「せっかく自分で塗るなら、できるだけきれいに仕上げたい」
そんな思いを持ってDIY塗装に挑戦される方は、決して少なくありません。
ただ実際には、塗装は塗る作業そのものよりも、事前の考え方や準備によって、
仕上がりの印象や持ちが大きく変わる作業でもあります。
このコラムでは、DIY塗装を行う際に知っておきたい 基本的な知識と、 「ここを押さえておくだけで仕上がりが変わる」 ちょっとしたコツを、 塗装工事のプロの視点から、できるだけ分かりやすくまとめました。
塗料や道具の選び方、塗る前の下準備、刷毛やローラーの扱い方など、
はじめてDIY塗装に挑戦する方でもイメージしやすいよう、
一つひとつ順を追って解説しています。
「どこに気を付ければ失敗しにくいのか」
「なぜその作業が必要なのか」
といった理由も含めてお伝えしていますので、
途中で迷ったときの“判断のヒント”としても役立ててもらえるかと思います。
DIY塗装は、焦らず丁寧に進めるほど、仕上がりはきちんと応えてくれます。
この内容が、お客様の塗装作業を少しでも安心して進めるための参考になれば幸いです。
1. DIY塗装のポイント
DIY塗装で、いちばん最初に押さえておきたいのが「塗る素材」と「塗る場所」に合った塗料選びです。
というのも、塗料はひとくちに「ペンキ」と言っても、木部・鉄部・外壁・屋根・室内など、用途ごとに性格がまったく違います。
さらに同じ鉄部でも、屋外で雨風にさらされる場所と、屋内の棚や手すりでは、求められる性能が変わってきます。
この部分を間違えてしまうと、せっかく頑張って塗っても、きれいに仕上がらないだけでなく、 塗装後すぐにサビが出たり、塗膜が浮いたり剥がれたりして、かえってやり直しが増えてしまうことがあります。
「塗っている時は良さそうだったのに、数週間〜数か月で不具合が出る」というケースは、実はこの塗料選びが原因になっていることが少なくありません。
ですから、DIYでは特に塗料のカタログや塗料缶に記載されている用途(どこに塗れるか)や
機能表示(防サビ・防カビ・耐候性など)を、 必ず一度落ち着いて確認してから選ぶことをおすすめします。
迷った場合は、売り場の店員さんに「素材(木・鉄・アルミなど)」「屋内か屋外か」「今の状態(サビの有無)」を伝えるだけでも、ぐっと選びやすくなります。
※ポイント:塗料選びは「好み」より先に「適材適所」です。
ここさえ外さなければ、DIY塗装の成功率はかなり上がります。
1-3. DIY塗装は、天気の良い日を選んで塗装しましょう。
DIY塗装では、塗る技術以上に「天候選び」が仕上がりを左右します。
雨の日や湿度が高い日に塗装を行うと、塗料がなかなか乾燥せず、
表面がいつまでもベタついたり、白く濁ったような状態になることがあります。
これは塗料の乾燥過程に湿気が悪影響を与えるためで、
見た目だけでなく塗膜の耐久性にも影響します。
また、気温が低い日も注意が必要です。
気温が低いと塗料の反応が鈍くなり、乾燥が極端に遅れたり、
本来の性能を十分に発揮できないことがあります。
特に冬場は、朝晩の冷え込みを避け、
晴れて気温が上がる日中の時間帯に塗装を行い、
気温が下がる前に作業を終えるようにしましょう。
※ポイント: 「今日は塗れそう」ではなく、「今日は塗装に向いているか」で判断することが、 DIY塗装を失敗させない大切なコツです。
塗装作業を行う際は、必ず換気を十分に確保することが大切です。
換気が不十分な状態では、塗料に含まれる溶剤成分が空気中にこもり、
塗料が乾きにくくなったり、臭いが強く残ってしまう原因になります。
特に室内でDIY塗装を行う場合は注意が必要です。
窓や扉を開けて空気の通り道をつくり、
可能であれば換気扇やサーキュレーターを併用すると、
塗料の乾燥が安定しやすくなります。
換気は作業中だけでなく、塗装後の乾燥時間中も継続するのが理想です。
※臭いが気になる場合は、無理に我慢せず一度作業を中断し、 体調を優先してください。
DIY塗装で最も重要と言っても過言ではないのが、
塗る前の下準備(素地調整)です。
塗装する前には、対象物をしっかり乾燥させたうえで、
表面に付着した汚れ・ホコリ・油分・剥がれかかった古い塗膜・サビ・ヤニ・藻・カビなどを、
必ずきれいに取り除きましょう。
これらを残したまま塗装してしまうと、
塗料がうまく密着せず、塗装後すぐに塗膜が剥がれたり、
ヤニやカビが塗膜の上ににじみ出てくることがあります。
見た目はきれいでも、内部では不具合が進行しているケースも多いため、
「塗る前のひと手間」を惜しまないことが大切です。
DIY塗装では、仕上がりの印象を大きく左右するのが養生作業です。
塗料が付いてはいけない部分(床・サッシ・ガラス・壁・周囲の設備など)は、
塗装前にマスカーやマスキングテープを使って、丁寧に養生しておきましょう。
養生をしっかり行っておくと、塗料の飛散を気にせず作業に集中できるため、
結果的に塗りムラや失敗が減り、きれいに仕上がります。
実は、養生の丁寧さ=塗装の完成度と言ってもいいほど、
この工程は重要です。
また、塗装後にマスキングテープを外すタイミングもポイントです。
塗料が完全に乾いてから剥がすと、
塗膜が一緒にめくれてしまったり、境目がきれいに切れないことがあります。
基本的には、塗料が半乾き〜乾き始めの段階で、
ゆっくり丁寧に剥がすのがおすすめです。
うすめ液(シンナー)は、
塗料が濃すぎて塗りにくいときに薄めたり、刷毛やローラーを洗ったり、
塗装中に付いた汚れを落としたりするために使用します。
DIY塗装では、この「うすめ液の選び方」と「薄め方」が、仕上がりに意外と大きく影響します。
まず大切なのは、うすめ液は塗料の種類によって違うという点です。
たとえば油性塗料でも、専用シンナーが指定されているものがあり、
間違ったうすめ液を使うと、塗料が分離したり、乾燥不良を起こしたり、
密着が弱くなって剥がれやすくなることがあります。
使用するうすめ液の種類は、塗料のカタログや缶(容器)に必ず記載されていますので、
自己判断せず表示を確認して選ぶようにしましょう。
また、うすめ液は「入れれば入れるほど塗りやすい」というものではありません。
薄めすぎると、隠ぺい力が落ちてムラになったり、塗膜が薄くなって耐久性が下がることがあります。
反対に、濃すぎると刷毛スジやローラーマークが出やすく、垂れや溜まりの原因にもなります。
ですから、塗料や素材に合った粘度まで調整して塗装することが重要です。
なお、水性塗料の場合も同様で、
「水性=水で何でも薄めて良い」というわけではありません。
製品によって希釈の上限が決まっているため、
表示に沿って適度に水で薄める(希釈する)必要があります。
DIY塗装をきれいに仕上げるには、塗料だけでなく
塗装道具の選び方もとても重要です。
道具が合っていないと、塗りムラが出たり、刷毛スジが強く残ったり、
作業時間が必要以上にかかって疲れてしまうことがあります。
塗装用の刷毛は、大きく分けると、
ペンキ刷毛・水性刷毛・ニス刷毛の3種類があり、用途が異なります。
さらに形状も、寸胴刷毛・平刷毛・筋交い刷毛・目地刷毛などに分かれており、それぞれ得意な作業が違います。
「どれでも同じに見える…」という方ほど、ここを押さえるだけで仕上がりが変わりやすいです。
また、広い面積を塗る場合や、手の届きにくい高い場所を塗る場合は、
ローラー(4~9インチ)や長柄(ローラーに取り付ける柄)などを活用すると作業がぐっと楽になります。
道具が揃うと、塗りやすくなるだけでなく、
塗膜が均一になりやすく、結果として見た目も整いやすいというメリットがあります。
※ポイント: 「とりあえず家にある刷毛で…」よりも、塗料と場所に合った道具を選ぶ方が、 失敗が減って結果的にコスパが良くなります。
塗料は、缶の底に顔料が沈殿していることがあります。
この沈殿を十分にかき混ぜず、そのまま塗ってしまうと、
本来の色と違って見えたり、ツヤ感が不均一になったり、
乾燥や密着が不安定になることがあります。
つまり「色が違う」だけでなく、塗料の性能自体が安定しないことがあります。
ですから塗料を使う前には、棒などを使って缶の底までしっかりかき混ぜ、
顔料と樹脂を均一にしてから使用しましょう。
かき混ぜる目安としては、「底に重さを感じなくなる」くらいまで丁寧に行うと安心です。
スプレー缶の場合も同様で、使う前にしっかり上下に振ってから使用します。
「よく振ってください」と書いてあるのは、単なる注意書きではなく、
仕上がりを安定させるための大事な工程です。
「早く仕上げたいから、厚めに塗って一回で終わらせたい」
この気持ち、DIYではとてもよく分かります。
ただ、一般的な塗料は一度に厚く塗ると、塗膜の表面だけが先に乾き、内部が乾ききらない状態になりやすいです。
この状態は、塗膜の縮み・シワ・ひび割れなどの不具合につながるため、厚塗りは「きれいに見える近道」ではなく、失敗の原因になりやすいです。
基本は、塗料を薄くのばしながら、2~3回に分けて塗り重ねて仕上げる方法が確実です。
「薄く塗って回数で仕上げる」ほうが、ムラも出にくく、塗膜も安定します。
塗料を2~3回塗り重ねて仕上げる場合は、
前に塗った塗料が十分に乾いてから次を塗りましょう。
乾燥が足りないまま重ね塗りをすると、
厚塗りをした場合と同じように、ちぢみ・シワ・ムラ・乾燥不良などの不具合が出ることがあります。
「触って乾いているから大丈夫」と思っても、内部はまだ乾いていないことがあります。
できれば塗料缶に記載されている乾燥時間を確認し、
気温や湿度が低い日は、少し長めに乾燥時間を取ると安心です。
2. DIY塗装 刷毛塗りのポイント
新しい刷毛は、一見すると整って見えますが、
実際には余分な抜け毛が含まれていることが少なくありません。
この状態のまま使ってしまうと、塗装中に毛が抜け落ち、
塗装面に付着してしまうことがあります。
そうなると、
「せっかく丁寧に塗ったのに、毛が埋まってしまった…」
と、仕上がりにがっかりしてしまう原因になります。
特に、雨戸や金属部分、室内の建具など、 表面がフラットで光を反射しやすい場所では、 毛一本でも意外と目立ってしまうため注意が必要です。
そこで、刷毛を使う前には、
刷毛の根元を軽く押さえながら手でしごいたり、
軽く振ったりして、
あらかじめ余分な毛を落としておくことをおすすめします。
この“最初のひと手間”をかけておくだけで、
塗装中のストレスが減り、仕上がりもぐっと安定しやすくなります。
刷毛は、最初に塗料をたっぷりと含ませたあと、さげ缶の縁(ふち)で軽くしごきながら、
刷毛の中に含まれた空気を抜くように整えます。
このひと手間を省いてしまうと、塗膜の中に気泡が入りやすくなり、
表面がザラついたり、光の当たり方でムラが目立ったりする原因になります。
また、塗料を含ませすぎると垂れやすくなり、
反対に少なすぎると刷毛スジが強く出たり、色ムラにつながりやすくなります。
目安としては、刷毛の毛先から3分の2ほどまで塗料を含ませた状態。
このくらいが、手元も安定しやすく、仕上がりも落ち着いた印象になりやすいバランスです。
刷毛は「たくさん付ければ早く塗れる道具」ではなく、
塗料をきれいに寝かせるための道具。
少し丁寧に扱うだけで、DIYでも驚くほど仕上がりに差が出てきます。
刷毛は、毛先が横一文字にそろうように整え、柄は軽く持ちます。
DIYでよくあるのが、「きれいに塗ろう」と思うほど、手に力が入ってしまうことです。
余分な力が入ると刷毛が広がり、刷毛スジが強く出たり、塗料が部分的に溜まって段差になりやすくなります。
立ち位置のコツは、塗装面に対して体をまっすぐ向け、刷毛を面と平行に動かすこと。
そのうえで、塗り方は「大きく・均一に塗り広げる」意識を持つと、仕上がりが整いやすくなります。
「細かくチョコチョコ塗る」よりも、「一定のリズムでスーッと伸ばす」ほうが、塗膜が落ち着いてきれいに見えます。
(+α)プロの小ワザ:
どうしても手に力が入ってしまう方は、刷毛を「握る」のではなく、鉛筆を持つように軽く支える感覚がおすすめです。
それでも跡が出る場合は、最後に同じ方向へ一度だけ“ならし刷毛”を入れると、表面がスッと整いやすくなります。
刷毛塗りは「どこから塗るか」で、塗りやすさも仕上がりも変わります。
基本の手順は次の通りです。
1. 塗りにくい部分から塗りやすい部分を塗ります。
2. 奥から手前へ塗ってきます。
3. 上から下へ塗ります。
(縁では、刷毛を止めるのではなく、払うように抜くと境目がきれいに出やすいです。)
4. 右(左)から左(右)へ塗ります。
この塗る順番を守るだけでも、塗り残しやダレが起きにくくなり、 「どこまで塗ったっけ?」が減って作業がスムーズになります。
塗装は、ふつう2回塗りが原則です。
1回塗りが終わって、2回塗りに入るまでの間、塗料の付いた刷毛をそのまま放置すると、刷毛が固まって使えなくなってしまいます。
「あとで洗えばいいや」と思っている間にすぐ固まってしまいます。
休憩する場合は、刷毛をビニール袋に入れて空気を抜き、
輪ゴムで止めておきましょう。
また、水性塗料の場合は水につけておく方法もありますが、
できれば袋で空気を遮断するほうが扱いやすいです。
刷毛を長持ちさせるコツは、「乾く前に落とす」ことです。
まず、塗料が乾かないうちに、残った塗料を皮すきやヘラなどでよくしごいて取り除きます。
さらにウェスに刷毛を擦り付けて、刷毛の中に残った塗料をできるだけ落とします。
次に、使った塗料に合ったシンナーでよく洗います。
さげ缶の中で刷毛を動かし、刷毛の奥に含まれている塗料をしっかり扱き出します。
最後に中性洗剤で洗い、水でよくすすいだあと、形を整えて陰干ししておくと、次回も気持ちよく使うことができます。
※ポイント:刷毛の手入れを丁寧にすると、次のDIY塗装がぐっと楽になります。
「道具を味方につける」ことも、きれいに仕上げる大切なコツです。
3. DIY塗装 ローラー塗りのポイント
まずはローラーハンドルにローラーを取り付け、表面の余分な毛を手で軽く払い落とします。
これ、地味ですがとても大切です。
新しいローラーは、刷毛と同様に「抜け毛」が残っていることがあり、
そのまま使うとローラーから抜けた毛が塗装面に付着してしまいます。
せっかく丁寧に塗っても、毛が埋まってしまうと見た目が一気に残念になってしまうため、
最初の一手間で“毛トラブル”を防ぐのがコツです。
ローラーは、最初に塗料をたっぷり含ませたあと、缶の縁でよく扱いて(しごいて)、
ローラーの中の空気を抜くようにします。
ローラーの中に余分な空気が残っていると、塗装中に「プツプツ」とした気泡が出やすくなり、
塗膜に気泡が入り込み、きれいに仕上がりません。
DIYでは、ついすぐに塗り始めたくなりますが、
この「しごき」が不足していると、ムラ・気泡・ザラつきが出やすくなります。
きれいに見える塗装ほど、実はこうした下準備が丁寧です。
ローラーはグリップをしっかり持ち、軽く押し当てながら、ゆっくり転がしていきます。
(目安:1秒間で約45㎝~50㎝のスピード)
ここで強く押し付けすぎると、塗料がローラーから絞り出されてしまい、
ローラーマークやムラが出やすくなります。
逆に弱すぎても塗料が乗らず、かすれや塗り残しが増えます。
コツは、“一定の力と一定のスピード”です。
リズムよく転がすことで、塗膜が均一になりやすく、仕上がりも落ち着きます。
ローラー塗りは、最初に塗料を「配る」ことが大切です。
まずはW字を書くように塗料を均等に配り塗りし、
そのあと端から順番に塗料を「のばす」ように整えていきます。
この流れにすると、塗料の偏りが少なくなり、塗りムラが出にくくなります。
また、天井から床まで塗る場合は、
塗り継ぎ部分が人の目線の高さ
(140~170㎝くらい)
に来ないよう注意しましょう。
(ローラーの塗り継ぎ斑は、この高さが特に目に入りやすいです。)
さらに、高い場所・天井・床面の塗装には、 ローラーフレームに長柄を付けるとスムーズに作業できます。
無理な姿勢で塗ると、ムラが出やすくなるだけでなく、ケガの原因にもなるため、道具で「ラクに塗れる状態」をつくるのも大切なコツです。
1回目の塗装が終わって、2回目の塗装を行うまでの間、塗料の付いたローラーをそのまま放置すると、乾いて固まってしまいます。
固まったローラーは塗りムラの原因になり、きれいに仕上げるのが難しくなるため要注意です。
休憩する場合は、刷毛と同様にローラーをビニールで包み、空気をできるだけ抜いて保管します。
「少しの休憩だから大丈夫」と思っても、乾燥は意外と早いので、休憩前のひと手間を忘れないようにしましょう。
ローラーも刷毛と同じで、長持ちさせるコツは
「乾く前に落とす」ことです。
まず、ローラーが乾かないうちに、残った塗料を皮スキやヘラなどでよく扱いて塗料を落とします。
さらにウェスなどにローラーを擦り付けて、残りの塗料を十分に落とします。
次に使った塗料に合ったシンナーでよく洗います。
ローラーバケツの中でローラーを動かし、ローラー内部に含まれている塗料をしっかり扱き出します。
最後に中性洗剤で洗い、水でよくすすいだあと、陰干ししておきましょう。
きちんと手入れしておくと、次回のDIY塗装も気持ちよく進められます。
4. DIY塗装でよくあるQ&A|失敗しないための「深掘り10選」
A.一番多い原因は、表面だけ乾いて中がまだ「やわらかい」状態だからです。
塗料は、見た目が乾いても、内部の水分や溶剤が抜けるまで時間がかかります。そこで重ね塗りをすると、下の層が引っ張られて
ヨレ・ちぢみ・刷毛跡の段差が出やすくなります。
見分け方のコツは、指で触る前に「光の反射」を見ること。
まだ乾きが甘いと、うっすらテカりが残ったり、触らなくても“しっとり感”が見えます。
そしてもうひとつ、プロがよくやる簡単チェックは、目立たない場所でマスキングテープを軽く当てて剥がす方法です。
ベタついたり、塗膜が持っていかれる感じがあれば、まだ待ちどきです。
目安としては「乾燥時間=正解」ではなく、気温・湿度・風で前後します。
焦りは禁物。DIY塗装は、急ぐほど仕上がりが荒れます(これは現場でも同じです)。
A.ムラの正体は、塗料の量だけではなく、下地の吸い込み差で起きていることが多いです。
たとえば、旧塗膜がまだ残っている部分と、素地が露出している部分が混在していると、同じように塗っても仕上がりが揃いません。
ここで効くのが、下塗り(プライマー/シーラー)の役割です。
下塗りは「接着剤」でもありますが、実は吸い込みを均一化して、色ムラを防ぐための工程でもあります。
DIYでムラが出る方ほど、上塗りを頑張りがちですが、プロ的には逆で、下地で勝負が決まるケースが多いです。
もし「すでにムラが出た」場合は、乾かないうちに触り続けると悪化します。
いったん乾かしてから、必要なら軽く研磨(#240〜#320目安)→再塗装のほうが結果がきれいに収まります。
A.プロは「消す」というより、目立たない状態に整えるという発想で作業しています。
刷毛スジが出る要因は主に、①押し付けすぎ、②戻り刷毛が多い、③乾きかけを触る、の3つです。
まず、刷毛は押すのではなく寝かせて引く。
次に、塗る方向をバラバラにせず、最後に同じ方向へ一度だけ“ならし刷毛”を入れる。
これだけで、刷毛目の印象はかなり落ち着きます。
それでも残る場合は、塗料の粘度(濃さ)が原因のこともあります。
メーカー指定範囲でほんの少し希釈すると、塗膜がレベリング(平滑化)しやすくなる場合があります。
ただし薄めすぎはNG。薄めすぎると、隠ぺい不足や垂れにつながります。
A.基本は、“今どれくらい垂れているか”で判断します。
じわっと下がる程度なら、乾く前に刷毛で追いかけるより、刷毛に余計な塗料が付いていない状態で、軽く上へなでて整えるほうがきれいに収まりやすいです。
逆に、すでに筋が太くなっている垂れは、乾く前に触るほど傷が広がりがちです。
その場合は、いったん乾かしてから、垂れた部分だけを研磨して段差を消し→再塗装が最も確実です。
(小林塗装の現場でも同じで、無理に“その場で直す”より、乾かして整えるほうが仕上がりは安定します。)
A.原因は主に、①下地との密着不足、②テープの粘着が強すぎる/貼りっぱなし、③塗膜が硬化しすぎ、の3つです。
特にDIYでは、下地に粉(チョーキング)や汚れが残っていると、塗膜の密着が弱くなり、テープ剥がしで一緒に持っていかれやすくなります。
コツは「剥がすタイミング」と「角度」。
基本は、塗料が表面乾燥した段階で早めに剥がす。
そして剥がす角度は、真横に近いくらいでゆっくり、寝かせるように引くと、切れ目がきれいに出ます。
もし剥がし跡がガタついたら、慌てて触らず、乾いてから軽く研磨してラインを整え、必要なら塗り直す。
DIYは「一発で完璧」より、崩れたら整えるほうが、結果的にきれいになります。
A.これは失敗ではなく、光の当たり方と塗面の条件差による現象です。
室内外を問わず、正面から光が当たる面・影になる面・反射光が多い面では、同じ色でも見え方が変わります。
さらに、下地の色や吸い込み、塗る回数が微妙に違うだけでも、色味の印象は変わります。
プロの現場でも「色は面で揃える」ことを意識し、途中で塗り分けず、一気に同じ条件で仕上げるのが基本です。
DIYでは、途中で日をまたいだり、場所ごとに塗ると差が出やすくなります。
可能であれば、同じ面は同じ時間帯・同じ流れで塗ることが、色ブレ防止のコツです。
A.塗料の仕様にもよりますが、見た目だけで判断すると失敗しやすいポイントです。
二度塗り目がきれいに見えても、塗膜の厚みや耐久性が足りていないことがあります。
特にDIYでは、1回あたりの塗布量が少なめになりやすく、「見た目OK=性能OK」ではありません。
メーカー指定が「下塗り+上塗り2回」の場合は、三工程で初めて設計通りの性能になります。
どうしても三回塗るか迷う場合は、「この面、5年後も同じ状態でいてほしいか?」を基準に考えてみてください。
小林塗装では、未来基準で回数を決めています。
A.注意が必要です。塗料は同じ商品名・同じ色でも、製造ロット差で微妙に色が違うことがあります。
プロの現場では、足りなくなりそうな場合、先に全缶を混ぜてから使う「缶合わせ」を行います。
DIYで買い足す場合は、できるだけ同じ店舗・同じ在庫から購入し、使う前にしっかり攪拌してください。
もし色差が心配な場合は、面の途中で切らず、境目(角・見切り)で塗り分けると、違和感が出にくくなります。
A.想像以上に影響します。特に水性塗料は、低温・高湿度が苦手です。
気温が低いと乾燥が遅れ、湿度が高いとベタつきやムラの原因になります。
目安としては、気温5℃以下・湿度85%以上の日は避けるのが無難です。
プロの現場でも、天候次第で「今日は塗らない」判断をすることは珍しくありません。
DIYは「今日しか時間がない」気持ちになりがちですが、
塗装はタイミングも仕上がりの一部だと考えると、失敗が減ります。
A.正しい手順なら、悪化しません。問題なのは、乾く前に触り続けることです。
塗装の失敗は、ほとんどが「触りすぎ」で広がります。
小林塗装の現場でも、仕上がりが気になる場合は、
①しっかり乾かす → ②状態を見る → ③必要なら研磨 → ④整えて塗り直す、の順で対応します。
DIYも同じです。
「止まる勇気」があるほうが、結果的にきれいに仕上がります。
塗装は、落ち着いて向き合った人が、最後に勝ちます。
5. DIY塗装について まとめ
DIY塗装をきれいに仕上げるコツは、特別な裏ワザよりも、「基本を丁寧に守ること」に尽きます。
塗料選びを間違えないこと、下地を整えること、養生をきちんとすること、そして乾燥時間(インターバル)を守って重ね塗りすること。
この積み重ねが、見た目の美しさだけでなく、塗膜の持ち(耐久性)にもつながっていきます。
反対に、「急いで終わらせたい」「とりあえず塗って隠したい」という気持ちで進めてしまうと、ムラ・垂れ・剥がれ・サビの再発などが起きやすくなり、結局はやり直しになってしまうことも少なくありません。
DIY塗装は、手間を省くほど難しくなり、手間をかけた分だけ成功しやすい―― そんな正直な作業です。
もし途中で「これで合っているのかな?」と迷ったときは、いったん手を止めて、塗料缶の表示や施工手順を確認してみてください。
DIYは焦らず、工程をひとつずつ確実に進めるほど、仕上がりはキレイで長持ちします。
そして、外壁や屋根など高所作業が必要な場所、サビや傷みがひどい場所、仕上がりを長く保ちたい場所は、無理をせずプロに相談するのも立派な判断です。
小林塗装では、塗装工事の調査・相談・見積りは無料で承っていますので、「DIYとプロ施工、どちらが良いか迷っている」という段階でも、お気軽に相談ください。
外壁塗装に使われる刷毛の種類


