

バイオ洗浄って、一体何? 本当に効果あるの?
バイオ洗浄とは、「バイオ系の洗浄剤を使った高圧洗浄」のことです。
バイオ洗浄は、通常の高圧洗浄よりも洗浄力が高く、頑固なカビやコケを落とすことができるそうです。
ですから、外壁や屋根の汚れを気にしているお客様のお家で用いられることが多い洗浄方法です。(バイオ洗剤=生物学をベースに応用した洗剤?)
外壁塗装におけるバイオ洗浄の方法は、「ローラーでバイオ洗浄剤を壁面に塗って、時間をおいてから洗い流す方法」と「バイオ洗浄剤と水を混ぜて噴射させながら洗う方法」の2種類があります。
そんなバイオ洗浄の効果について「名古屋の塗装店」小林塗装が詳しくお伝えします。
- ・ バイオ洗浄とは?
- ・ バイオ洗浄の方法
- ・ バイオ洗浄の効果
1. バイオ洗浄って、一体何?
バイオ洗浄のルーツは、今から25年以上前の1,990年代後半、2,010年に経営破綻して今では存在しない塗装会社「ペイントハウス」が行っていた洗浄方法です。
このバイオ洗浄が一体どういった物かというと、高圧洗浄をする際に洗浄水の中にバイオ洗剤を入れて洗うというもので、普通の高圧洗浄よりも高い費用を得るための営業手段(パフォーマンス)だと塗装業界では言われていました。
その理由はバイオ洗浄をよく知らないお客様でも少し考えてみれば分かるかと思いますが、そんなに良い製品でしたら、とっくに標準塗装仕様に取り入れられ、大手塗料メーカーや大手化学メーカーが力を入れて販売していますよね。
現在でも、バイオ洗浄はペイントハウスと同じように塗装工事の見積金額を上乗せしたい会社や他社よりも自社の方が品質の良い塗装工事だとアピールしたい会社が同じ、もしくは同じような作業名称で高圧洗浄に付加価値を持たせた作業(価値はあまりありませんが)として行っています。
外壁塗装でよく使われているバイオ洗剤の成分が植物由来で建物の外壁や環境にやさしいという売り込みをしていますが、多くのバイオ洗浄剤の取り扱い方法には、「外壁周囲の養生をしてください」、「ゴーグル、ゴム手袋、レインスーツなど適切な保護具を付けて洗浄してください」などと必ず記載してあります。
その様な洗剤が環境や人体にやさしい訳がなく、使われているのは紛れもない普通の洗剤で周囲の植栽に付いた場合、植物が枯れてしまったり、水槽に洗剤が入ると魚が死んでしまったり、人が飲んだり、目に入ったりすると大変危険です。
なお、安全なバイオ系洗浄剤は、柑橘系の皮質から抽出した天然成分であるクエン酸、リモネンなどが主成分のバイオ洗浄剤が比較的安全かと思います。
しかし、比較的安全だと言いましても、周囲の植栽や水槽の養生は必要です。
2. バイオ洗浄の作業内容
バイオ洗浄の方法は、先にお伝えした様に2種類ありますが、最近多い施工方法が洗浄する際に洗剤を同時に噴き出すことができるアタッチメントを付けて付け置き洗浄するという方法です。
しかし、バイオ洗浄は洗剤の洗い残しがあったり、洗剤の成分が塗装面に残っていると、洗剤に含まれる界面活性剤(水と油をつなぐ役割を果たす成分の総称=主に手荒れや、かぶれの原因となったり、体に浸透することで毒を処理する肝臓に負担を与え、肝臓障害を起こすこともあり、他の化学物質と相乗作用で毒性を増すことで発がん性も心配されています。)によって、洗浄した後にカビが入る原因になったり、界面活性剤の悪影響によって、塗装の早期剥離に繋がったりするなどと言った重大な不具合の原因となる恐れがあるので特に入念な濯ぎ作業が必要になりますが、バイオ洗浄でそんなに入念な濯ぎ作業を行っている業者はあまり聞いたことがありません。
なお、バイオ洗浄材を完全に濯ごうとしたら、濯ぎだけでも一般住宅の場合、約1.5日は必要になるかと思います。
つまりバイオ洗浄おいては、特に入念な濯ぎ作業が必要になりますが、そのような丁寧な作業を施工してくれる塗装業者選びが重要になってきます。
(ですから、バイオ洗浄を提案してくる業者には、バイオ洗浄の作業時間がどのくらい掛かるのか絶対に確認しましょう。ちなみにバイオ洗浄の作業時間は、ちゃんと行うと通常の洗浄作業よりも2倍以上の作業時間が必要です。)
塗装業者の中には、外壁塗装の工事費用を上乗せするために、バイオ洗浄を勧めてくる悪質なケースもあることから、十分注意することが必要です。
(まぁ、ほとんどがそういった悪質業者か、外壁塗装に対する知見が乏しい業者と思われます。)
3. バイオ洗浄の施工手順
- 1. バイオ洗浄剤によって悪影響を及ぼしそうな植栽や池や水槽に養生をしっかり行います。
- 2. 洗浄作業前には、ゴーグル、ゴム手袋、レインスーツなど適切な保護具をまといます。
- 3. 通常の高圧洗浄で外壁の汚れを洗い流します。(洗浄面全体をたっぷりと高圧洗浄で濡らし、外壁面を湿らせることが重要です。)
- 4. 適切に希釈したバイオ洗浄剤を壁面に満遍なく塗布してカビなどの菌を分解させます。
- 5. バイオ洗浄剤の塗布が終わったら、10分程度そのままにしておき、壁面汚れを分解促進させます。
- 6. 高圧洗浄でバイオ洗浄剤をしっかりと洗い流します。(濯ぎ作業が特に重要です。)
- 7. バイオ洗浄した外壁がしっかりと乾いたら、シーリング撤去、養生作業など次工程に移ります。
4. 外壁バイオ洗浄に使う洗剤は高価なの?
住宅用バイオ洗剤は、税別で32,000~38,000円くらい(20L)で外壁塗装業者やリフォーム業者向けに売られています。 水で薄めて使う濃縮タイプもの(その時点で安全ではないです)なのですが、30倍希釈で外壁面積150㎡の住宅8棟の洗浄が可能とされています。
バイオ洗浄の原価は、1棟あたり税込みで4,000~4,750円程度です。
なお、バイオ洗浄の作業価格は、1㎡=300~400円程度になります。
ですから、外壁塗装の面積が150㎡の場合、バイオ洗浄の費用は45,000~60,000円になるので、適当に作業するとかなり利益率が良い作業と言えます。
なお、バイオ洗浄の水道代は、高圧洗浄での洗い流し作業1回と比べて、バイオ洗浄は洗浄剤を塗布する前の洗い流し作業とバイオ洗浄材塗布後の洗い流し作業といった2回洗浄が行われるので、単純に水道代も高圧洗浄の2倍掛かります。(ちゃんと濯ぎ作業を行うとそんなに割の良い作業ではありません。)
5. バイオ洗浄の効果はあるの?
ハッキリ言えば、外壁塗装の下処理でバイオ洗浄を行っても得られる効果はほとんどありません。
水だけで洗ってもほぼ同じです。
もし、そのバイオ洗浄剤が持つ洗浄効果を本当に得たいのでしたら、高圧洗浄機でただ洗い流すのではなく、バイオ洗浄剤を壁面に塗って、時間をおいてからスポンジを使って擦り洗いして、その後に完全にバイオ洗浄剤を洗い流す必要があります。
ただし、外壁や屋根での塗装前に行う通常の高圧洗浄作業でも、正しい方法で丁寧に洗浄すればバイオ洗浄剤を使って洗うよりも、よっぽどキレイで確実に洗うことができます。
また、著しく壁面や屋根に藻やカビが発生している場合は、既存の塗装に適した殺菌剤や専用の洗浄剤で下処理する事をおすすめします。
ちなみに、外壁の高圧洗浄でバイオ洗剤を使う必要があるのは、外壁面に油分が付いている場合に限るかと思います。
(そんなケースはほとんどありませんが。)
なお、外壁汚れがひどい場合、以下のバイオ系洗浄剤で下処理することをおすすめします。
6. バイオ洗浄のメリット、デメリット
バイオ洗浄のメリット、デメリットについてお伝えします。
◎ バイオ洗浄のメリット1. カビ、藻、コケをしっかり除去できます
外壁汚れの種類は、排気ガス、砂塵、ホコリなど様々な種類がありますが、バイオ洗浄剤は特にカビ、藻、コケなどの汚れに対して効果を発揮します。
◎ バイオ洗浄のメリット2. 素材への負担が少なく洗浄できます
バイオ洗浄の場合は、素材にあまり負担をかけず洗浄できます。
高圧洗浄だと高水圧で汚れを落とすことになるため、何度も高圧洗浄を行うと、多少なりとも素材を傷めてしまう可能性があります。
しかしバイオ洗浄でしたら、カビ、藻、コケ汚れを洗剤で浮かせて洗い流すため、物理的な負担を若干抑えられます。
× バイオ洗浄のデメリット1. 洗浄費用が高いです
バイオ洗浄は水だけでなく、洗浄剤も使用するため、通常の高圧洗浄よりも費用が2~3倍以上高くなります。
なぜならバイオ洗浄は、高圧洗浄をした後に洗浄剤を塗布して、再度高圧洗浄を行うという作業内容だからです。
さらに洗浄剤以外にも高圧洗浄2回分の水道料金が上乗せされてしまうため、通常の高圧洗浄よりもコストが掛かってしまいます。
× バイオ洗浄のデメリット2. 通常の高圧洗浄よりも長い乾燥時間が必要です。
バイオ洗浄は、通常の高圧洗浄よりも多くの水を使用しているので、洗浄後2~3日間しっかり乾かさなくてはいけません。
一方で高圧洗浄は、約1~1.5日の乾燥時間で塗装することができます。
7. 外壁汚れがひどい場合、推奨するバイオ系の洗浄剤
当店がおすすめする外壁用洗浄剤(下地処理剤)を紹介します。
- ・エスケー化研 「SKKカビ除去剤#5・SKKカビ除去剤#50」
- ・関西ペイント 「アレスリフレ シリーズ」
- ・ロックペイント 「防藻・防カビ処理剤」
なお、これらの洗浄剤を使用する際には、周囲の植栽や水槽の養生はしっかり行う必要があります。
8. 外壁バイオ洗浄で効果が期待できない汚れとは
砂埃や排気ガス、錆びによる外壁の汚れは、バイオ洗浄でも効果は期待できません。
むしろ、排気ガスや錆びなどの沈着汚れは、バイオ洗浄では効果があまり期待できませんので、無理にバイオ洗浄を行う必要はありません。
また外壁汚れが目立っている場合でも、著しくカビ、藻、コケなどの発生が見られない場合は、特段バイオ洗浄する必要はなく、通常の高圧洗浄だけで十分汚れが落とすことができます。
9. バイオ洗浄って、本当に効果あるの?まとめ
バイオ洗浄は、一般のお客様から余分な費用を取るための手段でしかありません。
製造元がよく分からないバイオ洗浄剤を使うよりも、高圧洗浄をちゃんとしっかり行う方が効果的です。
洗浄方法が良くなければ、バイオ洗浄はむしろ行わない方が良いかと思います。
塗装工事 高圧洗浄作業について
塗装工事 ケレンの作業方法について
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塗装工事の調査と見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず

小林塗装の店主小林ゆずは、名古屋「塗装工事の専門店」小林塗装ホームページのコンテンツ作成をしています。
塗装工事のエキスパートとして、外壁、屋根など塗り替え工事を検討している一般のお客様にとって分かりやすく、役立つ情報発信をいつも心掛けています。
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