
カラーベスト(コロニアル)屋根の縁切り作業について
カラーベスト屋根の塗り替えでローラー工法では、カラーベスト(コロニアル)の張り重ね部分より、塗料が潜り込むような形となり、張り重ね部分の隙間に塗料が入り込み、雨水の逃げ道を塗料で塞いでしまうことがあります。
そこで屋根の塗装後に縁切り作業が心要となります。
カラーベストの間に潜り込んだ塗料の量にもよりますが、塗り替え塗装直後での縁切り作業では、カラーベスト(コロニアル)表面の塗料は乾燥していても、張り重ね部分内に入り込んだ塗料は、まだ未乾燥状態です。
なので縁切り作業を行っても、再度塗料が硬化することによって、屋根材同士が接着してしまい、カラーベストのジョイント部分から入る雨水や夜露の出口を塞いでしまい、結果として雨漏りや屋根材の腐食の原因になるケースがあります。
タスペーサーによる縁切り作業について
カラーベスト(コロニアル)屋根の縁切り工法におけるタスペーサー工法とは、屋根塗装の下塗りシーラー施工後に皮スキ、エンカッタ-など縁切り用工具を使って、カラーベストの隙間を開け、タスペーサー02を手で挿入していきます。
タスペーサーを挿入することによって、屋根材に2~3ミリ程度の隙間ができ、適切に雨水や夜つゆを排出できます。また、タスペーサーを挿入することで毛細管現象による漏水、基材の腐食、塗膜の剥離などを防ぐことができます。
また、タスペーサー工法は、従来の縁切り工法に比べ、カラーベストのコグチ部の破損すること
屋根材の塗膜が劣化し、防水性が低下します。
防水性の低下により、屋根材の反り・たわみが発生します。
屋根材の反り・たわみ現象があると、
台風等で重なり部の隙間から、雨水が浸入することがあります。
屋根材が破損します。
従来の縁切り工法とタスペーサー工法との比較(施工面積90㎡として)
従来の縁切り工法 | タスペーサーによる縁切り工法 | |
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施工手順 | 塗装完了後の施工 | 下塗り後の施工 |
施工性 | 1. 塗装完了後、1日、2日後の縁切り作業でも、塗料の乾燥状態によっては、屋根材同士が密着することがあります。 2. 屋根材コグチ部分が破損する恐れがあります 3. 仕上げた塗膜に傷や汚れを付けてしまうことがあります。 | 塗装工程中に隙間を確保できます。 |
施工時間と費用 | 2~3人工で1日作業になります。 約40,000円~60,000円 (消耗品等、損料込) | 約4時間で終了します。 約38,000円~41,000円 (ダブル工法の場合。材工共) |
施工後の品質 | 1. 必要な隙間が確保されず、毛細管現象を引き起こす場合があります。 2. 通気性が取れない場合があります。 | 屋根材裏面に浸入した雨水の排出と、その後の適度な通気性が確保できます。 |
タスペーサーの挿入部分について

ダブル工法の場合
屋根材幅(900mmまで)の場合、
両端(左右)15cm位の箇所に、2ヶ所挿入します。
シングル工法の場合
屋根材幅(600mm以下)の場合は、
片側(左右どちらか)1ヶ所挿入します。
タスペーサーを使用した縁切り作業の施工手順
1回目の塗り替えの場合
手順1 | 高圧洗浄 |
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手順2 | 下地補修(クラックなどの補修) |
手順3 | 下塗り作業 |
手順4 | タスペーサー挿入(シングル工法も可能です。)屋根材に4mm以上の隙間がある場合には、タスペーサーを挿入する必要はありません。 |
手順5 | 上塗り作業 |
2回目以降の塗り替えの場合
手順1 | 旧塗膜の縁切り作業・ケレン(縁切り作業の際には、屋根材の隙間に詰まっているホコリや砂等を除去する必要があります。) |
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手順2 | 高圧洗浄(屋根材表面のに付いた汚れだけではなく、屋根材の隙間に含まれるホコリや砂等を入念に洗い流します。) |
手順3 | 下地補修(クラック等の補修) |
手順4 | 下塗り作業 |
手順5 | タスペーサー挿入(ダブル工法を推奨します。屋根基材が傷んでいる場合は、タスペーサー03の仕様をおすすめします。) |
手順6 | 上塗り作業 |
タスペーサーによる縁切り作業の注意事項
屋根材コグチ部に、タスペーサーのストッパーが完全に挿入されている事を確認してからその後の中塗り、上塗りを行う事。
一次防水となる屋根材が傷んでなくても、その屋根材の下地(野地板)が傷んでいて、上からの加重などで、下地が撓み、屋根材にヒビが入る場合がありますので、注意すること。