トタン・金属屋根の特徴について
金属屋根とは
金属屋根材とは、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板等で葺かれた屋根の事を言います。屋根の軽量化ができるので、地震対策が可能です。
金属屋根は、窯業系の屋根材と違って、金属板は薄くて長い板を自由に加工して使うため、 曲線や円形 の複雑な形状の屋根にもする事ができ、金属屋根は形の違う製品が豊富に揃ってい ますので、建物の用途や屋根の形状に合わせて選ぶ事もできます。
ただし、金属屋根は、金属なので定期的な塗り替え工事が必要になりますが、適切なメンテナンスを行う事によって、長く使い続けられる事が可能です。
また、屋根を塗り替える事によって、屋根のイメージを変える事ができるという大きなメリットもあります。
トタン・金属屋根の種類について
トタン・金属屋根の主な素材
カラー鉄板・トタン板屋根
カラー鉄板屋根とは表面の鉄を丈夫な塗膜で覆い、またトタン屋根は薄い鉄板の表面を亜鉛で覆った屋根材です。
どちらも鉄板が錆びない様に加工してあり、価格も安いのが大きな特徴です。
ガルバリウム鋼板屋根
ガルバニウム鋼板屋根は、耐久性や屋根材に必要な性能のバランスが良い屋根材です。トタン屋根よりも、耐久性が高く、他の屋根材に比べて、材料価格がお値打ちという便利な屋根材です。
但し、海の近くにおける塩害に対しましては、あまり強くありません。
銅板屋根
銅板屋根は、耐久性が優れた屋根材として古来より使われています。
銅の柔らかさを活かした加工性の良さが最大の特徴と言えます。また、柔らかな光沢を持ち、時間が経つに伴って自然と調和し、優雅な雰囲気を醸し出されます。
銅板の表面には、20年位すると「緑青」という化合物ができます。
緑青には、銅の腐食を防ぐ効果や抗菌力あるので、緑青が発生する事によって、耐久性が大きく向上します。
最近では、製造工場で銅板の表面を化学処理して緑青色にする方法も実用化されています。
基本的に銅板屋根は、塗り替える必要がありません。銅板屋根に塗装しても、早期に剥離してしまいます。
ステンレス屋根
ステンレス屋根は、とても耐久性の高い素材で、錆びや塩害に強い屋根材です。
海岸沿いの建物の屋根材によく使われます。
ステンレス屋根には、塗装されたカラーステンレス屋根もあります。
チタン屋根
チタン屋根は、建築物に使う屋根材の中で、最も耐久性の高い素材です。変形しにくく、変形しても元に戻る性質があります。
しかし、材料価格が高く、加工もしづらい為、現在の住宅の屋根材としては、ほとんど使用される事はありません。
アルミ屋根
アルミ屋根は、表面に保護膜を形成して、防食性が高くなります。
ただし、アルミ屋根は強度が低いので、厚みを必要としますが、窯業瓦よりも軽く、地震対策にもなります。
また、アルミ屋根は、リサイクルする事ができる環境に良い屋根材と言えます。
トタン・金属屋根の主な形状
折版屋根
折版屋根とは、金属板を波型に折り曲げて強度を確保した屋根材です。軽量、加工費が安価、施工が容易なのが大きな特徴です。
現在では、折版屋根の仕上げ表面は、ガルバリウム鋼板の折版屋根が主流になっています。
瓦棒屋根
瓦棒屋根とは、板金(トタン、ガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板等)で施工される板金屋根の工法の一つです。
瓦棒屋根のメリットは、屋根に急な勾配を必要とせず、様々な形状の屋根に対応できる為、日本全国各地で見る事ができる屋根です。
縦平葺き
縦平葺きの屋根は、通常の板金工具で施工できる事や、様々な曲面の屋根に適しているので、神社、仏閣や住宅等、木造建築の屋根として、広く使用されています。
金属瓦葺き
金属瓦葺きとは、和瓦やスレート屋根が持つテイストをプレス成型した金属板で表現した屋根工法です。
金属瓦は、縦長に連結したタイプと、横長に連結したタイプがあります。桟木に釘で止める工法が多く、和瓦の1/10の軽さで、地震にも強く、施工も容易に行えます。一般住宅に多く使われています。
金属屋根 仕上げ表面の種類
◆ メッキによるもの
溶融亜鉛メッキ
溶融亜鉛メッキとは、亜鉛が犠牲溶解して酸化亜鉛となり、鉄の腐食を防ぐ働きを利用したものです。鋼板メッキの基本となるものです。
溶融亜鉛-5%アルミニウム合金メッキ
溶融アルミニウムメッキとは、屋根材メッキ層の中に5%のアルミを含み、溶融亜鉛メッキの3倍程度の耐食性があります。また、加工性も通常の溶融亜鉛めっき鋼板より優れています。
溶融55%アルミニウム-亜鉛合金メッキ
メッキ層に重量比で55%(容積比で80%)のアルミを含み、溶融亜鉛めっきに比べ、3~6倍の耐食性、6~8倍の耐酸性を有する他、高い熱反射性を示します。
溶融アルミニウムメッキ
ほぼ100%のアルミメッキを施す事により、耐高温性と耐酸性、熱反射性に優れています。耐熱用と耐候用の製品があり、耐候用はメッキ層が厚くなっています。
◆ 塗膜によるもの
ポリウレタン樹脂
ポリウレタン樹脂は、外装用金属板の塗料としては、最も使用されています。最近の高耐候性ポリウレタン樹脂系塗料の耐候性は、アクリルシリコン樹脂塗料に近づいています。
アクリルシリコン樹脂
アクリルシリコン樹脂は、アクリルにシリコン樹脂を30%程度含有させたもので、塗膜の耐候性を向上させています。従来は、輸出品にアクリルシリコン樹脂の塗装品が多く使用されていましたが、現在は輸出量が減少しています。
フッ素樹脂
フッ素樹脂は、現在使用されている塗料の中で、防食性、耐候性等で最も優れた性能を持っています。また、滑雪性も優れています。しかし、製造コストが高価になる問題点もあります。
ポリ塩化ビニル被覆
ポリ塩化ビニル被覆板には、塗装品とラミネートタイプの二つのタイプがあります。ポリ塩化ビニルは、塗膜を厚くする事ができるので、エンボス加工やプリント加工等により、デザイン性も優れています。
耐酸被覆
耐酸被覆は、厚膜で、耐アルカリ・塩水性に優れる他、熱・電気等の絶縁性が大きいという特徴があります。耐酸被覆には、無機繊維と合成樹脂のものと、合成樹脂のみの製品があります。