塗装工事の養生作業とは?
今回は、塗装工事の養生に関する基礎知識から、実際の塗装業者が行う養生方法、さらに養生作業時に確認しておきたい大切なポイントまで、「名古屋の塗装店」小林塗装が分かりやすくお伝えします。
養生というと、窓や床にビニールを貼るだけの準備作業と思われる方もいるかもしれません。
しかし実際には、養生の丁寧さによって、サッシまわりの見切り線、床や植栽への塗料の飛散防止、玄関まわりの使いやすさ、近隣への配慮まで大きく変わります。
塗装工事の仕上がり具合は、「下処理4割、養生4割、塗装2割」と言われるほど、養生が塗装の仕上り感を大きく左右する重要な作業と言えます。
見栄えの良いきれいな塗装工事にするためには、どのような養生が必要なのか。
塗装工事で後悔したくないお客様は、ぜひこのコラムをご覧ください。
- ■ 養生作業の大切さについて
- ■ 養生作業に必要な道具について
- ■ 養生作業の価格について
1. 塗装工事における養生とは?

塗装工事における養生とは、外壁や屋根などを塗装する際、塗装する部分以外の場所に塗料が付かないように養生ポリシートやビニールシート、マスカー、布テープ、マスキングテープなどを使って、覆い保護する作業のこと
を言います。
この養生作業が塗装前にしっかり行われることによって、塗料の飛散事故を防ぎ、塗装作業の効率を高め、高品質な仕上がり感を確保することができます。
また、こういった塗装養生は、塗装が完全に乾く前に手早くキレイに取り外す必要があります。
なぜなら、塗料が完全に乾燥した状態で養生を捲ると、養生テープに付いた塗料が固まっているので、養生テープが取りづらくなったり、養生のマスキングテープと一緒に塗装面の乾燥した塗料が剥がれてしまったり、養生テープのノリが被着体であるサッシなどに残ってしまったりすることがあるからです。
こういった理由から、塗装の施工内容にあった適切な養生作業が、塗装の仕上り感を大きく左右させるとても重要な作業と言えます。
2. ちゃんと養生をしないで塗装工事をすると、どうなるの?

塗装工事における養生作業の目的は、塗料の飛散や汚れを防ぐことですが、ちゃんと養生をしないで塗装工事をすると、一体どうなるのでしょうか?
塗装工事を行っていると、どうしても塗料が地面やベランダの手摺りに垂れてしまったり、サッシ枠など本来塗らなくて良い部分にまで、塗料が付いてしまうことが度々あります。
塗装しない周囲を汚してしまうと、塗装した後にシンナーや剥離剤などを使って掃除する必要があり、汚した部分の塗料を落とすのにも大変苦労しますし、場合によっては完全に塗料の汚れが取れない場合や塗装しない部分に傷を付けてしまう場合もあります。
また、塗装が必要な部分と塗装しない部分などといった境目(取り合い部分)をきっちりと塗り分けることができません。
その結果、本来塗らなくても良い部分にまで塗料が付いてしまって、塗装工事の仕上がりが汚くなってしまいます。
ですから、養生はベテランの職人でも必ず行っている、塗装工事に必須と言える作業と言えます。
また、塗料が周囲に飛散してしまい、大きなトラブルになってしまう場合があります。
もし仮に塗料が周囲に飛んだとしても、養生を行っていればまだ良いのですが、もし近隣の建物や車、庭の植木などに塗料が付着してしまったら、近隣トラブルにもなりかねません。
近隣トラブルになってしまうと、塗装工事以外にも汚損に対する弁償など余計な時間や費用が掛かってしまい、塗料を飛ばしてしまった職人、塗料で汚された近隣のお客様、お互い気分があまり良いものでもありません。
そんな汚損トラブルを無くすため、丁寧で誠実な仕事をしている職人は、塗装工事の下準備である養生をしっかり行っています。
3. 塗装工事の養生に使用する主な副資材

それでは、塗装工事の養生を行う際には、どういった養生材を使っているのかを詳しくお伝えします。
養生メッシュシートは、建物全体を覆う足場用の飛散防止ネットのことです。
養生メッシュシートは、外壁塗装の際に近隣の建物へ塗料や高圧洗浄作業時の汚水やホコリなどが周囲に飛ばない様にする役割があります。
養生メッシュシートは、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルで作られ、網目の大きさは0.75㎜~3㎜程度です。
最近では、萩原工業クリヤメッシュシート(透明=視認効果向上)、名古屋マルヤマのクリアブラックメッシュシート(視認効果向上)、クールメタルメッシュ(遮熱効果)、三層構造一体型メッシュシート(飛散防止 特許製品)など高性能な養生メッシュシートも販売されています。
なお、養生シートの大きさの単位は1間です。
1間とは、日本で使われてきた長さの単位で、約1.82mに換算して計算します。
養生シート大きさは1×1、1×2、1×3というように表示されており、それぞれ「1間(幅)1間(長さ)」、「1間2間」、「1間3間」と呼ばれます。
ただし表記上は1間としていますが、便宜上1間をメートル法にした場合1.8mにしているメーカーがほとんどです。
そのためメートル法に換算したサイズは、「1.8m(幅)×1.8m(長さ)」、「1.8m×3.6m」、「1.8m×5.4m」などと表記されています。
養生用ポリシートは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリマーを原料としたシートで、塗料の汚損防止、コンクリートの養生や床タイルのキズ防止に使用するシートです。
養生用ポリシートは、ハサミやカッターで切って使います。
用途や作業環境によって、ポリシートの厚みと寸法を選択する必要があります。
小林塗装では、厚さ0.03㎜~0.05㎜、幅900mm~1,800mmのグリーンや透明のノンスリップタイプポリシートを頻繁に使用します。
養生用ポリシートは、屋根や床の養生に最適な養生シートといえます。
布シート(べトナムシート)は、ベトナム製の布シートが由来で、外壁や天井塗装のような簡便な床養生に使います。
布シートは、繰り返し何度も使えますので、とても経済的です。
但し、布シートが汚れてくると見た目がちょっと悪いです。
小林塗装では、2m×3mサイズや1.2m×5mサイズの厚手タイプの布シートを使っています。
ブルーシートは、合成繊維を合成樹脂フィルムで挟んだ構造で作られているシートで、重歩行部分の床養生や2~3週間と言った長い工事期間がある場合、足場の飛散防止ネットだけでは、塗料やホコリによる汚損が防げない場合などに使用します。
また、ブルーシートには、耐紫外線加工を施したシートや厚手のシート、風が抜けるスリットを加えたシート、遮光性を高め断熱性を持たせるため金属フィルムをラミネート加工したシートなどがあります。
養生布テープは、耐水性に優れ、一般的なガムテープとほぼ同じ形状(幅25㎜、50㎜が主流)で、ゴム系の粘着剤が使われている為、強い付着力があり、しかもカッターを使わずに手で切りやすいなどと言った扱いやすい特徴があります。
しかし、湿気の多い部分や暑い場所での養生作業は、布テープの糊が残ってしまうことが頻繁にあるので、布テープ使用する際には注意が必要です。
なお、布テープと養生テープの大きな違いは、布テープは「剥がれないこと」を目的としているため粘着力が強い製品が多く、 反対に養生テープは一般的なガムテープとほぼ同じ形状(幅50ミリ前後)で、基材がポリエチレンやポリエステル製で「剥がすこと」を目的としているため粘着力が弱く、剥がしやすいという特長を持っています。
マスキングテープ(和紙テープ)とは、養生用ポリシートを貼る際や見切りのラインをキレイに出す為に使用する粘着力の弱い薄い紙テープのことです。
マスキングテープは、布テープと比較して、テープが薄いので塗料が潜り込みにくく、キレイな直線を作ることができ、簡単に剥がすことができ、テープの糊跡も残りにくい特徴があります。
こういったマスキングテープは、マスキングの対象物、作業内容、使用する塗料によって、テープの寸法、テープの厚み、基材の種類を選択する必要があります。
マスキングテープの色については青、水色、黄色、オレンジ、ピンク、黄緑、紫などきれいな色が多いのですが、テープの剥がし忘れないがないよう様にするため、マスキングの用途を明確にさせるといった理由があります。
マスキングテープは、皮スキやパテベラでテープ面をしっかり押さえて切ると、キレイに真っ直ぐ切ることができます。
一般的に建築養生用のマスキングテープの長さは18mで、マスキングテープ幅は、6㎜、9㎜、10㎜、12㎜、15㎜、18㎜、20㎜、21㎜、24㎜、30㎜、36㎜、38㎜、40㎜、50㎜、60㎜、80㎜などと多くの幅がラインナップされています。
ちなみに塗装用マスキングテープの幅が12mm(約2分の1インチ)、18mm(約4分の3インチ)、24mm(約1インチ)が主要な理由は、第二次世界大戦後、日本のテープメーカーがマスキングテープをアメリカ軍に納入した際の名残です。
日本で初めて和紙製のマスキングテープは、1938年(昭和8年)に日本粘着テープ工業株式会社(現在の寺岡製作所)が塗装用火薬包装用として和紙製のマスキングテープの製造を開始したのが由来です。
なお、最近のマスキングテープには、カモ井加工紙から発売されている「ルパン」「ルパンクーペ」「ルパンフォース」など、切りやすく、付着力に優れ、糊残りが少ない、不織布と特殊フィルムを組み込んだ建築塗装の養生に特化した特殊なマスキングテープもあります。
養生マスカーとは、養生用ビニールと養生テープが一体化したものです。
マスカーを使わずに養生する場合は、養生ビニールシートと布テープやマスキングテープをそれぞれ用意して、ビニールシートを布テープやマスキングテープに貼り付ける必要がありますが、養生用ビニールと養生テープが一体化している「マスカー」を使う事で、養生作業時間を大幅に短縮化させることができます。
また塗装工事で使われるコロナマスカーはコロナ放電照射が施され、密着性や濡れ性(固体表面に対する液体の付着しやすさを表す性質)を向上させる表面処理技術されています。
ですから、ビニルシートに付いた塗料が垂れにくくなり、塗料や塗料ミストで部屋が汚れたり、服に付着したりすることを少なくすることができます。
養生マスカーに使われるビニールのサイズは、300㎜、550㎜、700㎜、900mm、1,100mm、1,800mm、2,700mmなど豊富な種類があります。
また、マスカーに使われるテープの種類は、大きく分けると布テープ、紙テープ、パイオランテープ、不織布テープなどがあります。
マスカーは、ハサミやカッターでテープ面から切ると切りやすく、キレイに切れます。
ちなみに小林塗装では、付着力が優れる布テープマスカーや塗料が潜りにくい不織布テープのマスカーを主に使用しています。
チリコークNBとは、シャープ化学から販売されている屋外用として使える「チリ際(縁部分)」専用の養生変成シリコンクリヤー (透明) シーリング材の事です。
チリコークNBは、雨掛かりの多い上裏、パラペット部分、タイル取り合い部分の「チリ際の見切り」に最適なシーリング材で、アクリルエマルジョン系のシーリング材よりも、耐候性に優れ、シーリング材の収縮が少なく、塗装の仕上りも良いです。
また、凹凸の大きいタイル床の基礎立ち上がり面を塗装養生する際や床が湿っていると、アクリルエマルジョン自体が溶けて滲むしまう場合もありますが、チリコークNB場合、湿気硬化タイプなので、滲まず綺麗な見切りラインが作る事ができます。
小林塗装では、サッシ側面のビス部分やガスケット側面の見切りにも使用しています。
さらにチリコークNBは、換気フード廻りやエクステリアの防水シールとしても使用することができます。
なお、室内養生の場合は、アクリルエマルジョン系のクリヤーシーリング材の代用も可能です。
テーププライマーは、基材とテープを確実に定着させる(テープ自体のアンカー力を向上させる)役割を持ち、プライマーで基材とテープをしっかり定着させることで、アンカー破壊を防ぐことができます。
こういった役割を持つテーププライマーは養生テープが付きづらいモルタル、コンクリート面、レンガの凹凸面の養生をする際、テープを貼る前に使用します。
また、多少湿った部分でも、テーププライマーを少量スプレーするだけで養生テープをしっかり貼ることができます。
ちなみに小林塗装では、環境に優しいノンフロンタイプのテーププライマーを使用しています。
エアコン室外機カバーは、ラッセルネットとビニールシートで作られた養生カバーです。
エアコン室外機カバーには、据え置き用カバーと吊り下げ用カバー、大型室外機カバーの3種類があります。
エアコン室外機カバーを使用することで、養生作業の省力化と養生ゴミの削減に役立ちます。
車への塗料付着防止に使う車専用の養生カバーです。
養生用の自動車用カバーには、ビニール製と不織布製があり、カバーのサイズは、軽自動車用、普通車用、ワンボックス用、自転車、バイク用があります。
ビニール製カバーの場合、塗料の付着を完全に防ぐ事ができますが、風が吹くと自動車のボディに付いた砂塵の摩擦によって、ボディに細かい擦り傷が付く恐れがあるので、使用する際にはボディ表面の確認が必要です。
不織布製の自動車用カバーは、塗料の付着を完全に防ぐことはできませんが、不織布は風を適度に通すので、ボディに擦り傷が付きづらいというメリットがあります。
なお、類似品に自動販売機カバーもあります。
4. 塗装工事の養生作業で使う道具 一例

当店が、塗装工事の養生を行う際に使用している道具について詳しくお伝えします。
養生マスカーや養生ビニールを切る際に使います。
(養生作業に使うハサミは、持ち手が大きく、フッ素コーティングされたものがおすすめです。)
ダスターは、養生面のホコリや砂を取り除く際、使います。
(掃除用ダスターには、大塚刷毛のラスター377同等品がおすすめです。)
カッターナイフは、マスカーや養生ビニールを切る際、使います。
(オルファのスピードハイパーAL型同等品がおすすめです。)
細工用カッターナイフは、養生したマスキングテープを細かく切る際や養生テープに切り込みを入れる際に使います。
(オルファの細工用カッター同等品がおすすめです。
カッターの刃が薄いので、塗装のバリを削る際にも使用できます。)
ササラは、竹や細い木などを束ねて作る道具で養生テープを押さえる際、使います。
(100円均一で売られている 鍋やフライパンの手入れや魚の腹わた取りに使用する「竹ササラ」を分解して作ると良いです。)
皮スキは、マスキングテープや布テープを切ったりする際に使います。
また、皮スキはケレンをする、塗料缶のフタを開ける、掃き掃除したあとの小さなチリ取りなどと多様な使い方をします。
牛革をなめす道具が塗装用に改良され、「皮スキ」として使われるようになったそうです。
現在主流のY型皮スキは、大阪の「源邑光北野刃物製作所」が昭和35年頃にそれまでのそれまでの皮スキを改良して「Y型皮スキ」を製造したのが由来だそうです。
(ちなみに刃物の町関市にある皮スキ製造メーカー「ライフテック」から販売されている、職人心をくすぐる鍔付きステンレス製の強度が高い高級皮スキL-94 ツバ付ハンマー最高級ステンヘラY型斜【究曲】がおすすめです。
)
マスキングテープを切ったりする際に使います。
(養生マスキングテープを切るには、50mm幅程度のステンレスベラがおすすめです。)
アートナイフは、養生したマスキングテープなどを細かく切る際や細かいバリや汚れを取り除く際に使います。
(持ちやすいペン状のオルファ「アートナイフプロ」と同等品がおすすめです。)
マイクロファイバーモップは、庇やシャッターボックス、軒天、雨樋などの掃き掃除にかなり便利な道具です。
最近では安くて、使いやすいマイクロファイバーモップが多くあります。
湿った部分や汚れている部分を拭き取る際に使います。
(なおカラーウェスは、溶剤を付けると色落ちする場合があるので、あまりおススメできません。)
外壁塗装工事の理想的な養生作業とは
理想的な養生作業は、仕上がりの美しさ、作業性、安全性、生活動線、近隣への配慮まで考えます。
| 養生の目的 | 具体的な内容 | 大切なポイント |
|---|---|---|
| 汚れ防止 | サッシ、玄関ドア、床、植栽、車、設備機器などを塗料から守る | 塗料の飛散、垂れ、付着を防ぎます。 |
| 仕上がりの向上 | 見切り線をきれいに整える | サッシまわりや色分け部分の美しさに関わります。 |
| 作業効率の向上 | 安心して塗装できる環境を作る | 養生が丁寧だと、塗装作業に集中できます。 |
| 生活への配慮 | 玄関、勝手口、窓、エアコン、給湯器などの使用に配慮する | お客様が工事中もなるべく不便なく過ごせるようにします。 |
| 安全対策 | 床面の滑り、つまずき、足場上の作業性に注意する | 職人とお客様の安全を守ります。 |
| 近隣配慮 | 隣家、車、植栽、境界まわりへの飛散を防ぐ | 住宅密集地では特に重要です。 |
養生がきちんとできている現場は、見た目にも整って見えます。
逆に養生が乱れている現場は、作業そのものも雑に見えやすく、お客様に不安を与えてしまいます。
養生は、お客様から見ると「この業者さんは丁寧に仕事をしてくれそう」と感じる大切な判断材料でもあります。
塗る前の準備にこそ、塗装店の誠実さが出ます。
理想的な養生作業
理想的な養生作業では、ただ順番にビニールを貼っていくのではなく、塗装範囲、作業手順、お客様の生活動線、天候、風向き、周辺環境を確認しながら進めます。
| 工程 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1. 現場確認 | 塗装範囲、汚してはいけない場所、生活動線を確認する | 玄関、車、植栽、設備機器、隣家との距離を確認します。 |
| 2. 清掃 | 養生テープを貼る部分のホコリや水分を除去する | 汚れや水分があると、テープが浮きやすくなります。 |
| 3. 窓・サッシ養生 | マスカーやビニールで窓やサッシを保護する | 換気できる窓を残すかどうかも確認します。 |
| 4. 玄関・勝手口まわり | 出入りできるように配慮しながら養生する | 開閉、足元、滑りやすさに注意します。 |
| 5. 土間・床面養生 | 玄関ポーチ、ベランダ、犬走り、タイル、床を保護する | 滑りにくく、破れにくい材料を使います。 |
| 6. 設備機器養生 | エアコン室外機、給湯器、換気口、照明などを保護する | 通気や排気を妨げないようにします。 |
| 7. 植栽・外構養生 | 植木、花壇、フェンス、門扉などを保護する | 植物を蒸らさないよう、必要に応じて外します。 |
| 8. 最終確認 | 浮き、隙間、破れ、動線、安全性を確認する | 塗装前に職人全員で確認します。 |
養生作業では、貼ることそのものよりも、どこまで貼るか、どこは開けるか、どのタイミングで外すかが大切です。
たとえば、すべての窓を完全にふさいでしまうと、工事中に室内の換気ができなくなります。
また、玄関まわりをしっかり養生しすぎて、出入りがしにくくなると、お客様に大きな負担をかけてしまいます。
理想的な養生とは、ただ厳重に覆うことではありません。
塗装品質を守りながら、お客様の暮らしにも配慮することが大切です。
窓・サッシまわりの養生|仕上がりの見切りを決める大切な作業
外壁塗装の養生で特に重要なのが、窓やサッシまわりの養生です。
サッシまわりは、外壁との境目がはっきり見える場所です。
そのため、養生の貼り方が乱れていると、仕上がりのラインも乱れやすくなります。
サッシのラインがきれいに通っていると、外壁全体が引き締まって見えます。
反対に、見切り線が波打っていたり、塗料がにじんでいたりすると、どれだけ外壁面をきれいに塗っても、全体の印象が雑に見えてしまうことがあります。
- ■ テープを貼る部分のホコリや水分を取る
- ■ サッシのラインに沿ってまっすぐ貼る
- ■ テープの浮きやシワを作らない
- ■ 角の部分を丁寧に納める
- ■ 塗料がにじまないように密着させる
- ■ 開閉や換気の必要がある窓を事前に確認する
特に注意したいのは、テープの浮きです。
テープが少しでも浮いていると、そこから塗料が入り込み、サッシまわりににじみが出ることがあります。
また、サッシの角は塗料がたまりやすく、養生を雑にすると、角だけ線が太くなったり、塗料の段差が出たりします。
サッシ養生は、単に窓を汚さないための作業ではなく、外壁塗装の見切り線を美しく作るための作業でもあります。
外壁塗装の美しさは、広い面だけでなく、窓まわりの細い線にも表れます。
まるでシャツの襟元が整っていると全体がきちんと見えるように、サッシまわりの養生は住まいの印象を引き締めてくれます。
玄関まわりの養生|お客様の生活動線を第一に考えます
玄関まわりの養生は、外壁塗装工事の中でも特に気配りが必要な場所です。
玄関は、お客様が毎日出入りする大切な生活動線です。
そのため、塗料で汚さないように保護するだけでなく、歩きやすさ、開閉のしやすさ、見た目の圧迫感、安全性にも配慮する必要があります。
玄関ドアを完全にふさいでしまうと、出入りがしにくくなります。
また、床面にビニールを敷くだけでは、雨の日に滑りやすくなることがあります。
理想的な玄関養生では、必要に応じてノンスリップタイプのシートや厚手の養生材を使い、つまずきや滑りにも注意します。
- ■ 玄関ドアの開閉を妨げない
- ■ インターホン、ポスト、宅配ボックスの使用に配慮する
- ■ 床面は滑りにくい材料で保護する
- ■ 夜間や雨天時の歩行にも配慮する
- ■ 養生の端部でつまずかないように固定する
- ■ お客様の出入り時間を考えて作業する
工事中でも、お客様の生活は続いています。
買い物に出る、郵便物を取る、お子様やご家族が出入りする、宅配便を受け取る。
そのような日常の動きに配慮して養生を行うことが、気持ちの良い現場づくりにつながります。
玄関まわりの養生は、職人の思いやりが表れる場所です。
きれいに塗るためだけでなく、お客様が工事中も安心して暮らせるように整えることが大切です。
床・土間・タイルの養生|塗料の飛散と足元の安全を防ぎます
外壁塗装では、床面や土間、玄関ポーチ、タイル、ベランダ床などにも塗料が飛散することがあります。
特にローラー塗装では、塗料の細かな飛び散りや、刷毛からの垂れが床面に付着する可能性があります。
そのため、床面の養生はとても重要です。
ただし、床面養生では「汚さないこと」と同じくらい「滑らないこと」が大切です。
薄いビニールだけを敷くと、雨の日や高圧洗浄後の湿気で滑りやすくなることがあります。
また、人がよく通る場所では、養生材が破れたり、めくれたり、足に引っかかったりすることもあります。
- ■ 人が歩く場所は滑りにくい養生材を使う
- ■ 玄関ポーチや階段はつまずきに注意する
- ■ タイルや石材に塗料が付かないようにする
- ■ 養生材の端部をしっかり固定する
- ■ 雨の日や湿気が多い日は滑りやすさを確認する
- ■ 作業後に破れやめくれがないか確認する
玄関タイルや石材は、塗料が付くと除去が難しい場合があります。
特に凹凸のあるタイル、吸い込みのある石材、目地部分に塗料が入り込むと、完全に落とすのが大変です。
そのため、塗料が付いてから掃除するのではなく、最初から付かないように養生することが基本です。
床面養生は、塗料から守るための作業であり、現場の安全を守る作業でもあります。
足元が整っている現場は、作業も仕上がりも安定します。
エアコン室外機・給湯器・換気口の養生|機能を止めない配慮が必要です
外壁塗装では、エアコン室外機、給湯器、換気口、照明器具、電気メーター、配管カバーなども養生します。
しかし、これらの設備機器は、ただビニールで覆えばよいわけではありません。
設備機器には、空気の吸い込み、排気、放熱、換気などの機能があります。
完全にふさいでしまうと、機器の運転に支障が出たり、安全面で問題が生じたりすることがあります。
特に注意が必要なのが、給湯器とエアコン室外機です。
- ■ エアコン室外機の吸気・排気をふさがない
- ■ 給湯器の排気口を完全に覆わない
- ■ 換気口や通気口の機能を確認する
- ■ 使用中の設備はお客様に確認してから養生する
- ■ 必要に応じて使用時に養生を一時的に外す
- ■ 塗装後に養生の外し忘れがないか確認する
給湯器の排気口をふさいだまま使用すると、非常に危険です。
また、エアコン室外機を完全に密閉すると、熱がこもり、機器に負担がかかることがあります。
そのため、設備機器の養生では、塗料の飛散を防ぎながら、機器の機能を妨げない工夫が必要です。
室外機には専用の養生カバーを使ったり、排気部分を開けたり、作業中だけ一時的に保護したりするなど、状況に合わせて対応します。
設備機器の養生は、汚さないためだけでなく、安全に使える状態を守るための作業です。
便利さと安全性の両方に配慮することが、理想的な養生です。
植栽・庭まわりの養生|植物を守るやさしい配慮
外壁塗装では、建物まわりの植木、花壇、鉢植え、芝生、庭石、フェンスなどにも配慮が必要です。
植物は、塗料の飛散から守る必要がありますが、長時間ビニールで完全に覆ってしまうと、蒸れたり、葉が傷んだりすることがあります。
特に夏場は、短時間でもビニールの中が高温になり、植物に負担がかかることがあります。
そのため、植栽養生では、塗装中だけ覆い、作業後にはできるだけ早く外すなどの配慮が大切です。
- ■ 塗料の飛散から葉や枝を守る
- ■ 長時間密閉しない
- ■ 夏場は蒸れや高温に注意する
- ■ 枝を無理に折らない
- ■ 鉢植えは可能であれば移動する
- ■ 作業後は早めに養生を外す
大切に育てている植木や花は、お客様にとって住まいの一部です。
外壁がきれいになっても、庭の植物が傷んでしまっては、気持ちの良い工事とはいえません。
また、植栽が外壁に近い場合は、塗装作業の妨げになることもあります。
その場合は、事前にお客様へ相談し、可能な範囲で枝をよけたり、鉢植えを移動していただいたりすることもあります。
植栽養生は、住まいだけでなく、お客様の暮らしの景色を守る作業です。
小さな花や植木への配慮にも、塗装店の姿勢が表れます。
車・隣家・近隣への養生|住宅密集地では特に重要です
外壁塗装では、自宅だけでなく、近隣への配慮も欠かせません。
特に住宅が密集している地域では、隣家との距離が近く、塗料の飛散、高圧洗浄の水しぶき、足場のメッシュシートの影響などに注意する必要があります。
ローラー塗装は吹き付け塗装に比べて飛散が少ない工法ですが、それでもまったく飛ばないわけではありません。
風の強い日や、上部の作業では、細かな塗料の飛散が起こることがあります。
- ■ 隣家との距離を事前に確認する
- ■ 車や自転車への飛散に注意する
- ■ 必要に応じて車用カバーを使用する
- ■ 風が強い日は作業範囲や塗装内容を調整する
- ■ 足場メッシュシートの状態を確認する
- ■ 高圧洗浄時の水しぶきにも注意する
お客様の敷地内にある車だけでなく、隣家の車や駐車場にも配慮が必要です。
必要に応じて、事前にお声がけを行い、車の移動やカバーの使用を相談します。
近隣トラブルの多くは、技術不足だけでなく、事前説明や配慮不足から起こります。
そのため、養生作業では、建物だけを見るのではなく、周囲の環境全体を見ることが大切です。
外壁塗装は、お客様の住まいだけで完結する工事ではありません。
近隣の方にも気持ちよく見守っていただけるように、飛散防止と事前配慮を徹底することが大切です。
養生で起こりやすい不具合と注意点
養生作業が不十分だと、さまざまな不具合につながります。
代表的なものとして、塗料のにじみ、塗料の付着、テープ跡、養生材の剥がれ、風によるバタつき、窓の密閉、設備機器の使用不良などがあります。
| 不具合 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 塗料のにじみ | テープの浮き、密着不足、貼る面の汚れ | 貼る前に清掃し、テープをしっかり押さえる |
| 塗料の付着 | 養生範囲不足、破れ、めくれ | 飛散方向や作業範囲を考えて広めに保護する |
| テープ跡 | 長期間の貼りっぱなし、強粘着テープの使用 | 素材に合ったテープを選び、適切な時期に外す |
| サッシや建材の傷み | 不適切なテープ、無理な剥がし方 | 下地に合った養生材を使い、丁寧に撤去する |
| 窓が開けられない | すべての窓を完全にふさいでいる | 換気できる窓を事前に確認する |
| 設備機器の不具合 | 給湯器や室外機を完全に密閉している | 排気・吸気・放熱を妨げない養生にする |
| 風で養生がバタつく | 固定不足、シートの張りすぎ・緩みすぎ | 風向きや天候を見て固定方法を調整する |
養生材は、強く貼ればよいというものではありません。
素材によっては、強粘着のテープを貼ると、剥がすときに表面を傷めたり、糊残りが出たりすることがあります。
特に、アルミサッシ、樹脂サッシ、木部、古い塗膜、劣化した素材、石材、タイルなどは注意が必要です。
また、養生を外すタイミングも大切です。
塗料が完全に硬くなってから無理に剥がすと、塗膜の端が欠けたり、見切り線が荒れたりすることがあります。
反対に早すぎると、塗料がにじんだり、手や養生材に付いた塗料で周囲を汚したりすることがあります。
理想的な養生作業では、貼る技術だけでなく、外す技術も大切です。
最後まできれいに納めてこそ、養生作業の完成です。
職人さんに伝えたい養生作業の心得
ここからは、塗装職人さん向けに、養生作業で大切にしたい心得をまとめます。
養生を雑に考えると、仕上がりも雑になります。
養生は、塗らない部分を守るだけでなく、見切り線を作り、作業のしやすさを整え、お客様の生活を守る工程です。
良い養生があるから、良い塗装ができます。
養生は塗装品質の土台です。
養生テープは、汚れた面や濡れた面にはきれいに密着しません。
ホコリ、チョーキングの粉、水分、油分が残っていると、テープが浮き、塗料のにじみや養生の剥がれにつながります。
養生の精度は、貼る前のひと手間で決まります。
きれいに貼るためには、まず貼れる状態を作ることが大切です。
工事中でも、お客様は普段通りに生活されています。
玄関、勝手口、物干し場、駐車場、ポスト、インターホン、宅配ボックスなどは、使いやすさに配慮する必要があります。
養生は、職人の都合だけで行うものではありません。
お客様が工事中も安心して過ごせるように考えることが大切です。
養生は、天候によって状態が変わります。
風が強い日はシートがバタつき、雨の日は床面が滑りやすくなります。
日差しが強い日は、テープの糊が残りやすくなったり、植栽養生の中が蒸れたりすることもあります。
養生は貼って終わりではありません。
その日の天候に合わせて、状態を確認し、必要に応じて直すことが大切です。
養生は、貼るときだけでなく、外すときにも技術が必要です。
勢いよく剥がすと、塗膜の端が欠けたり、テープ跡が残ったり、周囲を汚したりすることがあります。
塗膜の乾き具合を見ながら、見切り線を崩さないように丁寧に外すことが大切です。
養生を外した瞬間に、仕上がりの印象が決まります。
最後のひと手間まで丁寧に行うことが、職人の仕事です。
5. 一般的な住宅塗装 養生作業の手順

ここでは、一般的な住宅塗装における養生作業の手順をお伝えします。
(小林塗装の養生手順です。
)
養生作業は、ただビニールやテープを貼るだけの作業ではありません。
塗装しない部分を汚さないことはもちろん、見切り線をきれいに出すこと、塗装作業を安全に進めること、お客様の生活動線を守ること、近隣へ塗料やホコリが飛ばないようにすることまで含めた大切な工程です。
理想的な養生作業では、まず建物のまわりを一周し、どこを塗装するのか、どこを守る必要があるのか、どこを通路として残すのかを確認します。
そのうえで、窓、サッシ、玄関、土間、屋根、サンルーフ、雨樋、配管、付帯部、設備機器、植栽、車両など、部位ごとに適した養生材と貼り方を選びます。
塗装の養生は、貼る順番も大切です。
先に床や土間を保護し、その後にサッシや付帯部を包み、最後に細かな隙間や浮きを確認することで、作業中の汚れや踏み抜き、塗料の潜り込みを防ぎやすくなります。
養生が整っている現場は、見た目にもきれいで、職人も安心して塗装作業に集中できます。
まさに、塗装工事の「下ごしらえ」。
料理でいえば、まな板を整え、食材を並べ、包丁を研いでから調理に入るような大切な準備です。

まずは、足場仮設を行う際に、塗料の飛散を防ぐためのメッシュシートを足場全体に貼り付けます。
飛散防止ネットは、外壁塗装中の塗料ミスト、高圧洗浄時の水しぶき、ケレン作業で出るホコリや旧塗膜の粉などが周囲へ飛びにくくするための大切な養生です。
貼り付ける際には、シートをただ広げるだけではなく、上部から下部までたるみや隙間が出ないように、足場の建地や手すりに沿わせながら丁寧に張っていきます。
職人は、シートの端を片手で引きながら、もう一方の手で結束ひもを通し、足場材にしっかり結び付けます。
このとき、強く引っ張りすぎると風を受けたときにシートや結束部に負担がかかります。
反対に緩すぎると、風でバタつき、音が出たり、シートがめくれたりします。
そのため、飛散防止ネットは、適度な張り具合で、風を受けても暴れにくい状態に整えることが大切です。
また、角部分や足場の出入り口、隣家との境界側などは、隙間ができやすい場所です。
シートの重なり部分が少ないと、そこから塗料ミストや水しぶきが抜けることがあるため、重ね幅を確認しながら結束します。
強風が予想される場合は、シートを一時的にたたむ、部分的に開放する、結束箇所を増やすなど、天候に合わせた管理も必要です。
屋根や外壁塗装に用いる飛散防止ネットは、強風などによって引きちぎられないように、結束ひもで隙間ができないよう、しっかり縛って結束することが重要です。
足場のネットは、近隣への配慮を見える形にした、現場全体の大きな養生です。

次に高圧洗浄を行った後、土間、屋根、サンルーフなどの養生を行います。
床面や土間の養生では、まず養生シートを敷く前に、ほうきやブロワー、ダスターを使って砂、ホコリ、落ち葉、小石、旧塗膜のカスなどを取り除きます。
この清掃を省いてしまうと、養生シートの下に小石やゴミが残り、歩いたときにシートが破れたり、つまずきやすくなったりします。
また、荷物、植木鉢、傘立て、物干し台、外部収納、ホースリールなどがある場合は、お客様に確認したうえで安全な場所へ移動します。
養生する床面にゴミや荷物があると、足元が悪くなり、職人がつまずいたり、養生材に穴が開いたりする原因になるからです。
床面に養生シートを敷く際は、建物側から外側へ向かってシートを広げ、歩行方向や作業方向を考えながら重ねていきます。
シートの重なり部分は、塗料や水が入り込まないように重ね幅を取り、必要に応じて布テープやパイオランテープで固定します。
人がよく歩く場所、玄関まわり、ベランダ、階段、足場の昇降口付近などは、シートがめくれたり滑ったりしやすいため、端部をしっかり押さえます。
床面の養生作業では、布シート、厚手のポリエチレンシート、ノンスリップシートなど、耐摩耗性、耐水性、耐溶剤性に優れた丈夫な養生材を使用します。
薄いビニールだけでは、歩行時に破れたり、雨天時に滑りやすくなったりすることがあります。
また、屋根やサンルーフを養生する場合は、傷を付けないように素材を確認しながら作業します。
サンルーフやポリカーボネート板は、表面に傷が付きやすいものもあるため、直接強粘着テープを貼らない、テープ跡が残らない養生材を選ぶなどの配慮が必要です。
また、透明屋根や波板の上に乗ると破損する恐れがあるため、作業中は足の置き場を確認し、必要に応じて足場板などで荷重を分散させます。
床養生と同時に、エアコン室外機の養生や周囲の荷物の移動も行います。
小林塗装では、エアコン室外機の養生にラッセル製のエアコン室外機カバーを使用しています。
室外機を覆う際には、塗料の飛散を防ぎながら、吸気・排気・放熱を妨げないように注意します。
なお、塗装作業終了後は、塗装作業によって汚染した床養生シートを、汚れた面が内側に入るようにクルクルと巻き取って回収します。
こうすることで、塗料カス、ホコリ、ゴミが周囲に散らばりにくくなり、最後の清掃まできれいに納めることができます。

土台板金水切りがある建物の場合は、土台板金水切りの天端部分から、マスキングテープによる「捨てテープ」を貼ってから、養生マスカーを貼ります。
土台板金水切りには、ホコリ、砂、泥はね、チョーキングの粉、旧塗膜のカスなどが溜まっていることが多くあります。
そのままテープを貼ると密着が悪くなり、養生中にテープが浮いたり、塗料が潜り込んだり、作業中にマスカーが剥がれたりします。
そのため、当店ではダスターや刷毛を使って細かなホコリを掃き出し、必要に応じてウェスで拭き掃除をしてから養生を行います。
捨てテープは、布テープやマスカーの粘着面から塗料が潜り込むのを防ぎ、見切り線をきれいに作るための下貼りです。
まず、土台水切りのラインに沿って、マスキングテープをまっすぐ貼ります。
このとき、職人は片手でテープの先を軽く引き、もう一方の手でテープの端を水切りのラインに合わせながら、少しずつ貼り進めます。
一気に長く貼ろうとすると、テープが波打ったり、斜めになったりします。
そのため、目線を低くして水切りのラインを見ながら、少しずつ押さえていくことが大切です。
捨てテープを貼った後は、その上からマスカーを貼り、ビニールを下方向へ広げます。
マスカーのテープ部分は、ササラやヘラ、指の腹でしっかり押さえ、浮きが出ないように密着させます。
特に入隅、出隅、段差部分は、テープが浮きやすいため、角に沿って折り目を付けながら丁寧に納めます。
水切り板が無いモルタル巾木の場合は、まず掃き掃除を行い、モルタル巾木に付いた砂やホコリをきれいに取り除きます。
モルタル面は凹凸があり、テープが付きにくい場合があります。
そのような場合は、必要に応じてスプレープライマーを吹き付け、テープの密着を高めたうえで、550mm〜1,100mm幅の養生マスカーを貼ってきっちり養生します。
ただし、スプレープライマーを使用する際は、素材に影響がないか、糊残りや変色が起きないかを確認し、必要な範囲に限定して使うことが大切です。
風が強い場合は、マスカーやビニールがめくれないように、マスカーやビニールの裏側にも「補強テープ」を貼ります。
補強テープは、ビニールが風で膨らむ部分や角部分、足元で引っかかりやすい部分に入れると効果的です。
巾木の養生は、外壁と基礎、外壁と土間の境目を美しく仕上げるための大切な作業です。
細いラインをまっすぐ通すことで、建物全体の下まわりが引き締まり、仕上がりに清潔感が生まれます。

サッシやドアの養生は、サッシやドアをぐるっと包み込むように、マスカーやビニールで覆います。
サッシまわりは、外壁塗装の仕上がりで特に目につきやすい場所です。
そのため、養生の線が曲がっていたり、テープが浮いて塗料が潜り込んだりすると、見切り線が乱れ、仕上がり全体の印象が悪くなってしまいます。
養生を行う前には、サッシ枠やドア枠のホコリ、チョーキングの粉、砂、クモの巣、油分などをきれいに掃除します。
特に下枠部分や角部分には汚れが溜まりやすいため、刷毛、ダスター、ウェスを使って丁寧に清掃します。
清掃後、必要に応じて捨てテープを貼ります。
捨てテープは、見切り線を整えるためだけでなく、マスカーのテープ部分から塗料が潜るのを防ぐ役割もあります。
テープを貼る際は、サッシ枠と外壁の境目に沿って、まっすぐ、一定の幅になるように貼ります。
職人は、テープを少し引き気味にしながら、サッシのラインと平行になるように目線を合わせて貼り進めます。
このとき、指先だけで軽く貼るのではなく、貼った後に指の腹やヘラでテープ全体を押さえ、端部まで密着させます。
角部分では、テープが折れ曲がって浮きやすいため、しっかり折り目を付けるか、テープ部分に切り込みを入れて直角を作ります。
テープを折り込む方が養生作業のスピードは速いですが、切り込みを入れて角を作った場合と比べて、塗料が潜りやすい場合があります。
そのため、仕上がりを重視する場所では、角を丁寧に切って納めることも大切です。
サッシやドアの養生で注意すべき点は、サッシ枠やドア枠の隅、ビス部分、ガスケット部分です。
これらの部分は凹凸があり、養生テープが付きづらく、塗料が潜り込みやすい場所です。
そのため、捨てテープをきれいに貼り込み、テープの浮きや隙間がないか、指で押さえながら確認します。
また、白系のアルミサッシを養生する場合は注意が必要です。
白系のアルミサッシは、製造過程における着色方法(白系=焼付塗装、黒・シルバー系=電着着色、静電塗装)が違うため、サッシ枠の塗装部分がチョーキングしている場合があります。
こういった場合、テープが付きづらく、テープ跡が残りやすい傾向があります。
必要に応じて、テープを貼る前にウェスでチョーキングをきれいに拭き取るか、素材の状態を見ながらスプレープライマーを使用します。
マスカーやビニールで包み込む際には、下側から側面、上側という順番で貼ると、塗料が潜り込みにくくなります。
下から先に貼ることで、上から垂れてきた塗料や水が養生の中へ入りにくくなり、ビニールの重なりも自然になります。
サッシやドアを工事中に開閉させたい場合は、枠とサッシ、ドアを別々にして養生します。
玄関ドア、勝手口、よく使う窓などは、お客様の生活に関わるため、事前に使用頻度を確認しておくことが大切です。
サッシの養生は、塗料を付けないためだけの作業ではありません。
サッシまわりの細い見切り線を美しく作り、外壁全体を上品に見せるための大切な工程です。

庇、霧除け、シャッターボックス、戸袋の養生は、まず天端、側面、裏側などの掃き掃除をしっかり行います。
これらの部位は、上面にホコリや砂が溜まりやすく、裏側にはクモの巣や汚れが付着していることもあります。
汚れたまま養生テープを貼ると、テープが密着せず、作業中に浮いたり、塗料が潜り込んだりします。
そのため、刷毛、ダスター、ブロワー、ウェスなどを使い、養生する面をきれいに整えてから作業します。
庇、霧除け、シャッターボックス、戸袋を塗装する場合には、養生を行う前に足付けやケレンなどの下地処理も同時に行っておくと、後の作業がスムーズになります。
特にシャッターボックスや戸袋は、塗装する部分と塗装しない部分が近いため、どこまで塗るのか、どこを養生するのかを事前に確認しておくことが大切です。
養生方法は、サッシの養生と同様、マスカーやビニールでぐるっと包み込むように行います。
まず、見切りになるラインに捨てテープを貼り、角や端部に浮きが出ないように押さえます。
次にマスカーを貼り、ビニールを部材の形に合わせて広げます。
シャッターボックスのように箱型の部材では、天端、前面、側面のビニールの納まりを考えながら、塗料が入り込まない方向へ重ねていきます。
庇や霧除けの下端部分は、塗料が溜まりやすく、養生の端部に塗料が引っかかりやすい場所です。
そのため、テープの端をしっかり押さえ、塗装後に剥がすときに塗膜を引っ張らないように、必要に応じて切り込みを入れながら撤去します。
なお、外壁などの塗装工事が終了し、汚染したサッシ、庇、シャッターボックスなどに貼った養生ビニールをめくる際には、汚染した養生面を内側に巻き取るようにゆっくり取り外します。
このとき、勢いよく剥がすと、乾いた塗料カスが周囲に飛んだり、見切り線が荒れたりすることがあります。
テープの端を持ち、塗装面と反対方向へゆっくり寝かせるように剥がすと、塗膜の端を傷めにくくなります。
こうすることで、マスカーやビニールに付いた塗料カスが周囲に散らばってしまうことが少なくなります。
養生は貼るときだけでなく、外すときの所作まで含めて仕上がりに関わります。

雨樋、配管、化粧胴差し(中間胴差し・幕板)、付け柱の養生を行う前には、テープが付きやすくなるよう、まず清掃をしっかり行います。
雨樋や配管は、表面にホコリ、チョーキングの粉、雨だれ汚れ、泥はねなどが付着していることがあります。
そのままテープを貼ると、粘着が弱くなり、作業中に養生がずれてしまう原因になります。
そのため、乾いた汚れはダスターや刷毛で払い、汚れが強い場合はウェスで拭き取ってから養生します。
雨樋、配管、化粧胴差しを塗装する場合は、養生をする前に足付けやケレンを行っておくと、後の作業がスムーズになります。
雨樋や配管の養生は、幅350mm〜500mm程度の養生ビニールで包み込んで養生するか、1,100mm、1,800mmマスカーなどで連続して貼り重ねて養生します。
縦樋を包む場合は、ビニールを樋の後ろ側から回し込み、前面で重ねてテープで留めると、作業中にめくれにくくなります。
丸い配管や樋は、平らな面と違ってテープが浮きやすいため、テープを一度に長く貼るのではなく、短いピッチで押さえながら巻くように固定します。
また、雨樋や配管に布テープを使用する際には、テープの粘着体が樋や配管に残らないよう、直射日光が当たりづらい裏側にテープを貼るなどの気遣いが必要です。
日当たりの強い面に長時間テープを貼ると、糊残りが出やすくなる場合があります。
化粧胴差しの養生は、化粧胴差しの下側から550mm幅や300mm幅のマスカーを貼り込みます。
化粧胴差し下側の養生を貼り込んだ後から、上側の養生をすると、塗料の入り込みを防ぎやすく、養生自体も剥がれにくくなります。
パラペットやベランダ笠木の養生も同様に、下側、側面、上側という流れで、塗料が潜り込みにくい重ね方を意識します。
幕板や胴差し部分は、外壁との境目が目立ちやすい部位です。
見切り線が波打つと、建物の水平ラインが乱れて見えるため、テープは目線を合わせ、水平を意識しながら貼ることが大切です。
なお、外壁などの塗装工事が終了し、汚染した樋、配管、胴差しの養生ビニールをめくる際には、カッターで養生材と塗装面の取り合いに少し切り込みを入れ、ゆっくり巻き取るようにめくります。
このとき、カッターの刃を深く入れすぎると、部材や仕上がった塗膜を傷つける恐れがあります。
刃先は浅く使い、塗膜の端部だけを切るような感覚で慎重に作業します。
雨樋や胴差しの養生は、細長い部材を美しく仕上げるための大切な準備です。
水平・垂直のラインが整うと、住まい全体がすっきり見えます。

外壁塗装では、建物に取り付けられているさまざまな機器や設備にも気を配りながら作業を進めます。
ベントキャップ、換気フード、エアコン配管カバー、物干し金物、屋外照明、ガスメーター、電気メーター、電気ボックス、給湯器など、日常生活に欠かせない付帯部は、マスカーや専用のビニールを使って丁寧に養生を行います。
付帯部の養生では、まず「塗装するもの」と「塗装しないもの」を明確に分けることが大切です。
たとえば、換気フードは塗装するのか、取り外して別で塗るのか、既存のまま残すのか。
配管カバーは塗るのか、外壁色に合わせるのか、別色で仕上げるのか。
こうした判断を曖昧にしたまま養生すると、仕上がり時に塗り残しや色の違和感が出ることがあります。
取り外しが可能な部品については、防犯上・設備上・施工上の問題がない範囲で事前に外して保管すると、塗装面がすっきりし、よりきれいに仕上げやすくなります。
取り外した部品は、紛失や破損を防ぐため、部位ごとにまとめ、ビスや小さな部品も分かるように保管します。
ベントキャップや換気口など、いつも通り換気が必要な場所については、養生をただ覆うだけではいけません。
ビニールで完全にふさいでしまうと、室内の換気が悪くなったり、設備の機能に影響したりすることがあります。
そのため、ビニールに通気穴を設ける、排気方向を避けて養生する、塗装時だけ一時的に覆うなど、工事中でも無理なく空気の通り道を確保します。
ガス給湯器まわりは、特に細心の注意が必要です。
排気口をビニールでふさいでしまうと、不完全燃焼の原因にもつながるため、排気部分だけは覆わないように安全性を最優先した養生を行います。
給湯器の養生では、本体の外装を塗料から守りつつ、吸気・排気・熱がこもる場所をふさがないことが大切です。
使用中の設備については、お客様に確認し、使用時間や使用頻度に合わせて、養生の方法を調整します。
また、屋外照明や電気メーターまわりでは、細かな凹凸が多く、テープが浮きやすいことがあります。
塗料が潜り込まないように小さなテープを分けて貼り、必要に応じてビニールを折り込んで部材の形に合わせます。
付帯部分の養生は、ただ汚さないためだけではなく、設備の機能と安全を守るための作業です。
暮らしに関わるものほど、丁寧な確認と慎重な養生が必要です。

外壁塗装を始める前には、建物のまわりにある大切なものが塗料で汚れてしまわないよう、もう一度ぐるっと周囲を確認します。
この確認では、エアコン室外機、植栽、車、バイク、自転車、物置、外部収納、ガーデニング用品、ホースリール、鉢植え、庭石、外構フェンスなどを一つひとつ見ていきます。
塗装作業に入る前に、動かせるものはお客様に確認したうえで安全な場所へ移動します。
動かせないものについては、形や素材に合わせてビニール、ブルーシート、不織布、専用カバーなどを使い分けます。
エアコン室外機を養生する場合は、塗料の飛散から守るだけでなく、運転時の吸気・排気・放熱を妨げないようにします。
室外機全体を密閉してしまうと、熱がこもり、機器に負担がかかることがあります。
そのため、室外機専用カバーを使用し、必要に応じて吹き出し口や吸い込み口をふさがない形で養生します。
塗装作業中にどうしても一時的に覆う必要がある場合は、作業後に速やかに外し、使用に支障がないことを確認します。
植栽を養生する際には、単にビニールで覆うだけではありません。
落葉樹、常緑樹、紅葉樹、針葉樹など植物の種類や季節の状況を把握し、植物が蒸れてしまったり、日光不足で弱ってしまったりしないように配慮します。
特に夏場は、ビニールの中が短時間で高温になりやすく、葉が焼けたり、蒸れて傷んだりすることがあります。
そのため、通気性の良い不織布を使用したり、塗装作業中だけ一時的に覆ったり、作業が終わったら早めに外したりします。
枝や葉を無理に押さえつけると折れたり傷んだりするため、必要に応じて支柱や軽いひもでやさしく逃がします。
鉢植えは、可能であればお客様に確認してから移動します。
重い鉢や割れやすい鉢の場合は、無理に動かさず、周囲を丁寧に養生します。
自動車、バイク、自転車の養生では、塗料の飛散だけでなく、ホコリや洗浄時の水しぶきにも注意します。
車両用カバーを使用する場合は、ボディに砂やホコリが付いたままカバーを掛けると、風でこすれて細かな傷が付くことがあります。
そのため、必要に応じて軽くホコリを払ってからカバーを掛け、風でめくれないように固定します。
ただし、強く縛りすぎると車両や部品に負担がかかることがあるため、素材や形状に合わせて固定方法を選びます。
また、足場に設置する飛散防止ネットだけでは塗料ミストやホコリが完全に抑えきれないと判断した場合には、ブルーシートや不織布シートを足場の内側に重ねて貼り、周辺保護をさらに高めた「二重の養生」を行います。
二重養生を行う際には、風の抜け方にも注意します。
養生ビニールを密閉しすぎると風を大きく受け、足場に負担がかかることがあります。
そのため、風向き、建物の高さ、隣家との距離、作業内容を見ながら、必要な範囲に適切に追加養生を行います。
エアコン室外機、植栽、車、バイク、自転車などの養生は、お客様の大切な暮らしの道具を守る作業です。
建物をきれいにする工事だからこそ、建物以外のものにも丁寧に気を配ることが、気持ちの良い外壁塗装につながります。
6. 塗装工事 養生作業の費用について

一般住宅の塗装工事における養生費用について、大体は外壁塗装の面積で見積もることができます。
ですから、外壁塗装面積に応じて大体の金額を把握することができます。
但し、建物の形状や作業環境によっては、この価格範囲に収まらない場合もあります。
- ■ ・外壁塗装面積 110~150㎡(一般的な2階建て住宅) 18,000円~30,000円程度(材工共)
- ■ ・外壁塗装面積 150~210㎡(大きめの2階建て住宅) 27,000円~39,000円程度(材工共)
- ■ ・外壁塗装面積 210~260㎡(3階建て住宅や大型2階建て住宅) 36,000円~48,000円程度(材工共)
※ 上記の養生作業は、「マスキングテープを貼り込んだ、緻密で丁寧な養生作業の施工価格」です。
7. 養生がいい加減な業者は、塗装工事の仕上がりにも注意が必要!

これまでお伝えした様に塗装工事の養生作業は、資材費用や手間がとても掛かる作業と言えます。
実際、塗装工事よりも養生作業の方が手間が掛かってしまうこともたびたびあります。
最近では、インターネットの一括見積サイトや相見積による工事金額の過当競争などによって、会社の利益を確保する為、本来養生すべき部分を養生せずにそのまま塗装してしまう、雑な作業をする業者も多くいます。
その結果、塗装後には塗料が所々に飛散していることも度々見かけます。
また、マスキングテープの貼り方がいい加減で、テープがしっかりまっすぐ貼られていないと、塗装部分しない部分との境目がきれいな直線にならないため、塗装の仕上がりや見栄えが汚くなってしまいます。
さらに近隣に対して適切な養生が行われてないと、塗料が近隣の建物や車に飛散した場合、近隣トラブルに発展してしまう恐れもあります。
なお非常識な業者の場合、近隣トラブルが発生した際、電話しても取り合ってもらえないケースもある為、注意が必要です。
ですから、塗装工事ご検討のお客様は、塗装工事の費用や塗料のグレードだけでなく、「養生についても、きちんと作業してくれるのか?」、「もし塗料の飛散があった場合、どう対応をしてもらえるか?」などを事前にしっかり確認し、信頼できる塗装業者を選びましょう。
8. 塗装工事の養生作業 よくある質問
塗装工事の養生作業に関するお客様からよくある質問をまとめました。
A. 養生とは、塗料が付着してはいけない部分を保護するための大切な工程です。
窓ガラス・玄関ドア・照明・植栽・車・床面などを、専用のマスカー(ビニールとテープの一体型資材)やブルーシートで丁寧に覆います。
これは単なる「汚れ防止」ではなく、仕上がりの美しさと塗装精度を左右する下準備なのです。
養生がしっかりしていれば、塗り際のラインが美しく、プロらしい仕上がりになります。
小林塗装では、わずかなすき間にも気を配りながら、一件ごとに最適な資材と手順で養生を行っています。
A. 建物の大きさや形状によって異なりますが、一般的な戸建住宅の場合、1〜1.5日程度が目安です。
養生は「スピード」よりも「正確さ」が重要です。
特に玄関周りやエアコン、バルコニーなど動線に関わる部分は、施工中も生活に支障が出ないよう、職人同士が調整しながら丁寧に作業します。
たとえば、窓の開閉を一時的に制限する場合には事前にお声かけをし、お客様の生活リズムを尊重しながら安全に作業を進めることを心がけています。
A. ご安心ください。
現在の養生資材は非常に進化しており、低粘着タイプのマスキングテープを使えば、サッシや塗装面を傷めることはほとんどありません。
ただし、アルミサッシや木部など素材によっては粘着の影響を受けやすいため、当店では素材ごとに最適なテープを使い分けています。
さらに、強い直射日光や高温下では粘着力が強くなるため、長期間の貼りっぱなしを避け、工程ごとに丁寧に貼り替えを行っています。
養生一つ取っても「職人の丁寧さ」が見える作業です。
A. 養生中は、基本的に窓や玄関ドアの開閉を制限させていただく場合があります。
これは、開け閉めの際にビニールが破れて塗料が付着してしまうことを防ぐためです。
ただし、長期間にわたる閉鎖は避けるよう、換気や生活動線を考慮した部分的な開放を行います。
また、施工前に「何日間・どの窓が使えないか」を明確に説明し、お客様のストレスが最小限になるよう配慮しています。
暑い季節やペットを飼われている家庭など、環境に応じた柔軟な対応も可能です。
A. 養生を外す際も、仕上げの一部として慎重に行います。
テープを勢いよく剥がすと塗膜を傷つける恐れがあるため、角度を一定に保ちながらゆっくりとはがしていきます。
また、剥がし跡が残らないよう、作業当日は温度や湿度を確認しながら、最適なタイミングで撤去します。
仕上げ後にはサッシ・ガラス・床などを最終清掃し、目立つ汚れやテープ跡がないか確認します。
養生の取り外しまで丁寧に行うことが、最終的な「完成度の高さ」に直結します。
A. 養生は、雨が降っても建物を守るよう設計されています。
ただし、風雨が強い場合はビニールが煽られて養生がめくれてしまう恐れがあるため、職人が天候を見ながら補強や一時的な撤去・再養生を行います。
無理に作業を進めず、天候と塗料の乾燥条件を優先することが、美しい仕上がりと長期的な塗膜保護につながります。
A. 養生に使う資材にはいくつか種類があります。
代表的なものを紹介します。
- ■ ・マスカー(ビニール+テープ一体型で窓・床面に使用)
- ■ ・ノンスリップシート(玄関やアプローチなど滑りやすい場所に)
- ■ ・ブルーシート(庭木や駐車場、通路の保護に)
- ■ ・養生テープ(サッシやサイディングの境界部に)
現場では素材の温度や湿度、塗料の種類に応じて使い分けを行い、粘着力・耐久性・通気性を考慮して選定します。
こうした細やかな対応こそ、プロの仕上がりを左右する大切なポイントです。
A. 換気扇やエアコンの使用は基本的に可能ですが、作業中に一時的に停止をお願いする場合があります。
外壁の塗装中に換気扇から外気を吸い込むと、塗料の臭気や粉塵が室内に入る恐れがあるためです。
また、室外機まわりは塗料の飛散を防ぐために養生カバーを掛けますが、通気確保用の隙間を設けて過熱を防止しています。
当店では、施工前にお客様の生活環境(調理・冷暖房・ペットなど)をお伺いし、無理のない範囲で安全かつ快適に過ごせるよう養生計画を調整しています。
外壁塗装の養生費用について
外壁塗装で使う養生マスカー完全ガイド|種類・用途・注意点を職人目線で解説
塗装のことなら丁寧な養生作業の小林塗装にお任せください。
小林塗装は、名古屋市にある塗装店です。
当店は、2,003年の創業以来、名古屋で丁寧な養生作業とワンランク上の塗装技術で外壁塗装を行っています。
外壁塗装のお見積りは無料です。
お気軽にお問い合わせください。
コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、コラム「塗装工事の養生作業とは?重要性や道具などをお伝えします」の筆者で、名古屋を拠点に「塗装工事の専門店」としてこれまで数多くの現場に携わり、30年以上に亘って培ってきた豊富な知識と経験を大切にしてきました。
当店のホームページでは、そうした多く経験の積み重ねから得た確かな技術やノウハウを、外壁・屋根・室内など塗装を検討されている一般のお客様に分かりやすくお伝えできるよう、コラムというカタチで発信しています。
塗装工事は、多くのお客様にとって一生のうちに何度も経験することではなく、「どの塗料を選べば安心なのだろう?」「そもそも何年くらいで塗り替えるのがいいの?」といった疑問や不安が尽きないものだと思います。
だからこそ、自分自身が専門家としての知識を惜しみなく共有しながら、どなたにも気軽に読んでもらえる言葉で、少しでも安心や納得につながる情報をお届けすることを心掛けています。
これからも初めて塗装工事を検討される方はもちろん、ちょっとした疑問を感じている方にも、肩ひじ張らずに読んでもらえる情報を発信し続け、住まいに寄り添う塗装の専門家としてお役に立てたら嬉しいです。
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