
DIYで、塗装をきれいに仕上げる為、「DIY塗装の基本的な知識」と「ちょっとしたコツ」を塗装工事のプロがまとめました。
DIY塗装のポイント
1.塗装する素材や塗装する場所に適した塗料を選びましょう。

塗る素材や塗る場所によって、様々な種類の塗料があります。
ですから、間違った使い方をすると、キレイに仕上がらなかったり、塗装後すぐに錆が出たり、塗料が剥がれたりするなど、大きな不具合が生じます。
ですから、塗料のカタログや缶に記載されている用途や機能表示を必ずよく読んで塗料を選びましょう。
2.天気の良い日を選んで塗装しましょう。

雨の日や湿度が高い日に塗装をすると、塗料がなかなか乾かなかったり、塗膜の表面が白く濁ったりする事があります。また、気温が低い時も塗料が乾かない場合があります。ですから、塗装はできるだけ天気の良い晴れた日を選んで塗装しましょう。
冬の場合は、晴れた気温の高い日中に塗装する様にして、気温が低くなる前に塗装を終える様にしましょう。
3.換気の良い状態で塗装しましょう。

塗装する場所は、いつも換気を良くする必要があります。換気が良くないと、塗料が乾燥しにくくなったり、塗料の臭いがこもったりします。特に室内の塗装を行う際は、換気に充分注意しましょう。
4.塗装する前には、素地を良く整えましょう。

塗装する前には、塗装するものを良く乾燥させ、塗装面の汚れ・剥がれかかった古い塗膜・錆・油分・ヤニ・藻・カピ等は、必ずキレイに掃除して取り除きましょう。
掃除を行わずにそのまま塗ってしまうと、塗装後すぐに塗膜が剥がれたり、ヤニ・カビ等が滲み出てきたりする等の不具合が生じます。
5.塗装する前には、養生をしっかり行いましょう。

塗料が付いて汚さない様、塗料が付いてはいけない部分は、塗装する前にマスカーやマスキングテープでしっかり養生をしておきましょう。養生をしっかり行うと、塗料の飛散を気にせず安心して塗装する事ができるので、キレイに仕上げる事ができます。養生作業の良し悪しで塗装の仕上がりが大きく変わります。
また、塗装の完了後、マスキングテープを取るタイミングが重要です。塗料が完全乾いてから取ると塗膜がマスキングテープと塗装の境部分がうまく剥がれなかったりするので、塗装が完全に乾く前にマスキングテープを丁寧に取りましょう。
6.塗料に合ったうすめ液(シンナー)を使いましょう。

うすめ液(シンナー)は、塗料が濃すぎて塗りにくいときに薄めたり、刷毛を洗ったり、塗装の汚れや衣服に付いた時に落とす為に使います。
なお、うすめ液は、塗料の種類によって違います。使用するうすめ液の種類がカタログや容器に記載されていますので、正しいうすめ液を使いましょう。
また、塗料や素材に合った粘度まで塗料を薄めて塗装する事も重要です。水性塗料の場合も塗料を水で適度に薄めて塗装する必要があります。
7.塗料や塗るものに合った塗装道具を選びましょう

塗装用の刷毛は、大きく分類すると、ペンキ刷毛・水性刷毛・ニス刷毛の3種類があります。刷毛の形状も、寸胴刷毛・平刷毛・筋交い刷毛、目地刷毛等と分かれています。
また、広い面積や高い場所を塗装する場合には、口-ラー(4~9インチ)、長柄(ローラーに取り付ける柄)等が様々な道具があります。
ですから、塗料や塗る場所に合った塗装用具を選んで使う事で、仕上がり感もキレイになって、作業効率も良くなります。
8.塗料は、使う前によくかき混ぜましょう。

塗料は、缶の底に顔料が沈澱している場合があります。沈殿した塗料をよくかき混ぜずにそのまま塗ると本来の色と違ってしまいます。ですから、塗料を使う前には、棒等で缶の底までよくかき混ぜ、塗料の顔料と樹脂を均一にする事が重要です。
スプレー缶の場合も同様で、使う前にスプレーをよく上下に振ってから使いましょう。
9.塗料は、一度に厚く塗らないようにしましょう。

一般的な塗料は、一度に厚く塗ると途膜の表面だけが乾いてしまい、途膜の中が乾かない状態になります。これは、塗膜の縮み・シワ、ヒビ割れ等、不具合の原因になるので、塗料は薄く、2~3回塗り重ねる様にしましょう。
10.塗料を良く乾かして、重ね塗りをしましょう。

塗料を2~3回塗り重ねて仕上げる場合には、前に塗った塗料が十分に乾いてから塗り重ねましょう。
前に塗った塗料が十分に乾かないうちに塗ると、厚塗りをした場合と同じ様な不具合が生じる事があります。
DIY刷毛塗りのポイント
1.刷毛を使う前には、

新しい刷毛には、余分な抜けた毛が混じっていて、新しい刷毛をそのまま使うと刷毛から抜けた毛が塗装面に付いてしまい、仕上がり感も良くありません。
ですから、使う前に刷毛をよくしごいて、余分な毛を抜くと良いです。
2.刷毛の使い方

刷毛は、塗料を最初たっぷり含ませて、さげ缶の縁の部分で、よくしごいて刷毛の中の空気を出します。
空気が残っていると塗膜に気泡が入り、キレイに仕上がりません。
また、塗料を塗る時は、刷毛の3分の2ぐらいまで塗料を含ませて塗ります。
3.刷毛の持ち方

刷毛は、刷毛の先端が横一文字になる様にして、柄を軽く持ちます。
刷毛塗りのフォームは、塗装面に対して、真っ直ぐ平行に立ち、塗面に対し大きく、均一に塗り広げる事と良いです。
4.刷毛塗りの手順は?

刷毛塗りの手順は
1.塗りにくい部分から塗りやすい部分を塗ります。
2.奥から手前へ塗ってきます。
3.上から下へ塗ります。
(縁では、刷毛を止めるのでなく払う様にすると良いです。)
4.右(左)から左(右)へ塗ります。
5.休憩する際は、

塗料はふつう2回塗りが原則。
1回塗りが終わって2回塗りにかかるまでの間、塗料のついた刷毛は 放っておくと固まってしまいます。
ビニール袋に入れ、空気を出してから 輪ゴムでとめておきましょう。水につけておいても固まりません。
6.使い終わった刷毛の手入れの方法

まず、乾かないうちに、残った塗料を皮すきやヘラ等でよく扱いて塗料を取り除きます。
さらにウェスなどに刷毛を擦り付けて、残りの塗料を充分に落とします。
次に使った塗料のシンナーでよく洗います。さげ缶の中で刷毛の中に含まれている塗料を扱き出します。
最後に中性洗剤で刷毛を洗い、水でよく濯いで、陰干ししておきます。
DIYローラー塗りのポイント
1.ローラーを使う前には、

まず、ローラーハンドルにローラーを取り付け、余分な毛を手で払い落とします。
刷毛と同様で、新しいローラーをそのまま使うと、ローラーから抜けた毛が、塗装面に付いてしまい、仕上がり感も良くありません。
2.ローラーの使い方

ローラーは、最初塗料をたっぷり含ませ、缶の縁でよく扱いて、ローラーの中の空気を出します。
ローラーの中に余分な空気が残っていると、塗膜に気泡が入り込み、キレイに仕上がりません。
3.ローラーの持ち方

ローラーは、グリップをしっかり持って、軽く押し当てながら、ゆっくり転がしていきます。(1秒間で約45㎝~50㎝のスピードで動かします。)
4.ローラー塗りの手順は?

ローラーの塗り方は、まず初めに、W字を書く様に塗料を均等に配り塗りして、次に端から順番に塗料をのばす様に塗っていきます。
また、天井から床まで塗る場合は、塗り接ぎ部分が人の目線の高さ(140~170㎝位の位置)に来ない様、注意して塗りましょう。
(ローラーの塗り継ぎ斑が分かりやすいです。)
また、高い場所、天井の塗装、床面の塗装には、ローラーフレームに長柄を付けるとスムーズに塗装できます。
5.ローラー塗装を休憩する際は、

1回目の塗装が終わって、2回目の塗装を行うまでの間、塗料の付いたローラーは 放っておくと乾いて固まってしまいます。
ですから、刷毛の場合と同様に、ビニールで包み、ローラーの空気を抜いて保管します。
6.使い終わったローラーの手入れの方法

ローラーが乾かないうちに、残った塗料を皮スキやヘラ等でよく扱いて塗料を落とします。
さらにウェスなどにローラーを擦り付けて、残りの塗料を充分に落とします。
次に使った塗料のシンナーでよく洗います。ローラーバケツの中でローラー中の塗料を扱き出します。
最後に中性洗剤でローラーを洗い、水でよく濯いで、陰干ししておきます。
外壁塗装用刷毛の種類について