塗装業界の問題点　塗装職人の技術レベルの低下｜名古屋の外壁塗装なら小林塗装

塗装業界の問題点　～塗装職人の技術レベルの低下～

今回は、塗装業界の大きな問題となっている塗装職人の技術レベルの低下について「名古屋の塗装店」小林塗装が考えてみました。

外壁塗装、屋根塗装などといった建築塗装業界に興味がある方はぜひご覧ください。

1.　現在、塗装業界における問題点とは？

現在、建築塗装業界では、日本全体の高齢化による職人の激減や塗装職人の人手不足が大きな問題となっています。
しかし、さらに大きな門題は、職人のレベルが低下しているという問題があります。
塗装工事に携わる職人の僕から見て、これを一般のお客様に分かりやすくお伝えしますと「以前に比べ、職人の腕が落ちている。」と言えます。
塗装職人の技術が低下する大きな原因は2つあるかと思います。
それは、「社会全体の変化」、もう一つが「技術継承の断絶」です。

2.　塗装業界における問題点　1.　
塗装職人の技術を低下させる「社会全体の変化」

塗装業界における問題点1.　塗装職人の技術を低下させる「社会全体の変化」イメージ

塗装職人の技術を低下させる一つ目の大きな原因である「社会全体の変化」とは、現在のインターネットやスマホに代表されるIT技術の著しい進化です。
塗装の分野で言いますと、塗料の基本的な性能向上、塗装道具の改良などが挙げられます。

一般社会は、IT技術の発展によって社会全体の利便性は大きく向上しましたが、現場で作業する塗装工事の場合、現場を知らない人が作った安易な作業マニュアルや予め編集された動画のようにスムーズに作業する事はできません。
なぜなら塗装工事は、各現場ごとで工事予算、求められる性能、周辺環境、作業条件などによって仕上がり具合が全て異なるからです。
さらに高品質でなおかつスピーディーなキレイな塗装作業を行うには、多くの現場経験による技術や多くの知識、それに基づいた長年の勘が必要だからです。
（特に塗装工事の場合、動画や作業マニュアルだけでは説明しきれない不確実な要素がたくさんあります。）

世の中全体が便利になればなる程、合理性や経済性だけが求められる様になってしまい、本来塗装職人に必要な多くの技術、知識、勘が軽視される様になってしまいました。
（まぁ、資本主義社会はその様に発展していくのですが。）
結果として、この「社会全体の変化＝技術の進化」によって、以前は当たり前にできた職人さんの技術やノウハウの多くが失われてしまったと言えます。
（しかし、それらの問題点を補う、塗りやすい塗料や便利なローラーなど塗装道具も多く発売されていますが。）

3.　塗装業界における問題点　2.　
塗装職人の技術を低下させた「技術継承の断絶」

塗装職人の技術を低下させたしまった、もう一つの原因である「技術継承の断絶」とは、本来親方や先輩から教わるべきである、技術、ノウハウ（職人としての立ち回り方）、職人としての精神論（向上心、探究心、我慢、気配りなど）が現在うまく継承されていない点です。

そうなってしまった大きな要因は、1,980年代の後半から1,990年代初頭にかけてのバブル時代に本来まだ親方になれない様な、まだ経験や技術が足りない中堅くらいの職人が元請など周囲に唆されて親方になってしまったからです。
（本来であれば、一人前の塗装職人として独立できる様になるには、10～15年位は掛かるはずです。）
その後バブルが弾けて、建築業界の人手不足は一端落ち着きましたが、その頃に独立した「中途半端な親方達」や「その後の建築不況で引退してしまったベテラン職人や親方達」によって、当時の若手の塗装職人に対して技術やそれまで培ったノウハウの継承ができなくなってしまいました。
（多くの経験や塗装に関する知識が乏しい事が起因となっている過当な値下げ競争、モラルを逸脱した考えられないような悪質な手抜き工事など＝若い頃の筆者はその様な状況を多く見てきました。まぁ、その当時は若かったので、そんなに深くは考えていませんでしたが。）
そのような困った状況は、30年以上経った現在でも社会情勢の変化に伴い、より複雑な状況となっている状態と言えます。

このような大きな2つの理由によって、それまで長い年月をかけて積み上げてきた塗装職人の技術レベルが大きく低下してしまったと言えます。
（その結果、バブル以前に比べてさらに塗装工事の値下げ競争や手抜き工事が多発する様になってしまいました。＝それまで有った、業界の秩序、職人としての誇り、良心、矜持が経済性や合理性によって無くなってしまったからです。）