外壁塗装で「色ずれ」が起きる理由と、失敗しないための大切なポイント
外壁塗装や塗装工事が仕上がった瞬間、本来なら「きれいになって良かった」と胸をなでおろしたいところですが、ふと眺めた外壁の色に対して、「あれ? なんだか思っていた色とちょっと違うような。・・・」と感じてしまうお客様が実は少なくありません。
いわゆる「色ずれ」と呼ばれる現象です。
一般的に塗装される色というものは、色番号や明度・彩度といった数値によって厳密に管理されているため、理論上は「同じ色を塗れば、同じ仕上がりになる」はずのものです。
ところが、実際の現場では、数字だけでは説明しきれない「微妙な差」が生まれるのが外壁塗装の難しさであって、また奥深さでもあります。
塗料の規定色番号に沿って作られた塗料の場合、この「色ずれ」は、決して塗料メーカーのせいでも、お客様の気のせいでも、施工する職人側の勘違いでもなく、塗料そのものの仕組み、外壁材の吸い込みの違い、施工時の温度や湿度、日射の影響、さらには職人の塗り方や乾燥時間など、複数の要素が複雑に絡み合うことで生まれる、極めて繊細な現象です。
いわば、外壁という「とても大きなキャンバス」と、その上に重ねられる塗膜の性質が、光・風・湿度・外壁材の質感といった環境要因と連鎖することで、色がわずかにブレてしまい、それが「何か違うなぁ。・・・」というイメージへと繋がってしまうのです。
だからこそ、こういった色ずれを正しく理解し、原因と対処法を丁寧に把握しておくことは、「外壁塗装の満足度を高める上でとても大切な過程」になります。
今回は、そんな色ずれの背景・原因・防止策を「名古屋の塗装店」小林塗装が分かりやすくお伝えします。
1.外壁塗装で「色ずれ」が起きる主な原因

外壁塗装における「色ずれ」は、決してひとつの要因だけで起こる単純な現象ではありません。
なぜなら、塗料が本来持つ特性、施工時の温湿度、外壁材の吸い込み具合、職人の技術、乾燥時間、さらには光の反射までが複雑に絡み合いながら、仕上がりの色味に微妙な影響を与えるからです。
ですから、塗料の色ずれとは、むしろ外壁という大きなキャンバスが環境と共鳴して生まれる現象といっても過言ではありません。
塗料は専門の工場で精密な品質管理のもとで製造されていますが、どれほど最新鋭の設備を導入していても、どれほど成分が数値的に管理されていたとしても、まったく同じ色に仕上がるとは限らないという、極めて繊細で奥深い特性を持っています。
これは、スーパーで並んでいる同じ品種のトマトを思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれません。
見た目はほとんど同じでも、畑の土壌のミネラルバランス、日照時間、雨量、昼夜の寒暖差の違いによって、「今日のトマトは甘みが強い」「こちらは酸味が際立っている」といった「味わいの個性」が生まれます
塗料も同じで、天然由来の顔料が持つ避けられない個体差によって、「顔料の濃度」、「樹脂配合の微妙なゆらぎ」、「添加剤の混ざり具合」が製造ロットごとにほんの少しだけ異なってしまいます。
この差は数値上では誤差の範囲であっても、発色の世界では驚くほど大きな意味を持ちます。
なぜなら、人間の目というのは、想像している以上に緻密で鋭敏な感覚を備えているからです。
特に中間色や灰色がかった落ち着いた色味に対しては、わずか明度差0.2〜0.5という極小の差であっても、外壁のような広い面積に塗られた場合、それが一気に強調されて見えることがあります。
外壁という巨大なキャンバスは、太陽光、影、時間帯の違い、周囲の植栽とのコントラストなど、あらゆる光の影響を受け取る光の舞台のような存在です。
そのため、わずかな色のブレが印象となって現れやすく、色ずれの要因として見逃すことができません。
このリスクを避けるために、小林塗装では「できる限り同一ロットを使用する」ことを徹底しています。
これは料理人が「同じ畑で収穫された野菜だけを使う」ことで味を安定させるのとよく似て、きれいな仕上がりを保つための「職人としての矜持」でもあります。
さらに現場では、調色(ちょうしょく)と呼ばれる高度な作業が必要になることがあります。
メーカー既製色では建物の雰囲気に合わない場合、専用の着色剤を数%単位で加え、まるでパティシエが生クリームの硬さや角の立ち具合を手の感覚で見極めるように、現場の職人は細心の注意を払いながら色を整えていきます。
しかし、この作業は極めて繊細で、一滴の差や攪拌時間のわずかな違いですら、乾燥後にはまったく別のイメージを生み出してしまうことがあります。
とりわけ中間色・濃色系では変化が顕著で、調色の経験が業者ほど色ずれを起こしやすい領域です。
そしてここで非常に重要なのが、とくに注意すべきなのが、ジョリパット・リシン・スタッコといった「骨材入り仕上げ材」は、現場での調色がほぼ不可能であるという点です。
これらの塗材は、一般的なウレタン・シリコン塗料などとはまったく構造が違って、塗料の中に寒水石・珪砂・大理石粉・天然石・二酸化チタンなどの骨材が均質に混ぜ込まれています。
この骨材が仕上がりの質感や陰影、マットな風合い、独特の手触り感をつくり出しているため、どれか一つのバランスが崩れるだけで表情ががらりと変わってしまいます。
一般的な塗料であれば、着色剤を数滴単位で足すことで微細な色調整が可能ですが、骨材入り塗材に同じことを行うのは禁物です。
着色剤を現場で加えると、塗料と骨材の比率がほんのわずかでも変わってしまい
- ・模様の出方(パターン)
- ・凹凸の深さ
- ・骨材の絡み方
- ・光の拡散具合
- ・陰影の濃淡
といった要素が不均一になり、本来メーカーが設計した美しい肌合いを再現できなくなってしまいます。
とくにジョリパットは、工場のラインで「色・骨材の粒度・樹脂の粘度・乾燥速度」まで綿密にコントロールされている、非常に繊細な仕上げ材です。
ほんの少し色を足しただけのつもりでも、「パターンが粗く見える」「陰影が浅くなる」「艶の出方が変わる」といった予期せぬ変化が起こり、部分補修をした場合でも“そこだけ別の材料を塗ったような違和感”が出てしまうことがあります。
また、リシンやスタッコのような吹き付け系仕上げ材も同様で、骨材の粒度や含有量が変わるだけで、スプレーパターンの開き方・凹凸の荒さ・影のつき方までも揺らぎます。
結果として、補修部分だけ光の当たり方が不自然に変わったり、塗り継ぎ部分が浮いて見えてしまったりするため、職人の間では「骨材仕上げは現場調色をしてはいけない」というのは半ば「鉄則」のように扱われています。
こうした理由から、ジョリパットやリシン・スタッコなどの骨材入り仕上げ材は、必ず工場調色(メーカー調色)が前提です。
工場では大型の攪拌機や精密な計量設備が使用され、色だけでなく骨材の分散具合までも均一に整えられるため、現場では再現できない高い均質性が保たれています。
まさに「現場では決して真似できない職人技術」が塗料工場の中で行われていると言っても過言ではありません。
そのため、お客様が後で差を感じてしまわないよう、小林塗装では骨材仕上げの色選びにおいて、とくに丁寧な確認を行い
- ・メーカー調色のみで対応
- ・ロット統一の徹底
- ・サンプル板での事前確認
- ・光の当たり方を複数条件でチェック
といった「骨材仕上げ特有のリスク管理」を大切にしています。
仕上がった外壁が自然に溶け込み、長く愛せる表情を保つために欠かせない、大切な工程だからです。
さらに、こうした材料の特性に加えて、塗料が乾燥する環境も色の印象に直結します。
塗膜は空気に触れながらゆっくりと水分や溶剤を放ち、本来の色へと落ち着いていくため、気温・湿度・日射の状態によって仕上がりが微妙に変化します。
これはまさに料理における「火加減」と同じで、材料が同じでも仕上がりが変わる理由はここにあります。
職人はこの乾燥プロセスを的確に読み取り、塗料の状態や塗布量を細かく調整しながら最良の結果へ近づけていきます。
| 高温時 | 塗料の乾燥が急速に進むため、塗膜表面がギュッと締まり、ほんの少し明るく、軽やかに見えやすくなります。 夏場の強い日差しの中では特にその傾向が強くなり、「なんとなく白っぽく感じる」現象が起こりやすくなります。 これは塗膜が短時間で硬化する際に光の反射が変わるためで、施工管理の経験が如実に表れる場面でもあります。 |
| 低温時 | ゆっくり乾燥するため、色の深みが残り、やや濃く落ち着いた印象になります。 秋冬の施工で顕著に現れる現象で、乾燥時間が長いぶん均一な塗膜が形成されやすいという利点もあります。 ただし気温が低すぎると硬化不良や増膜不良のリスクがあるため、職人は施工可能の気温を厳しく見極めています。 |
| 高湿度 | 塗膜が乾く途中で空気中の水分を取り込み、白化(かぶり)と呼ばれる濁りや白っぽさが発生することがあります。 梅雨時期や夕方以降は特に注意が必要で、職人は天候・湿度・風の流れを読みながら施工時間を調整します。 「今日はここまでにしておこう」という判断も、実は色を守るための重要な判断といえます。 |
また、建物の向きによっても光の当たり方が大きく変わります。
南面・西面は最も強い日差しを受けやすく、光の反射・乾燥速度・外壁表面温度 違いから、同じ塗料で同じように塗っていても、他の面とはわずかに異なる色味に見えることがあります。
外壁塗装においては、ごく当たり前の現象で、職人はこの特性を理解したうえで面ごとの塗り進め方を変えています。
一方で、一般的なウレタン・シリコン・フッ素・無機といった汎用塗料は、ジョリパットのような骨材入り塗材とは違って現場で色を微調整できる汎用性を持っています。
「ほんの少し赤みを抑えられないか」「あと少しだけ明るくしたい」といった繊細な希望に応じやすく、「外壁塗装の最終仕上げ 色の微差」にこだわりたいお客様にとって心強い特徴です。
ただし、この調整作業は決して単純な色を混ぜるだけの工程ではありません。
現実の現場では、職人が五感、視覚・触覚・嗅覚・温度の感覚・空気の流れをフルに働かせながら、「いま、この環境下で、この壁に塗れば、乾燥後にどう仕上がるか」 を的確に判断していく、高度で繊細な世界です。
たとえば
- ・風が強い日は乾燥が早まり色が軽く見えます
- ・湿気が多い日は乾燥が遅れ深みが増します
- ・壁の温度が高いと溶剤が急激に揮発して艶が変化します
- ・夕方は光量が落ち影の出方で色が沈みます
といったように、現場環境が仕上がりへ大きく影響します。
また、塗料には大きく分けて「水性塗料」と「溶剤塗料」の2種類があって、これらも仕上がりの色味や乾燥プロセスに深く関わっています。
水を媒体としており、においが少なく環境にも優しい「現代の主流」です。
水が蒸発しながら塗膜が形成されるため、急激な乾燥が起こりにくく、比較的均一で安定した発色になりやすいという特徴があります。
ただし湿度の高い日は乾燥が遅れ、色味の落ち着き方に影響が出ることもあるため、職人は空気中の湿気を「肌で読む」必要があります。
なお、調色範囲は、溶剤塗料に比べ若干劣ります。
シンナーなどの有機溶剤が媒体となる塗料で、金属部や木部など密着性が必要な部分に使用される、いわばプロが頼りにする塗料です。
溶剤の揮発によって塗膜がキュッと締まり、光沢の安定性も高く、耐久性も優れています。
ただし外気温・壁温・風などの条件変化に敏感で、仕上がりに影響を受けやすい繊細な側面も持っています。
なお、調色範囲は、水性塗料に比べ優れています。
そしてさらに溶剤塗料は、「強溶剤」 と 「弱溶剤」に分類され、それぞれに特徴があります。
強力なシンナー(ラッカーシンナー等)を使用するため、「密着性がとても強い」、「塗膜の硬度が高い」、「錆止め塗料や工業系塗料にも多い」といった特徴があります。
一方で溶剤の臭いが強いので、住宅地では使いにくく、環境規制の高まりにより使用できる場面は限定されつつあります。
しかし、鉄部・設備機器・工場・倉庫など「耐久性が最優先される」部位には今でも欠かせない存在です。
いわゆる「溶解力が弱いシンナー」である塗料用シンナー(弱溶剤)を使用するタイプで、住宅塗装では一般的に使用されています。
においが比較的少ないため近隣への影響も抑えやすく、外壁・屋根・付帯部をバランスよくカバーできます。
また扱いやすい粘度で発色が安定し、現場調色にも向いているため、仕上がりの再現性が高いことも大きな魅力です。
このように水性・強溶剤・弱溶剤、それぞれの特性を深く理解しながら、職人は
- ・攪拌の速度や回数を調整します
- ・溶剤の希釈量を調整します
- ・塗る方向とスピードを一定にします
- ・乾燥の見極めます
- ・面ごとの温度と湿度の差を考慮します
といった多くの要素を繊細に調整しています。
さらに仕上げの段階では、「色の心理的効果」にも目を向ける必要があります。
暖色は外壁をふんわり柔らかく見せ、寒色は凛と引き締めて見せる。
これは単なる視覚の問題ではなく、光の波長の違いと、人の心への作用が関係する奥深い世界で、現場調色とは単に「色を作る」のではなく、住まい全体の空気感までも美しく整える、繊細で奥深い職人の仕事です。
以下に住まいの外壁塗装に使われる各種塗料の特徴をまとめました。
| 種類 | メリット | デメリット | 住宅での使用頻度 |
|---|---|---|---|
| 強溶剤塗料 |
・密着力が非常に高い ・塗膜の硬度が高く、耐久性が優秀 ・金属部・鉄骨部などにも強い ・工業系・設備塗装で高い信頼性 |
・臭気が強く近隣配慮が必要 ・環境規制により選択肢が縮小 ・住宅街では使用が難しい場合も |
やや少ない(鉄部など限定的) |
| 弱溶剤塗料 |
・臭気が比較的少なく住宅向け ・扱いやすく仕上がりが安定 ・付帯部〜外壁まで幅広く対応 ・現場調色にも向いている |
・強溶剤ほどの耐久性はない ・気温・壁温に影響されやすい |
非常に多い(住宅標準) |
| 水性塗料 |
・低臭で近隣に優しい ・環境負荷が低く最も進化が進む分野 ・外壁では耐久性も十分に確立 |
・湿度・気温の影響を受けやすい ・金属部には基本不向き |
非常に多い(外壁標準) |
塗料はどれも同じように見えますが、実際には「向いている部位」が大きく違います。
素材・周辺環境・予算だけでなく、建物の寿命やメンテナンス性も踏まえながら、最適な塗料を選定する必要があります。
- 【外壁(窯業系サイディング・モルタル)】
→ 水性塗料 or 弱溶剤塗料が標準です。
においが少なく、耐久性も進化しています。
発色・色の落ち着きも安定しており住宅塗装向きです。 - 【屋根(スレート・金属)】
→ 弱溶剤塗料が基本
屋根は日射・温度変化が激しいため、密着性と耐候性のバランスが大切になります。 - 【鉄部(庇・雨戸・手すり・門扉)】
→ 強溶剤塗料が理想的
金属はサビやすく、硬度の高い強溶剤の方が長持ちします(臭気には要配慮)。 - 【雨どい・破風・鼻隠しなど付帯部】
→ 弱溶剤塗料が最適
塗膜の伸び・密着性・耐候性がバランスよく、住宅塗装のオールラウンダーです。 - 【木部(玄関柱・化粧垂木)】
→ 弱溶剤 or 専用木部塗料(水性含む)
木の伸縮に追従できる柔軟性と透湿性が重要です。
外壁塗装は一年中できる工事ですが、季節によって乾燥スピードが大きく変わり、仕上がりの色味に微妙な差が出る場合があります。
これは塗膜の乾燥が「気温・湿度・日射」に強く影響されるためで、職人は季節ごとに塗り方を調整しながら色を整えていきます。
- 【春】温度・湿度ともに安定、最も美しく仕上がりやすい季節
乾燥がゆっくり安定するため、色の落ち着きも均一。微妙な色差が出にくい理想的な時期です。 - 【夏】乾燥が早く、明るく軽やかに見えやすい季節
塗膜表面がキュッと縮み、わずかに白っぽく見えることも。職人はスピード調整が重要になります。 - 【秋】気温差・湿度差に注意、色の安定性は高い
朝夕の冷え込みで乾燥が読みづらい場合もありますが、総じて仕上がり品質は高く、人気の季節です。 - 【冬】乾燥が遅く、色が少し濃く落ち着いて見えやすい季節
低温で乾燥が進まないため、職人は気温・壁温・日射を見極めながら作業を進めます。
このように、季節ごとで塗料の乾き方も色の表情(完全乾燥まで)も変わるため、小林塗装では季節・天候・日射方向を考慮しながら、一年を通して安定した美しい色に仕上げる施工管理を行っています。
2. 外壁塗装の「色ずれ」で実際に起こりやすいトラブル例

外壁塗装における「色ずれ」は、決してひとつの要因だけで起こる単純な現象ではありません。
色見本帳や実塗板で見た時には「落ち着いた色」に見えたのに、実際に外壁に塗ってみると、太陽光の反射・外壁材の凹凸・壁面の広さによってワントーンほど明るく感じてしまうケースです。
特に南面は強い日差しを受けるため、同じ色でも「軽く明るく見える」という特性があり、仕上がりの色が想像よりも淡く感じられることがあります。
雨染みやクラック補修などで部分的に塗り替えた際、補修部分だけわずかに濃く(または薄く)見えてしまうトラブルです。
製造ロットの違い・下地の吸い込み・既存塗膜の経年変化などが重なると“面のつながり”に違和感が出やすく、補修痕が浮いて見えることがあります。
外壁は面積が広いため、部分塗りでは色差が強調されてしまうのが特徴です。
「南側だけ白っぽく見える」「西側だけ濃く沈んで見える」といった、面(方角)によって印象が変わってしまうケースも珍しくありません。
これは、日射量・乾燥速度・外壁表面温度が面ごとに大きく違うからです。
特に強い西日を受ける西面は、ほんのわずかな色差でも重たく見えて、南面は太陽光で軽やかに明るく見えるという光学的な現象が起こります。
塗料は乾燥・硬化の過程でゆっくりと本来の色に落ち着いていくため、塗装直後と数日経過後で印象が変わることがあります。
特に水性塗料は気温・湿度の影響を受けやすく、初日はやや濃く見えていたのに、完全乾燥すると明るく見える場合もあります。
これは「色ずれ」ではなく「乾燥過程による色の差異」による自然な変化です。
試し塗りの時は満足していたのに、面全体を塗ると、「ちょっと違うかも。・・・」と感じてしまう例です。
これは、「面積効果」が大きな原因で、小さなサンプルでは深く落ち着いて見える色でも、外壁一面に広がると淡く明るく見えやすいという、人間の視覚心理によるものです。
骨材入り塗材(ジョリパット・リシン・スタッコ等)は、色だけでなく、「肌(テクスチャー)」の差によっても印象が大きく変わります。
現場調色がほぼ不可能なため、補修部分の質感・影の落ち方が既存と少し違うだけで、色まで違って見えてしまうことがあり、これも「色ずれトラブル」として扱われます。
特に湿度の高い時期に起こりやすいトラブルです。
塗膜が乾き切る前に水分を取り込んでしまい、白化(かぶり)が発生すると、本来よりワントーン明るく、もしくは白っぽく濁ったように見えることがあります。
こういった場合、適切な補修が必要となるケースです。
下地が劣化していると、塗料が部分的に吸い込みすぎる箇所が生まれてしまい、色が濃く見えたり、逆にムラっぽく明るく見えたりすることがあります。
下塗り不足(遮蔽不足)や、適切なフィラー選定がされていない場合に起きる典型的なトラブルで、プロほど下地処理を重視する理由がここにあります。
色自体は正しくても、屋根・サッシ・玄関・植栽・近隣住宅との調和によって、想像していたイメージと違って見えることがあります。
色は単体で見ると良い色でも、建物全体の「色の組み合わせ(配色バランス)」によって、良くも悪くも大きく姿を変えるので、想像と異なる仕上がりに見える例です。
特にグレー・ベージュ・ブラウンは「赤み・青み」のわずかな差が印象を大きく左右します。
乾燥過程で溶剤が抜け、顔料が定着すると、「少し赤みが強くなった」「青みが抑えられた」など微妙なニュアンスの違いが表れ、これが色ずれと感じられることがあります。
これは塗料の性質そのものに起因する、ごく自然な現象です。
3.色ずれが起きてしまった時の正しい対処法

たとえ万全を期していても、外壁塗装の仕上がりは「自然界の光」や「下地の状態」「乾燥環境」といった要素の影響を受けるため、ごくまれに「思っていた色と少し違う気がする。・・・」と感じられることがあります。
こういった場合、色ずれの原因を丁寧に見極めることで、改善・調整がすることができます。
ここでは当店が現場で行っている、正しい対処の流れを紹介します。
まずは使用した塗料の製造ロット番号を確認します。
ロット差が疑われる場合は、同一ロットへの切り替え、希釈率や攪拌方法の見直し、必要であれば塗り重ねによって色味を丁寧に整えていきます。
ロットの統一は、外壁全体の色の均一性を守るための最も基本的で重要な工程で、これはいわば料理人が「同じ鍋で仕込んだスープ」に切り替えるようなものです。
混ざり方と濃度を揃えることで、色の安定感を回復させることができます。
色ずれは小さな点の違いというよりも、外壁という広い面で見たときの「面の差」として感じられます。
そのため、部分補修だけで整えようとすると、色の境界が強調されてしまい、かえって違和感が増してしまうことがあります。
当店では、必要に応じて一面単位で丁寧に塗り直し、自然光の下で見ても何ら違和感のない、仕上がりを目指します。
これは「一筆だけ描き直した絵」が不自然に浮いてしまうのと同じで、外壁全体の「調和」こそが美しい仕上がりの鍵になります。
色は光の種類によって大きく印象が変わります。
昼間の自然光、とりわけ太陽光が最も強く当たる南面での確認が、最も正確な「仕上がりの色」を判断する基準となります。
朝の青みを帯びた光、昼のクリアな光、夕方の赤みを帯びた光など、これらの光の変化は、部屋の照明がインテリアのイメージを変えるのと同じく、外壁の色の表情を大きく左右します。
当店では、時間帯を変えて色を確認しながら、もっとも自然で違和感のない色に寄せていきます。
「ほんの少し赤みを抑えたい」「わずかに明るい方向へ寄せたい」 こうした繊細な希望にも、可能な範囲で対応します。
塗料の種類や塗膜の状態にもよりますが、経験豊富な職人でしたら、わずかな配合調整や塗り重ねで「イメージの調整」を行うことが可能です。
色選びは、ときに迷いが生まれるほど奥が深いものです。
だからこそ、当店では「お客様の感覚に寄り添う」ことを大切にして、「本当にこの色にして良かった!!」と心から思ってもらえることを目指しています。
4.外壁塗装の色ずれトラブルを防ぐための3つのポイント

外壁塗装の色ずれは、施工後に気づいてしまうと「せっかくの塗り替えなのに。・・・」と残念な気持ちになってしまうかと思います。
しかし実際には、事前にいくつかのポイントを押さえておくだけで、色ずれは高い確率で防ぐことができます。
ここでは、当店が日頃から大切にしている色選びの方法を分かりやすくお伝えします。
色選びの際に手軽に確認できる色見本帳は、確かにとても便利なツールです。
しかし、色見本帳はあくまで「小さく印刷された紙製のサンプル」であり、実際の外壁に塗った塗料の姿を完璧に再現できるわけではありません。
なぜなら、そこには塗装ならではの要素塗膜の厚み、外壁材の吸い込み、凹凸による陰影、拡散反射、艶感の出方など――が一切反映されていないからです。
そのため、当店では、色見本帳を配色の方向性をつかむためのツールとして扱い、本当の判断には必ずA4サイズ以上の実塗板サンプルの確認をおすすめしています。
見本板とは、外壁塗装で使う塗料を、実際の外壁材に近いボードに丁寧に塗ったものです。
そこには塗膜の厚さも、光の当たり方も、細かな凹凸による陰影の出方も、数値では表せない本物の質感が再現されています。
また、外壁は一見平らに見えて、実際には陽の光・街灯・反射光など、さまざまな方向から光を受ける「立体的で複雑な素材」です。
そのため、実塗板は室内だけで眺めるのではなく、屋外で、太陽光の下で、近く・遠く・斜めから・影になった場所からといったように、複数の角度・距離・時間帯で見ることが非常に重要になります。
たとえば同じ実塗板でも
- 午前中の柔らかい光の下では、青みがかったすっきりとした印象になります
- 昼の真上からの光では、色そのものの「真の姿」がクリアに浮かび上がります
- 夕方の赤みを帯びた光では、同じ色でも驚くほど温かく見えます
このように、色は「塗料そのもの」ではなく、「光 × 素材 × 見る角度」という複数条件の掛け合わせによって、表情が変わる生き物のような存在です。
だからこそ、色見本帳だけで判断するのではなく、実塗板を実際に屋外で確認することが、仕上がりのギャップを限りなく減らす最も現実的で確実な方法です。
色というものは、塗料そのものの色だけで決まるのではなく、「どんな光を受けているか?」によって驚くほどイメージが変わります。
たとえるなら、カフェの照明で見る料理と自宅の蛍光灯の下で見る料理の色が違って見えるようなものです。
特に外壁は一日を通して光の色温度が大きく変わるため、朝・昼・夕方の3つの時間帯で色を見ることが非常に大切です。
- 朝:太陽が低い位置にあり、青みが強い光のため、色がやや涼しげ・クールに見えます。
- 昼:太陽光がもっともクリアで、色見本に最も近い「本来の色味」が見える時間帯です。
- 夕方:赤みが差し込むため、同じ色でも温かみが増し、柔らかく感じられる傾向がです。
この「光による色の表情の変化」を事前に知っておくことで、外壁塗装の完成後に「思っていたより明るい」「夕方に赤みが強い気がする」といったギャップを大幅に軽減させることができます。
色とは、科学であると同時に“光と感覚の世界”でもあるため、こうした確認は非常に理にかなった方法といえます。
外壁の色は単体で見ても魅力は分かりません。
それは洋服の色を選ぶときに、トップスだけを見て決めるのではなく、ボトムスやアクセサリーとの相性まで考えるのと同じです。
外壁も「住まい全体のコーディネート」の一部だからです。
色だけで判断してしまうと、完成後に「何となく浮いて見える。・・・」「家の形と合っていない気がする。・・・」と微妙な違和感が生まれやすくなります。
そこで小林塗装では、外壁単体ではなく以下の要素との調和を重視します。
- 建物の形状: 凹凸の多さ・窓の配置・陰影の付き方
- 屋根の色: 外壁とのコントラスト・全体の重心の見え方
- サッシ色: 窓枠が暗いか明るいかで印象が大きく変わる
- 玄関ドアや外構: 木目・金属の質感が色の印象と調和するか
- 周囲の家並み: 街並みとの一体感や品の良さを損なわないか
色選びとは、単なる好みではなく「住まいの表情をデザインすること」です。
当店では、お客様の暮らし方や住まいの雰囲気、周囲の環境までも考慮しながら、長く愛着が持てる調和のとれた色を提案しています。
色を正しく選ぶためには、知識や経験、そして何より「住まいを大切に思う気持ち」が欠かせません。
そのすべてを大切にしながら、色ずれのない、きれいでおしゃれな外壁塗装を目指しています。
5.まとめ|外壁塗装の色ずれを防ぐ一番の近道は丁寧に確認することです

外壁塗装における色ずれという現象は、ほんのわずかな差から始まります。
しかし、そのわずかが完成したときの住まい全体のイメージに大きな影響を与え、「理想と少し違う。・・・」という気持ちなってしまうことがあります。
外壁は建物の顔にあたる部分だからこそ、色の差は些細であっても無視できません。
けれども、色ずれは決して避けられないものではありません。
事前の準備、丁寧な確認、そして職人の慎重な判断や経験値を積み重ねることで、そのほとんどを防ぐことができます。
言い換えれば、外壁塗装の成功は「塗り始める前の細やかな段取り」で決まるといっても過言ではありません。
小林塗装では、色ずれ防止のため、以下の内容をおこなっています。
- ■ 実際の外壁材に極めて近い質感で確認できる、A4以上の実塗板サンプルでの事前チェック
- ■ 均一な発色を保つための、塗料ロット番号の統一管理
- ■ メーカー基準に沿った希釈率・塗布量の厳守と徹底した塗膜管理
- ■ 朝・昼・夕方という異なる光の下での色の見え方の変化をチェック
- ■ 部分塗りではなく、より自然で均一な仕上がりになる一面単位での丁寧な塗装管理
こうした一つひとつの積み重ねが、「色の不満」を「安心と納得」へと変えて、「この色にして良かった」と心から思ってもらえる仕上がりへとなります。
外壁塗装はただ壁に色を塗る作業ではなく、お住まいの雰囲気を整え、暮らしそのものを彩る大切なプロセスです。
色選びという作業は、楽しみであると同時に、「本当にこの色でいいのかしら。・・・」という、不安や迷いが入りやすい部分でもあります。
だからこそ、そんな気持ちに寄り添いながら、専門的な視点と経験をもってサポートする色選びのパートナーが必要です。
当店は、専門店としての知識と技術を土台にして、「住まいをよりきれい、おしゃれにしたい」という真摯な想いで お客様一人ひとりに寄り添いながら、後悔のない色選びと確かな仕上がりを実現します。
もし少しでもお悩みや気になる点があれば、お気軽に相談ください。
お客様の大切な住まいが、今よりもっと魅力的に、そして誇らしく見えるよう、心を込めてお手伝いします。
6. 外壁塗装の「色ずれ」に関するよくある質問

外壁塗装における「色ずれ」とは、塗装が完了し新しい外壁を眺めた際に、「あれ? 想像していた色と、どこか雰囲気が違う気がする・・・」 と感じられる、極めて繊細な色のゆらぎを指します。
これは決してお客様の思い過ごしや勘違いではなく、塗料の製造ロットごとのわずかな成分差、外壁材の吸い込み具合、施工当日の気温・湿度、日射の角度や強さ、乾燥速度、さらには周囲の景観色や光の反射まで、多くの要因が複雑に重なり合うことで起きる現象です
特に外壁は一枚のキャンバスに見えて、実は面ごとに光の入り方も影の落ち方も違うため、数値上は同じ色であっても、見る位置・時間帯・天候によって印象が変わりやすいのが特徴です。
そのため、「ほんの僅かな違い」が拡大されて感じられ、色ずれとして認識されることがあります。
色見本帳は非常に便利な資料ですが、あくまでも「紙に印刷された小さな参考色」なので、 外壁材の凹凸や質感・光の反射・表面温度・塗膜の厚みなど、 実際の外壁とは条件がまったく違ってきます。
そのため、見本帳の色だけで判断すると、「想像より暗かった」「思ったより明るかった」と感じてしまうことがあるのです。
そこで小林塗装では、A4サイズ以上の実塗板での確認をおすすめしています。
実はあります。
塗料は工場で丁寧に製造されていますが、同じ色番号であっても製造時期(ロット)が違うと、顔料濃度や樹脂・添加剤バランスがごくわずかに変わることがあります。
このわずかな違いが、外壁という大きな面積に塗られることで 人の目に明確な変化として映る場合があります。
人間の目は非常に敏感で、明度差0.2〜0.5程度でも、違いとして認識するといわれています。
骨材入り塗材は、色ずれが起きやすいというより、「現場で色を調整できない」という特性があります。
その理由は、ジョリパット・リシン・スタッコは、塗料の中に骨材(砂・石粉など)が均等に練り込まれているため、 現場で着色剤を加えると骨材との比率が崩れ、模様や肌が不均一になってしまうからです。
そのため工場調色のみが基本となり、色ずれ対策も慎重な事前準備が必要です。
色ずれは「点」ではなく「面」として視界に入るので、小さな部分だけを塗り直すと、逆に境界が強調されてしまうことがあります。
そのため、小林塗装では部分補修ではなく「一面単位で整えるブロック塗装」を基本としています。 こうすることで、どこを補修したのか分からないほど自然で上品な仕上がりになります。
はい、建物の向きは色の見え方を大きく左右させます。
特に南面・西面は日射量や紫外線が強いため、同じ塗料で塗っても他の面とは異なる印象になることがあります。
光の量や角度が変わるだけで、外壁の色は驚くほど表情が変わります。
光には「朝の青み」「昼のクリアな白」「夕方の赤み」という特徴があって、この光の性質が変化することで同じ色でも「まったく違色」のように見えるることがあります。
色は光に非常に影響を受けるため、朝・昼・夕方それぞれの光での確認がとても大切です。
色ずれ防止には、次の3つが特に重要です。
- ① A4以上の実塗板で色を確認する
- ② 朝・昼・夕方、3つの光で色を見る
- ③ 屋根・サッシ・植栽など全体の調和を見る
この3つを押さえるだけで色ずれリスクは大幅に減少します。
ほとんどの場合、可能です。 ロット番号の照合、希釈率の調整、塗膜の確認を行い、必要に応じて一面単位で塗り直すことで、かなり元のイメージに近づけることができます。
いいえ、気のせいではありません。
人間の目は非常に繊細で、数値上では“ごくわずか”な明度差であっても、「違う」と感じ取る繊細な力を持っています。
外壁のように面積が大きいほど、わずかな色差が強調されて見えるため、直感的に違和感を覚えることは珍しいことではありません。
はい、塗料は乾燥・硬化が進むにつれ、「色が安定して落ち着いた感じになる」ことがあります。
特に低温時や湿度が高い日には、乾燥が遅れることで色が濃く見えたり、逆に乾燥後にスッと明るくなるケースもあります。
完全乾燥には数日〜一週間程度を要することが多いので、初期状態と最終状態で印象が変わることは珍しくありません。
100%完全に防ぐことは難しいですが、それに限りなく近づける方法はあります。
それが、「丁寧な確認」と「積み重ねられた配慮」です。
- 光の変化を複数時間帯でチェックする
- ロット番号を統一する
- 希釈率・塗布量を厳密に管理する
- 部分補修ではなく「一面単位」で塗る
これらを徹底することで、色ずれの不安を限りなく減らし、「思い描いていた通りの色」に近い仕上がりにすることができます。
外壁塗装 色に関するよくある相談 まとめ
外壁塗装トラブルに関するよくある相談 まとめ
外壁塗装の色が気に入らない場合、どうしたらいいの?
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コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
僕は、小林塗装の店主として、そして一職人として、これまで30年以上、毎日のように建物と向き合う仕事を続けてきました。
外壁の色が変わるだけで、家の表情が一瞬で明るくなったり、落ち着いた雰囲気に包まれたり、そうした「色の力」を身近で感じながら、塗装という仕事に誇りを持ち続けてきました。外壁塗装でおすすめできない色」のコラムを書こうと思ったのも、 これまで多くの現場で、色選びで悩んでいるお客様と向き合ってきたからです。
外壁の色は、一度塗れば10年、あるいは15年はそのまま。 もし失敗したからといって簡単にはやり直せません。
だからこそ、僕自身が長年の経験から得てきた知識や判断基準を、できる限り分かりやすくお伝えしたいと思っています。
塗装工事は、多くの方にとって人生でそう何度も経験するものではありません。 「どんな塗料が良いの?」「何年で塗り替える?」「どの色だと後悔しない?」 そんな不安が生まれるのは、むしろ当然のことだと思います。
ですから、むやみに専門用語を並べたコラムではなく、読んでいるお客様の疑問や不安に寄り添いながら、一歩ずつ理解を深めてもらえるコラムを書くことをいつも大切にしています。
また、色選びは単に好みの問題ではなく、建物の素材、立地、周囲の環境、太陽の向き、そしてその色が何年後にどう変化していくか? こうしたさまざまな要素が複雑に絡み合う、とても奥深い作業です。
その難しさをひとりで抱え込まずに、専門家としての知見を頼ってもらえれればと思っています。
当店のホームページのコラムは、こうした長年の経験で蓄積された知識や現場のリアルな話を、「初めての方でも気軽に読めて、でも中身はしっかり専門的」そんなバランスを大切にして、丁寧にお伝えすることをいつも心がけています。
これからも、初めて塗装工事を検討される方、以前に塗り替えを経験したけれど不安が残る方、 「ちょっと聞いてみたいだけなんだけど。・・・」という方まで、誰にとっても楽しく読んでもらえるコラムを発信していきたいと思っています。
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