
カチオン性エマルションの優れている点
カチオンシーラーとは、耐アルカリ性、付着性に優れたシーラーです。
コンクリート・モルタル・金属など自然界に存在する物のほとんどがマイナス(-)=アニオンに帯電していると言われています。
しかし、プラスであるカチオン型(+)エマルションの場合は、カチオン(プラス荷電粒子)とアニオン(マイナス荷電粒子)の相互引き合い効果によって、優れた密着力効果が得られます。
また、カチオン性エマルションはセメントが水和反応の過程で溶出する多価金属イオン(+)と反発、凝縮する事なく、均一な分散状態になるため、セメントゲル・砂と強固に結合し密実な組織を形成します。
カチオン性とアニオン性の分散模式図

カチオンシーラーの種類と用途について
カチオンシーラーには、透明タイプと白色顔料が入ったホワイトタイプの2種類があります。
透明タイプは、脆弱部分の下塗りに適しており、ホワイトタイプは、塗装素地の目止め効果に優れています。
また、ヤニ止めやシミ止め効果のある高機能なカチオンシーラーもあります。
カチオンシーラーを使う上で適した塗装下地は、コンクリート、モルタル、PCパネル、スレート板、せっこうボード、けい酸カルシウム板‥があります。 また、カチオンシーラーの使用環境は、内部(新設=使用可能/塗り替え=使用可能)、外部(新設=使用可能/塗り替え=使用可能)幅広く使用する事ができます。
カチオンシーラーを使用する際の注意事項
カチオンシーラーを下塗りで使用する際に注意しなくてはならない事は
カチオンシーラーの吸い込みが激しい場合は、2回塗り以上行う必要があります。
(塗装面が濡れ肌感になるまで塗る必要があります。)
既定の塗り重ね時間を絶対に守る事が大切です。
(乾燥時間が短い場合、上塗り塗料の膨れや縮みの原因になります。)
水でカチオンシーラーを伸ばす事ができません。
(ブツが生成されます。)
上塗りに強溶剤系塗料を塗装してはいけません。
(強溶剤によって、シーラー層が溶解してしまいます。)
一般的な水性塗料を混合させてはいけません。
(水性塗料と混ぜる事によって、カチオンシーラーがゲル化してしまいます。)
メッキ加工が施されていない金属容器に入れると、金属容器が錆びる恐れがあります。
刷毛やローラー等の塗装道具は、絶対に共用しない。
(刷毛やローラーが固まってしまいます。)
などが挙げられます。