カラーベスト・コロニアル屋根の塗り替え時期の目安
カラーベスト・コロニアル屋根部分の塗り替え時期の目安をご説明します。
退色・変色

塗膜は、あらゆる自然環境によって劣化しますが、特に紫外線は、大きな塗膜の劣化要因と言えます。
紫外線が塗料の顔料や樹脂組成を破壊・劣化させて、塗装の色が変わってしまいます。このような状態を変色と言います。
退色とは、塗膜樹脂のツヤが低下した状態の事を言います。
一般的に、カラーベスト・コロニアル屋根は、外壁部分等に比べて、非常に多くの紫外線を浴びるので、3割ほど早く退色や変色しやすいです。 カラーベスト・コロニアル屋根の退色と変色は、塗膜の劣化の中で1番最初に起きます。
チョーキング

チョーキングとは、塗膜表面が自然環境(紫外線・熱・雨・風等)によって樹脂の劣化が起きてしまい、塗料の中の顔料がチョークの様な粉になってしまう現象の事を言います。
カラーベスト・コロニアル屋根の表面にチョーキングが発生した時点で塗り替えるのがベストです。
チョーキングした状態をそのまま放置しておくと塗膜だけでなく、カラーベスト・コロニアル屋根が著しく劣化する原因となるので、塗り替えのタイミングを見逃さない事が重要です。
なお、屋根塗装のチョーキング対策としては、シリコン・ハルス・フッ素・無機等が含まれた耐候性の高い屋根用塗料を使えば、チョーキングが発生する時期を延ばす事ができます。
カビ・コケの発生

カラーベスト・コロニアル屋根に発生するカビやコケは、日光があまり当たらない北側・湿度の高い場所・施工する周囲に植栽物が多い場所等に生じ易いです。 カビ・コケの発生には水分・湿気が不可欠になりますが、屋根塗膜の劣化に伴って、屋根が水分を溜めこんでしまい、カビ・コケが発生しやすくなります。
防カビ・防藻機能はもちろんの事ですが、塗膜に防水性が無いとカビやコケの発生を食い止める事は難しくなります。
カビ・コケの発生は塗膜の劣化を促進します。また、カビやコケによってカラーベスト・コロニアル屋根の含水率が上昇すると共に、塗膜が劣化し、屋根材の劣化・雨漏りの原因にもなります。
塗膜の膨れ
カラーベスト・コロニアル屋根に生じる塗膜の膨れは、塗料の密着不良、縁切り作業が不十分な場合、基材の屋根材の蓄熱による熱収縮、水分の凍結・融解が主な原因です。
また、下塗り工程(シーラー塗布量)・下地調整(高圧洗浄・ケレン・乾燥養生)が不十分だった場合も、塗膜が膨れる場合があります。
塗膜の膨れは、塗膜が機能していないので、この様な状態になった場合には、早急に塗り替えする事をおススメします。
塗膜の剥離

屋根材に塗装してある塗膜が素地に対する付着力を失い、剥がれてしまう状態を「剥離(はくり)」と言います。
カラーベスト・コロニアル屋根の塗膜剥離する原因は、塗膜の膨れと同様に、塗装前の高圧洗浄が不十分だった場合、シーラーの下塗り工程が不十分な場合、屋根材の蓄熱による熱収縮、水分の凍結・融解などが挙げられます。
塗膜の剥離は、住まいの美観を損ねるだけでは無く、屋根材の腐食、室内へ漏水する原因になります。塗膜剥離の原因の多くは、高圧洗浄が不十分だった場合やシーラーの下塗り工程が不十分な場合に起きやすいです。
カラーベスト・コロニアル屋根の塗膜が剥がれる事によって、下地のカラーベスト・コロニアル屋根の素地が完全に露出している状態になっているので、早急に塗装をしてカラーベスト・コロニアル屋根を保護する必要があります。
また、素地が露出したカラーベストやコロニアルは、セメントの成分である水酸化カルシウムが析出してしまう為に、スレートの骨材が露出してしまい、屋根材の表面に凸凹やざらつき等が生じ、塗装後の仕上がり感が非常に悪くなるので注意が必要です。
この様な状態の場合は、シーラーの下塗り後、カラーベスト・コロニアル専用サフェーサーを中塗り(増し塗り)する事をおススメます。
基材の破損・腐食

カラーベスト・コロニアル屋根の破損は、外部からの衝撃や屋根材の蓄熱による熱収縮、水分の凍結・融解などによるものです。
カラーベスト・コロニアル屋根は、セメントと石綿(現在では、アスベストが含まれていないものが使われています。)が主原料の屋根材で、水によって基材劣化する性質があります。
カラーベスト・コロニアルの塗装による防水性が衰えてくると、屋根材の表層に細かいクラックが発生し、そこから雨が入り、割れ始めます。 屋根材に水を含んだまま、急激に乾燥・凍結した場合、屋根材が割れたり、反ってしまう事があります。
基材の激しい劣化は、カラーベスト・コロニアル屋根そのものを貼り替えなければならない可能性が出てくるので、カラーベスト・コロニアル屋根の変化には注意する必要があります。
屋根棟笠木の釘抜け
カラーベスト・コロニアル屋根の棟笠木は、釘を使っている部分が多く、築年数を経るごとに釘が緩み、徐々に抜けてきます。そのまま放置しておくと、棟笠木が外れてしまい、笠木の腐食する原因になります。