
シーラーの特徴
塗装工事に使われる主な下塗り塗料シーラーの特徴をまとめました
水性系シーラーの特徴
水性シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、内装用ボード類など
水性シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
△ | △ | × | × |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
△ | ◎ | ☆ | ☆ |
水性シーラーの特徴
水性シーラーは、『エマルション系シーラー』とも呼ばれています。
アクリル樹脂エマルションが主成分のシーラーです。
水性シーラーは、新築時、仕上げ塗料に水性塗料を使用する際、下塗り塗料として使われます。
室内の塗装工事にも、よく使われます。
但し、水性シーラーは、素地補強効果や浸透性が他のシーラーに比べ低いので、塗り替え工事ではほとんど使用されていません。
また、塗膜に収縮性がある弾性系、塗膜が緻密な無機高分子系の仕上塗材にも適しません。
水性シーラーは、屋内外共に引火する心配が無く、安全に使用する事ができます。
水性シーラーの色は、製造する塗料メーカーによって、クリアーとホワイトがあります。
水性シーラーの代表的な商品
エスケー化研
SKクリヤーシーラーキクスイ
スーパープライマーE日本ペイント
水性透明・ホワイトシーラーロックペイント
エマルション建築シーラー
透明・白
水性弾性用シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタルなど
水性弾性用シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
△ | △ | × | × |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
△ | ◎ | ☆ | ☆ |
水性弾性用シーラーの特徴
水性弾性用シーラーは、特殊合成樹脂エマルションが主成分で、弾性リシン、単層弾性系塗料(アクリルゴム系塗料)、水性系の複層弾性主材(弾性タイル)の下塗り塗料として使われます。
水性弾性用シーラーは、下地への浸透性、固着性、アルカリシール性(アルカリの抑制)に優れていますが、最近では、カチオン系シーラーが水性弾性用シーラーと兼用できる事もあって、あまり使用されていますん。
なお、上塗り塗料が強溶剤タイプ弾性塗料の場合、シーラーの樹脂が溶解してしまうので、水性弾性用シーラーを使用する事はできません。
水性弾性用シーラーの代表的な商品
日本ペイント
ウルトラシーラーIIIエスケー化研
SK水性弾性シーラー
水性ヤニ止めシーラー
主な適用下地…内装用ボード類、コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板など
水性ヤニ止めシーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
△ | △ | × | ☆ |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
△ | ◎ | ☆ | ○ |
水性ヤニ止めシーラーの特徴
水性ヤニ止めシーラーは、緻密な塗膜を形成するカチオン重合型アクリルシリコン樹脂が主成分のシーラーで、各種ボード・壁紙‥の素地からヤニ、アクの析出を抑制し、浸透性、固着性にも優れる為、様々な改装下地への適用が可能です。
水性ヤニ止めシーラーの色は、塗料メーカーによって、クリアータイプとホワイトタイプがあります。
水性ヤニ止めシーラーを使用する上での注意点は、充分な乾燥硬化時間を待たずに施工すると、再度塗装面にアクが析出してくる場合があるので、注意が必要です。
また、ヤニやシミの程度がひどい場合、1回塗りではヤニやシミを抑えきれない場合があります。
そのような場合は、シーラーを十分に乾燥させてから、再度シーラーを塗ってヤニやシミを抑えます。
水性ヤニ止めシーラーの代表的な商品
エスケー化研
SK水性ヤニ止めシーラーキクスイ
シミナイト日本ペイント
水性ヤニ止めシーラーII
カチオン系シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタル、スレート板、各種旧塗膜、内装用ボード類、など
カチオン系シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | × |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
○ | ◎ | ☆ | ◎ |
カチオン系シーラーの特徴
カチオン系シーラーは、水性反応硬化系塗料、弱溶剤系塗料の下塗り塗料として頻繁に使われています。
カチオン系シーラーは、水性タイプなので、旧塗膜を侵す事がなく、多くの旧塗膜に対応でき、水性弾性系塗料・弱溶剤塗料の下塗りにも使用できる汎用性に優れるシーラーです。
カチオン系シーラーは、浸透性と付着性に優れ、経済性にも優れている事が大きなセールスポイントです。
現在使われているカチオン系シーラーの多くは、防藻剤や防カビ剤などといった薬効成分が配合されているので、藻やカビに対する抵抗力も優れています。
また、カチオンシーラーには、『造膜型(表面に薄い塗膜ができる→塗装の仕上り、施工性重視タイプ)』と『浸透型(基材内部に浸透し、基材補強効果を持たせるタイプ)』の2種類があります。
また、カチオン系シーラーの色は、各塗料メーカーによって、クリアーとホワイトがラインナップされています。
但し、仕上げ塗料が強溶剤型塗料の場合、溶剤によってカチオンシーラーが溶解してしまうので、下塗りシーラーとしては使用する事はできません。
カチオン系シーラーの代表的な商品
エスケー化研
ミラクシーラーエコ
透明・ホワイトキクスイ
K’s水系シールエースキクスイ
浸透性プライマーEスズカファイン
カチオンシーラーEPO
日本ペイント
水性カチオンシーラー
透明・ホワイトロックペイント
カチオンシーラーマルチII
透明・白
溶剤系シーラーの特徴
溶剤塩化ゴム系シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタル、スレート板、各種旧塗膜、内装用ボード類、など
溶剤塩化ゴム系シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
◎ | ◎ | ○ | △ |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
△ | × | △ | ☆ |
溶剤塩化ゴム系シーラーの特徴
溶剤塩化ゴム系シーラーは、溶剤系塗料・弾性系塗料の下塗りシーラーに使われていましまたが、最近では環境負荷が大きい為、あまり使用されていません。
また、溶剤塩化ゴム系シーラーは、NAD系塗料との相性も良くないので塗装の仕様選定する際には、注意が必要です。
なお、溶剤塩化ゴム系シーラーの色は、塗料メーカーによってクリアーとホワイトがあります。
溶剤塩化ゴム系シーラーの代表的な商品
エスケー化研
EXシーラー
弱溶剤1液型エポキシ系シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタル、窯業系サイディング、スレート板、けい酸カルシウム板、薄型塗装瓦(新生瓦)、各種旧塗膜など
弱溶剤1液型エポキシ系シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
◎ | ◎ | ○ | △ |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
△ | ○ | △ | ○ |
弱溶剤1液型エポキシ系シーラーの特徴
弱溶剤1液型エポキシ系シーラーは、粘度の低いエポキシ樹脂が素地の内部へ浸透し、脆弱な素地を補強する効果を持つシーラーです。
弱溶剤1液型エポキシ系シーラーは、予め調合された1液タイプのシーラーなので、2液型シーラーの様に使用する際、計量や攪拌する煩わしさがありません。
水性系塗料・弱溶剤1液型塗料の下塗りに適しています。
弱溶剤1液型エポキシ系シーラーの代表的な商品
エスケー化研
一液マイルドシーラーES日本ペイント
1液浸透シーラー日本ペイント
1液ベストシーラーロックペイント
エポシーラーマルチ
弱溶剤2液型エポキシ系シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタル、押出成形セメント板、GRC板、PC部材、スレート板、各種旧塗膜など
弱溶剤2液型エポキシ系シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
☆ | ☆ | ◎ | △ |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
○ | ○ | △ | ◎ |
弱溶剤2液型エポキシ系シーラーの特徴
弱溶剤2液型エポキシ系シーラーは、汎用性・浸透性・固着性に優れ、下地の補強効果に優れており、水性系塗料・弱溶剤2液型塗料の下塗りに適しています。
エポキシシーラーを製造する塗料メーカーによって『含浸タイプ』と『造膜タイプ』があり、シーラーの色は、塗料メーカーによって、クリアーとホワイトがあります。
既存の塗装素地が著しく劣化している場合には、含浸タイプを使用し、素地を補強すると良いです。
逆に塗装素地の遮蔽性や仕上げ塗料の被り良さを求める場合には、造膜タイプのホワイトシーラーをおススメしています。
最近では、従来のエポキシシーラーでは対応が困難だった塗膜がフッ素塗料、光触媒塗料、無機塗料に対応した『シリコン‥が配合された高機能タイプの弱溶剤2液型エポキシ系シーラー』もあります。
弱溶剤2液型エポキシ系シーラーの代表的な商品
エスケー化研
マイルドシーラーEPO
クリヤー・ホワイト日本ペイント
ファイン浸透シーラーロックペイント
ユメロックシーラー
クリヤー・ホワイト
強溶剤1液型エポキシ系シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタル、スレート板、各種旧塗膜など
強溶剤1液型エポキシ系シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
◎ | ◎ | ◎ | △ |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
× | × | △ | △ |
強溶剤1液型エポキシ系シーラーの特徴
強溶剤1液型エポキシ系シーラーは、弾性系塗材を含め、あらゆる旧塗膜との密着性に優れ、改装工事に適しています。 あらかじめ調合された1液タイプなので、2液型の様な煩わしさがありません。
但し、強溶剤1液型エポキシ系シーラーを塗り替え工事に使用する場合には、シーラーに含まれる溶剤等の影響によって、既存の塗膜を侵してしまう事が多いので、下塗りする前に確認が必要です。
強溶剤1液型エポキシ系シーラーの代表的な商品
エスケー化研
ミラクシーラーES
強溶剤2液型エポキシ系シーラー
主な適用下地…コンクリート、セメントモルタル、押出成形セメント板、GRC板、PC部材、スレート板、各種旧塗膜など
強溶剤2液型エポキシ系シーラーの機能性
五段階評価 ☆→極めて良い ◎→とても良い ○→良い △→あまり良くない ×→悪い
※表は←左にスクロールできます。
アルカリ抑制 | 付着性 | 防カビ・防藻 | ヤニ止め |
---|---|---|---|
☆ | ☆ | ☆ | △ |
被り良さ | 臭い | 施工性 | 材料コスト |
× | × | × | △ |
強溶剤2液型エポキシ系シーラーの特徴
強溶剤2液型エポキシ系シーラーは、押出成形セメント板、GRC板(ガラス繊維強化セメント板)、PC板(プレキャストコンクリート)‥と言った様々な素地、弾性系塗材を含め、あらゆる旧塗膜との密着性と素地補強効果に優れたシーラーで、セメントモルタルやコンクリートの素地内部に水分や炭酸ガスの浸入を防ぎ、素地の中性化を防ぎます。
強溶剤2液型エポキシ系シーラーを塗替え工事に使用する場合は、強溶剤1液型エポキシ系シーラーと同様にシーラーに含まれる溶剤等の影響によって、溶剤等の影響により、既存の塗膜を侵してしまい、膨れ・縮み‥といった塗装の不具合が発生する事があるので注意が必要です。
強溶剤2液型エポキシ系シーラーの代表的な商品
エスケー化研
ミラクシーラーEPOキクスイ
キクスイプライマーEPW日本ペイント
浸透性シーラー(新)ロックペイント
変成エポキシシーラー白