賃貸マンション・アパート 室内塗装「修繕トラブル」
賃貸マンションやアパートの室内塗装修繕は、どうしても 「短期間・低コスト・早期入居」が求められる工事です。
ですから、「退去後すぐに塗り直したい」、 「次の入居まで、あまり時間がない」、「できるだけ費用を抑えたい」といった事情から、仕上がりよりもスピードや価格が優先されやすい工事でもあります。
ただ、そこが本当に悩ましいところで、内装塗装は外壁塗装のように「遠くから眺める工事」ではなく、
住む人が毎日目にして、手で触れて、生活の中で使い続ける工事です。
だからこそ、施工品質の差が「見た目の違い」だけで終わらず、臭いが残る・汚れが戻る・木部が剥がれる・カビが再発するといった形で表面化しやすく、クレームや早期の再修繕につながりやすいこともよくあります。
このコラムでは、賃貸物件の室内塗装修繕で実際によく起きている「施工品質トラブル」と、その原因になりやすいポイントを現場目線で分かりやすく整理してお伝えします。
「次の募集を止めないために、どこを押さえておけばいいのか」、「見積の段階で、何を確認しておけば失敗しにくいのか」
オーナー様や仲介業者様が、冷静に判断しやすくなる内容でお伝えしてます。
賃貸マンション・アパート よくある室内塗装修繕トラブル1
「一見きれい」だけど、すぐに剥がれる・浮く

賃貸マンション・アパートの室内塗装で非常に多いのが、入居直後は問題ないけど
- ・ 数週間〜数か月で塗膜が浮いてくる
- ・ ドア枠やサッシ枠の角から塗装が剥がれてくる
などといったトラブルです。
| 不具合の主な原因 | ・ 既存壁紙や下地の汚れ・油分を落とさず塗装 |
賃貸マンション・アパート よくある室内塗装修繕トラブル2
塗りムラ・刷毛目・ローラー跡が目立つ

室内が「白くなったけど、なんだか雑に見える」そんな声につながるのが、塗りムラの問題です。
| 室内修繕塗装でよくある不具合 | ・ 光が当たるとローラー跡が浮き出る |
室内塗装は外壁よりも光の影響を受けやすく、手抜きがそのまま「安っぽさ」として表れてしまいます。
賃貸マンション・アパート よくある室内塗装修繕トラブル3. 「直したはず」の補修跡が逆に目立つ

室内の塗装修繕では、ビス穴、画鋲跡、木枠の凹み、壁面とドア枠などの隙間、廻り縁と壁面の隙間、巾木と壁面や床面の隙間、小さなクラックの補修がセットになっていることが多いですが、補修のやり方次第で、逆に目立ってしまうことがあります。
| 補修跡が逆に目立つ主な原因 | ・ 適切に化粧シーリングが行われていない |
特に賃貸では、「遠目ではOK、近くで見ると雑」といった状態が入居者の不満やクレームにつながりやすいです。
賃貸マンション・アパート よくある室内塗装修繕トラブル4. 室内に臭いが残り、入居に支障が出る

「塗装は終わったのに、臭くて入居できない」これも賃貸マンション・アパートの室内修繕でよくあるケースです。
| 室内に臭いが残る原因になるケース | ・ 溶剤系塗料(強溶剤、防カビ・ヤニ止めNADエマルション塗料)を選定している |
特に、小さなお子様、高齢者、ペット可物件では、室内の臭いはクレームに発展しやすく、再清掃・再換気=入居遅延につながることもあります。
賃貸マンション・アパート よくある室内塗装修繕トラブル5. 塗料選定が「とりあえず安い」
賃貸マンション・アパートの室内修繕では「とにかく安い」、「どの部屋も同じ」、という塗料選定がされがちですが、これが長期的にはコスト増になるケースも少なくありません。
| 問題点 | ・ 塗装が剥がれる、溶ける(適切な下処理が行われていない場合) |
結果として、「毎回、同じ部屋を何度も塗っている」
という状況になってしまうこともあります。
賃貸マンション・アパートの退去後修繕(原状回復)で、いちばん避けたいことは、「引き渡し直後はきれいに見えたのに、募集〜入居後に不具合が出て揉める」パターンです。
これは、塗装の良し悪しというよりも、見積の中身(下地処理・材料選定・乾燥・養生)でほぼ決まります。
ここでは、賃貸マンション・アパートで多い施工範囲を前提に、現実的な費用目安を「内訳が分かる形」で整理します。
※金額はあくまで概算です(地域、搬入条件、階数、駐車、下地状態、汚れの種類で変動します。)
賃貸の修繕塗装は、同じ1Kでも費用が大きく変わることがあります。理由はシンプルで、
生活履歴(ヤニ・油分・カビ・洗剤成分・擦れ)が下地に残っているほど、工程が増えるからです。
「安い=得」ではなく、安い理由が“工程の省略”だと、トラブルの種になりやすいので要注意です。
退去後の「壁・天井の再塗装(標準的な下地処理+水性塗料2回)」を基本にした目安です。
※木部・建具・水まわり天井・ヤニ止め・防カビ等は別途になりやすい項目です。
| 間取り(目安) | 主な施工範囲 | 費用目安 | この金額に入りやすい内容 |
|---|---|---|---|
| 1R〜1K | 居室+(小さめの)廊下周り | 6.5万円〜15万円前後 | 養生・拭き取り・軽微パテ・シーラー・上塗り2回 |
| 1DK〜1LDK | 居室+DK+廊下周り | 10万円〜23万円前後 | 上記+部屋数増に伴う養生/塗面積増 |
| 2DK〜2LDK | 居室2+DK/LDK+廊下周り | 18万円〜35万円前後 | 上記+補修増の可能性(角・継ぎ目・擦れ) |
| 3LDK | 居室3+LDK+廊下周り | 30万円〜45万円前後 | 上記+養生・パテ範囲・材料量が増えやすい |
「結局、何にお金がかかっているの?」が見えると、見積比較で迷いにくくなります。 下記は1部屋あたりの内訳イメージです。
| 項目 | 内容 | 目安金額(1部屋) | トラブル予防のポイント |
|---|---|---|---|
| 養生 | 床・巾木・枠・スイッチ/コンセント・設備保護 | 8,000円〜25,000円 | 養生が雑だと『塗料のはみ出し』が残ります |
| 下地処理(拭き取り/脱脂) | 皮脂・ホコリ・軽微汚れ、付着物除去 | 5,000円〜15,000円 | 油分残りは密着不良・剥がれの原因になります |
| パテ補修 | 画鋲跡・ビス跡・欠け・段差ならし | 0円〜20,000円(状態次第) | 光で段差が出ると「ムラ」に見える |
| 下塗り(シーラー等) | 密着UP・吸い込み止め・汚れ止め | 8,000円〜20,000円 | ここが弱いと『滲み・剥がれ』が起きやすいです |
| 上塗り(2回) | 水性塗料で仕上げ(ツヤ調整含む) | 25,000円〜55,000円 | 回数より「乾燥時間」と「塗りムラ管理」 |
| 諸経費 | 運搬・消耗品・廃材処分など | 5,000円〜15,000円 | 搬入条件が厳しいと増えることも |
賃貸の修繕塗装でトラブルが起きやすいのは、だいたいこのあたりです。
見積に入っていない場合は、『必要なのに省いていないか』だけ確認しておくと安心です。
| 追加項目 | よくある対象 | 目安費用 | 入れないと起きやすいトラブル |
|---|---|---|---|
| ヤニ止め(染み止め) | 喫煙部屋、キッチン周辺、古い生活汚れ | 1万円〜5万円(範囲次第) | 黄ばみ・油じみの再浮き |
| 防カビ処理+防カビ塗装 | 洗面所・トイレ天井、北側居室、結露部 | 1万円〜4万円(小範囲) | 数週間〜数か月でカビ再発 |
| 木部(枠・巾木・建具)塗装 | ドア枠、巾木、窓枠、廻り縁 | 5万円〜15万円 | 拭いたら色移り/早期剥がれ |
| 金属部(手すり等)塗装 | 手すり、金物、枠金具 | 1万円〜6万円 | サビ浮き・塗膜の膨れ |
| シーリング補修(室内) | 枠の取り合い、隙間、割れ目地 | 5,000円〜4万円 | 割れが残り、クレームになりやすい |
| パテ増し(修繕範囲が広い) | 補修跡が多い、角欠け、段差だらけ | 1万円〜9万円 | 「ムラっぽい」「中古感が残る」 |
- ・ 養生(床・建具・設備・共用部搬入動線)の記載がある
- ・ 下地処理(拭き取り/脱脂/付着物除去)の記載がある
- ・ パテ補修(範囲・回数・増しの条件)が書かれている
- ・ 下塗り(シーラー/ヤニ止め/防カビ等)が“必要に応じて”選定されている
- ・ 上塗りは2回が基本(ただし乾燥時間が確保される前提)
- ・ 木部は「ケレン(足付け)+専用下塗り」がセットになっている
- ・ 工期が短すぎない(乾燥時間を削る計画になっていない)
賃貸マンションやアパートの室内修繕塗装は、スピードも大切ですが、「トラブルで入居が遅れないこと」がもっと大切です。
そのためのコツは、材料名を追いかけるよりも、養生・下地処理・下塗り・乾燥が見積で言語化されているかを見ること。
きれいに仕上がって、においも残りにくく、剥がれも起きにくい。
その状態でスムーズに募集へ進めば、結果として修繕コストも時間コストも抑えやすくなります。
7. 賃貸マンション・アパート室内塗装の考え方|室内塗装は「回転率」だけで考えない

小林塗装では、賃貸アパートやマンション室内塗装修繕においても
- ・ 下地の状態確認
- ・ 汚れの種類(ヤニ・皮脂・カビ)
- ・ 入居者層(単身・ファミリー・高齢者)
を踏まえたうえで、「次の入居まで安心して使える塗装」を前提に工程を組み立てています。
室内塗装は、見た目を覆い隠す工事ではなく、住む人の居住性を整える工事です。
だからこそ、施工品質の差が、入居トラブルの有無として必ず返ってくる分野だと考えています。
8. まとめ|賃貸マンション・アパートの室内塗装修繕トラブルは「省いた工程」に比例します

賃貸マンション・アパートの室内塗装修繕で起きるトラブルの多くは
- ・ 省略された下地処理
- ・ 短縮された乾燥時間
- ・ 安易な材料選定
といった、目に見えない工程の省略が大きな原因です。
もし、すぐに剥がれる、クレームが多い、入居前に慌てることが多い
と感じている場合は、「塗り方」ではなく、「室内塗装の中身」を一度見直してみることをおすすめします。
室内の塗装修繕も外壁塗装と同じで「積み重ねの工事」です。
気になることがあれば、どうぞお気軽に相談ください。
9. 賃貸マンション・アパート 室内の塗装修繕よくある質問

A. はい、可能です。ただし「塗れるかどうか」よりも先に、“何の下地に、何が乗っているか”の確認がとても大切です。
賃貸アパートやマンションの室内は、ビニールクロス(壁紙)が主流ですが、クロスの上から塗れるケースもあれば、浮き・剥がれ・重ね貼り・カビ・ヤニの付着などで、塗装前の処理が必要になるケースもあります。
また、過去の修繕で「部分的にパテが厚い」「補修跡が目立つ」「汚れがしみ込んでいる」など、見た目だけでは判断しにくい要素も多いのが賃貸物件の特徴です。
塗装そのものはシンプルに見えますが、仕上がりは下地処理でほぼ決まるので、ここは省略しないのが基本です。
A. 目的によって向き不向きがあります。クロス張り替えは、柄や質感の選択肢が多く、短期間で見た目を一新しやすいのが大きな強みです。
一方で塗装は、継ぎ目がなくスッキリ見え、部分補修がしやすいというメリットがあります。
ただし賃貸アパートやマンションでは「次の入居者さんがどう感じるか」「管理会社やオーナー様が求める仕上げ水準は何か」が重要になります。
現場感で言うと、全体を均一に整える必要がある場合はクロス、軽微な汚れのリフレッシュや質感重視なら塗装、という選び方が多いです。
A. 間取りや範囲にもよりますが、ワンルーム〜2DK程度の「壁・天井塗装」であれば、2〜5日がひとつの目安です。
賃貸の場合は“次の入居までのスケジュール”があるので、つい工程を詰めたくなりがちですが、乾燥不足は密着不良や臭い残りの原因になりやすいです。
特に、梅雨時期や冬の結露が出やすい時期は、塗料の乾きが遅くなることがあります。
工期を短くするより、やり直しが出ない工程にする方が、結果的に早く・安く収まりやすいです。
A. 最近の賃貸アパートやマンションの室内塗装は低臭・低VOCの水性塗料が主流なので、昔ほど強い臭いは出にくいです。
ただし、においの原因は塗料だけではなく、ヤニ・生活臭・カビが換気で動いて気になるケースもあります。
対策としては、下塗り材(シーラー)を適切に選ぶ、換気を計画的に行う、乾燥時間を守る、といった基本を押さえること。
「早く貸したいから、とにかく急いで塗る」は、におい残りの最短ルートになりがちなので要注意です。
A. 可能です。ただし、ヤニや油分は“上から白を塗れば消える”というタイプの汚れではありません。
そのまま塗ると、後から黄ばみ(にじみ)が浮いてくることがあります。
そこで重要になるのが、脱脂・洗浄と、ヤニ止め(染み止め)シーラーの選定です。
現場では、汚れの種類と程度を見て「下塗りを1回で足りるか」「止めるために2回必要か」などを判断します。
この工程をきちんとやると、見た目だけでなく“戻り汚れ”が出にくくなります。
A. カビは「塗って隠す」だけの場合、再発しやすいので、基本的にはおすすめしません。
カビが生えるのには、結露・換気不足・断熱不足・水まわりの湿気など原因があります。
塗装修繕では、防カビ処理を行い、必要に応じて防カビ性のある塗料を使い、乾燥時間をしっかり確保するのが基本です。
そして大事なのは、可能な範囲で原因(湿気・結露)にも手を打つこと。ここまでできると再発リスクが下がります。
A. ほとんどの場合、原因は下地処理(ケレン=足付け)不足か、素材に合っていない下塗り材の選定です。
木部といっても、実際は化粧シートやプリント合板など塗料が塗りにくい素材が多く、壁よりずっと難易度が上がります。
そのため、研磨(足付け)をして密着性を上げ、専用プライマーを入れ、耐擦傷性のある仕上げ材を使う、という流れが重要です。
ここを省くと「雑巾で拭いたら色が付く」「爪が当たっただけで剥げた」になりやすいです。
A. 賃貸アパートやマンションでは「次の入居者さんが気持ちよく住めること」が一番の目的なので、低臭・低VOC・汚れにくさのバランスが良い塗料が選ばれやすいです。
また、廊下や玄関など擦れやすい場所は、耐擦傷性(こすれに強い)を意識すると、退去後の手直しが減る傾向があります。
ただし塗料の性能だけで解決できないのが、下地の問題です。
“良い塗料を塗ればOK”ではなく、下地+下塗り+乾燥が揃って初めて性能が活きる、と覚えておくと失敗しにくいです。
A. あります。金額だけを見るより、工程が書かれているかをしっかり見てください。
具体的には、養生、下地処理(洗浄・脱脂)、パテ補修、下塗り(シーラー)、上塗り回数、木部のケレン、などが入っているかがポイントです。
ここが省略されていると、現場では「工程を省く」方向になりやすく、結果として剥がれ・にじみ・臭い残りにつながることがあります。
賃貸は回転が早いぶん、こうした小さな手抜きが「次のクレーム」になりやすいので、要注意です。
A. 大きなメリットは、部分補修がしやすいことです。
クロスのように「一面まるごと張り替えないと色が合わない」という状況が起きにくく、うまく使うと修繕コストを抑えやすいです。
また、塗装は継ぎ目がなく、光の当たり方で部屋がすっきり見えやすいので、内見時の印象にもつながります。
ただし、下地処理が甘いとすべて逆効果になるので、塗装を選ぶなら工程の中身に強い業者に任せるのが安心です。
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大切な賃貸マンションやアパートの室内をいつまでもきれいに、そして快適に過ごしてもらうためには、日々のちょっとした手入れと、定期的なメンテナンスがとても重要です。
小林塗装では、賃貸マンションやアパート室内の汚れや住まいの環境をしっかりと見極めたうえで、最適なプランを提案しています。
見た目の美しさはもちろん、汚れにくさや耐久性にもこだわった品質本位のクリーニングや内装塗装を心がけています。
「うちもそろそろメンテナンスが必要かしら」「汚れが目立ってきたけれど何から相談すればいいのかわからない」など、どんな小さなことでもかまいません。
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コラム筆者
小林塗装 店主 小林ゆず
小林塗装の店主小林ゆずは、コラム「賃貸マンション・アパート 室内の修繕塗装」の筆者で、名古屋を中心に「塗装工事の専門店」としてこれまで数多くの現場に携わり、長年に亘って培ってきた豊富な知識と経験を大切にしてきました。
当店のホームページでは、そうした多く経験の積み重ねから得た確かな技術やノウハウを、外壁・屋根・室内など塗装を検討されている一般のお客様に分かりやすくお伝えできるよう、コラムというカタチで発信しています。
塗装工事は、多くのお客様にとって一生のうちに何度も経験することではなく、「どの塗料を選べば安心なのだろう?」「そもそも何年くらいで塗り替えるのがいいの?」といった疑問や不安が尽きないものだと思います。
だからこそ、自分自身が専門家としての知識を惜しみなく共有しながら、どなたにも気軽に読んでもらえる言葉で、少しでも安心や納得につながる情報をお届けすることを心掛けています。
これからも初めて塗装工事を検討される方はもちろん、ちょっとした疑問を感じている方にも、肩ひじ張らずに読んでもらえる情報を発信し続け、住まいに寄り添う塗装の専門家としてお役に立てたら嬉しいです。
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