

外壁塗装に必要な人数を知り「手抜き」を防ごう
外壁塗装を業者に依頼する際、一体何人の職人さんで作業するのか気になっているお客様もいるかと思います。
作業する人数が多ければ工期を短くできる場合もありますが、その代わりに人件費が掛かってしまい、施工管理が充分行き届かない場合もあります。
また逆に、少なければ人件費を抑えられますが、工期も掛かってしまい、しっかりとした品質の作業ができているか不安になることもあるかと思います。
そこで、一般住宅の外壁塗装にはどれくらいの人数(人工)が必要なのか、人件費はどうなっているかを「名古屋の塗装店」小林塗装が外壁塗装を検討中のお客様に分かりやすくお伝えします。
1. 外壁塗装は、費用全体の約45〜65%が人件費です
外壁塗装の見積書を貰っても、そこには人件費が記載されていない事がほとんどです。
ですから、工事全体に対して人件費が一体どれくらいの費用になっているかは、パッと見ただけでは分かりません。
しかし、お客様に提示される見積書には作業内容の単価の中に人件費が含まれています。
一般的に塗料・養生‥資材代が20~25%程度、足場代が18~22%程度、職人への人件費が30~45%程度、業者の営業経費が20~30%程度と考えられています。
これはあくまでも概算での数値なので、実際には外壁塗装全体の人件費が50%を占めることもあります。
一見すると人件費はかなり高いと思うかも知れません。
しかし、安過ぎていい加減な工事をされても困ってしまいます。
ちゃんとした工事をしてもらうなら、それだけ人件費も必要になってくると言えます。
そこで、外壁塗装の詳しい人件費(人工賃)の計算方法をお伝えします。
外壁塗装などの工事では、職人さんの必要数を「人工(にんく)」という単位で計算するのが一般的です。
「1人工」とは、1人前の職人さんが1日掛けてできる作業量の事です。
ですから、1人の職人さんで10日掛かれば10人工、2人の職人さんで5日掛かった作業も10人工となります。
そのため、外壁塗装を行う際にどれだけの人工が必要になるかが分かれば、人件費を計算できる事になります。
人工賃の目安となるのが、国土交通省の公共工事の労務単価や厚生労働省の調査結果です。
これによると、塗装工事で職人さん(従業員)に支払われる平均日当は1万2,000~1万5,000円前後で、3大都市周辺でしたら平均日当は高くなり、1万5,000~22,000円(一人親方)程度となります。
しかし、これはあくまでも直接支払われる日当なので、塗装業者の見積り金額は20~30%の上乗せが行われています。(会社を維持する上で当然のことですが)
塗装費用の中で人件費が大きな割合を占めている事はすでにお伝えしましたが、工事に必要な人工が分かれば、それに手間賃を掛け合わせる事で工事全体の人件費を計算する事ができ、見積り金額を概算見積することができます。
例えば、塗装工事全体で必要な職人さんが25人工であると分かれば、職人一人の手間賃である1万8,000円をかけて36万円となります。
実際にお客様に請求される人件費は、経費が含まれますので2~3割高くなるので手間賃を22,000円で計算すると44万円となります。
人件費は全体の費用のなかで30〜50%くらいを占めるので、見積り金額は約88万~132万円前後と算出することができる訳です。
2. 外壁塗装工事に必要な職人の数
一般的に、住宅の外壁塗装工事では必要な職人さんの数が決まっています。
作業内容に対して職人さんの数が少なければ予定通りに作業を進めることができなくなってしまいますし、作業の安全性も損なわれる恐れがあります。
逆に多すぎると人件費が高くなる割に、同じ場所に2人の職人さんがいてロスが生じるなど、作業効率が低下してしまい、スケジュール通りに工事を進められなくなってしまう場合もあります。
そのため、適切な職人の数を導き出す事が重要になってきます。
足場の設置は塗装工事業者が行うのではなく、足場業者が行うケースがあるので、塗装工事の人件費に含まれないケースがあります。
もし外注した場合、30坪程度の2階建て住宅なら15万~20万円程度が相場です。
しかし、塗装業者が行うケースもあるので、一般的な必要人工をお伝えしておきます。
30坪程度の2階建て住宅であれば、1日で作業が終わるように職人さんを配置するのが一般的です。
重い資材を扱いますし、高所での作業もあるため、安全な足場組み立てを考えると3人は必要です。
そのため3人工と計算できます。
しかし、この数値に手間賃をかけ合わせたものが足場代の総額ではないことに注意してください。
あくまでも足場代の中の人件費になります。
高圧洗浄は塗装工事をする壁の汚れなどをキレイに洗い流す作業になります。
この作業をせずに塗装をしてしまうと、壁に塗料が密着せず、塗装が剥がれてきてしまう原因となるため、大切な作業です。
よほど広い壁でなければ、1人の職人さんが1日でできるため、1人工です。
建物の外壁は、紫外線、風雨‥といった経年劣化によって、外壁塗装の表面がチョーキング(白亜化)していたり、金属部分にサビが発生していたり、亀裂や欠損があることもあります。また、サッシ部分にはシーリング材が使われており、この耐久年数が一般的に10年前後と言われています。
そのため、いきなり塗料を塗っていくのではなく、ひび割れや欠損部分を補修し、金属部分のサビを落とし、シーリングの打ち替えや打ち増しをして、塗料を塗れる状態にしていきます。
塗装後に塗料の剥がれなどのトラブルが発生する場合、多くはこの下地処理不良が原因であると言われるほど、重要な工程になります。
外壁の劣化具合によって作業内容が変わるため、現場によって職人の数に差が出やすいと言えますが、一般的に2.5~7人工が必要になります。
塗装をする際、どの家にも塗料が飛散すると困る場所があるかと思います。
そういった場所をマスカー、布テープ、マスキングテープ、ビニールシートで覆って養生作業を行います。
一般的に養生する場所としては、窓や玄関ドア、庇、シャッターボックス、エアコンの室外機、ガスの給湯器、庭の植木や車などが該当します。
一般住宅の場合、養生には普通、1~3人工が必要になると考えて良いかと思います。
1~1.5日で作業が終わる様、人員を配置します。
塗装作業は2人~3人で行うことが一般的です。また、外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りと3回塗り以上が基本であり、状態によって4回や5回塗りが行われることもあります。
それぞれの工程には塗料が乾燥する期間を設けなければならないため、最も時間が掛かる工程とも言えます。
吹付塗装する場合は作業時間が短縮できますが、刷毛やローラーで塗装する場合は時間が掛かるので、6人~7人工くらいは必要です。
塗装作業が終わったら、養生シートを取り外して点検を行います。
見積書と仕上がりを見比べて問題ないか、希望通りにできているかをチェックしましょう。
点検が終わると、足場を解体して元の状態に戻します。
塗装作業を行うために必要だった足場を撤去するため、完全に工事終了を意味します。
この工程も外注される可能性が高いので、外壁塗装の人件費に含まれないケースが多いです。
足場解体は半日で2~3人工必要になるのが一般的です。そのため1~2.5人工という事になります。
3. 建物の劣化状況や工事内容で外壁塗装の必要人数は変わります
建物の劣化具合によって必要人数は変わってきます。
上述した作業工程以外にも、軒天や破風、雨樋などの付帯部分の塗装や細部の手直しなどが加わることもあります。
外壁塗装に加えて屋根塗装も行おうと考えている場合、一般的な塗装工事でおよそ20~25人工必要になる計算になります。
そのため、職人さんが受け取る手間賃の単価から計算すると、総工事費用のうち28万~50万円程度が人件費になります。
4. 外壁塗装の人数が適切でないと起こること
適切な作業を行うには、適切な人数の職人さんが必要であることはご説明してきました。
塗装工事は請負契約なので、見積もり価格で工事をすることが一般的です。
そのため、予定していた以上に早く作業を終わらせれば職人の日当を削減できるため、塗装業者がより多くの利益を手にできることになります。
また、必要な数よりも少ない人工で作業をした方が業者の利益を増やすことができます。
悪徳業者はそうした理由から、人件費を浮かせようとしてくることがあります。
実際に、適切でない人数で作業を行うと具体的にどんなことが起こるのかお伝えします。
適切な作業を行うのに十分な人員が足りていない場合、品質の低下を招くだけではなく、労働災害が発生する危険性があります。
例えば、工事スケジュールに余裕がなく、通常よりも早く作業を終えなくてはいけない場合、不注意から起きる事故が発生する恐れが高まります。
例えば、2人で3日かける作業を2人で2日で終わらせなくてはいけない場合などが該当します。
また、外壁塗装は高所での作業を必要とするため、万が一の事故が命取りになることがあります。
それに、職人さんの人数が不適切な場合は品質の低下も避けられません。そのため、適切な人工で作業をすることがとても大切になってきます。
適切な作業を必要な人工で行わない場合、手抜き工事に繋がる恐れが高まります。
適切な品質を保ちながら少人数で作業を行えば、工期が伸びるのが一般的です。
しかし、人数が足りていないのに工期が伸びなかった場合や、人数は適切であっても工期がかなり早まった場合は手抜き工事が行われた可能性があります。
例えば、2人で3日かかる作業を1人が3日で終わらせた場合、必要な工程を省いたり、十分な乾燥時間を設けていないか、見た目だけを仕上げる工事が行われた危険性があります。
少ない人数で作業を終えることができれば、業者側は人件費を削減できます。
そのため、より大きな利益を得ようと、人工を削減するケースもあります。
また、大幅な値下げをしてくる場合も危険です。必要な工程が省かれてしまうかも知れません。
そのため、適切な人数、適切な工事期間、適切な金額で工事が行われることが大切だと言えます。
5. 外壁塗装の費用だけでなく工事の人数もチェックしましょう
今回は外壁塗装に必要な人工の数を紹介しました。
業者に外壁塗装を依頼する場合、費用ばかりに目が行ってしまいがちですが、適切な人数で作業しているかどうかも重要です。
また、しっかりとした作業を行ってもらうには適切な人件費が掛かることも覚えておきましょう。
それらを省こうとすると、手抜き工事や労働災害、仕上がりの品質の低下に繋がる危険性が出てくるので、十分に気を付けましょう。
6. 質問への対応力をみましょう
業者に詳しく聞くことで「手抜きできないな」と思わせるのがコツです。
質問に答えられないということは知識不足であり、大半は高品質な工事が期待できません。
逆に、質問の答えに加えてプラスアルファの情報も教えてくれる会社は信頼できることも多いです。
また、塗装前の建物診断の際には傷による補修箇所があるか確認するようにしましょう。
下記は、建物診断の際におすすめの質問一覧です。
- ・ 職長(親方)は何年目の人が担当するのか
- ・ 担当する職人の数は何人なのか
- ・ 合計で何人工を予定しているのか
- ・ 塗装の膜厚(厚み)は何ミリ程度か、管理方法はどうするのか
- ・ 塗料は新品か、在庫か
このような質問をして、ちゃんと対応してくれるか、担当者にしっかり確認しましょう。
また、見積書をもらった後には、これらの事を再確認しましょう。
- 「会社のホームページはしっかり作り込まれているか?」
- 「口コミはどんな内容か?」
- 「今までどんな施工実績があるか?」
- 「アフターフォローや品質保証はあるか?」
インターネットで調べた際、ホームページがしっかり作り込まれていたり、良い口コミや施工実績があったりすると信頼できるケースが多いです。
また、アフターフォローや保証があるかを確認し、保証書まで出してもらうのがオススメです。
ここまで確認したら、あとは営業の態度や金額で決めると良いかと思います。
外壁塗装でしたら、小林塗装へお任せ下さい。
名古屋市周辺で品質本位の外壁塗装の事なら、「名古屋の塗装店」小林塗装お任せ下さい。
当店はお客様の親身になった、より良い塗装工事を提案して、経験豊富な腕利き職人がワンランク上の塗装しています。

コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、名古屋の小林塗装ホームページ内のコラム執筆をしています。
塗装工事のエキスパートとして、外壁・屋根・室内‥塗り替え工事を検討している一般のお客様にとって分かりやすく、役立つ情報発信をいつも心掛けています。
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