外壁塗装の設計価格と適正価格について｜小林塗装

1.　外壁塗装の設計価格とは

外壁塗装の設計価格とは、塗料費用に塗る手間賃（人件費）を足した、標準的な施工を行った際の1㎡あたりの塗装に掛かる基本的な工事価格のことです。

この設計価格が決まっていれば、あとは塗装面積さえ分かっていれば、掛け算で塗装工事のおおよその金額を算出することができます。

各塗料メーカーは塗料の単価や仕様によって「設計価格」をホームページなどで掲載しています。

2.　外壁塗装の設計価格は、どのように設定されているのか？

設計価格がどのように設定されているのかお伝えします。

外壁塗装の各塗料メーカーによって詳細な算出方法は多少違いますが、最終的な設計価格としては各塗料メーカー価格の大きなズレはほとんどありません。

2-2　塗料価格や作業性を考慮して「材料費」と「人件費」を算出しています

この2つの要素を足したものが、1㎡当たりの基本的な塗装設計価格になります。

しかし、10㎡塗るのと、1,000㎡塗るのでは、作業経費や作業効率を考えると同じにはなりません。
こういった場合、多くの塗料メーカーは、作業効率が良くなる300㎡以上の面積を塗装する場合を設計価格としています。

ですから、戸建住宅（100～150㎡程度）の場合は、メーカーの設計価格よりも少し割高で積算されている場合があります。
しかし現在では、業者間の相見積によって設計価格の7割程度が相場価格（実勢価格）になっていることが多いです。

なお、機械や工具の損料や運搬費、養生、塗装道具の消耗品費、現場管理費など諸経費については、各会社ごとに記載内容が異なる場合がありますが、さほど金額に大きな影響はありません。

2-3　設計価格に含まれていない費用とは？

先にお伝えしたように、外壁塗装の設計価格は、塗料を外壁に塗る工事代金だけを算出したものになります。

しかし、実際の塗装工事では、工事に必要な仮設足場や塗装前に行う高圧洗浄作業などの費用が掛かります。

現在はくさび緊結式足場（ビケ足場）がほとんどで、その足場工事の相場価格は600～1,200円/㎡（養生シート含む）くらいです。

一般的な30坪～の2階建でしたら、150,000円～足場仮設の費用となります。

高圧洗浄作業の費用を120～180円/㎡として、外壁塗装の面積が150㎡の家で26,400円～39,600円程度です。
（サッシ・軒などを含めた220㎡程度の面積と仮定しています。）

厳密に言うと、お客様の水道を使わせて頂きますので水道代も少し掛かります。

高圧洗浄作業の費用を150～200円/㎡として、外壁塗装の面積が150㎡の家で33,000円～44,000円程度です。
（サッシ・軒などを含めた220㎡程度の面積と仮定しています。）

外壁シーリングの費用を750～1250円/㎡として、シーリング施工ⅿ数が220ｍの家で165,000円～275,000円程度です。

3.　実際に掛かる外壁塗装工事の価格は？

それでは一般的な住宅を想定し、おおよそ30坪、外壁塗装面積150㎡の外壁（窯業系サイディング）に、外壁塗料で人気のラジカル制御形シリコン塗料エスケー化研「エスケー　プレミアムシリコン」（期待耐用年数　約15年）を塗装した場合の塗装費用を計算してみました。

設計価格の基準は、外壁塗装の面積が300㎡未満なので、2割増しで計算しました。
このくらいの金額で、耐用年数15年の外壁塗装工事ができる計算になります。

しかし先にお伝えしたように、それぞれの住宅状況によって補修や修繕が必要だったり、シーリングの打ち替えなどをしたりする場合は、当然費用が別途掛かります。

そのような付帯工事も積み上げていき、全体のボリュームや作業条件、塗料の仕入れ価格（建築材料の値段は取引量と仲介業者の数及び付き合いの長さや信用などにおける掛け率＝定価×0.5とか0.8とかで変わってくるので、必ずしも一定ではありません。）、地域の競合他社によって作られる地域相場を勘案して提示された費用が最終的な見積り提示金額になります。

そのようなことを考慮すると、829,800円（税別）が実勢価格の580,000～620,000円前後（税別）となって、お客様に見積提示されるケースが多いです。

4.　外壁塗装の適正価格とは？

このように、外壁塗装の設計価格を知れば、一般のお客様でも塗装工事単体の標準的な費用を見積することができます。

もしかしたら、塗装業者の見積り提示金額と設計価格で算出した金額に大きな差がある場合があるかもしれません。

もし仮にそうであっても、その見積り提示が適正価格なのかどうか？ということを明確に判断するのは難しいところです。

5.　外壁塗装の価格には、その価格である理由と意味があります

適正な外壁塗装の価格は、塗装業者の企業規模や経営体質、提供するサービス内容やフォロー体制などによって、大きく変わってきます。

なぜなら、道路沿いにショールームを構え、たくさんの従業員と社用車を抱え、高級塗料を使い、施工後のアフターフォローもしてもらえる塗装業者もありますし、塗り替えという作業を完了させるだけの塗装業者もいます。

その良し悪しは別問題として、前者と後者の見積り金額は大きく開いて当然です。

「高品質で長持ちし、無償修理もできるハイブランド品を購入するのか？」、「塗装として必要最低限の機能だけ果たせれば良いのか？」 それは設計価格とは全く別の次元の話で、各会社の理念にあたる部分やお客様の価値観といえます。

6.　外壁塗装の設計価格と適正価格について　まとめ

今回は塗料の設計価格や外壁塗装の適正価格についてお伝えしました。

設計価格が塗料メーカーの設定する基準として採用されているのは事実です。

ほとんどの塗料メーカーは、ホームページなどで設計価格を公表しています。
（最近よく外壁塗装で使われるアステックペイント、プレマテックス、一水化成、ジャパンホームワンドなどは公表されていません。） そしてその価格を知ることで、一般のお客様でも塗装工事単体の標準的な金額を見積することができます。

お客様が塗装工事の見積の金額に疑問を感じるようでしたら、「工事金額がなぜそんなに高いのか？」、「なぜそんなに安いのか？」などその理由を塗装業者に質問してみることをおすすめします。

外壁塗装の適正な価格とは、お客様が持つ外壁塗装に対する価値感しだいとも言えます。

ですから、外壁塗装を検討しているお客様は、この先何十年も住む大切な住まいのために、塗装工事の本質を理解した上で、後悔することが無い理想の外壁塗装を実現させましょう。

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