
「大切な住まいだからこそ、しっかりとした塗り替え工事や防水工事をして欲しい。」
そんなお客様の思いがこもったお話を当店では、よくお聞きします。
そこで、大切な住まいを長く快適に住み続ける為、塗り替えリフォームを成功させるポイントを『塗り替え工事の豆知識』として小林塗装の主観と本音でまとめてみました。外壁・屋根‥といった塗り替え工事をご検討のお客様はぜひご覧ください。
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塗り替え工事を行う方法とは? 塗装工事の施工トラブルと
その対策について 塗り替えリフォーム
業界の現実(必読) ご依頼、ご契約の際、
必ず注意しなければいけない事
※「塗り替え工事 豆知識」の内容は、随時加筆します事をご了承ください。
塗装工事の施工トラブルとその対処方法について
このコラムでは、塗装工事の施工トラブルとその原因と対策について一般のお客様が分かりやすい様、お伝えします。
塗料のたれ・流れ
塗料のたれ・流れの現象とは?
垂直面に塗装した塗料が下に垂れ下がり溜りや縞状になる。乾燥が遅く、流動性があり、たれ、流れになる。
塗料のたれ・流れの原因
極端に厚く塗装した。
施工環境の気温が著しく低い場合。
水・シンナーで指触乾燥までの時間が掛かってしまった。
塗料のたれ・流れの対策
塗装の厚みを加減する。
シンナーの希釈量を少なくする。
又は、速乾形のシンナーに変更する。
塗料のたれ・流れの対処方法としましては、「たれ・流れ跡を残さない様、研磨して再塗装する事」です。
塗装の刷毛目・すじ
塗装の刷毛目・すじの現象とは?
塗装時、刷毛目の筋が目立ち、膜厚が不均一になる。
塗装の刷毛目・すじの原因
塗装の厚みを加減する。
塗料のレベリング性が不足している場合。(SOP等)
低温時で塗装を行った場合。
刷毛やローラーの選定が不適当な場合。
塗装の刷毛目・すじの対策
水・シンナーの希釈量を多くし、適性な粘度にする。
刷毛目が出にくい塗料を使用する。
使用する塗料に合った刷毛やローラーを選ぶ。
塗装の刷毛目・すじの対処方法としましては、「跡を残さない残さない様、研磨して再塗装する事」です。
塗膜の色別れ
塗膜の色別れの現象とは?
塗料の顔料が分離して、見本の色と違った斑点や縞模様を生じる。
塗膜の色別れの原因
塗料の顔料分散が悪い。
シンナーの溶解力不足。
塗料を極端に厚く塗りすぎた場合。
塗料粘度の不適。
塗料の混合が不十分の場合。
顔料の比重が著しく違う場合。
塗膜の色別れの対策
塗料を変える。
塗料に合った適正なシンナーを使用する。
各種塗料に合った適正な膜厚にする。
適正な粘度にする。
使用する前に塗料をしっかり攪拌する。
製造時のチェック。
塗膜の色別れの対処方法としましては、「再塗装する事」です。
塗料の糸引き
塗料の糸引きの現象とは?
吹付け塗装時、ノズルからの塗料が霧状にならず、蜘蛛の糸状になります。
アクリル系・ゴム系の塗料に起こりやすい現象です。
塗料の糸引きの原因
シンナーの溶解力不足。
溶剤の蒸発速度が速い。
吹付ガンのチップが小さい。
塗料の糸引きの対策
シンナーを溶解力のあるものに変える。
蒸発速度の遅いシンナーに変える。
ガンチップの口径の大きいものを使用する。
塗料の糸引きの対処方法としましては、「適切なシンナーの選定と塗料に合った塗装道具を使用する吹き付けガンを使用する事」です。
塗膜の目弾き・凹み
塗膜の目弾き・凹みの現象とは?
塗面に塗膜が押しのけられた様な凹みが生じます。
乾燥中の塗面に相溶性のない異物が付着し、その影響で目弾きが発生します。
塗膜の目弾き・凹みの原因
塗装現場の近くでワックス・シリコンを使用している。
刷毛、ローラー、塗料容器の中に水・油が混入してしまっている。
スプレー使用時、塗料ミストやエアー中に水や油が混入してしまっている。
異なる塗料ミストの付着。
規定量以上の厚塗り。
使用塗料に対する添加剤が不適な場合。
塗膜の目弾き・凹みの対策
諸原因の除去。
エアートランスフォーマーで水分・油を除去する。
塗料を取り替える。
希釈率を上げ、粘度を下げる。
塗料中の添加剤を適正のものに替える。
塗膜の目弾き・凹みの対策の対処方法は、「目弾きの個所を完全に研ぎ落とし、再塗装する事」です。
塗膜の不純物・ゴミの混入
塗膜の不純物・ゴミの混入の現象とは?
塗膜の表面に突起物ができます。塗膜に異物が付着して凸状になります。
塗膜の不純物・ゴミの混入の原因
塗装する周辺の汚れ。
スプレーガンがしっかり洗浄されていない。
塗料が濾過されていない。
沈殿している塗料の攪拌不足。
塗膜の不純物・ゴミの混入の対策
塗膜周辺は、ホコリが出ない様に常に清掃し、ホコリの浮遊を防ぐ。
スプレーガンの使用後は、入念に洗浄する。
塗料の濾過を充分に行う。
塗料の攪拌を充分に行う。
不純物・ゴミの混入の対処方法は、「不純物をナイフ、又は砥石で削り取り、研ぎカスを取り除いた後、慎重にタッチアップする事」です。
塗膜のオレンジピール化(ゆず肌・ガン肌)
塗膜のオレンジピール化(ゆず肌・ガン肌)の現象とは?
塗装表面が、オレンジ表皮の様な凹凸状の塗り肌になります。
塗膜になる過程で、溶剤を蒸発させる際に未乾燥塗膜内部で対流現象(ボルテックス)が生じます。
対流現象の流動が早く止まると起こります。
塗膜のオレンジピール化(ゆず肌・ガン肌)の原因
塗装環境が高温。
シンナーの蒸発が速い。
粘度が高い。
塗膜のオレンジピール化(ゆず肌・ガン肌)の対策
溶剤の蒸発速度を遅くする。
粘度を下げる。
塗膜のオレンジピール化の対処方法は、「耐水ペーパー#500・#800・#1000の順序で水研ぎし、コンパウンド中目・細目・極細に磨き上げる事」です。メタリック仕上げの場合は、「クリヤー層のみ研ぎ落としクリヤーを再塗装する事」です。
塗膜のかぶり(白化・ブラッシング)
塗膜のかぶり(白化・ブラッシング)の現象とは?
塗膜表面に、霞が架かった様に、白くボケて艶が無くなります。
ラッカー系塗料に多く見られる現象で、高温多湿条件下で起き易い現象です。
溶剤の急激な蒸発により空気中の水分が塗面上に凝結し艶が無くなります。
塗膜のかぶり(白化・ブラッシング)の原因
塗装環境が湿度が高い。
シンナーの蒸発が速い。
塗膜のかぶり(白化・ブラッシング)の対策
共に遅い溶剤で、急激な蒸発を押え、水分の凝結を無くす。
塗装のかぶりの対処方法は、「塗膜の表面を研磨した後、適正シンナーで希釈した塗料で再塗装する事」です。
塗膜のつやムラ
塗膜のつやムラの現象とは?
塗料本来のツヤが出ない現象です。
塗膜のつやムラの原因
下地の吸込みが著しい。
下塗、プライマーなどを塗装する素地が粗すぎる場合。
シンナーが不適切であったり、希釈しすぎた場合。
薄塗りしすぎた場合。
ブラッシングが生じた場合。
塗膜のつやムラの対策
シーラー又は下塗塗料で吸込みを止める。
上塗を塗り重ねる。
適切なシンナーを使用する。
適度の塗膜厚に塗装する。
塗膜のつやムラの対処方法は、「研磨後、適正シンナーで希釈した塗料で適正膜厚に再塗装する事」です。
塗膜の縮み(しわ・ひだ)
塗膜の縮み(しわ・ひだ)の現象とは?
塗膜表面が激しい、しわ状になる。塗膜の表面層と内部層の歪みによって起きます。
酸化乾燥するフタル酸樹脂系の様に乾燥過程で起きるものです。
再塗装時等の旧塗膜と上塗りの乾燥速度及び、溶剤の溶解力との関係で発生します。
塗膜の縮み(しわ・ひだ)の原因
厚塗り。
乾燥不足塗膜上の再塗装。
溶解力の強い溶剤の使用。
ノンブラッシングの入れすぎ。
塗膜の縮み(しわ・ひだ)の対策
必要以上の厚塗りは、避ける。
未反応塗膜の塗り重ねは、要注意。
下塗り・上塗りの組み合わせは異種塗料をなるべく避ける。
ノンブラッシングは、多量に用いない。
対処方法としましては、「縮みの個所を研磨・剥離して再塗装する事」です。
塗膜の滲み
塗膜の滲みの現象とは?
上塗り塗色面へ下地の塗色や素材の成分が浮き(滲み)出てきます。
被塗物や旧塗膜に含まれている可溶性物質(顔料・可塑剤・タール等)が、上塗りの溶剤によって溶出してきます。
塗膜の滲みの原因
溶剤が塗料の顔料に滲み顔料が溶解した場合。
被塗物にタール等が付着した場合。
塗膜の滲みの対策
滲み要因のある上に塗る場合、試し塗りをする。
シーラー等で完全に遮蔽するか既存の塗装を剥がす。
塗膜の滲み対処方法は、「滲みの要因を除去するか、専用シーラーで、滲みを押え込む事」です。