同じ色番号なのに色が違う?外壁塗装で塗料ごとに見え方が変わる理由
外壁塗装の色を決めるとき、「同じ色番号を指定したのだから、外壁も雨樋も屋根も、すべて同じ色に仕上がる」と思われる方は少なくありません。
ところが、実際に塗装してみると、「外壁と雨樋の色が少し違って見える」「同じ色番号なのに、水性塗料と弱溶剤塗料では微妙に色味が違う」「補修した部分だけ少し明るく見える」といったことがあります。
お客様からすれば、同じ番号なのに色が違うと聞けば、「調色を間違えたのでは?」「違う塗料を使ったのでは?」と心配になりますよね。
結論からお伝えすると、同じ色番号であっても、塗料の種類、樹脂、顔料、艶、下地、塗膜の厚み、施工方法、光の当たり方などが異なれば、色が少し違って見えることがあります。
色番号とは、すべての塗料に共通する一つの配合レシピではありません。
色見本帳に示された目標色へ近づけるために、それぞれの塗料メーカーや製品が、使用できる原色塗料、顔料、樹脂、添加剤を組み合わせて調色します。
つまり、同じ目的地を目指していても、そこへ向かう道や乗り物が違うようなものです。
到着地点は近くても、光の反射や表面の質感まで完全に同じになるとは限りません。
さらに、外壁は広い面積へ塗装するため、小さな色見本より明るく、鮮やかに見えやすい面積効果も加わります。
晴天、曇天、朝、夕方、日向、日陰でも見え方は変わります。
玄関ドア、サッシ、屋根、植栽、隣家の外壁色から受ける影響も見過ごせません。
外壁塗装の色は、色番号だけで決まるのではなく、塗料、素材、光、周辺環境が一緒につくり出すものです。
今回のコラムでは、同じ色番号でも塗料の種類によって色が違って見える理由を、調色、塗膜、艶、下地、施工、光の仕組みから深掘りします。
また、外壁と付帯部を同じ色番号で統一するときの注意点、補修塗装で色が合わない理由、色見本の正しい確認方法、施工後の色違いをできるだけ防ぐ方法についても、名古屋の塗装店小林塗装が職人目線で分かりやすく解説します。
これから外壁塗装の色を選ばれる方はもちろん、「同じ色番号なのに、どうして色が違うの?」と疑問を感じている方にも、安心して色を決めるための判断材料としてお役立ていただければ幸いです。
- ■ 同じ色番号でも色が少し違って見える理由
- ■ 色番号と塗料の配合レシピの違い
- ■ 樹脂・顔料・艶が色の見え方へ与える影響
- ■ 水性塗料と弱溶剤塗料で色差が生じる理由
- ■ 外壁・屋根・雨樋の色が揃いにくい理由
- ■ 下地色や塗布量によって仕上がりが変わる仕組み
- ■ 光源や面積効果による色の見え方の違い
- ■ 補修塗装やタッチアップで色が合わない理由
- ■ 色違いによる後悔を防ぐ確認方法
1. 同じ色番号でも塗料の種類によって色が違って見える理由
同じ色番号の塗料が少し違って見える理由を、ひとことで表すなら、色番号が同じでも、塗膜を構成する材料と表面状態が同じとは限らないからです。
私たちが見ている「色」は、塗料そのものから発せられているわけではありません。
太陽光や照明の光が塗膜へ当たり、その一部が吸収され、残った光が反射して目へ届くことで色を感じています。
そのため、塗膜に使われる樹脂、顔料、添加剤、表面の凹凸、艶、膜厚などが変われば、光の吸収と反射の仕方も変わります。
同じ色番号へ調色してあっても、次の条件が異なれば、完成後の色はわずかに違って見えることがあります。
- ■ 塗料に使われている樹脂の種類
- ■ 調色に使用する顔料や原色塗料
- ■ 水性・弱溶剤・強溶剤などの塗料形態
- ■ 艶あり・半艶・3分艶・艶消しなどの艶
- ■ 外壁・鉄部・屋根用などの製品設計
- ■ 下地や下塗り塗料の色
- ■ 塗布量、塗装回数、希釈率
- ■ ローラー、刷毛、吹付けによる表面模様
- ■ 太陽光、照明、見る角度
ここで大切なのは、少し違って見えるからといって、すぐに調色ミスや施工不良とは限らないことです。
塗料メーカーが異なる場合はもちろん、同じメーカーでも、外壁用塗料と屋根用塗料、弱溶剤塗料と水性塗料では、使用できる原色や樹脂が違います。
たとえば、外壁に水性シリコン塗料、雨樋に弱溶剤シリコン塗料を使用し、どちらも同じ色番号へ調色したとします。
色の方向性は揃えられますが、外壁は細かな凹凸によって光が拡散し、雨樋は滑らかな曲面で光を強く反射します。
その結果、雨樋のほうが濃く、艶やかに見えたり、外壁のほうが柔らかく明るく見えたりします。
同じ色番号とは「同じ印象へ近づける指定」であって、素材や艶まで含めて完全に同じ見え方を保証するものではありません。
色をきれいにまとめるには、番号だけを揃えるのではなく、塗料の種類、艶、素材、面積、光の当たり方まで含めて考える必要があります。
2. 外壁塗装の色番号とは何を表しているのか
外壁塗装の色選びでは、日本塗料工業会の塗料用標準色見本帳に掲載されている色番号が広く使われています。
お客様が目にする「19-60D」「22-85B」「N-30」といった表記は、色の明るさ、色相、鮮やかさなどを管理しやすくするための色指定です。
この色番号があることで、口頭で「少し赤みのあるグレー」「明るすぎないベージュ」と伝えるより、施工店、塗料販売店、塗料メーカーの間で色の目標を共有しやすくなります。
色番号は、洋服でいえばサイズ表記に少し似ています。
同じMサイズでも、ブランド、素材、デザインによって着たときの印象が少し違いますよね。
色番号も同様に、目標となる色の位置を示す大切な基準ですが、塗膜の素材感、光沢、厚み、表面模様まですべてを一つの番号で指定するものではありません。
色見本帳の色票は、一定の条件で管理された小さな見本です。
一方、実際の外壁には、リシン、スタッコ、吹付けタイル、サイディングの凹凸、金属パネルなど、さまざまな表面形状があります。
同じ色でも、滑らかな面では光が整って反射し、粗い面では光が複雑に散ります。
そのため、色票と実際の外壁では見え方が異なります。
工業製品の色には、製造上避けにくいわずかな許容差があります。
塗料は、顔料や樹脂を混ぜ合わせてつくるため、原材料、製造ロット、調色機、乾燥条件などによって、ごく小さな差が生じる場合があります。
通常は目標色に近づくよう厳しく管理されていますが、人の目は、隣り合った二つの面のわずかな差を敏感に感じることがあります。
特に、同じ平面の途中で塗料を切り替えたり、補修部分だけを塗り直したりすると、わずかな差が境界線として見えやすくなります。
色番号は非常に便利な基準ですが、完成色を判断するときは、色番号に加えて、塗料名、艶、下地、施工方法まで確認することが大切です。
3. 同じ色番号でも違って見えるのは、色番号が塗料の配合レシピではないからです
「同じ色番号なら、同じ顔料を同じ量だけ混ぜているのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、色番号は塗料の配合レシピではありません。
色番号は、乾燥した塗膜が目標とする色を示しています。
その目標へ近づけるための原色塗料や配合量は、塗料製品ごとに異なります。
たとえば、落ち着いたグレージュをつくる場合でも、白、黒、黄、赤などを組み合わせる方法は一通りではありません。
使用する白顔料の隠ぺい力、黒顔料の着色力、黄色顔料の透明性、赤顔料の色味によって、必要な配合量は変わります。
外壁用塗料、屋根用塗料、鉄部用塗料では、耐候性や防錆性、耐熱性など、求められる性能も異なります。
そのため、それぞれの製品に使用できる原色塗料や顔料が違うことがあります。
塗料メーカーは、各製品の性能を維持しながら目標色へ近づけるため、製品ごとに調色データを設計します。
人の目で正面から見たときに近い色でも、見る角度や光源が変わると差が見える場合があります。
これは、調色に使われている顔料の組み合わせが異なると、光の波長ごとの反射特性も完全には同じにならないためです。
昼間の自然光ではほぼ同じ色に見えても、夕方や電球色の照明では、一方が少し赤く、もう一方が少し黄みを帯びて見えることがあります。
このような現象は、塗装だけでなく、衣料品、印刷物、自動車、インテリアなど、色を扱う多くの分野で起こります。
色番号は完成色を合わせるための共通目標。
調色配合は、その目標へ向かう製品ごとの道筋と考えると分かりやすいでしょう。
4. 樹脂の違いが同じ色番号の塗料へ与える影響
建築用塗料の塗膜は、顔料だけでできているわけではありません。
塗膜の骨格をつくる樹脂と、色をつくる顔料、性能や施工性を整える添加剤などで構成されています。
樹脂は透明または半透明に近い材料ですが、樹脂の種類、透明性、屈折率、乾燥後の表面状態によって、顔料から反射する光の見え方が変わります。
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機有機複合塗料は、それぞれ耐候性、柔軟性、低汚染性、硬さなどを考えて設計されています。
同じ色番号でも、樹脂の透明感や塗膜の緻密さが異なれば、色の深み、鮮やかさ、白っぽさが少し変わることがあります。
たとえば、表面が滑らかで光沢の高い塗膜は、色に奥行きがあるように見えやすくなります。
一方、微細な凹凸を持つ艶消し塗膜では、光が拡散するため、やや柔らかく、穏やかな色に感じられます。
低汚染性を重視した塗料は、塗膜表面へ汚れが付きにくいように、親水性や塗膜の緻密性が設計されています。
この表面設計の違いも、光の反射へ影響します。
同じ色番号で調色した一般的なシリコン塗料と、超低汚染型の無機有機複合塗料を隣り合わせて塗ると、色相が近くても、艶や深みの違いによって別の色のように感じることがあります。
これは、どちらかの色が間違っているとは限りません。
色の見え方には、色相、明度、彩度だけでなく、艶、質感、透明感といった塗膜の表情も含まれます。
外壁と付帯部の色を揃える場合は、色番号だけでなく、樹脂系統や艶の違いも見込んで配色を考えることが大切です。
5. 顔料の種類・粒子・分散状態で同じ色番号が違って見えます
顔料は、塗料へ色を与える微細な粉末です。
白、黒、赤、黄、青、緑などの顔料を組み合わせることで、ベージュ、グレー、ブラウン、ネイビーなど、さまざまな色をつくります。
同じ赤系顔料でも、少し黄みに寄った赤、青みに寄った赤、透明感のある赤、隠ぺい力の高い赤があります。
黒顔料にも、青みを感じる黒、茶色みを感じる黒などの違いがあります。
顔料は、特定の波長の光を吸収し、残った光を反射することで色をつくります。
目標となる色番号へ近づけることはできても、異なる顔料の組み合わせでつくられた塗膜は、光源が変わったときに同じ見え方になるとは限りません。
晴れた屋外では近く見えても、曇天では一方が少しくすんで見えることがあります。
夕方の暖かい光では、一方のベージュだけが黄みを強く感じる場合もあります。
塗料の中で顔料が均一に分散していないと、色むら、艶むら、隠ぺい不足が起こります。
塗料は使用前に十分かくはんし、缶の底へ沈んだ顔料を均一に戻す必要があります。
特に濃色、原色に近い色、艶調整品、二液型塗料では、かくはん不足によって仕上がり差が出やすくなります。
施工中も長時間放置すると顔料や艶調整材が沈降することがあるため、適宜かくはんします。
同じ塗料缶の中でも、かくはんが不十分なら、塗り始めと塗り終わりで色や艶が変わることがあります。
調色の正確さだけでなく、現場で塗料を均一な状態に保つことも、美しい色に仕上げるための大切な施工管理です。
6. 艶あり・艶消しで同じ色番号が違って見える理由
同じ色番号の見え方を大きく変える要素の一つが、塗膜の艶です。
建築用塗料には、艶あり、7分艶、5分艶、3分艶、艶消しなどの設定があります。
艶とは、塗膜表面が光をどの程度整えて反射するかを示す要素です。
艶あり塗膜は表面が比較的滑らかで、光を一定方向へ反射しやすくなります。
光が直接映り込む部分は白く明るく輝きますが、反射光が目へ直接入らない角度では、色が深く、濃く見えることがあります。
特に黒、ネイビー、ダークブラウン、チャコールグレーなどの濃色では、艶による見え方の差が大きくなりやすい傾向があります。
艶消し塗膜には、光を細かく散らすための表面構造があります。
光がさまざまな方向へ拡散することで、強い映り込みが抑えられ、落ち着いた上品な印象になります。
その反面、同じ色番号でも、艶ありより少し明るく、白っぽく、穏やかに感じることがあります。
ただし、色、表面模様、光の角度によって見え方は変わるため、艶消しなら必ず明るく見えると一律にはいえません。
| 艶の種類 | 見え方の傾向 | 主な印象 |
|---|---|---|
| 艶あり | 反射が強く、色に深みを感じやすい | 明るい・華やか・新築感 |
| 5分艶 | 光沢と落ち着きのバランスがよい | 上品・ほどよい清潔感 |
| 3分艶 | 反射を抑え、柔らかく見えやすい | 落ち着き・自然な風合い |
| 艶消し | 光が拡散し、色が穏やかに見えやすい | マット・重厚・素材感 |
外壁を3分艶、雨樋を艶ありで仕上げると、同じ色番号でも雨樋のほうが濃く見えることがあります。
これは、付帯部用塗料に艶調整の設定が少ないことや、雨樋表面が滑らかで光を強く反射することが関係しています。
色を揃えるときは、色番号だけでなく、艶の統一が可能かどうかも確認しましょう。
7. 水性塗料と弱溶剤塗料で同じ色番号が違って見える理由
住宅の外壁には水性塗料、雨樋、雨戸、破風板などには弱溶剤塗料が使われることが多くあります。
同じシリコン樹脂塗料という名称でも、水性と弱溶剤では塗料の組成、乾燥方法、使用する原色塗料、塗膜表面の状態が異なります。
一般的な水性塗料は、水分が蒸発した後、樹脂粒子が近づき、融合して塗膜を形成します。
乾燥条件、気温、湿度、塗布量によって、塗膜形成の状態や初期の艶が多少変わることがあります。
塗った直後の濡れた色と、完全に乾燥した後の色が大きく違って見える製品もあります。
弱溶剤塗料は、溶剤が蒸発することで樹脂が連続した塗膜を形成します。
比較的滑らかで艶のある仕上がりになりやすく、水性塗料より色に深みを感じる場合があります。
ただし、近年の水性塗料も塗膜性能や仕上がりが大きく向上しており、水性だから必ず色が薄い、弱溶剤だから必ず濃いという単純な区別はできません。
あくまで、製品ごとの樹脂、顔料、艶、表面状態を含めた違いです。
外壁用塗料には、低汚染性、透湿性、防藻・防カビ性などが求められます。
付帯部用塗料には、鉄、硬質塩ビ、木部などへの密着性、作業性、耐久性が求められます。
製品の目的が異なるため、同じ色番号でも、塗膜の表情まで完全に揃えることは難しい場合があります。
外壁と付帯部を同色系にまとめるときは、完全な同色を狙うだけでなく、わずかな違いが自然に見える配色と艶の組み合わせを考えることも大切です。
8. メーカーや塗料製品が違うと同じ色番号でも色差が生じます
同じ色番号を指定しても、塗料メーカーや製品シリーズが変わると、わずかな色差が生じることがあります。
これは、メーカーごとに使用する原色塗料、顔料、調色機、基準となるベース塗料が異なるためです。
塗料には、白に近い淡彩色向けのベース、少し濃い色向けのベース、濃彩色向けのベースなどがあります。
濃い色をつくる場合、白顔料を多く含むベースでは十分に濃くできません。
反対に、透明性の高い濃彩ベースでは、淡い色の隠ぺい力が不足することがあります。
そのため、色番号に応じて適切なベース塗料を選び、専用の原色を加えて調色します。
同じメーカーの塗料であっても、水性外壁塗料、弱溶剤鉄部用塗料、屋根用遮熱塗料、無機有機複合塗料では、調色体系が異なることがあります。
特に遮熱塗料では、太陽光のうち熱へ影響する波長を反射しやすい顔料を使用するため、一般塗料とまったく同じ顔料配合を使えない場合があります。
色番号を近似させても、明度、鮮やかさ、光の反射にわずかな違いが生じることがあります。
同じ製品、同じ色番号でも、製造ロットが異なる塗料を一つの広い面で使い分けると、わずかな色差が見えることがあります。
広い外壁面を塗装するときは、必要に応じて複数缶を一つの容器へ混ぜ合わせる缶合わせを行い、色や艶を均一にします。
特に濃色、艶調整品、補修が難しい大壁面では、材料管理が重要です。
同じ面を途中から別メーカーや別製品へ切り替えないことが、色むらを防ぐ基本です。
9. 下地色・下塗り・隠ぺい力によって仕上がりの色が変わります
上塗り塗料が同じ色番号でも、下にある色や素材が違えば、完成色が少し違って見えることがあります。
塗料には下地を覆い隠す隠ぺい力がありますが、すべての色が一回で完全に下地を隠せるわけではありません。
黄色、オレンジ、赤などの一部の色は、使用する顔料の性質によって隠ぺい力が低い場合があります。
濃い下地の上へ明るい黄色を塗ると、規定回数だけでは下地が透け、くすんで見えることがあります。
反対に、白い下地の上では鮮やかに発色しやすくなります。
このような場合は、目的色に合わせた下塗り色や中塗り色を選び、必要に応じて上塗り回数を追加します。
外壁のひび割れや欠損を補修すると、補修部分だけ白、グレー、ベージュなど、周囲と違う下地色になることがあります。
下塗りと上塗りの量が不足すると、補修部分だけ明るく見えたり、斑点のように浮き出たりします。
また、補修材と既存外壁では吸い込み率が違うため、同じ塗料を同じ回数塗っても、艶や色の深さが変わることがあります。
劣化したモルタルやサイディングは、場所によって塗料の吸い込みが異なります。
下塗り塗料が十分でないと、上塗り樹脂が下地へ吸い込まれ、艶が引けて白っぽく見えることがあります。
反対に、吸い込みの少ない部分は塗膜が表面へ残り、濃く艶やかに見えます。
色を均一に見せるには、上塗りだけでなく、下地の吸い込みを下塗りで揃えることが重要です。
外壁塗装の美しさは、見える上塗りだけでなく、その下にある下地調整と下塗りで決まります。
10. 塗布量・塗装回数・施工道具で同じ色番号の見え方が変わります
塗料の色は、塗料缶の中で決まっているだけではありません。
実際にどれだけの厚みで、どのような表面に仕上げるかによっても見え方が変わります。
メーカーが定めた標準塗布量より少ない量で塗ると、必要な膜厚が形成されません。
下地が透けたり、色の深みが不足したり、ローラーの継ぎ目が見えたりします。
濃い色の上へ淡い色を塗る場合や、凹凸の大きな外壁では、膜厚不足が特に目立ちます。
上塗りを二回行っていても、一回ごとの塗布量が少なければ、十分な隠ぺい力は得られません。
塗料を規定以上に薄めると、一回で付く塗料の量が減り、隠ぺい力や膜厚が不足します。
また、同じ面の途中で希釈率を変えると、ローラー模様、艶、乾燥状態に差が出ることがあります。
気温や下地の状態に合わせて規定範囲内で調整することはありますが、材料を伸ばす目的で過度に希釈してはいけません。
短毛ローラーは比較的滑らかな表面に仕上がり、中毛・長毛ローラーは細かなローラー模様が残りやすくなります。
表面の凹凸が違えば、光の反射も変わります。
同じ色番号でも、吹付け面、ローラー面、刷毛塗り面を隣り合わせると、色より先に質感の差が目へ入ります。
| 施工条件 | 色の見え方への影響 |
|---|---|
| 塗布量不足 | 下地が透け、薄く浅い色に見えやすい |
| 過度な厚塗り | 艶むら、乾燥むら、たれが生じやすい |
| 希釈過多 | 隠ぺい力と膜厚が不足しやすい |
| ローラーの毛丈違い | 表面模様と光の拡散が変わる |
| 刷毛とローラーの併用 | 塗り肌が違い、色差のように見える場合がある |
| かくはん不足 | 顔料や艶調整材が均一にならない |
色を均一に仕上げるには、同じ材料を使うだけでなく、道具、希釈、塗布量、塗り方向をできるだけ揃える必要があります。
塗装職人の技術とは、塗料を壁へ付けることではなく、広い面へ均一な塗膜をつくることです。
11. 光源によって同じ色番号が違って見えるメタメリズム
昼間は同じ色に見えた二つの塗膜が、夕方や室内照明では違って見えることがあります。
このように、ある光源では近い色に見えるものが、別の光源では違って見える現象をメタメリズム、または条件等色と呼びます。
色は、物体だけでなく、そこへ当たる光によって決まります。
晴天の昼間、曇天、夕方の西日、電球色の照明、昼白色の照明では、含まれる光の波長が異なります。
そのため、同じベージュでも、昼間はニュートラルに見え、夕方には黄みや赤みが強く見えることがあります。
グレーも、青空の下では青みを感じ、夕方の暖かい光では少しブラウン寄りに感じる場合があります。
外壁用水性塗料と付帯部用弱溶剤塗料を同じ色番号へ調色しても、使用している顔料の組み合わせが異なることがあります。
自然光ではよく揃って見えても、夕方になると付帯部だけ少し赤く見えるといったことが起こります。
これは、どちらか一方の塗料が間違っているとは限りません。
色の測定や確認は、光源条件を揃えて行うことが重要です。
色見本や塗板は、室内照明だけで判断せず、屋外の自然光でも確認してください。
できれば、晴天の日向、明るい日陰、朝、昼、夕方など、複数の条件で見比べます。
色は一日の中でも表情を変えます。
どの時間帯の見え方を最も大切にするかも、色選びの一部です。
玄関まわりを重視するなら、実際に玄関を見ることが多い朝や夕方の光で確認すると、暮らしに合った色を選びやすくなります。
12. 色見本と外壁で色が違って見える面積効果
同じ色番号でも、小さな色見本と広い外壁では印象が変わります。
一般に、同じ色を広い面積で見ると、明るい色はより明るく、鮮やかな色はより鮮やかに感じやすくなります。
これを面積効果と呼びます。
手のひらほどの色見本で見たアイボリーが、外壁全面へ塗ると白に近く感じることがあります。
小さな見本では上品に見えたベージュが、広い外壁では黄みを強く感じることもあります。
反対に、濃いチャコールグレーは、小さな見本では重く見えても、建物全体では空や植栽と調和し、引き締まって見えることがあります。
色は単独で見たときと、別の色に囲まれたときで印象が変わります。
同じグレージュでも、白いサッシの隣では濃く見え、黒いサッシの隣では明るく見えます。
緑の多い庭では赤みのあるベージュが引き立ち、コンクリートやアスファルトが多い環境ではグレーが周囲になじみやすくなります。
隣家の外壁色が近い場合も、色の差を比較しやすくなるため、わずかな色味の違いが目立つことがあります。
色見本帳だけで決めるのではなく、候補色をA4サイズ程度の塗板へ塗り、実際の外壁へ当てて確認することをおすすめします。
塗板は、玄関、南面、北面、日向、日陰など、見る場所を変えて確認します。
可能であれば、実際に使用する塗料、艶で塗板を作成すると、より完成に近い見え方を確認できます。
色番号を選ぶことはゴールではなく、実際の住まいでどう見えるかを確かめるためのスタートです。
13. 外壁・屋根・雨樋を同じ色番号にするときの注意点
外壁、屋根、雨樋、破風板、水切りなどを同じ色番号で統一すると、まとまりのある外観になります。
ただし、使用する塗料と素材が異なるため、完全に同じ色へ見せることが難しい場合があります。
| 塗装部位 | 使用される塗料の例 | 見え方に影響する要素 |
|---|---|---|
| 外壁 | 水性・弱溶剤の外壁用塗料 | 凹凸、艶、面積効果、日当たり |
| 屋根 | 屋根用弱溶剤塗料・遮熱塗料 | 勾配、強い日射、遮熱顔料、艶 |
| 雨樋 | 弱溶剤型付帯部用塗料 | 曲面、滑らかさ、映り込み |
| 破風板 | 弱溶剤塗料・水性塗料 | 素材、吸い込み、見る角度 |
| 水切り・鉄部 | 防錆下塗り+弱溶剤上塗り | 金属面の平滑さ、艶、反射 |
屋根は斜め上を向いており、外壁より強い太陽光を受けます。
また、地上からは角度を付けて見るため、艶の反射も外壁と異なります。
同じ色番号であっても、屋根のほうが明るく輝いて見えたり、空の色を反射して青みを感じたりします。
遮熱塗料では、一般塗料と異なる顔料設計によって、色差が生じることもあります。
雨樋、雨戸、水切りなどの付帯部は、外壁より表面が滑らかで艶が強くなりやすいため、同じ色番号でも濃く見えることがあります。
この違いを無理に消そうとするより、外壁は柔らかな艶、付帯部は少し引き締まって見える艶として、素材感の違いを生かす方法もあります。
ファッションでも、同じ黒のコットン、革、ウールでは、黒の見え方が違います。
それでも素材感の違いが装いへ奥行きを生みます。
住宅の配色も同様です。
完全な同色だけが美しいのではなく、同系色の中で質感に変化を付けると、上品で立体感のある外観になります。
色番号の差をゼロにすることより、建物全体として自然に調和しているかを確認することが大切です。
14. 補修塗装・タッチアップで同じ色番号でも色が合わない理由
外壁や鉄部の一部を補修したとき、「同じ色番号の塗料を使ったのに、補修した場所だけ目立つ」ということがあります。
補修色が合わない最大の理由は、既存塗膜が施工当時の色ではなくなっているからです。
外壁塗膜は、紫外線、雨、熱、汚れなどの影響を受けて、年月とともに色あせ、艶引け、チョーキングが進みます。
施工時と同じ色番号の新品塗料を塗れば、新しい塗料だけ色が濃く、艶やかに見えるのは自然なことです。
特に南面、西面、屋根付近は紫外線の影響が強く、北面や日陰部分より色あせが進んでいることがあります。
既存外壁には、ホコリ、排気ガス、藻、カビなどが付着しています。
洗浄しても、塗膜自体の変色や艶の低下までは元に戻りません。
新品塗料を現在の外壁色へ近づけて調色することはできますが、日向と日陰で既存色が違う場合、一つの補修色ですべてへ合わせることは困難です。
既存外壁が吹付け仕上げで、補修部分だけローラー仕上げの場合、表面模様が異なります。
光の反射が変わるため、色が近くても補修跡が見えます。
また、刷毛でタッチアップした部分は、周囲より塗膜が厚くなり、濃く艶やかに見えることがあります。
- ■ 同じ色番号でも既存塗膜は色あせています
- ■ 新品塗料は艶が高く、濃く見えやすくなります
- ■ 補修部分と周囲で下地の吸い込みが違います
- ■ ローラーや刷毛の模様が違うと光の反射も変わります
- ■ 小さな補修ほど周囲との境界が目立つ場合があります
補修跡を目立ちにくくするには、角、目地、雨樋など、自然な区切りまで一面を通して塗装する方法が有効です。
部分補修では、完全に見えなくすることより、建物を離れて見たときに気にならない状態を目指すのが現実的です。
15. 色系統別に見る同じ色番号の色差の目立ち方
同じ程度の色差があっても、色の系統によって目立ち方は異なります。
白やアイボリーは、一見すると合わせやすそうですが、わずかな黄み、赤み、青みの差が目立つことがあります。
外壁は面積が大きいため、少し黄みのある白は、完成後に想像以上にクリーム色へ感じることがあります。
白いサッシや軒天と隣接すると、微妙な色味の違いが比較されやすくなります。
ベージュやグレージュは、赤、黄、黒、白の微妙なバランスで成り立っています。
光源や周辺色の影響を受けやすく、ある時間帯ではベージュ、別の時間帯ではグレーのように見えることがあります。
塗料製品が変わると、赤みや黄みの出方にわずかな違いが生じやすい色系統です。
グレーには、青みのあるクールグレー、赤みのあるウォームグレー、黄みを含むグレージュなどがあります。
彩度が低いため差が目立たないように思えますが、隣り合わせると色相のわずかな違いを感じることがあります。
空、植栽、コンクリート、サッシ色の影響も受けやすい色です。
濃色は、艶、塗り肌、ローラーの重なり、膜厚差が目立ちやすい傾向があります。
同じ黒でも、艶ありは深く黒々と見え、艶消しは少し白みを含んだ柔らかな黒に見えます。
ネイビーやチャコールは、晴天の日に青みが強く見え、夕方には黒に近く見えることがあります。
赤、黄、オレンジなどの鮮やかな色は、顔料の種類と下地色の影響を受けやすく、隠ぺい力にも注意が必要です。
規定回数で色が十分に出ない場合は、下塗り色の調整や上塗り回数の追加が必要になることがあります。
色選びでは、好みの色系統だけでなく、その色が光、面積、艶、下地の影響をどの程度受けやすいかも知っておくと安心です。
16. 同じ色番号の色違いを防ぐために確認したいポイント
塗料による色の違いを完全にゼロにすることは難しい場合があります。
しかし、事前確認と施工管理によって、完成後に気になる色差を減らすことはできます。
- ■ 外壁・屋根・付帯部に使用する塗料名
- ■ それぞれの色番号と艶
- ■ 異なる塗料を同色へ調色する部位
- ■ 製品による近似色扱いの有無
- ■ 色見本帳と実際の塗料で差が出る可能性
- ■ 試し塗りや塗板作成が可能か
色見本帳の小さな色票だけでは、面積効果や周辺色との相性を十分に確認できません。
候補色を大きな塗板で確認し、建物の南面、北面、玄関まわりなど、複数の場所へ当てます。
艶の違いも確認したい場合は、実際に使用する製品または近い艶の塗料で塗板を作成します。
外壁一面の途中で、別製品や別メーカーへ切り替えないことが基本です。
同一製品でもロットが異なる場合は、材料を缶合わせして色と艶を均一にします。
途中で塗料が不足しないよう、施工面積と標準塗布量から必要缶数を事前に計算します。
外壁、軒天、破風、雨樋、水切り、シャッターボックスなど、どの部位をどの色で塗るかを施工前に確認します。
同じ色番号でも塗料が変わる場所については、わずかな質感差が出る可能性を共有します。
色分け線は、建物の角、目地、部材の継ぎ目など、自然な区切りへ設定すると、多少の色差があっても目立ちにくくなります。
塗料は濡れているときと乾燥後で色が違って見えます。
水性塗料は、塗装直後に薄く、白っぽく見えたり、反対に濃く見えたりすることがあります。
塗装中の色だけで慌てず、規定時間乾燥させた後に確認することが大切です。
色確認は、塗料名、色番号、艶、乾燥状態、光源、見る距離を揃えて行いましょう。
条件を揃えずに見比べると、実際の色差より大きく感じることがあります。
17. 小林塗装が外壁塗装の色選びで大切にしていること
小林塗装では、外壁塗装の色を、色見本帳の中から番号を一つ選ぶだけの作業とは考えていません。
建物のデザイン、屋根、玄関ドア、サッシ、タイル、植栽、外構、周辺住宅まで確認し、住まい全体として調和する色をご提案します。
同じグレージュでも、艶ありなら端正でモダンに、3分艶なら柔らかく落ち着いた印象になります。
同じチャコールグレーでも、細かな凹凸のあるサイディングと、平滑な金属パネルでは表情が変わります。
色番号が同じかどうかだけでなく、素材へ塗ったときにどのような光を返すかを考えます。
外壁と雨樋を同じ色番号へ調色しても、艶や素材の違いによって、雨樋のほうが少し濃く見える場合があります。
その違いが不自然にならないように、付帯部を外壁より一段濃い色として見せる、サッシ色へ近づける、屋根色とつなげるなど、建物全体の配色として整えます。
わずかな色差を「失敗」と捉えるのではなく、素材の違いを感じさせる自然な陰影として生かす考え方です。
濃色は引き締まって見えますが、日当たりの強い面では色あせや艶むらが目立ちやすいことがあります。
淡い色は汚れが目立ちにくい場合がありますが、周辺環境によっては雨だれや藻が目立つこともあります。
流行だけで決めるのではなく、建物の雰囲気、お客様の好み、汚れ方、色あせ、将来の補修まで含めて考えます。
良い色選びとは、色見本帳の中で一番好きな色を選ぶことではなく、その住まいで長く好きでいられる色を見つけることです。
「ベージュとグレージュで迷っている」「外壁と雨樋を同じ色にしたい」「艶を抑えて上品に見せたい」といったご相談も、どうぞお気軽にお聞かせください。
18. まとめ|同じ色番号でも塗料・艶・下地が違えば色は少し違って見えます

同じ色番号を指定した塗料であっても、塗料の種類や塗装条件によって、色が少し違って見えることがあります。
その主な理由は、色番号が塗料の配合レシピではなく、完成色を合わせるための目標だからです。
外壁用水性塗料、付帯部用弱溶剤塗料、屋根用遮熱塗料では、使用する樹脂、顔料、原色、艶、塗膜設計が異なります。
さらに、外壁の凹凸、雨樋の滑らかな曲面、屋根の角度など、塗装する素材と形状も違います。
同じ色番号の見え方を変える主な要因を整理すると、次のとおりです。
- ■ 樹脂の透明性や塗膜構造の違い
- ■ 顔料の種類と調色配合の違い
- ■ 艶あり・艶消しによる反射の違い
- ■ 水性・弱溶剤など塗料形態の違い
- ■ 塗料メーカーや製品ごとの原色体系
- ■ 下地色、吸い込み、下塗りの違い
- ■ 塗布量、塗装回数、施工道具の違い
- ■ 太陽光、照明、見る角度の違い
- ■ 面積効果と周囲の色から受ける影響
- ■ 既存塗膜の色あせや艶の低下
同じ色番号なのに少し違って見えるからといって、すぐに塗料の間違いや施工不良とは限りません。
まず、比較している塗料の種類、艶、素材、乾燥状態、光の当たり方を確認することが大切です。
一方で、同じ外壁面の途中から明確に色が変わっている、ローラーの継ぎ目に沿って色むらがある、下地が透けているという場合は、塗布量、希釈、かくはん、材料ロットなどの確認が必要です。
外壁塗装の色選びで後悔を防ぐには、色番号だけで決めず、できるだけ大きな塗板を実際の建物へ当てて確認してください。
外壁、屋根、雨樋などを同色にする場合は、それぞれに使う塗料名と艶も確認しましょう。
完全に同じ色へ見せることが難しい場合でも、外壁を柔らかく、付帯部を少し引き締めて見せることで、上品でまとまりのある外観に仕上げられます。
洋服でも、同じネイビーのジャケットとパンツが、素材の違いによって少し違う表情を見せることがあります。
その違いが、装いへ奥行きと品の良さを与えることもあります。
住まいの塗装も同じです。
色番号を揃えることだけにこだわらず、色、艶、素材、光がつくる全体の調和を見ることが、美しい外観への近道です。
小林塗装では、色見本帳だけでなく、塗板、建物のデザイン、周辺環境、塗料の質感まで確認しながら、お客様の住まいに合ったカラーコーディネートをご提案しています。
「同じ色番号で外壁と雨樋を揃えたい」「艶の違いが気になる」「塗板と外壁の色が違って見えて不安」といった場合も、どうぞ遠慮なくご相談ください。
色の仕組みをきちんとご説明し、工事が終わった後に「この色にして良かった」と感じていただける外壁塗装を目指します。
19. 同じ色番号の色違いに関するQ&A

色の方向性は近づけられますが、すべての塗料がまったく同じ見え方になるとは限りません。
色番号は完成色の目標を示すもので、塗料の配合レシピではないからです。
樹脂、顔料、艶、塗膜の厚み、下地、施工方法などが異なると、わずかな色差や質感差が生じます。
特に、外壁用水性塗料と付帯部用弱溶剤塗料では、艶や光の反射が違うため、同じ番号でも少し違って見えることがあります。
一律には決められませんが、弱溶剤塗料は滑らかで艶のある塗膜になりやすく、同じ色番号でも濃く深く見える場合があります。
水性塗料は、外壁の凹凸や艶調整によって光が拡散し、柔らかく明るく見えることがあります。
ただし、製品の樹脂、艶、下地によって結果は変わるため、実際の塗板で確認する方法が確実です。
一般には、艶ありのほうが色に深みを感じやすく、3分艶は柔らかく穏やかに見える傾向があります。
ただし、艶あり面は光が直接反射する角度では白く明るく見えるため、見る位置によって印象が変わります。
色を揃えたい部位では、色番号だけでなく艶も合わせられるか確認してください。
雨樋は外壁より表面が滑らかで、艶が強くなりやすいためです。
さらに、雨樋は曲面なので、光が当たる部分と影になる部分の差が大きくなります。
外壁が3分艶、雨樋が艶ありの場合は、同じ色番号でも雨樋のほうが濃く、はっきり見えることがあります。
この違いは異常ではなく、素材と艶による自然な見え方である場合が多いです。
必ずしも調色ミスではありません。
小さな色見本と広い外壁では面積効果が生じ、外壁のほうが明るく、鮮やかに見えることがあります。
また、色見本帳と外壁では、表面の艶、凹凸、光の当たり方も違います。
色選びでは、色見本帳だけでなく、A4サイズ程度の塗板を屋外で確認することをおすすめします。
完全に見えなくなるとは限りません。
既存塗膜は紫外線、雨、汚れによって色あせ、艶引けが進んでいます。
新品塗料は施工当時の色と艶へ近いため、補修部分だけ濃く、艶やかに見えることがあります。
補修跡を目立ちにくくするには、建物の角や目地など、自然な区切りまで一面を塗る方法が有効です。
塗料は厳しく色管理されていますが、製造ロットによってごくわずかな差が生じる場合があります。
隣り合う広い面へ別ロットの塗料をそのまま使い分けると、境界が見える可能性があります。
そのため、必要に応じて複数缶を混ぜ合わせる缶合わせを行い、色と艶を均一にします。
塗料は、濡れている状態と乾燥後で色が変わって見えることがあります。
水性塗料では、水分が蒸発し、樹脂粒子が塗膜を形成する過程で色と艶が落ち着きます。
塗装直後だけで判断せず、メーカーが定める乾燥時間を置いてから確認してください。
完全硬化するまで、艶や色の印象が少し変化する製品もあります。
画面上の色と塗料の色を完全に一致させることは困難です。
パソコンやスマートフォンは光を発して色を表示しますが、塗膜は外から当たった光を反射して色を見せます。
さらに、画面の明るさ、機種、写真撮影時の光、画像補正によって色が変わります。
画像は配色イメージの参考とし、最終的な色は実物の色見本や塗板で確認しましょう。
色番号だけでなく、使用する塗料、艶、下地、素材を事前に確認することです。
異なる製品を同じ色番号へ調色する場合は、わずかな質感差が出る可能性を見込みます。
大きな塗板で確認し、色差が気になる場合は、色を完全に合わせようとするより、付帯部を少し濃くして意図的な配色にする方法もあります。
住宅全体として自然に調和していれば、わずかな素材差は、むしろ外観へ奥行きと上質さを与えてくれます。
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
塗装職人として30年以上、一般住宅を中心に外壁塗装、屋根塗装、防水工事、シーリング工事、鉄部塗装、木部塗装などに携わり、2,000件以上の施工実績を重ねてきました。
塗装工事では、塗料の耐久性や施工品質だけでなく、住まいのデザイン、周辺環境、お客様の好みに合ったカラーコーディネートを大切にしています。
外壁の色は、色見本帳だけで決めるものではありません。
屋根、玄関ドア、サッシ、タイル、雨樋、植栽、外構との調和を確認し、艶、質感、面積効果、日当たりによる見え方まで考えてご提案します。
施工では、高圧洗浄、下地調整、補修、養生、下塗り、塗布量、乾燥時間といった、完成後には見えなくなる工程を大切にしています。
「ベージュとグレージュの違いを実際の建物で確認したい」「同じ色番号で外壁と雨樋を揃えたい」「艶ありと3分艶で迷っている」といった色彩相談も承っています。
名古屋で外壁塗装の色選びや塗料の質感についてお悩みの方は、小林塗装までお気軽にご相談ください。
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