

よくわかる 弾性リシンの外壁塗装
今回は、モルタルやサイディングの外壁塗装で頻繁に使われている弾性リシンの特徴、メリット、デメリット、商品名、弾性リシンの外壁塗替えに適した塗料と外壁塗装の価格など「名古屋の塗装店」小林塗装が詳しくお伝えします。
外壁塗装で使われている弾性リシンとは一体何か知りたいお客様や弾性リシンの外壁塗り替えを検討しているお客様はぜひご覧ください。
- ・弾性リシンの特徴、 得られる効果、 注意点
- ・新築で使用される弾性リシンのメーカーと銘柄の紹介
- ・弾性リシンの外壁塗装にておすすめのメーカーと塗料の紹介
1. 弾性リシンとは
塗料に骨材(寒水石、軽量骨材=エチレン酢ビ発泡製品など)を混ぜ込んで、ザラザラした砂を吹き付けた様な砂壁状の落ち着いた仕上りになる塗料を「リシン」、「吹付リシン」などと言います。
弾性リシンは、リシンの原料であるアクリルエマルションに伸縮性=アクリルゴムによる弾性を加え、外壁に生じるひび割れに耐性を持たせています。
こういった特徴を持つリシンに弾性(可とう性、微弾性とも言います)を持たせた塗料の総称を「弾性リシン」(薄付け仕上塗材 可とう形薄塗材E)と言います。
2. 弾性リシンを外壁塗装で使用するメリット
まずは、弾性リシンのメリットをお伝えします。
- ・弾性リシンは、塗膜そのものが弾性を持っているので、壁面に多少のひび割れ(ヘアークラック)が発生しても塗膜が伸びる事によって対応できます。
- ・弾性リシンは、モルタル塗装に適した耐アルカリ性の性質を持っています。
- ・弾性リシン仕上げの外壁は、艶消しで表面にある骨材の凹凸が太陽光を拡散させ、落ち着いた仕上がりになります。
- ・弾性リシンは、吹付仕上げだけでなく、ローラー仕上げもできます。
- ・耐汚染性・耐候性を向上させたシリコンエマルションタイプの弾性リシンもあります。
3. 弾性リシンを使用した際のデメリット(リスク)
次に弾性リシンのデメリットをお伝えします。
上記の様に弾性リシンのメリットを聞くと、外壁塗装に適した高性能な塗料の様に聞こえますが、外壁塗り替えをする際には絶対注意しなければいけない点が3つあります。
- ・弾性リシンは、弾性を持たせる可塑剤が多く含まれているので、通常のアクリルリシンで塗り替えるよりも少し汚れやすいです。
- ・外壁の弾性リシンを塗り替える際、使用する塗料選びを間違えてしまうと、後々高い確率で膨れが発生します。
- ・弾性リシンの塗り替えに対応できる塗料は限られています。
この3点に注意しなければいけません。
弾性リシンの塗り替えをする際、必ず知っておかなければならない事は、弾性リシンの塗膜には、骨材(寒水石)や軽量骨材(発泡ポリスチレン、パーライトなど)が多く含まれているので、どうしても空気や湿気が閉じ込められる性質がある事です。
特に日当たりの良い場所では、塗膜中に空気や湿気が温められて、弾性を持つリシン塗膜が伸縮膨張を繰り返す事によって、付着性が低下した一部の弾性塗膜に膨れが生じてしまう事がたびたびあります。
4. 新築の外壁塗装でよく使われている弾性リシン
新築の外壁塗装でよく使われる弾性リシンをお伝えします。
お客様が持っている設計図面の仕上げ表、平面図、立面図、矩計図に下記の商品名が記載されていたら、外壁塗装の仕上げ材は弾性リシンと言えます。
- ■ アイカ工業 「ジョリコート JWC-55」
- ■ 旭化成 「ソフトリシン」
- ■ エスケー化研 「ソフトリシン」、「ソフトリシンジュラク」、「ソフトロール」、「セラミソフトリシン」
- ■ 関西ペイント 「アレス弾性リシン 」
- ■ 菊水化学工業 「弾性リシン」、「弾性リシン粗目」、「弾性リシン細目」、「弾性リシンSi」、「キクスイ 弾性ロール」
- ■ スズカファイン 「ラフトン弾性リシン」、「弾性ジュリン」
- ■ ダイフレックス (恒和化学工業)「ダンセイリシン」
- ■ 日本ペイント 「ニッペDANリシン」
- ■ フジワラ化学 「ハーゲンリシン」
4-2 新築の外壁塗装で使われる弾性リシンの耐用年数
新築の外壁塗装で使われるアクリル系弾性リシンの耐用年数は、一般的に4~7年程度で、シリコンエマルション系弾性リシンは8~10年程度です。
外壁の弾性リシンが塗り替え時期になってくると、塗膜の汚れ、チョーキング(白亜化)、変退色、表層のひび割れが進行してきます。
また、日射量・降雨量・降雪量の多い地域、湿地、排気ガス、潮風の影響を受ける環境、雑木林、植栽の近く、温泉地帯など湿気の影響を受けやすい場所では、一般地域と比較して塗膜の劣化が早くなります。
さらに外壁目地やシーリング部分は、構造上の動きやシーリング材に含まれる可塑剤の影響を受ける為、耐用年数に限らず、早期に弾性リシンの不具合を生じる可能性があります。
5. 外壁弾性リシンの膨れなど不具合を防ぐためには?
弾性リシンの膨れ‥不具合を避けるためには、外壁塗装を行う前に以下の事を行う必要があります。
5-2 既存の外壁塗装の塗膜が弾性リシンであるかどうか、しっかり調査しましょう
外壁に吹付リシンの塗装がされている場合、それ塗膜が弾性リシンかどうか、事前に調査する事がとても重要です。
実際に爪でリシンの塗膜を押してみて、柔らかいかどうか塗膜の調査を東西南北の4面で行いましょう。
なぜ、東西南北4面で調査する必要があるか理由を言いますと、日当たりの良い面ほど、弾性リシンの経年劣化が進みやすく、リシンの弾性が低下し硬化しているケースが多いからです。
逆に北面など日当たりの悪い場所では、そんなに劣化が進行しておらず、リシン塗膜が柔らかいからです。
ですから、必ず東西南北の4面をしっかり調査しましょう。
なお、カッターナイフでリシンの表面に小さな傷を付けて、塗膜片をほんの少し捲り、折り曲げて見るとよく分かります。
通常、アクリルリシンは塗膜が固く割れてしまいますが、弾性リシンの軟らかい塗膜は割れません。
5-3 弾性リシンに合った塗料を選びましょう
既存の外壁塗装が弾性リシンであった場合、弾性リシンに適した塗料を選ぶ必要性があります。
当然ですが、選べる塗料は限られてしまいます。
また、お客様が外壁塗装業者に吹付リシンの外壁塗装を依頼をしている場合、弾性リシンについて詳しい説明はありましたか?
もし、そういった説明がない場合、そもそも弾性リシン(アクリルエマルション系、シリコンエマルション系)の塗り替えで気を付けるべき内容がある事自体を知らないかもしれません。
そういった場合は、業者の弾性リシンに対する知識・経験不足なので注意しましょう。
基本的には、弾性リシンの外壁塗替えには、透湿性が高く、可とう性=微弾性を持つ塗料を選ぶ必要があります。
なお、弾性リシンの塗膜を全て剝がしてから再塗装する方法もありますが、弾性リシンを剝がす為の材料工賃、再塗装する際の下地調整費用、撤去した塗膜処分‥に費用が掛かり過ぎてしまい、現実的ではありません。
6. 弾性リシンの外壁塗装におすすめの塗料 一例
弾性リシンの外壁塗り替えにおすすめできる塗料の一例をご紹介します。
- ■ アイカ工業 「ジョリパットフレッシュ」
- ■ 菊水化学工業 「グラナダフレッシュ」・「グラナダフレッシュF」
- ■ エスケー化研 「アートフレッシュ」
- ■ スズカファイン 「ビーズコートフレッシュ」
- ■ 日本ペイント 「インディアートフレッシュ」
他にも、おすすめ塗料は多数あります。
7. 弾性リシンの外壁塗装では、色選びにも注意しましょう
弾性リシンの外壁塗装では、濃い色はあまりオススメしません。
なぜなら、濃い色を塗装してしまうと、特に日当たりの良い面で熱を吸収しやすくなってしまうからです。
夏場、外壁の表面温度が高温になるほど、弾性塗膜の膨れのリスクは高くなりますので、ここでも注意が必要です。
したがって、外壁弾性リシンの塗り替えに合った色合いは、淡彩色から中彩色の色を選ぶ事が重要です。
8. 弾性リシンの外壁塗装 費用
弾性リシンの外壁塗り替え費用の目安をざっくりとお伝えします。
9. 弾性リシンの外壁塗装について まとめ
弾性リシンの外壁塗替え費用弾性リシンの外壁塗装で、最も大切な事は、弾性リシンの塗り替えに対する知識や経験を持った業者選びが必要不可欠であるという事です。
また、外壁塗装を行う際の下地調整や下地補修、施工管理が大変重要です。
名古屋の塗装店小林塗装は、弾性リシン特有の不具合発生のリスクを最小限に抑え、適切な診断・材料選びをお手伝いさせて頂きます。
弾性リシンの外壁塗替えの事なら、小林塗装にお任せください
名古屋市周辺で、弾性リシンの外壁塗り替えを検討中のお客様は「名古屋の塗装店」小林塗装にお任せください。
当店は、弾性リシンの状態、周辺環境などをしっかり見極め、いつも丁寧な塗装を行っています。
弾性リシン壁塗装の見積りは、もちろん無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、名古屋「塗装工事の専門店」小林塗装ホームページのコンテンツ作成をしています。
塗装工事のエキスパートとして、外壁、屋根、室内など塗り替え工事を検討している一般のお客様にとって分かりやすく、役立つ情報発信をいつも心掛けています。
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