ALC外壁の塗り替え時期について
ALC外壁の塗り替え時期を判断する目安としては、「チョーキング」「変色・退色」「ヘアクラック」「カビ・コケの発生」「クラック」「塗膜の膨れ」「塗膜の剥がれ」「欠損・爆裂」の劣化症状が見られる様になってきたら、塗り替えをご提案します。
ALC外壁部分の劣化症状について説明します。以下の様な症状が経年劣化として現れます。
ALC壁の変色

変色とは、塗料に含まれる樹脂が劣化して、塗料の色が変化した状態の事を言います。
退色

退色とは、塗料に含まれる樹脂が劣化して、ツヤが低下している状態の事を言います。塗膜の変色や退色は最初に発生します。
ALC壁のチョーキング
チョーキングとは、ALCパネル表面の塗膜が紫外線と水により、加水分解して、白い粉状のものが塗膜表面に付いている状態の事を言います。指で壁面を擦ると、白い粉が付着します。
チョーキングした状態をそのまま放置しておくと塗膜だけでなく、ALCが著しく劣化する原因となるので、塗り替えのタイミングを見逃さない事が重要です。
ALC壁にカビ・コケが発生する
カビ、藻、苔は、日光があまり当たらない壁面・リシン壁・湿度の高い場所・植栽物の多い場所等に発生しやすいです。
又、塗料に含まれる防かび・防藻剤の薬効が無くなってきた場合にも、カビやコケが発生しやすくなります。
一般的に塗料に含まれる防かび・防藻剤の薬効は、5~6年が目安になります。
カビやコケのある部分の外壁は、壁面の含水率が上昇して、外壁材や塗膜を劣化させる要因になります。
ですから、塗装する際には高圧洗浄で、しっかり除去する必要があります。
なお、カビの除去が困難な場合やカビが再発しやすい場所には、塗装する前にカビ除去剤で清掃すると良いです。
ヘアクラック・クラックが生じている

ヘアクラックとは、微細なひび割れの事で、クラックとは、ひび割れの事を言います。クラックは、塗膜の劣化・躯体の挙動によって生じます。クラックの幅・深さ・長さ・向きによって、クラックの補修方法を考える必要があります。特にALCパネル壁面の場合、クラックから、漏水するケースが多いので注意が必要です。
なお、ALCは水に弱い為、ALCにクラックが発生したら、早急に補修しないと、劣化が早まります。
塗膜の膨れが生じている
ALCパネル外壁面に生じる塗膜の膨れは、クラックからの浸水・塗膜や素地の熱伸縮、内部からの湿気や不十分な下地調整や下塗り作業等が原因で、「ALCパネル」と「塗膜」が密着不良となり、塗膜剥離が生じます。
塗膜の膨れは、塗膜の機能が消失を意味しているので、この状態になった場合、早急に塗り替えする事をおススメします。
ただし、タッチアップ塗装だけでは、また同じ状態になる事も十分に考えられますので、まずは塗膜剥離の原因を見つけて、その部分から改善する事が重要です。
ALC壁面の塗膜剥離

塗膜が素地に対する付着力を失い、剥がれてしまう状態を「剥離(はくり)」と言います。塗膜の剥離は、住まいの美観を損ねるだけでは無く、腐食・漏水の原因になります。
剥がれの主な原因は、塗装(適切なシーラー塗布・フィラーによる目止め)・内部から湿気・外壁クラックからの浸水・下地調整(高圧洗浄・ケレン=目粗し・清掃)が不十分な場合等によって、塗膜の剥がれが生じます。
塗膜が剥がれると、下地の外壁が完全に露出している状態になっているので、早急に塗装をして外壁を保護する必要があります。
シーリング部分の劣化・破断

ALC壁面の挙動・ALC壁面の劣化・プライマー・シーリング材の劣化によって生じます。
シーリング材の劣化具合によって、外壁シーリング補修方法を検討する必要があります。シーリング材の劣化によって、ALCパネルの防水機能が無くなり、水に弱いALCパネルを著しく劣化させる原因となります。
ALCパネルは、外部からの水の侵入を防ぐ役割をシーリング材が担っていますので、劣化が確認できる場合は、なるべく早い段階で補修を行うと良いです。
ALC壁材の欠損・爆裂

ALC壁材の欠損は、主に外部からの衝撃・熱伸縮が原因で生じます。ALC壁面の爆裂は、クラックからの浸水により、塗膜とALCの多孔質内に水が溜まり、その結果ALC内部のボルト等、金属の腐食が進み、爆裂します。
ALC外壁塗装のQ&Aその1
ALC外壁で簡単に劣化状況を点検する方法を教えてください。
ALC外壁の劣化状況の判断材料として、大きくパネル、塗膜、シーリングの3つに分ける事ができます。
ALCパネル | ALCパネルにひび割れ、浮き、欠損等がないか目視で確認します。 ALCパネルにクラックがある場合は、クラックスケールなどでクラックの幅や深さを確認します。 |
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塗膜 | 塗膜に剥がれ、膨れ、ひび割れ等がないか目視で確認します。 また、塗膜の表面を指で擦ってみて、指に白い粉が付くかどうか確認します。 |
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シーリング | ALCパネルのシーリングが裂けていたり、割れていないかどうか、目視で確認します。 目視による判断が出来ない場合には、カッターナイフの刃等を入れてみて確認するのが良いと思います。 |
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