するため
一般流通品との違いは何ですか? 独自性の中身を確認するため
下塗り材は何を使いますか? 外壁材との相性を確認するため
期待耐用年数の根拠はありますか? 過度な宣伝ではないか確認するため
保証は誰が、何を、何年保証しますか? 保証の実効性を確認するため

「オリジナル」という言葉は、料理でいう隠し味のようなもので、うまく使えば魅力になりますが、中身が分からないまま出されると少し不安になるかと思います。 塗料も全く同じで、きちんと説明されてこそ安心につながります。

OEM塗料・ODM塗料は悪い塗料なのか?

結論からいうと、OEM塗料やODM塗料だから悪い、ということはありません。

むしろ、食品、化粧品、家電、衣料品など、多くの業界でOEMやODMは一般的に使われている仕組みです。

外壁塗装の塗料でも、信頼できるメーカーが製造し、きちんとした仕様書があり、施工基準が明確で、塗装店が内容を理解していれば、十分に選択肢になります。

ここで問題なのは、OEMやODMという仕組みそのものではありません。

問題は、業者が行う次のような提案です。

  • ■ 中身を説明しないまま高性能だけを強調する
  • ■ 製造元を明かさない
  • ■ 他社と比較できないことを利用して高額にする
  • ■ 耐用年数を過剰に長く見せる
  • ■ 保証の範囲を曖昧にする
  • ■ 下地処理や施工品質の説明をせず、塗料名だけで押し切る

塗装店として誠実なのは、「この塗料はこういう成り立ちで、こういう性能があり、この建物にはこういう理由で合っています」と説明できることです。

OEM塗料・ODM塗料を見るときの判断基準

お客様がOEM塗料やODM塗料を提案された場合、次の点を確認すると安心です。

判断基準 安心できる説明 注意したい説明
製造元 製造メーカーや供給元を説明できる 「企業秘密です」とだけ言われる
性能根拠 試験データ、仕様書、カタログがある 「とにかく長持ちします」だけ
施工仕様 下塗り材、塗回数、塗布量が明確 塗料名だけで施工内容が曖昧
比較説明 一般塗料との違いを公正に説明する 他社塗料を一方的に悪く言う
保証 保証対象と免責事項を説明する 年数だけを大きく見せる
価格 材料費・施工内容・管理費の考え方が明確 相場より高い理由が分からない

特に大切なのは、塗料の名前よりも「その塗料をなぜ自分の家にすすめるのか」です。 ここを丁寧に説明できる塗装店は、塗料そのものだけでなく、施工にも責任を持っている可能性が高いです。

外壁塗装では「塗料名」より「仕様」が大切です

OEM塗料、ODM塗料、一般流通塗料、直販塗料、塗料にはさまざまな販売形態があります。

しかし、外壁塗装で最終的に大切なのは、塗料名だけではありません。

重要なのは、次のような施工仕様です。

  • ■ 高圧洗浄を適切に行うこと
  • ■ 劣化したシーリングを適切に補修すること
  • ■ 外壁材に合った下塗り材を選ぶこと
  • ■ メーカー基準の塗布量を守ること
  • ■ 乾燥時間を守ること
  • ■ 薄めすぎないこと
  • ■ 天候や気温、湿度を確認して施工すること
  • ■ 付帯部や細部まで丁寧に仕上げること

どれほど良い塗料でも、施工が雑であれば長持ちしません。

反対に、建物に合った塗料を正しく選び、基本に忠実に施工すれば、住まいは美しく、しっかり守られます。

外壁塗装は、塗料という「素材」と、職人の「手仕事」がうまく合わさって完成する工事です。 ワインのラベルだけで味が決まらないように、塗料も名前だけでは本当の価値は分かりません。

小林塗装としての考え方

小林塗装では、塗料の名前やブランドだけで判断するのではなく、建物の状態、外壁材の種類、劣化症状、周辺環境、お客様の希望をしっかり確認したうえで、塗料を選ぶことが大切だと考えています。

OEM塗料やODM塗料であっても、一般塗料メーカーの塗料であっても、直販塗料であっても、重要なのは「その住まいに合っているか」です。

また、塗装工事では、塗料の性能だけでなく、下地処理、補修、養生、塗布量、乾燥時間、職人の丁寧な作業が仕上がりを大きく左右します。

だからこそ、塗料の説明では、良い部分だけでなく、注意点も含めて正直にお伝えすることを大切にしています。

お客様にとって分かりにくい塗料の世界だからこそ、専門店として、きちんと噛み砕いて説明することであり、それが地域の塗装店としての大切な役割だと考えています。

9. 外壁塗装の塗料選びで本当に大切なのは「流通形態」だけではありません

一般塗料メーカーか、直販塗料メーカーか?

この違いは確かに大切です。

しかし、外壁塗装で本当に重要なのは、流通形態だけではありません。

もっと大切なのは、次のような視点です。

  • ■ 住まいの外壁材に合っているか
  • ■ 下地の劣化状態に合っているか
  • ■ 下塗り材の選定が適切か
  • ■ 塗布量と乾燥時間を守れる仕様か
  • ■ シーリング材や防水部分との相性は良いか
  • ■ 地域の気候に合っているか
  • ■ 色あせ、汚れ、艶感まで考えて提案されているか
  • ■ 施工後の点検やアフター対応があるか

どれほど有名な塗料でも、下地に合っていなければ不具合の原因になります。

どれほど高性能な塗料でも、塗布量が足りなければ本来の耐久性は発揮されません。

逆に価格だけを見て塗料を選ぶと、数年後に色あせ、剥がれ、膨れ、チョーキング、シーリングの早期劣化といった後悔につながることがあります。

外壁塗装は、洋服選びに少し似ており、高級ブランドだから必ず似合うわけではなく、安いから悪いとも限りません。 大切なのは、素材、体型、季節、着る場面に合っていることであって、住まいも同じでその家に合った塗料選びが一番大切です。

10. まとめ|塗料の価値は、缶の中身と施工の両方で決まります

外壁塗料の流通には、大きく分けて、商社や塗料販売店を通じる一般的な流通と、メーカーが塗装店へ直接販売する直販型の流通があります。

一般塗料メーカーには、製品の幅広さ、長年の実績、販売店ネットワーク、現場対応力という強みがあります。

直販塗料メーカーには、流通のシンプルさ、メーカーと塗装店の距離の近さ、住宅塗装向けの分かりやすい提案力という強みがあります。

どちらにもメリットがあり、どちらにも注意点があります。

だからこそ、お客様には「メーカー名」や「塗料名」だけで判断するのではなく、次のように確認してもらいたいと思います。

  • ■ なぜこの塗料を提案するのか
  • ■ 自分の家の外壁材に合っているのか
  • ■ 下塗り材は何を使うのか
  • ■ 塗布量や乾燥時間は守られるのか
  • ■ 保証内容は現実的か
  • ■ 施工店がその塗料をきちんと理解しているか

外壁塗装は、塗料の名前だけで決まる工事ではありません。

塗料の品質、流通の安定性、施工店の知識、現場での丁寧な作業です。 そのすべてが重なって、初めて長持ちする美しい外壁になります。

小林塗装では、塗料の名前だけに頼るのではなく、建物の状態、外壁材の種類、劣化症状、周辺環境、色の見え方まで確認したうえで、住まいに合った塗装仕様を提案しています。 外壁塗装の塗料選びで迷われている方は、どうぞお気軽に相談ください。

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外壁塗料の流通に関するよくある質問

Q. 直販塗料の方が必ず安いのですか?

必ず安いとは限りません。

直販塗料は、商社や販売店を通さない分、流通コストを抑えやすい仕組みになっています。 ただし、塗料価格には、研究開発費、広告費、保証制度、施工店サポート、配送費なども含まれます。

そのため、単純に「直販だから安い」「一般流通だから高い」と判断するのではなく、塗料の性能、施工仕様、保証内容、総額のバランスで見ることが大切です。

Q. 一般塗料メーカーの塗料は、古い考え方なのですか?

いいえ、そうではありません。

一般塗料メーカーは、長年の実績、幅広い製品ラインナップ、販売店ネットワーク、技術資料の蓄積など、大きな強みがあります。

特に、外壁材や下地の状態が特殊な場合、下塗り材や補修材まで幅広く選べる一般塗料メーカーの安心感は大きいです。

Q. 塗料販売店を通すと、その分だけ損なのですか?

一概に損とは言えません。

塗料販売店は、調色、在庫管理、現場納品、技術相談、関連資材の供給など、現場を支える役割を持っています。

見えない部分ではありますが、塗装工事をスムーズに進めるための大切な存在です。特に、急な材料追加や色の確認が必要な時には、地元販売店の対応力が現場を助けてくれます。

Q. お客様は塗料の流通まで気にした方が良いですか?

細かな流通経路まで覚える必要はありません。

ただし、「なぜその塗料をすすめるのか」「どんな根拠があるのか」「保証は誰がどこまで見るのか」は確認しておくと安心です。

塗料の名前よりも、提案理由をきちんと説明してくれる塗装店かどうかを見ることが大切です。

Q. 結局、どの塗料メーカーを選べば良いですか?

住まいの状態によって最適な塗料は変わります。

有名メーカー、直販メーカー、無機塗料、ラジカル制御塗料など、選択肢はたくさんありますが、大切なのは「その建物に合っているか」です。

外壁材、劣化状態、日当たり、雨の当たり方、色の希望、予算、今後のメンテナンス計画まで含めて選ぶことで、後悔の少ない外壁塗装につながります。

外壁塗料の流通の仕組み コラム筆者 小林塗装 店主 小林ゆず

コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず

小林塗装の店主 小林ゆずは、コラム「外壁塗料の流通の仕組みとは?一般塗料メーカー・直販塗料メーカー・OEM塗料・ODM塗料の違いを解説」の筆者です。名古屋を拠点に「塗装工事の専門店」として、外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事・内装塗装など、これまで数多くの現場に携わってきました。

30年以上に亘る現場経験の中で大切にしてきたのは、ただ塗料の名前やグレードだけで工事を判断することではありません。
建物の状態を見極め、下地に合う材料を選び、塗料の性能を正しく生かしながら、お客様の住まいにとって本当に必要な塗装仕様を考えることです。

外壁塗装では、「シリコン」「ラジカル制御」「フッ素」「無機」といった塗料グレードに注目されることが多いですが、実はその塗料がどのような流通経路で現場に届くのかも大切な視点です。

塗料は、原料メーカー、塗料メーカー、商社、代理店、塗料販売店、そして塗装店という流れを通じて現場に届きます。
その過程には、原料調達、製品開発、品質管理、在庫管理、調色、配送、技術相談、現場対応など、普段お客様の目には見えにくい仕事が数多く関わっています。

また近年は、従来の一般塗料メーカーだけでなく、塗装店へ直接販売する直販塗料メーカーや、販売会社独自のブランド名で展開されるOEM塗料・ODM塗料など、塗料の流通や販売の仕組みも多様化しています。

こうした仕組みは、決して良い・悪いで簡単に分けられるものではありません。
一般塗料メーカーには、長年の実績、幅広い製品群、全国的な流通網、技術資料の充実という強みがあります。直販塗料メーカーには、メーカーの考え方が塗装店へ直接届きやすく、住宅塗装向けに分かりやすい提案がしやすいという良さがあります。

一方で、OEM塗料やODM塗料、いわゆる「オリジナル塗料」については、製造元、性能根拠、施工仕様、保証内容が分かりにくい場合もあります。

「この塗料は当社だけです」「他社では扱えない特別な塗料です」という言葉だけで判断するのではなく、どこのメーカーが製造しているのか、どの外壁材に合うのか、どの下塗り材と組み合わせるのか、どのような保証内容なのかを確認することが大切です。

塗装工事は、塗料の名前だけで品質が決まるものではありません。
どれほど高性能な塗料でも、下地処理が不十分であったり、塗布量や乾燥時間が守られていなかったりすれば、本来の耐久性は発揮されません。

反対に建物の状態に合った塗料を選び、正しい流通と管理のもとで材料を用意し、基本に忠実な施工を行えば、住まいを美しく長く守ることにつながります。

小林塗装では、塗料メーカー名やカタログ上のグレードだけでなく、外壁材の種類、劣化症状、下地との相性、周辺環境、色の見え方、今後のメンテナンス計画まで考えながら、塗装仕様をご提案することを大切にしています。

また、見積りや塗料選びでは、できるだけ分かりやすく、正直にご説明することを心掛けています。
「なぜこの塗料なのか」「なぜこの下塗り材が必要なのか」「なぜこの価格になるのか」を丁寧にお伝えすることは、地域の塗装店としての大切な責任だと考えています。

外壁塗装は、多くのお客様にとって一生のうちに何度も経験する工事ではありません。
「塗料メーカーの違いが分からない」「直販塗料は本当に良いの?」「オリジナル塗料は安心なの?」「見積りの塗料名だけで判断してよいの?」といった疑問や不安を感じる方も多いと思います。

だからこそ、塗料の流通やメーカーの違いについても、専門的な話をできるだけ分かりやすい言葉でお伝えし、後悔の少ない塗料選びにつなげていただきたいと考えています。

塗料は、ただ缶に入った材料ではありません。
その中には、原料を作る人、塗料を設計する人、色を整える人、現場へ届ける人、そして実際に塗る職人の仕事が重なっています。

外壁塗装の品質は、塗料そのものの性能だけでなく、流通の安定性、材料選定の正確さ、塗装店の知識、現場での丁寧な施工によって支えられています。

当店のホームページでは、こうした現場経験や塗料選び、施工品質、見積りの考え方を、外壁塗装や屋根塗装を検討されている一般のお客様にも分かりやすくお伝えできるよう、コラムという形で発信しています。

これからも、初めて外壁塗装を検討される方はもちろん、塗料選びや見積り内容で迷われている方にも、安心して読んでもらえる情報を発信していきます。 住まいを長く守るための塗装と、納得して選べる分かりやすい説明の両方を大切にしながら、名古屋の塗装店としてお役に立てたら嬉しいです。

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