PCパネル外壁の特徴について
PCパネル(プレキャストコンクリートパネル)は
外壁PCパネルの特徴は、現場打ちコンクリートの約1.5倍以上、ALCの約10倍強度が高く、耐震性、耐火性に優れ、なおかつ品質の精度が高い点などがあげられます。
こういった理由から、地震の多い日本に適している外壁材とも言えます。
PCパネルと似たような形状の壁材で『押出成形セメント板』(ECP=Extruded→押し出された、Cement→セメントPanel→パネル)があります。
押出成形セメントは、製造メーカーによって、「アスロック」、「ラムダ」、「ベルダ」、「メース」等とも呼ばれます。
押出成形セメント板の原材料はセメント・砂利・水・ケイ酸質原料で、中空(板の中空洞部分を有している)を有する板状に押出し成形を行い、オートクレーブ養生(高温・高圧の蒸気窯(オートクレーブ)の中で、常圧より高い圧力下で高温の水蒸気を用いて行う蒸気養生)した「耐震・耐火構造」パネルです。
押出成形セメント板の大きなセールスポイントは、PCパネルと同様に工場生産の為、軽量で強く、安定した品質で供給する事ができます。また、現場打ちコンクリートの約1.5倍の強度を持ち、緻密なコンクリートなので、乾燥収縮率が小さく、ひび割れしにくい優れた特性があるので、透水する事が非常に低く、強風、酸性雨にも強い抵抗性、耐火性、遮音性などもあります。
但し、PCパネルや押出成形セメント板の接合部分は、各種シーリング材によるシーリング仕上げとなる為、経年劣化したシーリング部分からの漏水に対するリスクは、鉄筋コンクリート(RC)よりも高くなるので、細心の注意が必要です。
50mm以上の厚さのPCパネルは、ほとんどが中高層の鉄骨建築物における外壁材及び、間仕切壁材に使用されますが、厚さが15mm程度の薄いPCパネルは、一戸建て住宅にも使用される事があります。パネル目地は、露出しますが、PCパネルの表面は、一見するとRC造の壁面様な外観になります。
PCパネルや押出成形セメント板を新規塗装する際には、緻密な素地の為、PCパネルや押出成形セメント板によく浸透するシーラーを使う必要があります。
昭和電工建材株式会社 ラムダ
「ラムダ」は、PCパネルの高機能性はそのままで、意匠性にこだわっている製品です。
「組み合わせ外壁デザイン」というPCパネルを自由に組み合わせて、設計とデザインを自由に変更できます。
嵌合(かんごう)形状と呼称している構造によって、防水性の向上・工期の短縮を図る事ができます。
三菱マテリアル建材 メース
「メース」は、外観の意匠性を保ちつつ、強度・耐候性・耐火性を高いレベルで実現しています。
工法の自由度が高く、各種工法を自由に選んで施工できます。