

外壁セラミック塗装とは?注意が必要な理由もあわせて紹介
塗装工事をあまり知らない一般のお客様は、「セラミック塗装」って聞くと、耐久性が良さそうなイメージや何だかとても高級そうなイメージがあるかもしれませんが、外壁塗装の場合は、訪問販売業者から「セラミック系の塗料だから長持ちです!」と言われたら少し注意する必要があります。
中にはキルコやガイナなど例外の塗料もありますが、外壁塗装の耐用年数はあくまでもベースとなるシリコンやフッ素などの合成樹脂で決まります。
そこで今回は、「セラミック塗料とは、どういった塗料なのか?」、「なぜ、訪問販売業者に外壁塗装でセラミック塗料を使うと言われたら、注意した方が良いのか?」その理由を分かりやすく、『名古屋の塗装店』小林塗装の店主がお伝えします。
セラミック塗料について興味があるお客様はぜひご覧ください。
1. 外壁セラミック塗装に注意しなくてはいけない理由とは?
外壁塗装に使う塗料がセラミック塗料だから長持ちするという話は、全てが嘘ではありませんが、多くの場合は嘘なので注意が必要です。

なぜなら、セラミックが100%の塗料は絶対にないからです。
セラミック塗料には、ウレタン、シリコン、フッ素にセラミック(無機顔料、ケイ酸塩、天然石、陶石など)が若干含まれている塗料という感じで、塗料の耐用年数は塗料に含まれる樹脂のグレードや光安定剤、紫外線吸収剤などといった塗料の添加剤で決まるからです。
また、ウレタン、シリコン、フッ素などといった塗料のグレードの1つにセラミック系の塗料があると勘違いしているお客様も多いですが、これは大きな間違いです。
そういった勘違いを悪用して訪問販売業者がよく「セラミック塗料だから長持ちする」と嘘をついて、塗装工事をよく知らない一般のお客様へ相場以上に高い法外な価格を提示する事が度々あります。
さらに現在の塗装業界では、セラミック塗料という定義が曖昧で「セラミックが~%以上含まれていたら、セラミック系塗料」という様な決まった定義も無いので、塗料の中にほんの少しでもセラミックが含まれていると、「セラミック塗料」と呼ぶ事ができます。
(建築塗料の発展に対して、JIS(日本工業規格)やJPMS(日本塗料工業会規格)の規格が追い付いていない事が問題点と言えます。)
現在、そんなセラミック系塗料と呼ばれる外壁塗料には、大きく分けると以下のような3種類があります。
2. 3種類の外壁セラミック塗装 塗料の特徴
外壁塗装で使われている3種類のセラミック系塗料の大きな特徴について、お伝えします。
外壁セラミック塗装の種類1 着色骨材が入った石材調セラミック塗料

訪問販売業者の間でよく使われているオリジナルのセラミック塗料がまさにこれで、こういったオリジナル塗料を販売する訪問販売業者の企業情報を調べても自社の工場を保有しておらず、実際には山本窯業化工や菊水化学工業など石材塗料メーカーによるOEM塗料で、商品名が変更されている場合が多いです。
その中には、1㎡の工事単価が8,000円を超える様な高級な石材調塗料もあります。
こういった石材調塗料の中には陶石(≒セラミック)や天然石が入っているので、セラミック塗料と呼ばれる事がありますが、陶磁器や天然石は、塗料の耐用年数には全く関係なく、塗装のデザイン性を向上させるためだけに配合されています。
石材調塗料には、着色顔料が入っていないため、色褪せはしにくいですが、石調塗料だから耐久年数が長くなる訳ではありません。
なぜなら、トップコートを塗らないと、石材調塗料の結合剤であるエマルションが紫外線や雨などによって早期に劣化してしまい、石材塗料自体が白化したり、ベースコート(基材)となるセラミック層がボロボロ剥がれたりしてしまうからです。
そういった劣化(不具合)を防ぐために石調調塗装の仕上げにはクリヤー塗料を塗ります。
このクリヤー塗料が石材調塗装(セラミック塗装)の耐用年数を決定付けます。
したがって、石材調塗装の耐用年数は各種クリヤー塗料グレードに準ずると言えます。
しかし、ここでお客様に絶対勘違いしてほしくない事は、このような石調塗料が良くないという事ではありません。
その理由は、訪問販売業者がお客様に石材調塗装を「塗料にセラミックが含まれているので、メンテナンスフリーです。」、「セラミック塗装は、耐久性がフッ素以上で20年~30年は持ちます。」などといった嘘をついて、相場よりも高い金額で工事契約しようとする事が問題だからです。
外壁セラミック塗装の種類2 低汚染塗料、親水性塗料と呼ばれるセラミック含有塗料
塗装専門店などでよく使われている塗料がこの塗料です。
低汚染塗料・親水性塗料とは、通常のシリコン塗料の中に、無機化合物のシリカ(二酸化ケイ素 SiO2≒セラミック)を含んだ塗料の事を言います。
このシリカ微粒子が塗膜表面に形成される様に配合されて、外壁の表面(塗装面)が低帯電性や親水性が高くなり、汚れが付きづらく、汚れがついても落ちやすくなります。
耐用年数は、塗料の主成分であるシリコンやフッ素などに準じるので、セラミック塗料と謳っているからと言って、耐用年数が長くなる訳ではありません。
外壁塗装が汚れにくい事と塗装の耐用年数が長い事は全く別の話です。
あくまで塗装の耐用年数は、「塗膜として機能しているか?、していないか?」によります。
外壁塗装でよく使われる低汚染セラミック含有塗料 10選
- ・ エスケー化研 水性セラミシリコン
- ・ エスケー化研 水性セラタイトSi
- ・ エスケー化研 クリーンタイトSi
- ・ エスケー化研 クリーンマイルドフッソ
- ・ 関西ペイント セラMフッソ
- ・ 関西ペイント セラMシリコンⅢ
- ・ 関西ペイント アクアセラシリコンOne
- ・ 日本ペイント ファインシリコンフレッシュⅡ
- ・ 日本ペイント 水性シリコンセラUV
- ・ 日本ペイント ファイン4Fセラミック
外壁セラミック塗装の種類3 ガイナ、キルコなど断熱効果(遮熱効果)があるセラミック塗料

断熱塗料、または遮熱塗料と呼ばれている塗料も、俗にセラミック系塗料と言われています。
これらの塗料は、塗料によって塗装仕様が違うので、キルコの例で説明します。
通常の塗料は、樹脂が主成分で作られていますが、断熱塗料(遮熱効果も持っています。)であるキルコは、シリコン樹脂の中にセラミック製の微小中空バルーンの粒子(セラミックビーズ)が多く含まれています。
セラミックを少しでも含んでいれば、セラミック系の塗料と言われる事がありますが、遮断熱塗料であるキルコの場合は成分の約8割近くがセラミックビーズ、約2割がシリコン樹脂といった塗料です。
しかし、キルコ自体がセラミック複合体になる訳ではありません。
ただしセラミック自体は、様々な機能を持つ優れた素材なので、通常の塗料よりもセラミックが多く含まれるキルコは、断熱効果、防音効果、防水効果など様々な機能を持っています。
3. 外壁はセラミック塗装だから長持ちと言われたらするべき質問とは?

断熱塗料で有名なキルコやガイナのように、セラミックビーズが多く配合されている塗料なら問題はありませんが、基本的には「セラミック系の塗料だから長持ちする。」という見解は間違っています。
そもそも、どんな塗料と比較して長持ちなのかも、全く分からないからです。
もし、このような提案をしてくる業者がいたら、「セラミック塗装の耐用年数は、セラミックではなく、塗料の主成分となる樹脂のグレードや架橋剤(高分子の有機化合物同士を連結させ、 物理的、化学的性質を変化させる化学物質)で決まるのではないですか?」などといった質問をしてみると良いです。
また、石調塗料の提案をしてきた場合には「仕上げに塗るトップコート(保護用塗料)のクリヤーは、どんな種類のクリヤーを使用しますか?」などといった質問をしてみましょう。
「セラミック塗料=石材調塗料」の外壁塗り替えには注意しましょう
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コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、名古屋「塗装工事の専門店」小林塗装ホームページのコラムを作成しています。
塗装工事のエキスパートとして、外壁、屋根、室内など塗り替え工事を検討している一般のお客様にとって分かりやすく、役立つ情報発信をいつも心掛けてます
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